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しおりを挟む隣ですやすやと眠っている恋人。
彼から出される寝息は、つい先程の情事のことなど忘れたかのように整っている。
光紀はそれがなんだか可愛く思えて髪を撫でながら、額にキスを落とす。
短いけどすごく触り心地が良くて、気持ちが安らいでいく。
そのまま手を下ろしていき両手で頬を優しく包み込んだ。
やっぱりこの位置に手を置いてしまうと欲が湧いてくる。
謙を起こさないように、今度は唇に触れるだけの静かなキスを落とす。
「・・・ん」
一瞬身動ぎをして起こしてしまったかと少しドキリとしたが、謙はまた規則的な呼吸をし始めた。
「ごめん」
我慢出来ない、と謝ってから光紀は謙のシャツのボタンをはずしていく。
そして露になった突起部分に口を付け、舌でぴゃちゃぴゃちゃと小さく音を鳴らしながらそこを刺激していく。
「・・・っ、な、にゃぁ・・・やぁ、ぁ・・・光紀っ・・・?」
「ん、起きちゃった?」
「な、何してっ、ひゃぁっ!! んんっ」
喘ぎながらも必死になって抵抗するが、さっきまで寝ていたためか全く力が入っていない。
それをいいこと、に光紀は謙のズボンと下着をするりと簡単に脱がす。
「っ、さっきしたばっかなのにっ・・・」
「あれだけで満足できるわけないだろ? それにけんのここも、もうこんなになってるよ。このまま寝るのは辛いと思うけどな」
そう言って光紀は、乳首の刺激だけで先走りをたらたら垂らすほど反応してる謙の自身に触れる。
「っんん、う、嘘・・・、なんでこんな・・・」
「謙も溜まってるんだって。だからもう一回シよ?」
「っ・・・」
図星を付かれて何も言えない謙の顔が、みるみる赤く染まっていく。
そんな謙の姿に光紀の自身は完全に頭をもたげた。
「どうしてもやだ?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「寝てたんだよ?」
「うん」
「そこを光紀が勝手に襲ったんだよ」
「だって可愛いんだもん」
事実だ。
それはもうどうしようもない。
「・・・もう、好きにしなよ」
了解を得た、というか呆れられた?ので、光紀は小さく笑ってさらに聞く。
「じゃあ、何されたい? 謙がして欲しいこと、全部してあげる」
謙の顔がさらに赤くなる。
「っ、そんなの、任せるよ・・・」
「やだ。謙の口から何されたいか聞きたい。ほら、その口で言ってみて?」
光紀は自分でも引くような変態じみた台詞を言いながら、謙の自身をそっと触れるように撫でる。
「ゃあっ、もぅ、ちゃんと・・・」
「ちゃんと、何して欲しいの?」
「わかってるくせにっ・・・んっ!!」
「ははっ、ごめん。やり過ぎた」
謝りながら謙のそれを握り、上下に動かす。
「んふ・・・ぅくっ・・・・・・」
「もうイきそう?」
「ぁっ、んっ!! ちょ、光ぅは、やめって・・・」
「えっ?」
驚きの返事に戸惑いを隠せない。
「何で・・・? もう辛いだろ?」
「辛いのは、お互い様でしょ?」
そう言って謙は光紀の自身をズボンの上から触る。
「なんだ、気づいてたんだ」
「当たり前だよ。すごく、気持ち悪い顔しながら、勃ってたもん」
光紀は、そりゃやばいなと思いながらも話を進める。
「それはともかく。それでどうしたいの?」
「・・・どうしたいって、そんなのっ」
「そんなの?」
「・・・・・・」
恥じらいすぎて何を言いたがっているのか全然わからない。
「んー、ごめん。わかんないよ」
「っ、だから! ・・・光紀と繋がって・・・・・・一緒にイキたいって、言わせないでよっ・・・」
「謙・・・」
恥じらいながら言うその姿の破壊力が半端なくて、危うくそれだけでイキそうになる。
「・・・な、何?」
「ごめん、我慢出来ない」
「えっ!?」
ただでさえ限界だったのだ。
反応に構わず光紀は全く慣らしていない謙の秘部に自身を宛がった。
自身の先走りだけでそれを中に入れていく。
「っ、あぁ! いたいっ、いたっ、うぅ、ぐすっ・・・」
「ほんと、ごめん。・・・もう少しで、全部だから」
あとから考えると最低な行為だったのかもしれない。
でも、今ここでやめることは出来ない。
謙は涙を浮かべて痛みに耐えていた。
「・・・全部入ったけど、動かして平気?」
恐る恐る聞いてみる。
「もう、大丈夫だからっ、・・・動いていいよ」
そう言われたがやっぱり不安で、いつもよりゆっくりそこを動かす。
「ねぇ、光紀」
「どうした? やっぱりまだ痛い?」
「ううん、もう平気。だから、もっと強く・・・」
「本当に?」
「うんっ、お願い」
謙の言うことは何でも聞いてしまいたくなる光紀は、今度はもう少し早めに腰を動かす。
「んっ、あぁ!! もっと、もっと強くぅ」
気づくと謙も腰を振っていた。
結合部からはくちゅくちゅといやらしい音が響く。
「っ、もうイく・・・っ」
「あぁっ、イくイくっっ!!」
光紀が果てたあと、その熱にさらに感じて謙も達し、真っ白なシーツに白濁を撒き散らした。
「はぁはぁ、お腹の中熱いのでいっぱい・・・」
彼らは確かめ合うように口付けを交わした。
隣には今寝たばかりの可愛い恋人。
静かに寝息を立てる彼からは、数分前の情事のことなど全く感じられない。
今日は無理をさせてごめん、と謙の唇に己のものを重ねる。
こうやって隣にいてくれる。
それが凄く嬉しくて幸せだと感じる。
もっと近くに寄り添って彼の体に腕を回す。
「おやすみ、謙」
改めて幸せを噛み締めて、光紀は深い眠りについた。
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