19 / 93
19
しおりを挟む
「フェニックスとフェンリル・・・? はあ・・・」
俺は今夢に中にいるのか?
幼い頃伝説やら英雄譚やらで聞きまくったのが今、目の前にいるのか?
「つかぬことをお伺いしますが、本物・・・」
「「「本物よ(だ)! 」」」
「・・・ですよね」
嘘だろ!? こんなの聞いてないぞ!
「団長・・・」
だめだ、聞こえてない。完全にフリーズしてる。
だが、喋る点についても、異様に魔法を使い慣れている点についても、それでしか説明がつかない。「神獣だから」の一言に全て丸投げして思考を放棄したとも言う。
「言いたかったのはそれだけよ。私たちももう寝るわ! 」
そうして自由気ままな彼らは、シエル殿の周りに群が・・・囲んで寝息を立て始めていた。
「団長! 」
「ん? あ、ああ。なんだ!? どこまで話が進んだんだ!? 」
「なにも進んでません」
ほらと神獣たちを指差すと、団長は呆気にとられていた。
「神獣というのは、なんとも自由なものなのだな・・・」
***
朝日が登る。普段はこの時間に起きているが、今日は違った。
「いやー、おはようございます! 」
キラキラと汗を流すクラックさんの笑顔を見て、「まだ眠い」とはとても言えなかった。
こんな早起きしたの前世ぶりだって。
まだ空が薄暗いうちに騎士たちの騒ぐ声で起きた。外に出ると、そこにはいつもの穏やかな朝とは違う、むさ苦しい朝が広がっていた。
上半身裸で打ち合いをする騎士たち。
漫画では効果音までつけてかっこよく描かれるシーンかもしれないが、あいにくここには「かっこいい・・・♡」なんて言うヒロインもおらず、正直見てて暑苦しいだけだ。
「起きたか、シエルよ」
「ん? 」
ふと声のした方に目を向けると、常夜が尻尾で剣を持ちながらあの怪我の酷かった騎士、ルアンさんと打ち合っていた。
「剣ができたんだ」
「まあな。やはり、しばらくやっていなかったから鈍っておるな」
へぇー。常夜の尻尾、たぶんこの世のどの生物の尻尾よりも役に立ってるな。
「というか、ルアンさんは怪我もう大丈夫なの? 」
包帯がグルグル巻きのままだ。だけど、周りの隊士は誰ひとり気にしていない。
「ああ、このぐらいもう大丈夫ですよ! ほら、もう血は止まりましたし! 」
「いや、血が止まればいいって話じゃないんだけど」
「? 血さえ止まれば、いくらでも動けるようになるんじゃないですか? 」
「強ッ・・・」
ルアンさん、隠れた超人だったか。
「ハーフドラゴニアならば当たり前ではないのか? 」
「なにそのドラゴン? みたいなの」
「ドラゴニアだ」
なんかすごくファンタジー。実際ファンタジーなんだけど。
「そのドラゴニアって? 」
「竜獣人のことだ」
「じゃあハーフドラゴニアって・・・」
「その者のような、ドラゴニアと他種族の混血のことだ」
「僕ですか? 」
「ルアンさんハーフドラゴニアだったんだ」
「は?・・・え!? 僕がハーフドラゴニアですか!? 」
この反応には私もびっくりだ。同じように常夜も意外そうな顔をした。
「あれ、知らなかったの? 」
「気づいてなかったのか? 」
「気づくわけないじゃないですか! 」
「そもそも人間でその回復力はおかしいだろう」
やっぱりおかしいんだ。
「親からなにも聞いていないのか? 」
「・・・親はいません。僕は孤児だったんです」
だから知らなかったのか。
「なるほど、そういうことか。ではもう一つ伝えてやろう。そなたは今まで自分のことを人間だと思っていたようだが、もう半分も人間ではないぞ? 」
「へ? 」
「正確に言うと、四分の一は人間だ」
ここまで来ると、もう私は話を聞いているだけで、口を出さなくなった。常夜の次の言葉は、ルアンさんをより驚愕させるだろう。
「そなたはドラゴニアとハーフエルフの混血だ」
「そんな・・・。でも、僕耳丸いですよ!? 」
「恐らくハーフエルフの方からの遺伝だろう」
「・・・」
ルアンさんは口を開けたまま呆然としていた。
俺は今夢に中にいるのか?
幼い頃伝説やら英雄譚やらで聞きまくったのが今、目の前にいるのか?
「つかぬことをお伺いしますが、本物・・・」
「「「本物よ(だ)! 」」」
「・・・ですよね」
嘘だろ!? こんなの聞いてないぞ!
「団長・・・」
だめだ、聞こえてない。完全にフリーズしてる。
だが、喋る点についても、異様に魔法を使い慣れている点についても、それでしか説明がつかない。「神獣だから」の一言に全て丸投げして思考を放棄したとも言う。
「言いたかったのはそれだけよ。私たちももう寝るわ! 」
そうして自由気ままな彼らは、シエル殿の周りに群が・・・囲んで寝息を立て始めていた。
「団長! 」
「ん? あ、ああ。なんだ!? どこまで話が進んだんだ!? 」
「なにも進んでません」
ほらと神獣たちを指差すと、団長は呆気にとられていた。
「神獣というのは、なんとも自由なものなのだな・・・」
***
朝日が登る。普段はこの時間に起きているが、今日は違った。
「いやー、おはようございます! 」
キラキラと汗を流すクラックさんの笑顔を見て、「まだ眠い」とはとても言えなかった。
こんな早起きしたの前世ぶりだって。
まだ空が薄暗いうちに騎士たちの騒ぐ声で起きた。外に出ると、そこにはいつもの穏やかな朝とは違う、むさ苦しい朝が広がっていた。
上半身裸で打ち合いをする騎士たち。
漫画では効果音までつけてかっこよく描かれるシーンかもしれないが、あいにくここには「かっこいい・・・♡」なんて言うヒロインもおらず、正直見てて暑苦しいだけだ。
「起きたか、シエルよ」
「ん? 」
ふと声のした方に目を向けると、常夜が尻尾で剣を持ちながらあの怪我の酷かった騎士、ルアンさんと打ち合っていた。
「剣ができたんだ」
「まあな。やはり、しばらくやっていなかったから鈍っておるな」
へぇー。常夜の尻尾、たぶんこの世のどの生物の尻尾よりも役に立ってるな。
「というか、ルアンさんは怪我もう大丈夫なの? 」
包帯がグルグル巻きのままだ。だけど、周りの隊士は誰ひとり気にしていない。
「ああ、このぐらいもう大丈夫ですよ! ほら、もう血は止まりましたし! 」
「いや、血が止まればいいって話じゃないんだけど」
「? 血さえ止まれば、いくらでも動けるようになるんじゃないですか? 」
「強ッ・・・」
ルアンさん、隠れた超人だったか。
「ハーフドラゴニアならば当たり前ではないのか? 」
「なにそのドラゴン? みたいなの」
「ドラゴニアだ」
なんかすごくファンタジー。実際ファンタジーなんだけど。
「そのドラゴニアって? 」
「竜獣人のことだ」
「じゃあハーフドラゴニアって・・・」
「その者のような、ドラゴニアと他種族の混血のことだ」
「僕ですか? 」
「ルアンさんハーフドラゴニアだったんだ」
「は?・・・え!? 僕がハーフドラゴニアですか!? 」
この反応には私もびっくりだ。同じように常夜も意外そうな顔をした。
「あれ、知らなかったの? 」
「気づいてなかったのか? 」
「気づくわけないじゃないですか! 」
「そもそも人間でその回復力はおかしいだろう」
やっぱりおかしいんだ。
「親からなにも聞いていないのか? 」
「・・・親はいません。僕は孤児だったんです」
だから知らなかったのか。
「なるほど、そういうことか。ではもう一つ伝えてやろう。そなたは今まで自分のことを人間だと思っていたようだが、もう半分も人間ではないぞ? 」
「へ? 」
「正確に言うと、四分の一は人間だ」
ここまで来ると、もう私は話を聞いているだけで、口を出さなくなった。常夜の次の言葉は、ルアンさんをより驚愕させるだろう。
「そなたはドラゴニアとハーフエルフの混血だ」
「そんな・・・。でも、僕耳丸いですよ!? 」
「恐らくハーフエルフの方からの遺伝だろう」
「・・・」
ルアンさんは口を開けたまま呆然としていた。
501
あなたにおすすめの小説
救世の結界師マールちゃん~無能だと廃棄されましたが、敵国で傭兵のおっさん達に餌付けされてるので、今さら必要と言われても戻りません~
ぽんぽこ@3/28新作発売!!
ファンタジー
「ウチの子、可愛いうえに最強すぎるんだが――!?」
魔の森の隣、辺境伯家。 そこで八歳のメイド・マールは、食事も与えられず“要らない人間”として扱われていた。
――そしてある日ついに、毒と魔獣の禁忌領域《魔の森》へ捨てられてしまう。
「ここ……どこ?」
現れた魔獣に襲われかけたその瞬間。
救いに現れたのは――敵国の”イケオジ”傭兵隊だった。
「ほら、食え」
「……いいの?」
焚き火のそばで差し出された“温かいお粥”は、マールに初めての「安心」と「ごはん」を教えてくれた。
行き場を失った幼女は、強面のおじさん傭兵たちに餌付けされ、守られ、少しずつ笑えるようになる―― そんなシナリオだったはずなのに。
旅の途中、マールは無意識に結界を張り、猛毒の果実を「安全な食べ物」に変えてしまう。
「これもおいしいよ、おじさん!食べて食べて!」
「ウチの子は天才か!?」
ただ食べたいだけ。 だけどその力は、国境も常識もくつがえす。
これは、捨てられた欠食幼女が、敵国でお腹いっぱい幸せになりながら、秘められた力で世界を巻き込んでいく物語。
※若干の百合風味を含みます。
貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ
凜
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます!
貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。
前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?
この優しさには絶対に裏がある!~激甘待遇に転生幼女は混乱中~
たちばな立花
ファンタジー
処刑された魔女が目を覚ますと、敵国の王女レティシアに逆行転生していた。
しかも自分は――愛され王女!?
前世とは違う扱いに戸惑うレティシア。
「この人たちが私に優しくするのは絶対に何か裏があるはず!」
いつも優しい両親や兄。
戸惑いながらも、心は少しずつ溶けていく。
これは罠? それとも本物の“家族の愛”?
愛を知らないレティシアは、家族の無償の愛に翻弄されながらも成長していく。
疑り深い転生幼女が、初めて“幸せ”と出会う――
じんわり心あたたまる、愛されファンタジー。
他サイトでも掲載しています。
今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。
転生したみたいなので異世界生活を楽しみます
さっちさん
ファンタジー
又々、題名変更しました。
内容がどんどんかけ離れていくので…
沢山のコメントありがとうございます。対応出来なくてすいません。
誤字脱字申し訳ございません。気がついたら直していきます。
感傷的表現は無しでお願いしたいと思います😢
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ありきたりな転生ものの予定です。
主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。
一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。
まっ、なんとかなるっしょ。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
異世界を満喫します~愛し子は最強の幼女
かなかな
ファンタジー
異世界に突然やって来たんだけど…私これからどうなるの〜〜!?
もふもふに妖精に…神まで!?
しかも、愛し子‼︎
これは異世界に突然やってきた幼女の話
ゆっくりやってきますー
神託が下りまして、今日から神の愛し子です! 最強チート承りました。では、我慢はいたしません!
しののめ あき
ファンタジー
旧題:最強チート承りました。では、我慢はいたしません!
神託が下りまして、今日から神の愛し子です!〜最強チート承りました!では、我慢はいたしません!〜
と、いうタイトルで12月8日にアルファポリス様より書籍発売されます!
3万字程の加筆と修正をさせて頂いております。
ぜひ、読んで頂ければ嬉しいです!
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
非常に申し訳ない…
と、言ったのは、立派な白髭の仙人みたいな人だろうか?
色々手違いがあって…
と、目を逸らしたのは、そちらのピンク色の髪の女の人だっけ?
代わりにといってはなんだけど…
と、眉を下げながら申し訳なさそうな顔をしたのは、手前の黒髪イケメン?
私の周りをぐるっと8人に囲まれて、謝罪を受けている事は分かった。
なんの謝罪だっけ?
そして、最後に言われた言葉
どうか、幸せになって(くれ)
んん?
弩級最強チート公爵令嬢が爆誕致します。
※同タイトルの掲載不可との事で、1.2.番外編をまとめる作業をします
完了後、更新開始致しますのでよろしくお願いします
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる