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第1章 転生からの逃亡
第3話 人生設計
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苦情で埋め尽くされたチャットは強制的に閉じられ、現在は天使様の姿のみ映し出されている。
『【職業】の次は各種設定を行ってもらいますが、基本的に行き先選択と【職業】の二つから導き出された内容が自動で入力されています。ですので、これから行うことは各自に割り振られたポイントで追加購入するということです』
今回も今までと同様に、やり直し不可で制限時間があるそうだ。
制限時間がすぎた場合は、ポイントを没収されるみたいだから気をつけよう。
まぁ人生をやり直せることの方が奇跡なわけだから、やり直し不可でも不思議ではない。
むしろ選ばせてくれていることに感謝すべきだ。
『ステータスは二つに分かれています。片方は身分証として使用する場合もあるため、他人に見せることもあるでしょう。もう一方はスキル等の能力に関する情報が表示されていますので、あまり他人に見せるべきではないということは覚えておくといいでしょう』
どちらも一部だけ見せることも可能らしいが、最善は見せないこと。間違いない。
「気をつけます。ありがとうございます」
チャットは切られているけど、一応返事をしておきたかった。
『まずは身分証の画面から見ていきましょう』
【名 前】ソウマ・ハヤシダ
【年 齢】15歳
【性 別】男性
【種 族】普人族
【職 業】魔獣学者
【レベル】15
【状 態】健康
【従 魔】不可
完璧に整っている。
変更できる部分が見つからない。
『次は能力情報の画面を見ましょう』
【元気量】100
【魔力量】100
【ギフト】
【スキル】
〈固 有〉魔獣図鑑
〈常 時〉頑強:1
精神耐性:4
苦痛耐性:5
魅了耐性:5
鑑定妨害:5
〈任 意〉気配察知:3
気配遮断:3
索敵:1 隠形:1
解析:1 筆術:1
呼吸:4 歩法:3
速読:4 暗記:3
観察:3 料理:3
無属性魔法:1
魔 法:選択不可
称 号:異世界人 (隠蔽)
生命神の加護(隠蔽)
おぉー。これまた完璧だ。
というか、スキル多くないか?
全員平等にユニークスキル一つに、パッシブかアクティブスキルを五つだったはず。
補足として、【職業】の階級によってスキルのレベルが変動すること。さらに、王城行きの御礼分が付与されていることにより、スキルが六つ以上になる人もいるそうだ。
……にしても多すぎないか。
いいんだけど、タダより高い物はないって言うからね。心配だ。
『【ギフト】は後ほど女神様が付与されますので、空欄でも問題ありませんよ。それでは各自で設定して下さい。質疑応答も開始しますので、分からないことはマイクに向かって質問して下さい』
チャットが開いた瞬間、苦情の嵐が凄まじい。
特にドラゴニュートくん。
他には、王城行きを選択しなかったらしい愚か者たち。
あれ? おっさんも?
というか、リクエストした人全員だ。
「おっと。制限時間があったんだった」
画面に砂時計が表示され、それが制限時間を表しているのはすぐに分かった。ゆえに急がねば。
もらったポイントは、二五〇ポイント。
多いのか少ないのか分からないが、ポイントの消費が最低でも一〇ポイントであることから、多い方なのかもしれない。
レベルも上げられるらしいから、慎重に計算しながら進めていこう。
まずは取扱説明書を購入。
損して得取れという言葉があるように、たかが二〇ポイントをケチって選択に失敗するなんて目も当てられない。
「ほうほう、種族を変えられると。懸念があるとすれば人族至上主義国家に転生するということか……。奴隷とか嫌だよ」
早速購入した取扱説明書は知識のインストールと同様の方法で体に反映され、変更可能箇所やそれに伴うメリットなどが記憶として思い出せるようになった。
それによると、最初に変更するべき項目は種族らしい。
エルモアールの人間は元気量と魔力量の増加や、肉体年齢によって寿命が変わるらしい。
肉体年齢は武術の訓練などによって鍛えられていれば、若さを保っていられるらしい。
つまり、サ○ヤ人だ。
では、種族変更のメリットがないような気がしないでもない。
長命に憧れてエルフを選んだ場合、七〇ポイントも取られるんだぞ? 損した気分だろう。
しかし、もちろんメリットはある。
他の人は努力を積み重ねた結果、寿命が延びるかもしれない。
でも、エルフは努力をしなくても寿命が長いことが確約されているのだ。時間を有効に使えるわけだ。
他にも一部スキルが半額だったり、元気量や魔力量の補正があったり価格に見合うだけのメリットはある。
ただし、当然デメリットもある。
人族至上主義国家にとって一番人気の奴隷種族らしい。
見目が良いことに加えて戦闘力も低くはない上に長寿だ。世代を超えて使い続け、経済的に苦しくなっても売れば一財産になるほどの値がつく。
所持することが一種のステータスで、上流階級の憧れの的らしい。
問、これから向かう地はどんな場所?
解、人族至上主義国家の王城。
はい、詰みます。
奴隷街道を歩むことを防ぐ方法の一つに、スキル【偽装】で偽るという方法があるが、異世界転生したばかりの赤ちゃんが熟練の専門家を騙せるかどうかという懸念が拭えない。
見破られた場合のことを考えると、奴隷街道に進みそうな種族はやめた方がよさそうだ。人生がかかっているときに冒険できない。
ということで、見た目がほぼ普人族の「上位人族」に変更しよう。
「おぉ。アバターができた」
アバターの目がチカチカと点滅しているが、これには理由がある。
俺が上位人族を選んだ理由の一つが、【魔眼】を取得できるという中二病をくすぐる文言を見つけたからだ。
魔眼は、魔人族と上位人族しか取得できない
種族固有のスキルらしい。
魔人族は魔眼ガチャを回すことでランダムに決まるらしいが、上位互換である上位人族はポイントを使えば好きな魔眼を購入できるという。
購入しなくても魔人族同様にガチャを回すことで、何かしらの魔眼を無料で取得するらしい。
当然、俺は買う。
ハズレを引いた場合、呪われた魔眼が疼き出したら困るだろう。
「目が……目が……、疼くんですっ」
「花粉症ですね」
どこぞの眼科のやり取りをすることになるかもしれない。それは嫌だ。
「まぁ現在進行形でボッチの俺にツッコむ者はいないだろうけど」
独り言を言っている間にスキルの目星もつけ終え、魔眼に使えるポイントも算出できた。
よし、決めた。
『【職業】の次は各種設定を行ってもらいますが、基本的に行き先選択と【職業】の二つから導き出された内容が自動で入力されています。ですので、これから行うことは各自に割り振られたポイントで追加購入するということです』
今回も今までと同様に、やり直し不可で制限時間があるそうだ。
制限時間がすぎた場合は、ポイントを没収されるみたいだから気をつけよう。
まぁ人生をやり直せることの方が奇跡なわけだから、やり直し不可でも不思議ではない。
むしろ選ばせてくれていることに感謝すべきだ。
『ステータスは二つに分かれています。片方は身分証として使用する場合もあるため、他人に見せることもあるでしょう。もう一方はスキル等の能力に関する情報が表示されていますので、あまり他人に見せるべきではないということは覚えておくといいでしょう』
どちらも一部だけ見せることも可能らしいが、最善は見せないこと。間違いない。
「気をつけます。ありがとうございます」
チャットは切られているけど、一応返事をしておきたかった。
『まずは身分証の画面から見ていきましょう』
【名 前】ソウマ・ハヤシダ
【年 齢】15歳
【性 別】男性
【種 族】普人族
【職 業】魔獣学者
【レベル】15
【状 態】健康
【従 魔】不可
完璧に整っている。
変更できる部分が見つからない。
『次は能力情報の画面を見ましょう』
【元気量】100
【魔力量】100
【ギフト】
【スキル】
〈固 有〉魔獣図鑑
〈常 時〉頑強:1
精神耐性:4
苦痛耐性:5
魅了耐性:5
鑑定妨害:5
〈任 意〉気配察知:3
気配遮断:3
索敵:1 隠形:1
解析:1 筆術:1
呼吸:4 歩法:3
速読:4 暗記:3
観察:3 料理:3
無属性魔法:1
魔 法:選択不可
称 号:異世界人 (隠蔽)
生命神の加護(隠蔽)
おぉー。これまた完璧だ。
というか、スキル多くないか?
全員平等にユニークスキル一つに、パッシブかアクティブスキルを五つだったはず。
補足として、【職業】の階級によってスキルのレベルが変動すること。さらに、王城行きの御礼分が付与されていることにより、スキルが六つ以上になる人もいるそうだ。
……にしても多すぎないか。
いいんだけど、タダより高い物はないって言うからね。心配だ。
『【ギフト】は後ほど女神様が付与されますので、空欄でも問題ありませんよ。それでは各自で設定して下さい。質疑応答も開始しますので、分からないことはマイクに向かって質問して下さい』
チャットが開いた瞬間、苦情の嵐が凄まじい。
特にドラゴニュートくん。
他には、王城行きを選択しなかったらしい愚か者たち。
あれ? おっさんも?
というか、リクエストした人全員だ。
「おっと。制限時間があったんだった」
画面に砂時計が表示され、それが制限時間を表しているのはすぐに分かった。ゆえに急がねば。
もらったポイントは、二五〇ポイント。
多いのか少ないのか分からないが、ポイントの消費が最低でも一〇ポイントであることから、多い方なのかもしれない。
レベルも上げられるらしいから、慎重に計算しながら進めていこう。
まずは取扱説明書を購入。
損して得取れという言葉があるように、たかが二〇ポイントをケチって選択に失敗するなんて目も当てられない。
「ほうほう、種族を変えられると。懸念があるとすれば人族至上主義国家に転生するということか……。奴隷とか嫌だよ」
早速購入した取扱説明書は知識のインストールと同様の方法で体に反映され、変更可能箇所やそれに伴うメリットなどが記憶として思い出せるようになった。
それによると、最初に変更するべき項目は種族らしい。
エルモアールの人間は元気量と魔力量の増加や、肉体年齢によって寿命が変わるらしい。
肉体年齢は武術の訓練などによって鍛えられていれば、若さを保っていられるらしい。
つまり、サ○ヤ人だ。
では、種族変更のメリットがないような気がしないでもない。
長命に憧れてエルフを選んだ場合、七〇ポイントも取られるんだぞ? 損した気分だろう。
しかし、もちろんメリットはある。
他の人は努力を積み重ねた結果、寿命が延びるかもしれない。
でも、エルフは努力をしなくても寿命が長いことが確約されているのだ。時間を有効に使えるわけだ。
他にも一部スキルが半額だったり、元気量や魔力量の補正があったり価格に見合うだけのメリットはある。
ただし、当然デメリットもある。
人族至上主義国家にとって一番人気の奴隷種族らしい。
見目が良いことに加えて戦闘力も低くはない上に長寿だ。世代を超えて使い続け、経済的に苦しくなっても売れば一財産になるほどの値がつく。
所持することが一種のステータスで、上流階級の憧れの的らしい。
問、これから向かう地はどんな場所?
解、人族至上主義国家の王城。
はい、詰みます。
奴隷街道を歩むことを防ぐ方法の一つに、スキル【偽装】で偽るという方法があるが、異世界転生したばかりの赤ちゃんが熟練の専門家を騙せるかどうかという懸念が拭えない。
見破られた場合のことを考えると、奴隷街道に進みそうな種族はやめた方がよさそうだ。人生がかかっているときに冒険できない。
ということで、見た目がほぼ普人族の「上位人族」に変更しよう。
「おぉ。アバターができた」
アバターの目がチカチカと点滅しているが、これには理由がある。
俺が上位人族を選んだ理由の一つが、【魔眼】を取得できるという中二病をくすぐる文言を見つけたからだ。
魔眼は、魔人族と上位人族しか取得できない
種族固有のスキルらしい。
魔人族は魔眼ガチャを回すことでランダムに決まるらしいが、上位互換である上位人族はポイントを使えば好きな魔眼を購入できるという。
購入しなくても魔人族同様にガチャを回すことで、何かしらの魔眼を無料で取得するらしい。
当然、俺は買う。
ハズレを引いた場合、呪われた魔眼が疼き出したら困るだろう。
「目が……目が……、疼くんですっ」
「花粉症ですね」
どこぞの眼科のやり取りをすることになるかもしれない。それは嫌だ。
「まぁ現在進行形でボッチの俺にツッコむ者はいないだろうけど」
独り言を言っている間にスキルの目星もつけ終え、魔眼に使えるポイントも算出できた。
よし、決めた。
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