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第12章 舞台へ立つために
第155話 両手に華?
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今日、俺は王都に来ている。
バクト公爵との会談はまだだが、ガルペラから『ゼロラさんも王都の様子をもっと見ておくべきなのです』と言われたのでこうして調査のためにやって来た。
他にも誰か誘おうとしたのだが、シシバからは『ギャングレオ盗賊団頭領である俺が王都におるとマズいやろ』と言われ、ラルフルとミリアからは『用事があります』と言われて断られた。
そして俺と一緒に来てくれたのは――
「ゼロラさん! アクセサリーのお店ですって! 入ってみませんか!?」
――マカロンだ。
マカロンだけは意気揚々と俺の誘いに乗ってくれた。いや、俺がラルフルを誘った後にマカロンの方から押しよってきた。
ラルフルの奴、告げ口しやがったな……。
百歩譲ってマカロンと二人で王都を歩くのは良しとしよう。問題はマカロンの格好だ。
「あの姉ちゃん可愛くね?」
「ああ。胸もでかいし」
いつもの地味な服装ではない、華やかなドレス。
しかも胸元が強調されるように開いている。目のやり場に困る。道行く男たちもマカロンの姿に目を奪われているようだ。
「で、でもなんか隣のおっさんが怖いな……」
「ああ。関わらない方がよさそうだ……」
なんだか気に食わないから睨んで追い返す。
「あの……ゼロラさん……? 私と二人っきりはそんなに嫌だったでしょうか……?」
「あ、いや。そういうわけじゃねえんだ……」
俺が睨みを利かせているとマカロンがしょぼくれてしまった。
いかん、マカロンにいらぬ不安を与えてしまった……。
「なんというかな……。お前が他の男に見られるのが……嫌だ」
「そ、それって『こいつは俺の女だ』みたいな……!?」
違う! そうじゃない! いや、多分そうじゃないと思う!
くっ……リョウの一件があってからというもの、俺の周囲でこれまでにない経験が俺を襲ってきやがる!
記憶がないから過去にあったかどうかは分からないが!
だがこれだけは言える。俺は相当奥手な男だったようだ。
「と、とにかくあのお店に入ってみましょう! さあ、さあ!」
「そうだね。ボクもああいう店には入ったことないから一度行ってみたかったんだよね」
「お前ら揃いも揃って俺を振り回しやがって……」
マカロンもリョウも強引だ。俺が奥手なのをいいことに―― ん?
「いや!? 待て!? なんでリョウまでいる!? そもそも、お前リョウか!?」
「おや? なんだか前にも見たやり取りだね。久しぶりだな、ゼロラ殿」
「あ、リョウさんもいらしてたんですね」
いつだったかと同じようにいつの間にか俺達のやり取りに紛れ込んでいたリョウ。
あの日別れて以来久しぶりで尚更驚いたが、それよりも驚くべきはリョウの格好だ。
水色のワンピースに帽子。普段の白衣からは想像もつかない清楚で女性的な服装は衝撃的すぎる!
「あっちの姉ちゃんも可愛くね?」
「ああ。でも胸がないな」
俺達を見ていた野次馬からはそんな言葉が聞こえた。
その瞬間、リョウから殺気のようなものが見えて野次馬は逃げていった。
「はぁ~……やっぱり胸なのかな? ボクもこれぐらいあればなー!」
モミモミモミモミ
「リョ、リョウさん!? また!?」
リョウが嫉妬の表情でマカロンの胸を揉み始めた。こいつの暴走は慣れているが、こんな風に暴走するのを見るのは初めてだ。
なんだかリョウが変わってしまって寂しい気がする。
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ!」
「やっぱりいつもの暴走じゃねえか!」
俺はマカロンの胸を興奮しながら揉み続けるリョウの頭をひっぱたいた。
やっぱりこいつは"あの"リョウだ。根本的な部分は変わってない。
魔幻塔に配属されて離れ離れになって心配だったが、杞憂だったようだ。
「だが、リョウ。なんでお前までここにいるんだ?」
「それはボクの情報網を使ったのさ。もちろん君に会うためにね」
「わざわざ魔幻塔を抜け出して?」
「うむ」
そう面と向かって言われると恥ずかしい。
改めて思うがリョウの行動力はすごい。良くも悪くも積極的だ。
魔幻塔の監視はかなりキツイとの話だったが、こいつにはそれもお構いなしのようだ。
「でもマカロンがいるのは想定外だったね。抜け駆けは許さないよ」
「あら? リョウさんだってわざわざ勝負服を着てまでやって来たんです。おあいこですよ」
二人の間で火花が散っているような気がする。でも不思議と仲は悪くないようだ。これもリョウが何か仕掛けたからなのだろう。
「悪いがゼロラ殿はボクがもらうからね!」
「私がそれを簡単に許すと思ったら大間違いです!」
それは当人の目の前で言う事じゃないだろ……。
バクト公爵との会談はまだだが、ガルペラから『ゼロラさんも王都の様子をもっと見ておくべきなのです』と言われたのでこうして調査のためにやって来た。
他にも誰か誘おうとしたのだが、シシバからは『ギャングレオ盗賊団頭領である俺が王都におるとマズいやろ』と言われ、ラルフルとミリアからは『用事があります』と言われて断られた。
そして俺と一緒に来てくれたのは――
「ゼロラさん! アクセサリーのお店ですって! 入ってみませんか!?」
――マカロンだ。
マカロンだけは意気揚々と俺の誘いに乗ってくれた。いや、俺がラルフルを誘った後にマカロンの方から押しよってきた。
ラルフルの奴、告げ口しやがったな……。
百歩譲ってマカロンと二人で王都を歩くのは良しとしよう。問題はマカロンの格好だ。
「あの姉ちゃん可愛くね?」
「ああ。胸もでかいし」
いつもの地味な服装ではない、華やかなドレス。
しかも胸元が強調されるように開いている。目のやり場に困る。道行く男たちもマカロンの姿に目を奪われているようだ。
「で、でもなんか隣のおっさんが怖いな……」
「ああ。関わらない方がよさそうだ……」
なんだか気に食わないから睨んで追い返す。
「あの……ゼロラさん……? 私と二人っきりはそんなに嫌だったでしょうか……?」
「あ、いや。そういうわけじゃねえんだ……」
俺が睨みを利かせているとマカロンがしょぼくれてしまった。
いかん、マカロンにいらぬ不安を与えてしまった……。
「なんというかな……。お前が他の男に見られるのが……嫌だ」
「そ、それって『こいつは俺の女だ』みたいな……!?」
違う! そうじゃない! いや、多分そうじゃないと思う!
くっ……リョウの一件があってからというもの、俺の周囲でこれまでにない経験が俺を襲ってきやがる!
記憶がないから過去にあったかどうかは分からないが!
だがこれだけは言える。俺は相当奥手な男だったようだ。
「と、とにかくあのお店に入ってみましょう! さあ、さあ!」
「そうだね。ボクもああいう店には入ったことないから一度行ってみたかったんだよね」
「お前ら揃いも揃って俺を振り回しやがって……」
マカロンもリョウも強引だ。俺が奥手なのをいいことに―― ん?
「いや!? 待て!? なんでリョウまでいる!? そもそも、お前リョウか!?」
「おや? なんだか前にも見たやり取りだね。久しぶりだな、ゼロラ殿」
「あ、リョウさんもいらしてたんですね」
いつだったかと同じようにいつの間にか俺達のやり取りに紛れ込んでいたリョウ。
あの日別れて以来久しぶりで尚更驚いたが、それよりも驚くべきはリョウの格好だ。
水色のワンピースに帽子。普段の白衣からは想像もつかない清楚で女性的な服装は衝撃的すぎる!
「あっちの姉ちゃんも可愛くね?」
「ああ。でも胸がないな」
俺達を見ていた野次馬からはそんな言葉が聞こえた。
その瞬間、リョウから殺気のようなものが見えて野次馬は逃げていった。
「はぁ~……やっぱり胸なのかな? ボクもこれぐらいあればなー!」
モミモミモミモミ
「リョ、リョウさん!? また!?」
リョウが嫉妬の表情でマカロンの胸を揉み始めた。こいつの暴走は慣れているが、こんな風に暴走するのを見るのは初めてだ。
なんだかリョウが変わってしまって寂しい気がする。
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ!」
「やっぱりいつもの暴走じゃねえか!」
俺はマカロンの胸を興奮しながら揉み続けるリョウの頭をひっぱたいた。
やっぱりこいつは"あの"リョウだ。根本的な部分は変わってない。
魔幻塔に配属されて離れ離れになって心配だったが、杞憂だったようだ。
「だが、リョウ。なんでお前までここにいるんだ?」
「それはボクの情報網を使ったのさ。もちろん君に会うためにね」
「わざわざ魔幻塔を抜け出して?」
「うむ」
そう面と向かって言われると恥ずかしい。
改めて思うがリョウの行動力はすごい。良くも悪くも積極的だ。
魔幻塔の監視はかなりキツイとの話だったが、こいつにはそれもお構いなしのようだ。
「でもマカロンがいるのは想定外だったね。抜け駆けは許さないよ」
「あら? リョウさんだってわざわざ勝負服を着てまでやって来たんです。おあいこですよ」
二人の間で火花が散っているような気がする。でも不思議と仲は悪くないようだ。これもリョウが何か仕掛けたからなのだろう。
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