君の歪んだ愛し方

井上マリ

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略奪者

五(※)

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 ズボンを引き下げて、臀部を割り開く。昨日散々弄ったせいで、蕾は赤く腫れ上がっていた。慣らす間も面倒だ。口を開かせた蕾に、張り詰めた陰茎を押し込んだ。

「あ、ぁっ、ぐ……っ!」

 パーカーをめくり、背中に平手を落とす。痛々しい音が何度も響く。

「い、あ、ぁっ、……!いたい、いたい、痛い……ッ!」

 泣きじゃくる真夜の首に、ズボンのベルトを外して巻き付けた。勢いよく締め上げると、肉壁が蠕動する。

「ふ…ぐぅ…ッ…!」
「可愛いよ……俺は本当にお前が可愛いんだ。慎司にはほかにも大切なものがある。だけど俺にはお前だけだ。こうしてやれるのも、俺だけだろ」
「ふ…ひ……っ」

 片足を抱え上げて腰を擦り付ける。ぶらぶらと揺れ動く真夜の足は、糸でつられた人形だ。

 首を絞めていたベルトを外してやった。青い顔をしていた彼が、咳き込みながら息をする。油断した隙に股間を握った。硬くなって、今にも射精しそうだ。

「出していいぜ。見ていてやるから……」
「嫌だ、違う……」

 陰茎の根元から先端まで強い力で搾り上げる。真夜の拒否もむなしく、生ぬるい粘液が陰茎を伝って流れ出した。しかしまだ陰茎は硬いままだ。彼の耳が真っ赤に染まっているのを見て、全てを悟る。

「そうか。おしっこしたいんだな」

 真夜の目が可哀想なぐらい見開かれる。

「……離せ……」
「出来るわけないだろう。俺はまだ出してない」

 張り詰めた陰茎をなかで動かす。肉の存在を思い知り、彼は息を飲む。便座の蓋を上げ、真夜の両足を抱え上げた。襞を捲りあげて擦ると、うわずった声があがる。

「はなせ、……嫌だっ」
「可愛くないぜ、真夜」
「ひぅ、うぁ、ぁあん……!」

 陰茎を握り、便器へ向ける。先端が濡れはじめていた。もう我慢できないのだ。

「真夜……ここにいっぱい、出せって」
「ふ、ぇぇっ……真也にいさ、や……ぁあっ!」

 時間を掛けて焦らすように出し入れする。形を覚えさせるよう、じっくりと。

 涙で濡れた真夜の頬にキスをした。陰茎をしめあげていた手を離すと同時に、一気に奥まで入り込んだ。

「ひぃいっ……!」

 堪らなかったのだろう。大きく痙攣し、彼の陰茎から勢いよく尿がこぼれ出した。真っ赤に熟れた先端から、白い粘液も滲み始めた。

 ぷくぷくと浮きだした液体を指の腹で先端に塗り込める。真也の陰茎も締め上げられ、耐えきれなくて射精した。窄まりから精液が溢れだし、真也のズボンを濡らしていく。

 射精と放尿の余韻で、真夜は朦朧としていた。ぼうっと天井を見上げている。

「真夜」

 舌を差し出せば、のろのろと口を開けられる。真夜の熱い口腔を夢中になって舐め荒らした。

「ん、ふ、ぁ、……っ」

 開いた掌で肉付きの良い胸を揉みしだく。膨れた乳首を円を描くようにくすぐる。

「ここに、俺の印開けてやろう。そしたら、もう慎司のことなんか考えなくなるだろ……」

 乳首をくすぐりながら呟く。猫のように頬ずりしてくる愛おしい弟に、再度唇を重ねた。

 陰茎を抜いて股をトイレットペーパーで拭いてやり、真夜を抱き上げて二階へ上がる。放心状態の彼を、本棚にもたれ掛けさせておいた。

 自分用の引き出しから、以前購入したピアッサーを取り出した。台所から氷を桶にいれて運び、タオルで氷を包み込む。

 ぐったりした真夜のパーカーを捲りあげ、右の乳首を摘む。下着を履かせていないため、窄まりから先ほど出した精液が溢れているのがみえた。

「少し痛いだろうけど、大丈夫だ。兄ちゃんがいるからな」

 マジックで印をつけ、タオルを乳首に押し当てる。焦点の合わない目が行ったり来たりしている。

「ごめんな。真夜」

 ピアッサーを乳首に押し当て、勢いよく刺し貫いた。小さなからだが大きく震え、涙が頬から零れ落ちる。血液が滲んだ乳首に銀色のピアスを挟み込んだ。

「……ん……」

 腰を動かした拍子に、畳に蕾から溢れた精液が滲みだした。崩れそうな真夜を抱き寄せて、窄まりを指先でなぞる。ぴちゃ、ぴちゃと水音が鳴った。

「……にーさん」

 口を開けてキスを強請る彼が、真也の股間を手で撫でてきた。こそばゆいような手つきだが、興奮が再び迫りくる。

「にーさん……して……もっと抱いてよ……」

 ズボンのファスナーを下げられて、陰茎を握られた。上下に扱かれていくうち、堪らず開き切った蕾へ挿入していた。

「ふぁ……ぁ……ン……」

 とろけた顔をしながら真夜が嬉しそうに唇を寄せてくる。真也の首筋や鎖骨に吸い付いてくる。可愛い。愛おしい。離したくない。

「真夜……まよ……!」
「あ、ぅんッ、にーちゃん、おにーちゃん……んっ……!」

 つたない言葉遣いで呼びながら背中にしがみつかれた。負けじと抱きしめ返す。すぐに射精は訪れ、低く唸って胴震いした。

「あ、っ……あっ……熱い…真也にいさんの……っ」

 口を緩めて笑う真夜の胸を両手で包んだ。柔らかく肌触りが良い。ピアスを開けていない乳首を口に含んで吸う。汗の塩辛い味がした。

「にいさ……」
「真夜のこっちは、開けないよ。俺が舐めたいから」
「んんっ……!」

 強く吸い上げてやると、きゅっと肉襞がしがみつく。どこまでも淫らで可愛い。

「真夜、俺と国境を越えよう……」

 彼の焦点が、ふいに真也に合う。

「俺を連れていってくれるの……」
「ああ。ずっと一緒だ」

 真夜は幼いときに見せた、眩いほどの笑顔を浮かべて抱きついてきた。嬉しい、嬉しいと何度も繰り返す。

 だから予想もしていなかった。真夜が、いなくなるなんて……。
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