記憶なし、魔力ゼロのおっさんファンタジー

コーヒー微糖派

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第13章 王国が変わる日

第170話 王宮脱出戦・黒蛇部隊参戦

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「テヤァアア!!」
「ハイィヤァアア!!」

 自分はミリアさんとシシバさんと一緒に脱出するために王宮内を突っ切っています。目指すは正面ロビーです。ギャングレオ盗賊団と合流して中央から脱出を図ります!

「やるやないか、ラルフル! 流石はゼロラはんの弟子いうだけのことはあんな!」

 シシバさんが自分の戦い方を見て褒めてくれました。王国騎士団はかなりの数がいますが、今の自分ならばなんとか倒せます!

「この! 大人しく捕ま――!」
「うっさい、ボケェ! 誰が簡単に捕まったるかいな!」

 シシバさんもやっぱりかなり強いです。向かってきた騎士をトンファーというトの字型の武器で次々に返り討ちにしています。
 特にスピードが凄まじいので、残像を残しながら攻撃を受けずにどんどん倒してしまっています。
 この人もゼロラさん並に強いですね……!

「ラルフル! 回復は任せて!」
「ミリアさん! ありがとうございます!」

 ミリアさんは後方支援に回って、自分の回復をしてくれています。これなら持ちこたえられそうです。

「ミリア様! 俺には!? ちーっと疲れてきたんやけど!?」
「アンタさっきから一度もダメージ受けてないでしょ!」

 シシバさん。回復魔法は疲労には効果ないですよ……。



「やってくれたな、シシバ……!」
「ジフウさん!?」

 正面ロビーを目指す自分達の前に現れたのはジフウさん率いる黒蛇部隊でした。

「お? やるつもりなんか、兄貴? 見逃してはくれへんか?」
「できるわけねえだろ! 俺達黒蛇部隊には陛下直々に"王宮内の賊の排除"の命令が下されてるんだ! 相手がお前らであろうと、狼藉者は排除するのみだ!」

 ジフウさん達黒蛇部隊は何があっても陛下の命令を優先するようです。

「ハァ~……ジフウの兄貴も頭が固い。せやけど、ここで兄貴とやりあうんは悪手や。兄貴、アホほど強いもん」

 シシバさんが言うにはジフウさんの実力はシシバさん以上で、ここで下手に消耗するわけにはいかないようです。

「せやけどもや。さっきの兄貴の口振りからして、国王陛下からの更なる命令が下されればええってことやな。……それやったら、一つ考えがあるわ」

 シシバさんは何か閃いたようです。そして自分とミリアさんにつぶやき始めました。

「二人とも。悪いんやけど兄貴ら黒蛇部隊を足止めしといてくれへんか? 俺は用事があるからち~っとだけこの場を離れる」

 シシバさん!? この場を自分とミリアさんだけに任せるつもりですか!? 何を考えてるんですか!?

「こん中やと、一人で城内突っ走れるのは俺だけや。ジフウの兄貴も二人相手に本気は出さんやろ。やること終わったら戻ってくるさかい、任せたで!」

 シュゥウン!

 それだけ言い残すとシシバさんは消えるようにどこかへ行ってしまいました……。

「シシバの奴……何考えてやがんだ? まあいい。ポール、お前は他の三人を連れてシシバを追え。ラルフル達の相手は俺一人でする」
「わかりもすた。おいどもさシシバ追いますけん。……追いつける自信は微妙ですばい」

 ジフウさんの方は一人だけ自分達の前に残って、他の黒蛇部隊にシシバさんを追わせました。
 ……でもシシバさんに追いつけるんですかね?

「ラルフル。俺もこの王宮を守ることを命じられている以上、黙って見過ごすことはできねえ。"対ゼロラ用"に開発中のスタイルで、お前をぶちのめさせてもらうぜ!」

 ジフウさんは右半身を少し前に出すと右腕を上に、左腕が下にくるように平行に構え、手の平をこちらに向けて戦闘態勢に入りました。

「対ゼロラさん用のスタイルですか……。自分も興味はありますね。戦うしかないようですし、どこまで通用するかは分かりませんが、自分もお相手いたします!」
「ジフウ隊長と戦うことになるとはね……。アタシも回復で援護するわ! ラルフル、頑張って!」

 ミリアさんは自分の後ろに回って援護してくれることになりました。
 相手はゼロラさんと互角の実力を持つ強敵です。

 それでも……やれるだけのことはやってみます!
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