記憶喪失の君と…

R(アール)

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11.すれ違い

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「ねえ、この後カフェに行かないか?」

「え?」

「なんか用事あったりする?」

「ん…いやないけど…」

あるって言えばいいのに、思わずないと言ってしまった。

もうっ、嘘つけばよかったのに…。

「じゃあ行こう?」

「うん」

そこから2人でカフェに向かった。

「あ、ここ…」

「うん。ここ前に気になるよねって話してたから。」

「うん。覚えててくれたの?」

「そりゃ陽とのことだもん。覚えてるよ」

「ふふっ嬉しい…。ありがとう。」

その時の笑った陽の顔が可愛くて、可愛いな…と思っているとふと頭痛に苛まれた。

「ぐっ…」

「あっ、湊、大丈夫?」

「うん…少し経てば治ると思うから」

俺の頭痛が収まるまで陽は寄り添ってくれた。

少し時間が経つと頭痛が収まってきた。


「ん…治ってきた」

「よかった」

ホッとした陽の顔を見て「ああ、俺の心配を本気でしてくれたんだ」と嬉しくなった。

「ごめんね、待たせちゃって。」

「んーん、それよりほんとに大丈夫?今日はもうお家に帰った方が…」

「いや大丈夫だよ。行こうか。」

「でも、良くないよ。体調悪いんだったら今日はもう帰ろう?」

「じゃあ俺の家に来ない?」

「え…でも…」

「陽がいいならだけど…」

「うん。湊がいいなら。」

「じゃあ行こうか。」

そうして僕らは湊の家に向かった。

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