Their love last forever

薔 薇埜(みずたで らの)

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いつからだろう。
急に頭が重く感じた。
でも身体はなんだかふわふわしていて。
熱っぽい感覚を持ちつつ遠のいていく意識。

自分でも何を言っているのか、わからなくなってきた頃、ふと視界が歪んだ。
ここで光紀の記憶は途絶えた。


違和感を感じて目を開けると、光紀は何だか見慣れた場所にいた。
辺りを見回してみると、やはりここは自分が働いている職場の一室だった。
どうやらこのベッドで眠っていたらしい。

しかし、自分がどうして学校の保健室で睡眠なんか取っていたのか、光紀は全く思い出すことが出来なかった。
ついでにその前の自分の行動も思い出すことが出来ない。

上体を起こし、周りを見たがカーテンを阻まれて何もわからない。
物音一つしないから、誰もいないことはわかった。

わけがわからず途方に暮れる。

すると突然、ガラガラー、とドアの開く音がした。
誰かが入ってきた、そう思うなり光紀はなんとなく布団に身を潜めた。

入ってきた誰かの足音は真っ直ぐこちらに近づいてくる。
自分から起き上がって誰がいるのか確認してもよかったのだが、カーテン越しだとなんだかそんな気分にはならなかった。
その足音はカーテンの前で止まった。

一瞬の間があったが、ゆっくりとカーテンが開いてそこには謙がいた。

「あ、起こしちゃった? 大丈夫?」
謙が心配そうに覗き込んでくる。

光紀はこの一言で今までの事情がなんとなくわかった気がした。
自分が倒れてここに運ばれたのだと。

「・・・うん、もう大丈夫」
「どうしたの? 昨日体調悪かったとか?」
「いや、昨日あのあと眠れなくて・・・。ちょっとした寝不足だから気にしないで」

昨日の出来事を思い出して、二人は互いに顔を背かせた。



7時頃だったか。
夕飯を作り終えた光紀は謙を呼びに行く。

そのころ謙はといえば、自室で明日の授業の準備をしていた。
『謙、ご飯できたよ』
『わかった、すぐ行く』

今夜の夕飯はオムライスだ。
これは謙の好きな料理で、光紀が一番最初に覚えたものだった。

『いただきます』
いつものように手を合わせて行儀よく食べ始める。

食べる時はテレビを消して、二人で話しながら食べることが習慣だった。
今日もいつものように話しながらの食事。
今日一日の出来事や、明日の予定、生徒のことなどありきたりな話ばかりする。
それが二人にとってお互いの生活を知る時間となっている。

そんなこんなで、食事の時間はすぐに終わってしまう気がしているのだが、実際はいつも1時間以上かかている。

食事が終わったのは、8時頃だった。
作るのが光紀なら、片付けは謙がする。

今日の洗い物は量がそこまで多くない。
それでもないわけではないから、シンクの前に立ち腕まくりをする。
スポンジに泡を立てて、皿を洗い始めた。

と、後ろから腕が腰に伸びてきた。
『終わったらさ、久しぶりにヤろ?』
光紀が耳元で囁くように誘う。

『今日はやだよ。また今度ね』
そう言いながら謙は光紀の鼻頭にちょんと泡をつける。
『ん、またそれ? もう二十三回目じゃん』

数を数えていたことには驚いたが、それよりももうこんなに断っていたことに、いくら諸事情があったとはいえ罪悪感を覚えた。
『なぁ、いいだろ?』

『だから、今日はまだだめ。もうそろそろなんだから』
しつこく誘ってくる光紀に少しイラついた謙はキツめの口調で突き返してしまう。

『何がそろそろなわけ?』
光紀も声を荒らげる。

その問いに謙はあからさまに言葉を詰まらせた。
『・・・いや、それはその・・・・・・』
『なんで隠すんだよ、ひどくない? 謙って俺に隠し事するんだ』

その事実にショックを受けた光紀は頭に血が上り冷静に話が出来る状態ではなくなっていた。
それでも謙があやふやな態度をとっているから、余計に苛立って仕方ない。

『なんでだよ!! こんなこと一回もなかったのにっ』
『ちがっ、そうじゃなくて』
光紀に一方的に押されて謙は何も言い返せなくなってしまう。

そんな謙に光紀は容赦なく責め立てる。
『そうじゃないならなんだって言うんだよ!!』
『それはその・・・』

『やっぱりそうなんだろ。もういいよ、謙なんて知らないっ』
そう言い放つと光紀はばたんと自室に走り込んでしまう。

謙は呆然とし、力の抜けた足では立っていられなくなりその場に座り込む。

どうして正直に話さなかったのか。
今頃になって悔いても仕方ないのだが、それだけがどうしても納得出来ない。

気づくと頬に涙が落ちていた。
今、泣いていいのは自分じゃない。
先に裏切ったのは自分なのだ。
光紀の方が傷ついた。
分かっていても謙の目からは涙が止まらない。

この部屋には今、謙以外誰もいない。
そんな静かな部屋には出しっぱなしの水の音だけが響く。
このままこうしていても埒が明かないから、謙は水を止めて電気を消し自室に戻る。

一方その頃、光紀は自室に閉じこもるとベッドの上にうつ伏せになった。
少し言い過ぎたかな、と思う反面どうして言ってくれないのか、ということにまだ苛立ちが収まらない。

こんなこと、これまで一度もなかったのにどうして、と悲しくて悲しくて仕方がないのに涙一つ出てこない。
こんな思いを抱えたままなら、いっそ一晩泣き明かしたほうが楽になれたかもしれない。

それすらも神様は許してくれないのか、そんなことを考えていると、気づいた時には既に夜が明けて朝日が射していた。
それから学校に行くまで二人は、一度も顔を合わせることはなかった。

学校についてからは何度か顔を合わせることもあったが話をすることはなく、時間だけがただ過ぎる。

そんなとき、光紀が倒れたと聞いて気が気ではなくなった謙は、授業を放り出して来た。


「まだ授業中だろ。大丈夫なのか?」

この空気に耐えられなくなった光紀が先に口を開いた。

「うん、大丈夫。授業は自習にしてきたから」
このまてして来てくれたことに驚き、そして嬉しくもあった。
そんな謙に昨日は怒鳴ってしまった。

罪悪感を持った光紀は自分から謝ることにした。
「・・・その、昨日は悪かったな。怒鳴ったりして」

光紀の突然の言葉に虚をつかれた謙は反応に一瞬遅れた。
「っいや、僕が悪いんだ。ごめん、隠し事なんてするんじゃなかった・・・。でも、これだけは言えないんだ。わかって欲しい」

謙の言葉に、まだ食い下がってみる。
「へぇー、まだそんなこと言ってるんだ。しょうがないな」

そう言うと光紀は謙の顔を近づけ、唇を重ねた。
久しぶりのキスに酔いしれながらも、ここが職場だということを自覚し、唇を離した。

「帰ったら容赦しないから」
光紀はベットから降りるとそう一言言い残し、保健室を出た。


家に帰ると先に帰っていた謙がソファーで上着も脱がずに寝ていた。

自室に荷物を置き、冷蔵庫からソーダの入ったペットボトルを取り出した光紀は、それを片手にソファーの前に腰を下ろす。

ぐっすり眠っている謙の顔を見ながらソーダを一口飲む。
やっぱり甘いな、とフタもしないでテーブルに置いて謙の頭を撫でる。

そうしているとこの1ヶ月間焦らされた欲が、抑えられないほど溢れ出てくる。

「謙が悪いんだからな」
そう言って光紀は謙の唇に自分のそれを重ねた。

謙がなんだか息苦しいなと思って目を開けると、光紀の顔が目の前にあることに驚き、動揺した末に肩を勢いよく突き飛ばしてしまう。
「あっ、ごめん。・・・おかえり」
「ただいま」

「体調は大丈夫?」
今日、光紀が倒れたことをまだ気にしている様子の謙はまた心配そうな顔をして聞いてくる。

「もう平気。それより、何寝てるんだよ、ヤるための体力温存ってか」
光紀が少し揶揄うと謙は真っ赤になって激しく否定した。
「っ、なななに言ってるの!! そんなわけないじゃん!!」

「そんなに否定することなくない? ま、関係ないけど」
そう言いながら光紀は再びキスをする。
「はぅ・・・んん、謙・・・っ好きだよ、大好きっ、だからっ!!」
「んふ・・・お、れもっ・・・」
今度のキスは互いの気持ちを確かめるようにする。

それが次第に深くなっていく。
「っんん・・・!!」
光紀が舌を入れてきた。
謙は久しぶりのことに動揺を隠せずにいる。
「俺・・・それ、・・・はぅっ」
最初は無理なり入ってくる舌に久しぶりのあまり驚き、慣れるまでに少し時間が掛かり、光紀を掴む手の力が強くなってしまっていた。

しかし、一度舌が抜かれ唇のあたりを舐められると、体がびくっと反応して無意識に口が開きされるがままの状態になってしまう。
その隙を逃さず一瞬のうちに光紀の舌がまた入ってくる。
さっきまでは驚きや不安のあまり舌が入ってくることに否定的な感情を持っていた謙だがら今は不安も驚きもない。

それでも謙はこの行為が好きではなかった。
当然それは光紀も知っていることだ。
「・・・はぁはぁ、一ヶ月っキスひとつ、してくれなかったんだから、はぁ・・・今日はもう我慢出来ない。どうなっても知らないからな・・・はむぅ」

再三無理やり唇を割られ入ってきた光紀の舌が謙の舌に絡みついてくる。
そのまま光紀が顔を傾けると、謙の舌に絡みついていたものが歯列の付け根に触れ上下ともに器用に舐め回す。
「っはぁ、・・・はぁ、、っんん」
と、その勢いで舌を伸ばしてより奥まで謙の口腔に入り込んでくる。

それをきっかけに謙の口の中はどんどん光紀に占領されて、全てを弄られ舐め回される。
謙がどんなに抵抗しようとも光紀はしっかり謙の腕を掴んでいてびくともしない。

この間も謙の口の中では光紀の肉厚な舌が知恵を持った生き物のようにうごめき、口内を丹念に犯した。
頬の裏をなぞり、喉の奥をくすぐり、謙の舌を巧みにすくって再び絡ませ合う。

一度も休むことなく走り回っているから、飲み込む暇のない唾液がどんどん溜まり溢れかえって互いの顎を濡らす。

当然それだけでは満足出来ない光紀は、キスをしたまま謙の上着を脱がせシャツのボタンをゆっくりと外していく。

「っんん!!」
ようやく一度唇を離され口の自由が利くようになった。

謙は脱がされていくシャツを慌てて戻そうと首元に手を伸ばす。

光紀はその行動に訝しげな視線を向けてくる。
「なぁ、どうして戻そうとするんだよ。そんなにヤりたくねぇんだ。ふーん、もう知らない」

そういうと何を思ったのか自分のネクタイをするりと外し、それで謙の手を後ろで縛り上げた。
「っちょ・・・ねぇこれ、外して!! お願い、やめてっ」
謙がいくら頼み込んでも光紀は一切外す気はなさそうだ。
「どうして俺だけ謙の言うこと聞かなきゃいけないんだよ。謙だって俺が聞いても教えてくれないくせに」
まだ隠し事をしていることを根に持っている様子の光紀は、シャツを脱がして出てきた謙の乳首を親指の腹でこね回し、人差し指の腹との間で摘みながら転がす。
「だからそれはっ、んあぁ・・・ちがうぅんぁ、ふあぁ・・・・・・くうぅ」
反論しようと謙が口を開くと、あまりの激しさに自分でもいやらしいと思うほどの甘い声が出てしまう。
部屋は台所から届く明かりだけで薄暗さを感じさせ、さらには二人しかいないこの空間は物音一つしない。
そんなところに響く喘ぎ声は光紀の耳では誘っているようにしか聞こえなかった。
その間も光紀の手は休まることなく、乳首ばかりを執拗に攻めるからピンク色だったそこはみるみる赤くいやらしく尖っていく。
最初ただ柔らかいだけだったそこは、光紀がいくら摘んでつぶしても押し返してくるほどの弾力を持ち始めており、卑猥な熱は乳首の内側にどんどん溜まって、溜きらなくなった熱が全身に広がるとついには下半身に集まるようになった。
「だから、何回も聞くけど何が違うんだよ。そこまで言うなら教えろよな。それが出来るまで許さないから」
冷静な表情で発せられた言葉は謙の恐怖心を仰ぐ一言だった。
それでもなお言おうとしないのは、どうしても言えない理由があるからだ。
そんな謙の気持ちを配慮することすら出来ないくらい光紀は我を忘れていた。
光紀の片手が乳首から離れ下に移動するとズボンのベルトに手をかける。
それを外してチャックを下ろし手を滑り込ませると、謙の自身を人撫でする。
「っひいぃぃ」
「もうこんなに勃たせて。それに今の何? いやらしい声、そんなに感じたんだ」
光紀は謙の自身をしっかり握るとそれを激しく揉みしだき始める。
それと同時に再びもう片方の手で乳首をこね回し始める。
「っ、ぅあぁ、・・・だめぇ、りょうほう、なんてむりぃぃ」
謙は必死に声を出すまいとして口を閉じようとするが、我慢することが出来ない。
光紀の手は一向に動きを止めようとせず、さらにスピードを増していく。
「ああぁぁっ・・・ぅやぁは、あ、あ、」
謙の頭の中はもう色んなことでぐちゃぐちゃで、何かを考えられる状況じゃない。
それくらい物理的にも精神的にも限界が近いのだ。
こんな状態でまともに話が出来るわけがないことは光紀も分かるはずなのだが、それでも一向に止める気配はなさそうだ。
もうすでに謙の自身からは大量の先走りが溢れている。
「そろそろ、こんなところでいいかな」
光紀はそう言うと謙のズボンを一気に脱がし、自身を愛撫する手は止めずに乳首にある方の手で、すぐ近くにあるテーブルの上のさっきまで光紀が飲んでいたソーダのペットボトルを手にする。
「おいっ、はぁはぁ・・・なにが、そろそろっひいぃぃ」
謙は必死に足を閉じようと力を入れている。
しかし、それをしていると光紀の手をしっかり抑えてしまうことになり、話さないでくださいもっとしてください、という大勢になってしまい、羞恥でどうしていいかわからずに顔を背けることしか出来ない。
そんな謙に光紀はあからさまに嫌な顔をして言った。
「足、開いてくれる? やりづらいんだけど」
この状況で足を開いたら何をされるかわかったものではないと、少し抵抗気味に足を閉じる方に力を入れると、さらに刺激が増してきた。
もう無理、限界、イッちゃう!!
そう思った瞬間、光紀の手で強く握られて射精を阻まれてしまう。
「ああぁぁっ・・・はひぃ、お、ねがぃ、イかせっ・・・も、むり」
「だから、やだって。そんなにイかせてほしいなら、ちゃんと話して」
謙は今、そんなことを言われてもちゃんと話せる気がしないし、これだけは言えないと、頑なに口を閉ざす。
「ここまでされても言わないんだ。じゃ、もっとやるしかねぇな」
謙が何を、と言おうとした瞬間光紀はあろうことか、謙の自身に持っていたペットボトルの口を開けたまま突っ込んできた。
すると中身がジュワーっと音を立てながら勢いよく流れ込んで中で弾ける。
そんな痛みとも快感とも言える強い刺激に謙は悲鳴をあげながら背中をしならせた。
「あああぁぁぁーーーっ、はひいいぃぃぃ」
謙の目には涙が浮かんできていて、眼鏡をかけているのに視界がぼやける。
「ふふっ、ちゃんと全部飲めたじゃん」
一瞬にして空っぽになったペットボトルは謙の自身から抜かれ、そのまま床に捨てられる。
謙の下腹部はさんざん射精を拒まれ、さらにはソーダまで入れられて見た目にもわかるぐらいぱんぱんに膨らんでいた。
「んっ、・・・はぁ、ぁぁあっ」
今度は先ほど拾ってきた擂り粉木を手にしてまだ少し溢れ出ている謙の自身をのぞき込み、にぃと笑うと光紀はジュプっと音を響かせながら深々とそれを差し込んで栓をした。
「いやあぁぁっ、ぁぁは・・・ぬい、てぇ」
「ん、もう抜いていいのか? そんなことしたら一気にお漏らししちゃうぜ」
皮肉な笑みを浮かべながら光紀がい 言う。
「なっ・・・ひ、ゃ、ぅく」
僕が、光紀の前で・・・。
そう思うとかぁっ、と一気に頬が熱くなってそれを隠すように額をソファーに押し付ける。
その後ろで光紀が笑った気配がすると、謙は軽く尻を揺さぶられた。
途端、落ち着いてきていた炭酸が再び中で激しく弾け始めた。
「っん、ぁあ・・・っ!! 光紀・・・・・・っやめ・・・いあ、あぁっ」
何とかやめさせようと首を捻って光紀を見ると、突然光紀は棒を激しく抜き差しし始めた。
しかもちゃんとしこりにぶつけるように。
「っひぁ、ぁああ・・・っ!! っくぅ、ぅんんっぁ、はっ・・・」
強い快楽が謙を襲い何度も身体が跳ねる。
ソーダが中でかき混ぜられて。
快感が休む暇もなく襲ってくる。
思わず背をしならせるようにして腰を突き上げてしまった。
自身を揉むように握れば、一緒に謙の高ぶりも包み、抜き始める光紀のもう片方の手。
「ふふ・・・何、尻突き出して。もっと激しいのがいいの?」
「っゃ、ぁあっん・・・っは、ぃあっぁ、ちがっ」
「望み通りにしてやるよ」
「ぁあっ、ふ・・・ひゃぁぁ・・・・・・お願いっ、はなす、からぁ・・・ひぃっ、やめっ、て!!」
もう体力も精神も我慢の限界!!
ってところまで追い詰められて、さっきから涙が止まらない。
「何? ちゃんと全部話してよね」
光紀が促すと謙はおずおずと口を開いた。
「ひっぐ、・・・あの、ね、光紀。僕、大好きだよ。すっごくすっごく好きなんだ光紀のことが。でも、そしたら、急に怖くなって」
何を言い出すかと身構えていれば、予想していなかった言葉に光紀は呆気に取られていた。
それでも謙は話を続ける。
「このままで、いいのかなって。僕はいつももらってばっかりで・・・。何も返せてないから。このままだといつか光紀がどっか行っちゃうんじゃないかって、怖くて怖くて毎晩眠れなかった。だから、一回触れるの我慢して考えてみようと思ったんだ。どうしたは一緒にいられるのかなって。毎日毎晩。あの時はもうちょっとでなにか掴めそうな気がしてたんだ」
謙が一旦話を止める。
「どうして、そんなことっ」
「だって!! こんなこと言ったらキモいって引かれると思ったんだ。僕は光紀に嫌われたら、もう生きていけないから。嫌われるって思った瞬間、絶対に言えなくなって・・・。だから自分だけが我慢すればいいんだってずっとそう思ってた。けど、違ったんだ。光紀も我慢してたんだ。こんなことにも気づかないなんて、本当にごめんなさい。でも、お願いっ、こんな僕でも、嫌いにならないで!! ずっと僕を好きでいて。光紀がいないと僕、どうしていいか・・・」
こんな話をして光紀になんて言われるか・・・。
恐ろしくて、顔を見れない。
一方光紀は、この話を虚をつかれたような顔で聞いていたが、話が終わると満面の笑みで謙に抱きついた。
「なんだそんなことだったんだ」
「っそんなことじゃないよ!! 本当に怖かったんだからな」
光紀の言葉に勢いよく反応してしまった謙だが、光紀はまだ笑っている。
「ごめんごめん。でもそうだろ、俺が謙を嫌いになるわけないんだから。そんなに信用されてなかったんだな、俺」
「それこそ、そんなわけないじゃん」
和解できた喜びに浸っていると、ちょっとした動きでも謙の腰が動いて中のソーダが弾ける。
「ぁあ・・・っ、ぁはっ」
「あ、忘れてた。ごめん、今抜いてやるからな」
「ひぃっ、抜くのはだめ・・・。今、抜いたら漏れちゃう・・・ひゃぁあ、お願い、トイレ、行かせて」
「だーめ」
そう言うと光紀は一気に棒を抜いた。
もう無理、絶対出る、やっと絶頂が迎えられる、そう思った瞬間またしても光紀の手で自身を強く握られ、射精をすら阻まれてしまった。
「あ、言っとくが、射精はさせてやるけど、ソーダは出しちゃだめだぞ。それが出来たら手洗いには行かせてやるよ。でも、出来なかったら次回はお仕置きだ」
「ひっ、そんな・・・あぁっ、早くイかせて・・・はぁぁ、離しちゃだめっ」
「ふっ、どっちだよ。ま、いいや。絶対出すなよ」
「なっ・・・っひ、ゃ・・・ぁあぁああ」
抜くように離されその勢いでそのまま謙は白濁とソーダの混じった液体をソファーへ吐き出した。
「あーあ、全部出しちゃった。次はお仕置きだな」
ようやく出せた開放感と、今度は光紀と繋がりたい欲に支配されている謙にその声は届かない。
「っ、ねぇ、・・・今度は、光紀と・・・・・・お願い」
「うん、いいよ。最高に気持ちよくしてあげる」
それから二人は快楽の底まで落ちていった。


次の日二人揃って学校を休んだことは、言うまでもない。

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