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とは言っても、壁に仕切られているだけで、同じ建物の中の隣にある。冒険者ギルドを出て十秒で着いた。こっちはドアが閉まっている。
重い扉を開けると、冒険者ギルドとは違った空気感が漂っていて、明らかに身なりの良い人が多い。もちろん軽装の人もたくさんいるが、冒険者ギルドにあった粗雑な雰囲気は微塵もない。
「こんにちは、ギルド登録をしたいんですけど」
「でしたらこちらの書類にご記入お願いします。記入できたらあちらに提出してください」
冷たいと言えば冷たいが、反面大人と変わらない扱いをしてくれるのが商業ギルドのスタイルのようだ。
名前シエル、性別女性、年齢・・・。
年齢?
そういえば私って何歳なんだろう。見た目十歳ぐらいだけど・・・。
「ねえ黎月、私が何歳かってわかる? 」
コソッと黎月に聞いてみる。けど、困惑した顔で首を傾げられた。
「ステータスを見てみたらわかるんじゃないのか? 」
「確かに。ステータスオープン! 」
パッと目の前で開いた画面を穴が空くぐらい見つめるが、年齢なんて欄がない。
「ないよ? 」
「ふむ、どうしたらいいものか・・・」
何も書かないわけにはいかないし、ここで適当に書いて間違えちゃってたら困る。黎月も知らないとなったら、ティリアネに聞くしか・・・。
「自分で決めたらどうだ? 」
「どういう・・・」
「恐らくティリアネ様の性格からすると、そこまで考えていないだろう。シエルが自分で決めていいと思うぞ」
「言われてみれば、考えてなさそうな気もする・・・」
あのざっくらばんとした性格だしね。
「そうだね、そうしよう! 何歳にする? 」
「我には人間の成長基準がわからないからなんとも言えないが・・・」
「十歳とか? それぐらいだよね」
よし、ちょっとだけサバ読んで十一にしておくか。これでプチトラブル解決!
「あとは・・・」
業種はまだないから空欄、他の身分証は冒険者カードっと。
各国を跨ぐ仕事である冒険者は、冒険者ギルドで発行されるカードを公的な身分証明書として提示できる。だからさっさと手に入れておきたかったのだ。
書き終えた紙を持って、さっき言われた窓口に向かった。
「すみません、この書類をここの窓口に提出してくださいって言われたので、提出に来ました」
「新規登録ですね。あちらに掛けて少々お待ち下さい」
「わかりました」
ギルドの一角に待合のような場所があり、そこに腰掛けて待つことにする。
呼ばれるまでの暇つぶしにもふもふとした黎月の毛並みで遊んでいると、突然あるものが目に入った。
あれは・・・頭から生えた耳!?
そういえば、謁見のときにも何人かそんな人がいた。その後の出来事が多すぎて、すっかり忘れていたな。
ティリアネ曰く、人間以外にも様々な種族がいるらしいから、いつか全種族に会ってみたいよね~。
こういった風に体の一部に動物の特徴を持つ種族の人達はまとめて獣人と呼ばれている。
今目の前にいる人は三角耳にボワッとした尻尾を生やしている。たぶん狐獣人だろう。あの副宰相さんよりよっぽど眼福である。
「どうするべきなんだ、このままだと我が家は終わりだ・・・! 」
あら、どうやら困っているようだ。ここはチートでも使っていっちょ助けてやりますか!
重い扉を開けると、冒険者ギルドとは違った空気感が漂っていて、明らかに身なりの良い人が多い。もちろん軽装の人もたくさんいるが、冒険者ギルドにあった粗雑な雰囲気は微塵もない。
「こんにちは、ギルド登録をしたいんですけど」
「でしたらこちらの書類にご記入お願いします。記入できたらあちらに提出してください」
冷たいと言えば冷たいが、反面大人と変わらない扱いをしてくれるのが商業ギルドのスタイルのようだ。
名前シエル、性別女性、年齢・・・。
年齢?
そういえば私って何歳なんだろう。見た目十歳ぐらいだけど・・・。
「ねえ黎月、私が何歳かってわかる? 」
コソッと黎月に聞いてみる。けど、困惑した顔で首を傾げられた。
「ステータスを見てみたらわかるんじゃないのか? 」
「確かに。ステータスオープン! 」
パッと目の前で開いた画面を穴が空くぐらい見つめるが、年齢なんて欄がない。
「ないよ? 」
「ふむ、どうしたらいいものか・・・」
何も書かないわけにはいかないし、ここで適当に書いて間違えちゃってたら困る。黎月も知らないとなったら、ティリアネに聞くしか・・・。
「自分で決めたらどうだ? 」
「どういう・・・」
「恐らくティリアネ様の性格からすると、そこまで考えていないだろう。シエルが自分で決めていいと思うぞ」
「言われてみれば、考えてなさそうな気もする・・・」
あのざっくらばんとした性格だしね。
「そうだね、そうしよう! 何歳にする? 」
「我には人間の成長基準がわからないからなんとも言えないが・・・」
「十歳とか? それぐらいだよね」
よし、ちょっとだけサバ読んで十一にしておくか。これでプチトラブル解決!
「あとは・・・」
業種はまだないから空欄、他の身分証は冒険者カードっと。
各国を跨ぐ仕事である冒険者は、冒険者ギルドで発行されるカードを公的な身分証明書として提示できる。だからさっさと手に入れておきたかったのだ。
書き終えた紙を持って、さっき言われた窓口に向かった。
「すみません、この書類をここの窓口に提出してくださいって言われたので、提出に来ました」
「新規登録ですね。あちらに掛けて少々お待ち下さい」
「わかりました」
ギルドの一角に待合のような場所があり、そこに腰掛けて待つことにする。
呼ばれるまでの暇つぶしにもふもふとした黎月の毛並みで遊んでいると、突然あるものが目に入った。
あれは・・・頭から生えた耳!?
そういえば、謁見のときにも何人かそんな人がいた。その後の出来事が多すぎて、すっかり忘れていたな。
ティリアネ曰く、人間以外にも様々な種族がいるらしいから、いつか全種族に会ってみたいよね~。
こういった風に体の一部に動物の特徴を持つ種族の人達はまとめて獣人と呼ばれている。
今目の前にいる人は三角耳にボワッとした尻尾を生やしている。たぶん狐獣人だろう。あの副宰相さんよりよっぽど眼福である。
「どうするべきなんだ、このままだと我が家は終わりだ・・・! 」
あら、どうやら困っているようだ。ここはチートでも使っていっちょ助けてやりますか!
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