記憶なし、魔力ゼロのおっさんファンタジー

コーヒー微糖派

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第17章 追憶の番人『公』

第227話 早速確認してみよう

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「ゼロラさーん!」
「ゼロラ殿ー!」
「おお、マカロンにリョウか。二人ともお疲れ様だったな」

 バクトとフロストの元を離れて宿場村に戻ってきた俺に、マカロンとリョウが駆け寄ってきた。

「あのですね! 聞いてください! リョウさんのおかげでね! ラルフルの魔力がね!」
「聞いておくれよ! ゼロラ殿! ラルフル君の魔力がね! マカロンにね!」

 二人して俺の両手を引きながら言いたいことを言おうとしてくる。子供か。

「その様子だと上手くいったみたいだな」
「上手くいったと言いますか……。とりあえず丸く収まりはしました」

 マカロンはどこか言い淀んでいるが、ラルフルの魔力の件については何かしらの決着は着いたようだ。

「それより、ゼロラさん! 私達、確認したいことがあるんです!」
「確認したいこと?」
「うむ。帰ってきて早々で悪いんだけど、ボク達と一緒についてきてほしい」

 マカロンとリョウに両手を引っ張られたまま、俺は言われるがままにある場所へ連れていかれた。
 ……好奇心旺盛な子供か。





 そんなこんなで俺が二人に連れてこられたのは、以前俺が鍛錬していた林の中だった。
 ここでマカロンに上半身裸の姿を見られたんだよな。今思い出しても恥ずかしい……。

「マカロン。この場所でよかったんだね?」
「はい。確かにここで見ました」

 リョウとマカロンが何やら話をしている。ここで何かするのか?

「では、ゼロラ殿。早速なんだけど――」

 リョウが俺に何かを頼み始めた。










「服を脱いで裸になってくれ」
「お前は何を言ってるんだ?」

 こいつ……少年少女趣味だけでは飽き足らず、とうとう俺のような年配の男にまで手を出すようになったか……。

「リョウさん!? その言い方では語弊がありますよ!?」
「あ! ホントだ!? ち、違うんだ! ボクは決してゼロラ殿の裸が見たいわけじゃないんだよ!」

 俺の裸が見たいわけじゃないのに、裸になれってどういうことだよ……。

「そもそもだよ! ボクが性的に興奮するのは相手が少年少女の場合であって、ゼロラ殿に対しては性的な目線ではなく、愛情的な目線で好意を抱いてるんだ! ボクは決してやましい気持ちでゼロラ殿の裸を見たいなどと――」
「分かったから。さっさと本題を言え」

 捲し立てるように弁解しつつも、どこか危ない内容が入っているリョウの発言だったが、とりあえず無視して本題を先に聞くことにした。

「実はだね、ゼロラ殿。マカロンが君の体から<灰色のオーラ>が出ているのを見たと言うんだ」
「ええ。あの時はしっかり見れませんでしたけど……もう一度あの時と同じ状況で再現して見せてくれませんか?」

 そうか。マカロンはあの時俺の体から溢れていた<灰色のオーラ>を見ていたんだな。
 だがあれは"紅の賢者"によって一時的に呼び起こされたものだ。
 あれから何度か俺自身も試していたのだが――

「生憎で悪いが、あの<灰色のオーラ>はあれ以来出せていない。あの時は変な奴に絡まれたことで出せたんだが、それ以降も俺自身の意志では出せないようだ……」
「そ、そうだったんですか……」
「ふむ……。その『変な奴』という人物も気にはなるけど、もしかしたらもしかするのかもね……」

 マカロンは俺が<灰色のオーラ>を出せないことを聞いて残念がっているが、リョウは何かを考えこんでいる。

「では、ゼロラ殿。やっぱり裸に――あ、いや、上半身だけ裸になってくれ」

 今度は何とか誤解なきように俺に半裸になることを依頼するリョウ。
 その話を聞いて顔を手で覆い隠すマカロン。

「ハァ……分かったよ。女の前で半裸になる趣味はねえが、それで<灰色のオーラ>のことが分かるならば頼む」

 俺にサイバラのような常時半裸のポリシーはないからな。

 俺は上着を脱いで上だけ半裸になった。

「う、うわわわ……! き、筋肉凄い……!」

 マカロンは俺の半裸姿を見て顔を真っ赤にさせながら指の間から覗いている。

「むぅ……」

 一方のリョウは俺の姿にも臆することなく、しっかりと見つめている。
 そこまで見られるとこちらが恥ずかしくなってくるが、リョウはある場所にのみ目を向けている。

「ゼロラ殿……辛かったよね……。レイキースに刺された傷がまだ残ってるよ……」

 あぁ、そうか。リョウは俺がレイキースに刺された傷を見るのは初めてだったな……。
 リョウは俺につけられた刺し傷を悲しそうな眼で眺めている。

「お前が辛いなら、俺は調べてもらわなくても構わないぞ?」
「いや、気にしないでくれ。ボクも君が放ったという<灰色のオーラ>に興味があるし……心当たりもある」

 <灰色のオーラ>に心当たりがあるだって?
 そんな疑問が浮かぶ俺に、リョウはさらに要求をしてきた。

「ゼロラ殿。君の体にボクが触れても構わないかな?」
「どうするつもりだ?」

 俺の体に触れようとするリョウにその目的を尋ねた。

「もう一度君の能力をボクの力で鑑定する。最初の水晶越しの時とは違い、今度は直に触って……綿密にね」
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