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しおりを挟む午後7時。
生徒達の最終下校時間は過ぎ、この2年C組の教室には担任の謙一人だけだ。
明日はテスト返しをしなければいけない。
なのにまだ採点をしていなかった。
職員室に解答用紙を取りに行き、また教室に戻ってくる。
職員室のあの小さな机でやるよりも、生徒が全員帰った静かな教室で、机をいくつか並べ広くしてやる方が謙は好きだった。
職員室で光紀と目が合った気がするが、気のせいかもしれない。
テストの採点は点数計算やら何やらで結構めんどくさい。
「はぁ・・・」
ため息をつき、伸びをしながらも再び机の上の容姿と向き合う。
ーーコツコツコツコツーー
誰もいないはずの廊下に響き渡る靴音。
この足音だけは、つい気になって追ってしまうからよく知ってる。
それがこの教室の前で止まる。
瞬間、ドアが勢いよく開け放たれた。
「やっぱり」
「分かった? 今忙しい?」
「ぇ・・・あ、うん」
いきなりタメ口だったので少し驚きながらも返事をする。
正直、最近そんな風にお互い接していなかったので、光紀から話しかけてきてくれたことが謙は嬉しかった。
しかし、そんな光紀に否定的な言葉を言ってしまったことに気づいた謙は慌てて言う。
「あっ、でも大丈夫。あとは家でやるから」
そう言葉を付け足すと光紀はあからさまに笑顔になった。
「本当? じゃあ・・・」
光紀は謙に立つよう促し、その体をぐいぐいと後ろに押しやる。
「え!! ちょっ、何?」
いきなり押されたので謙は少し驚いた。
棚のある壁まで追い込まれる。
両腕は光紀の手によって自由の利かないようになっている。
「・・・光紀」
「久しぶりにさぁ」
光紀は笑みを浮かべ、服の上から胸板を撫でる。
「っでも、ここ教室・・・」
今ここではダメだと言っても、光紀はもう我慢出来ないという顔で謙を見つめてくる。
「・・・・・・仕方ないな、いいよ」
そう言うと押さえられていた腕が離されて自由になる。
それを光紀の肩に置き、頬に軽いキスをする。
「んふっ、くすぐったい」
そのまま唇にも軽く落とす、だけのはずだったが、その一瞬の間に光紀は舌を入れてきた。
二人の唾液が混じり合い、飲み込めなくなった分がくちゅくちゅといやらしい音を伴ってお互いの口元を濡らした。
「んんっ・・・ぅはぁはぁ、んふぁ・・・」
酸欠になりかけるまで互いに口内を貪っていると、光紀が謙の着ている白衣とシャツのボタンを丁寧に外していった。
「んんっっ、ゃあ、きゅうに・・・」
キスだけでしっかり勃っている謙の乳首に触れてやる。
「謙って本当に感度いいよね」
そう言いながら乳首を触っていた手を下に下ろして、ズボンと下着も下ろされる。
露になった自身はキスと乳首への愛撫だけで熱を持ち始めていた。
そこを光紀が優しく抜いていく。
「んく・・・っ」
「ねぇ、我慢しないで、もっと声聞かせて」
謙は自分の職場で学校というこの場所のせいか、無意識に声を抑えてしまっていた。
謙の自身を弄っている方とは逆の手を口に入れられ閉じられなくさせられたことにより、噛み締めることが出来なくて声が抑えられなくなった。
「ぁははっ、・・・ああうぅ、、」
「・・・ふふっ、かわいい」
調子にのって加減を忘れて、強く刺激したせいで謙はあっという間に果てさせられた。
「んああぁぁ・・・はぁはぁっ」
光紀にしがみついて刺激に耐える。
「大丈夫? ・・・気持ちよかった?」
遠慮がちに聞いてくる光紀に、何を分かりきったことを、と思う。
「ふぅ・・・、ねぇ、もいっかい・・・」
「ん?」
「次は、ナカで・・・一緒に気持ちよくなろ?」
まさか謙から誘いの言葉が貰えるとは思っていなかった光紀は、びっくりして謙を見つめたままフリーズしてしまった。
「・・・もちろん、分かってる」
それでも答えて、自分のズボンと下着を脱いだ。
そこから出てきたものは先走りで濡れていて、もう限界なんじゃないかと思わせるほどに大きくなっていた。
「っ・・・ふぅ、んっ!!」
つぷんと指を入れられ一瞬痛みを感じたが、それはすぐに快感へと変わっていく。
「もう一本入れるよ」
蕾を広げられ、指の数を増やされる。
「あぁっ、ひゃっ!!」
何度もそこだけでイかされて、今ではそこへの刺激を気持ちよく感じられるようになってしまった。
そのせいでさっきイったばかりの自身が再び頭をもたげ始める。
「そろそろ入れてもいい?」
「・・・あっぁ・・・う、ん・・・っ」
光紀が指を抜き、緩んでいるそこに自身をあてがう。
それを勢いよく押し入れる。
「ひゃぁ!! あっ、はぁあ・・・くぅ」
「ん、すごい締めつけっ」
あまりの快感に身体を震わせながらも光紀の動きに合わせて腰を振る。
「ああぁ、・・・っ!! もう、イっちゃ・・・」
瞬間、奥を突き上げられて頭の中が真っ白になる。
「ああぁぁっ・・・!! ぅんんん、くぅはぁはぁ」
光紀が中に出したのを感じながら、謙も二度目の絶頂を迎えた。
「謙」
「? 何?」
帰り支度を済ませ、下駄箱まできたところを光紀に呼び止められる。
「・・・ほら」
「・・・え?」
光紀が顔をぐいっと近づける。
「おやすみの、ちゅー」
「っ!!」
いきなり光紀がデレた。
顔を赤く染めながらちゅーを強請る光紀はとても可愛らしかった。
「んふ、はむぅ・・・」
「んん、、はぅっ!! ふっ、はぁ・・・っ長すぎだって!!」
いつまでも離そうとしない光紀を、息を荒くしながら無理やり引き剥がす。
その可愛さに心を奪われながら、再び今度は優しくキスをする。
「おやすみ」
「・・・うん」
軽く手を振り、帰途につく。
が、途端に寂しさを感じた。
今すぐ謙を抱きしめたい、なんて俺はもう彼なしでは生きていけないほど依存してしまっているな、と思いながら。
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