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【ミキちゃんちのインキュバス2!(第80話)】「義姉襲来!! 脱走の黒猫アランと魅惑のちゅるちゅる」
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平日午前中、都内S区某所にあるマンション、1階のエレベーターホール。
「今日のタ飯はシチューにして……ブリの切り身は照り焼きにして明日のミキさんのお弁当にしようかな?」
S区中央商店街での買い物を終え、エレべーターを待つ金髪のハーフイケメン。
508号室に住まう会社員女性、守屋美希・通称ミキちゃんと同居する男淫魔のアランは冷蔵庫の中身を頭の中で思い出しつつタ食のメニューを考えながらエレべーターに乗ろうとする。
「スミマセェン!! 乗せテクダサァイ!」
「!?」
ガラガラと言うトランクを引きずる音と聞き覚えのある独特なイントネーションの日本語。
マンションに入って来たハーフパンツにスニーカーと半袖Tシャツ姿の金髪女性にアランは一瞬ヒエッとなる。
「ウフフ、 ミキとギーク猫チャンズに会うノモヒサシブリデス!!」
オーストラリア在住のプロサーファー、プロダイバー、マリンスポーツインストラクター、ボディービルダー、エアロビクス動画投稿者と言う多彩な顔を持つミキちゃんの義姉、ジェニファー・ディライト。
「アランチャンにキアラチャン……そしてイザベラチャンに会うのが楽しみデス!!」
仕事で来日し、真っ先に義妹ミキちゃんの飼う3匹の猫ちゃんに会いに来た彼女は3匹の猫達のスマホ待ち受けを見つつウキウキワクワクでエレべーターを降りる。
「あらあん!! あらああん!! まにゃあああん?」
「アレは……アランちゃん!? ドシテおんもに出てるんデスカ!?」
そんな彼女の目に飛び込んで来たのは508号室前の廊下で悲しげな声でにゃあにゃあ鳴きながらぐるぐるうろうろし、時折ドアをカリカリと引っ掻いている白ソックスな短足黒猫。
ミキちゃんが外出時に一緒に出てしまったのか自力で脱走したのかはわからないがこれを放置するわけにはいかない。
ジェニファーさんはすぐにハーフパンツの尻ポケットに手を入れ、とある物を取り出す。
「アランチャン、ジェニファーお姉ちゃんのチュルチュルですよお……おいちいよ、おいちいよ。おいでえ」
「あらあん!!」
開封した猫ペーストおやつの匂いを嘆ぎつけ、ジェニファーさんの胸に飛び込むアラン。
それを仰向け抱っこで捕まえたジェニファーさんはペーストおやつパウチを短い手足でしっかり抱えて一生懸命舐める元気な様に安堵の息を吐く。
所変わって午後の株式会社サウザンド、人事部。
「さて、次の予定は……あら、メモがあるわ?」
部署全体の会議を終えて席に戻ってきた採用担当ミキちゃんは総務の津中さんからのメモがある事に気づく。
『守屋さん、お疲れ様です。
さきほど、ご親族でジェニフアーと名乗る方よりご連絡がありました。
ジェニファー様の電話番号は 080-0000-0000です』
同番号からの着信履歴を確かめたミキちゃんはおっとりスマホで電話ブースに向かう。
「もしもし、ジェニファーさん!?」
『オウ、愛しの義妹ちゃん!! おツトメご苦労様です!!』
スピーカーでもないのに電話ブースエリア周囲に響くジェニファー義姉さんのハイテンションボイス。
『久しぶりに日本デノ仕事がハイッタからアランちゃん達に会いニ来たのデス!!』
「あらあん、あらああんん!!」
「きあん、きあん!!」
「いにゃべにゃああああ!!」
そんなジェニファーさんに続いて電話口に元気に叫ぶ3匹の淫魔猫。
今日はアラン君のお料理講座では無かったはずだが、上手く集合出来たのだろうとミキちゃんは安堵の息を吐く。
『戸締りはちゃんとしないとダメですョ、ミキ!! アランちゃん、うっかりママをシカッテイイデスョ!!』
『あらあん!? あにゃあああん!! シャァァァァ!!』
いきなりスマホのマイクを押し当てられたであろう黒猫アランの戸惑いシャーに癒されるミキちゃん。
「とりあえずタ食は買って帰りますね、義姉さんはなにを食べたいですか?」
『アリガトミキ!! 今日はタレと塩の焼き鳥にだし巻き卵を買っといてアルから買わんでダイジョブよ!!
おツトメお疲れさんデス!! シャチク頑張ってください!!』
ジェニファーさんはそう言って通話を切る。
それから数時間後、夜。
「まあ、日中そんな事があったなんて……ごめんねアランちゃん」
「あにゃん、あにゃあん(気にしないでください、ミキさん)」
日中の件を聞いたミキちゃんの膝の上で丸くなって喉を鳴らす黒猫アラン。
「ミキもヒトリ暮らし何だから戸締リマジでヨウジン大事ですョ!! おパンツとか外干ししてまセンよね?」
「イニャアア!! イニャベニャアアアア!! (ヤキトリ!! ヤキトリ!!)」
「キアァァ!! キアァァン!! (芳香たまらんですわあ!!)」
缶ビール片手に焼き鳥を楽しむジェニファーさんとその足元でおねだり鳴きをしつつ焼き鳥のおこぼれを狙う長毛イザベラにゃんこ&白キアラにゃんこ。
「イザベラちゃんにキアラちゃん、コレは猫チャンダメなんですよ!! おクシも危ないからメッ!!」
焼き鳥に大興奮の猫達と賑やかなタ食を楽しむ義姉をミキちゃんと膝上のアランはのほほんと見守る。
「ところでミキ、あなたエアロビ出来マス?」
「エアロビクスですか? 義姉さんの動画で時々やっているから多少の心得はありますけど……」
何の脈絡もない質間に答えるミキちゃん。
「そいつはチョウジョウデス!! コンカイ日本に来たのはマリンスポーツ用品会社のウェットスーツモデルの写真撮影だったんデスけど……もうーつ個人的な企画がありマス!! ミキにもそれに参加してもらいたいんデス!!」
「個人的な企画?」
「あらあん?」
怪証な表情を浮かべるミキちゃんと黒猫アランの前でジェニファーさんはスマホを取り出して操作し始める。
【FIN】
「今日のタ飯はシチューにして……ブリの切り身は照り焼きにして明日のミキさんのお弁当にしようかな?」
S区中央商店街での買い物を終え、エレべーターを待つ金髪のハーフイケメン。
508号室に住まう会社員女性、守屋美希・通称ミキちゃんと同居する男淫魔のアランは冷蔵庫の中身を頭の中で思い出しつつタ食のメニューを考えながらエレべーターに乗ろうとする。
「スミマセェン!! 乗せテクダサァイ!」
「!?」
ガラガラと言うトランクを引きずる音と聞き覚えのある独特なイントネーションの日本語。
マンションに入って来たハーフパンツにスニーカーと半袖Tシャツ姿の金髪女性にアランは一瞬ヒエッとなる。
「ウフフ、 ミキとギーク猫チャンズに会うノモヒサシブリデス!!」
オーストラリア在住のプロサーファー、プロダイバー、マリンスポーツインストラクター、ボディービルダー、エアロビクス動画投稿者と言う多彩な顔を持つミキちゃんの義姉、ジェニファー・ディライト。
「アランチャンにキアラチャン……そしてイザベラチャンに会うのが楽しみデス!!」
仕事で来日し、真っ先に義妹ミキちゃんの飼う3匹の猫ちゃんに会いに来た彼女は3匹の猫達のスマホ待ち受けを見つつウキウキワクワクでエレべーターを降りる。
「あらあん!! あらああん!! まにゃあああん?」
「アレは……アランちゃん!? ドシテおんもに出てるんデスカ!?」
そんな彼女の目に飛び込んで来たのは508号室前の廊下で悲しげな声でにゃあにゃあ鳴きながらぐるぐるうろうろし、時折ドアをカリカリと引っ掻いている白ソックスな短足黒猫。
ミキちゃんが外出時に一緒に出てしまったのか自力で脱走したのかはわからないがこれを放置するわけにはいかない。
ジェニファーさんはすぐにハーフパンツの尻ポケットに手を入れ、とある物を取り出す。
「アランチャン、ジェニファーお姉ちゃんのチュルチュルですよお……おいちいよ、おいちいよ。おいでえ」
「あらあん!!」
開封した猫ペーストおやつの匂いを嘆ぎつけ、ジェニファーさんの胸に飛び込むアラン。
それを仰向け抱っこで捕まえたジェニファーさんはペーストおやつパウチを短い手足でしっかり抱えて一生懸命舐める元気な様に安堵の息を吐く。
所変わって午後の株式会社サウザンド、人事部。
「さて、次の予定は……あら、メモがあるわ?」
部署全体の会議を終えて席に戻ってきた採用担当ミキちゃんは総務の津中さんからのメモがある事に気づく。
『守屋さん、お疲れ様です。
さきほど、ご親族でジェニフアーと名乗る方よりご連絡がありました。
ジェニファー様の電話番号は 080-0000-0000です』
同番号からの着信履歴を確かめたミキちゃんはおっとりスマホで電話ブースに向かう。
「もしもし、ジェニファーさん!?」
『オウ、愛しの義妹ちゃん!! おツトメご苦労様です!!』
スピーカーでもないのに電話ブースエリア周囲に響くジェニファー義姉さんのハイテンションボイス。
『久しぶりに日本デノ仕事がハイッタからアランちゃん達に会いニ来たのデス!!』
「あらあん、あらああんん!!」
「きあん、きあん!!」
「いにゃべにゃああああ!!」
そんなジェニファーさんに続いて電話口に元気に叫ぶ3匹の淫魔猫。
今日はアラン君のお料理講座では無かったはずだが、上手く集合出来たのだろうとミキちゃんは安堵の息を吐く。
『戸締りはちゃんとしないとダメですョ、ミキ!! アランちゃん、うっかりママをシカッテイイデスョ!!』
『あらあん!? あにゃあああん!! シャァァァァ!!』
いきなりスマホのマイクを押し当てられたであろう黒猫アランの戸惑いシャーに癒されるミキちゃん。
「とりあえずタ食は買って帰りますね、義姉さんはなにを食べたいですか?」
『アリガトミキ!! 今日はタレと塩の焼き鳥にだし巻き卵を買っといてアルから買わんでダイジョブよ!!
おツトメお疲れさんデス!! シャチク頑張ってください!!』
ジェニファーさんはそう言って通話を切る。
それから数時間後、夜。
「まあ、日中そんな事があったなんて……ごめんねアランちゃん」
「あにゃん、あにゃあん(気にしないでください、ミキさん)」
日中の件を聞いたミキちゃんの膝の上で丸くなって喉を鳴らす黒猫アラン。
「ミキもヒトリ暮らし何だから戸締リマジでヨウジン大事ですョ!! おパンツとか外干ししてまセンよね?」
「イニャアア!! イニャベニャアアアア!! (ヤキトリ!! ヤキトリ!!)」
「キアァァ!! キアァァン!! (芳香たまらんですわあ!!)」
缶ビール片手に焼き鳥を楽しむジェニファーさんとその足元でおねだり鳴きをしつつ焼き鳥のおこぼれを狙う長毛イザベラにゃんこ&白キアラにゃんこ。
「イザベラちゃんにキアラちゃん、コレは猫チャンダメなんですよ!! おクシも危ないからメッ!!」
焼き鳥に大興奮の猫達と賑やかなタ食を楽しむ義姉をミキちゃんと膝上のアランはのほほんと見守る。
「ところでミキ、あなたエアロビ出来マス?」
「エアロビクスですか? 義姉さんの動画で時々やっているから多少の心得はありますけど……」
何の脈絡もない質間に答えるミキちゃん。
「そいつはチョウジョウデス!! コンカイ日本に来たのはマリンスポーツ用品会社のウェットスーツモデルの写真撮影だったんデスけど……もうーつ個人的な企画がありマス!! ミキにもそれに参加してもらいたいんデス!!」
「個人的な企画?」
「あらあん?」
怪証な表情を浮かべるミキちゃんと黒猫アランの前でジェニファーさんはスマホを取り出して操作し始める。
【FIN】
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