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三章〜二人で〜

三(※)

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 苦い味で、飲んだ後もしばらく口の中がねばねばしている。おくらとトロロを同時に食ったみたいだ。それでも、渉のだから満足して相手に自慢げに笑ってみせる。

「渉にしては濃いな……」
「あんたのフェラ顔はクるんだよ」

 彼がそういって、俺の体を組みしいてきた。それに逆らうことなく、相手の首筋にキスを落としながら、足をM字に開く。

 渉の指が二本入ってくると、中をほぐして入れる準備をしてくる。俺が反応するように、前立腺も責めてきた。

「んんっ、あふっ……ふっ、あぅっ!!」

 三週間もしなかったせいで、渉のチンコを忘れてしまったのか、中は狭くなってしまった。それでも、刺激されていくうちに熱が広がっていき、指が三本に増えても飲み込んでは締め付けるようになる。体育祭で腹筋がついたせいか、中を締め付ける力がついた。

「すげぇ、ぬるぬるになってるぜ……」

 渉が穴から抜いた指を俺に見せつけてくる。

「恥ずかしいからやめろ!」

 俺にイれようとするが、先ほどイったばかりでまだ硬さが戻っていない。俺が右手で数回スってやると、あっという間に勃起した。これだから、盛りのついた男子高校生は……。

 渉が自分の立ちあがった竿を見て、俺の穴に腰を据えた。そしてゆっくりと時間をかけて奥に進めていく。

「ふぁぁぁ……ぁぁ……あぁぁっ……」

 閉め切っていた奥深くへと、無遠慮に入ってくる肉棒。亀頭が壁をこするたびに汗が背中を流れて、額にも同様に汗がにじむ。

 いつものガツガツしたような、一気にされる挿入ではない。探るように進むチンコは、背筋を舐められている快楽となって襲ってきた。

 間延びした嬌声が漏れて、太股を閉じ相手の体を挟みこむ。そうして、もっと奥に入ってほしいと、首に手をまわして引き寄せる。

 渉が動くたびに、グチュッと陰部から体液とローションの混じった音がする。空気が抜けるような音もして、聴いているだけで恥ずかしくなってくる。

 奥に達した瞬間、気が抜けて大きく息を吐いた。相手の体温が自分の中にいる感覚に、顔がにやけてしまう。

「渉だ……」

 にやけたまま、男の物を呑みこんで膨らんでいる下腹部を撫でる。俺が人差し指でその部分を撫でた。とたんに渉のそれがまた大きくなって肉壁を大きく拡張させてくる。俺の指の動きだけで、興奮していた。

 動きたくてたまらないはずなのに、今日は少しだけ遠慮している風が見える。それでも、表情はいますぐに暴れたくて仕方ないといった顔だ。

「お前……なんで、我慢してんの?」

 吐息に混じって訊ねてみると、渉が少し困ったように言った。

「だって、久しぶりだから痛いだろう?」
「お前にも、俺を気遣うってことができたんだな」
「なんだよ、嫌味みたいに……」
「いや、嬉しいけど」
「……激しい方が良い?」

 言われて顔を真っ赤にしながら頷いた。直後彼の口元がつり上がって、俺の右乳首をつまんでくる。指にはさまれた乳首をつねられただけで、内部が締まった。なおも弄ってくるので、キュンキュンッと中で反応を返してしまう。

「わたっ、やめっ……ぐぁっ!!」
「あんたって人間は、俺が頑張って慣らしてやろうと、してるのに、激しくしてほしいとかさ、それで乳首で感じてたらきりねぇよ……ど淫乱」
「ちがっ……くて、ひぃっ…!!」

 さらにぎりぎりとねじられれば、痛いのがまさるはずなのにチンコがおっ立ち始めてしまう。三週間触られていなかった乳首は、渉という開発した相手の感触を覚えているのか、両方とも赤く色づいてぷくりと膨れあがる。

 手の平で両方ともこすってくるので、それに喘いで腰が勝手に揺れてしまう。中に渉がいるせいで、何をされてもダイレクトに伝わっていることになってしまう。

「んあぁっ、あぁぁっ…ふぅっ、あぁぁっ!!」
「ほら、鳴海さん。少しでもあんたを気遣ってやった俺に、『もっと激しくしてください』ていってよ。左足首怪我してまで、俺のこと好きっていいにきたんだからさ」
「な、お前……なんで、こんあ、あっ……意地悪してんだよ……んひっ!!」
「久しぶりにあんたとセックスできるから、嬉しいんだよ。ほら、早くいわないと動かねぇよ?」

 動かないといいながら、相手の腰が小刻みに揺れてきた。快楽の点を突いてくるので、体中に電流が走ったように力が入らなくなる。それでも俺から腰を振ると、すぐに動きを止める。

 恨めしげに相手を見れば、嬉しそうに悪漢顔で笑い返してくる。三週間分の意地悪をされているようだ。かまってもらえることが嬉しいとしても、今は一刻も早く渉に抱いてほしい。
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