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第77話

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【南の島・調査2日目】

 グルオオオオオ! 
 キシャアアアア!
 ウオーーーーン!

 ジャングルの映像で聞こえるような叫び声で目を覚ます。
 ここは調査中で魔物の巣でもある。

 アリシア・クレア・エステルは俺に絡みつくようにくっ付いて寝ていた。
 昨日のような流れで、調査中、日中は魔物を狩って、夜は皆と寝て過ごす事になるだろう。

 アリシアが目を覚まして斥候に向かった。
 


 アリシアが帰って来る。

「どうだった?」

「この近くにはスライムが多いにゃあ。でも少し遠くに行くとゴブリンの群れがあるにゃあ」
「規模はどのくらいですの?」
「1000は余裕でいるにゃあ」
「ゴブリンは食ってもおいしくないからドラゴンに狙われないか」

「ゲット、今日はどうします?」
「目的は調査だ。スライムが残って入るけど、ゴブリンの所に行こう。出来れば、島を一周したい」

 俺達はゴブリンの野営地に向かった。

「森や木材が多い」

 木は大切な資源だ。
 出来れば駄目にしたくはない。

 エクスファイアは追い詰められない限り使わないようにしよう。

「俺がファイアシールドで突撃を仕掛ける」
「分かりましたわ」

「ファイアシールド!」

 俺はダッシュしてゴブリンにシールドタックルを食らわせていく。
 スライムもゴブリンもレベルが高い。
 いつもより緊張感がある。

『ファイアシールドのLVが98から99に上がりました』

 昨日からスキルの上りが良い。
 この島はゲームで出てこない。
 未知の島で戦う事で、いい刺激になっている。

 ゴブリンが矢を放ち、魔法を撃ってくるが、魔法だけに気を付け、矢はある程度無視して攻撃を続けた。

 HPは減りはするが、後ろにはエステルがいる。

「ハイヒール!」

 後ろから回復魔法が飛んでくるので、俺は猪のように走ってゴブリンの統率を崩していけばいい。

 後ろからクレアとアリシアが確実にゴブリンを倒してくれる。
 多少の打ち漏らしは気にせずシールドラッシュを続けた。

 グオオオオオオオオオ!

 体長3メートルほどのゴブリン、いや、ゴブリンキングが現れた。

「ファイアエンチャント!うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

 ゴブリンキングをメイスでミンチにする。

『レベルが88から89に上がりました』

 昨日からレベルも良く上がる。
 この島の魔物は強くて数も多い分レベル上げには最適だ。

 ゴブリンキングを倒すと、ゴブリンの連携が崩れた。
 その後はひたすらファイアシールドとヒールを使ってゴブリンに突撃し、かく乱していった。

『ファイアシールドのLVが100に上がりました』

『努力のLVが50から60に上がりました』

『レベルが89から90に上がりました』

 その日から数日ゴブリンを倒して回った。
 ゴブリンはスライムと違って復讐しに来る事がある。
 周りにいるゴブリンは出来るだけ倒す事にしたのだ。




【南の島・調査5日目】

「ドラゴンを見つけたにゃあ」
「大きさはどのくらいですの?」

 ドラゴンの場合大きさでレベルを予想できるのだ。

「大きさが5メートルくらいにゃあ」
「何体いましたか?」
「1体だけにゃあ。周りに魔物の気配はなかったにゃあ」

「倒そう。4人なら行ける」

 俺達はドラゴン狩りに向かった。


 ドラゴンを見つけると、俺は側面から翼を狙って攻撃を始める。
 ドラゴンに向かって走りながら魔法を使った。

「アイス!アイス!アイス!アイス!アイス!」

 俺は新たに氷魔法を覚えていた。
 氷の塊をドラゴンの翼に向かって放つ。
 翼に小さな穴が開いていった。
 
『アイスのLVが30から35に上がりました』

『アイスのLVが35から42に上がりました』

『アイスのLVが42から51に上がりました』

『アイスのLVが51から56に上がりました』

『アイスのLVが56から59に上がりました』

 ドラゴンに近づくほど、恐怖でスキルLVが上がりやすくなっていく。
 俺のアイスLVは一気に倍近くに上昇し、撃つたびに威力が上がり、発動スピードも速くなる。

 ドラゴンは『グオオオオオオオオオ!』と雄たけびを上げて俺に炎のブレスを放つ。

「ファイアシールド!」

 LV100のファイアシールドは能力が大幅に強化される。
 前のドラゴン戦より余裕をもってブレスを防ぐことが出来た。
 だが、全身を覆うわけではない為ノーダメージとはいかない。

 その隙にクレアの攻撃が翼を斬り裂く。
 更にアリシアが連撃で翼を斬っていく。
 これでもう飛べないはずだ。
 
 クレアはドラゴンの首を斬り、ドラゴンが傷を受けて血を流す。

 更に俺はドラゴンの頭を狙う。
 俺達3人の連撃でドラゴンはあっという間に倒された。

『レベルが92から93に上がりました』

「やりました!私もドラゴンスレイヤーです!」
「そうだな、おめでとう」
「この調子ならドラゴンも心配ないにゃあ。レベル100も、タイガーがこっちに来るにゃあ!」

 物凄い速さで隊長4メートルほどのタイガーが走ってきた。
 体は赤と黒の縞模様で、その動きを見て強敵だと分かった。

「あの魔物は!ドラゴンキラータイガーですわ!炎の耐性を持ち、ドラゴンさえ倒して捕食するドラゴンの天敵ですわ!」

 ドラゴンキラータイガーは俺に迫り、前足で殴り掛かる。
 盾で防いだ俺は、それだけで5メートルほど後ろに吹き飛んだ。

 俺は剛腕のブルベアを思い出していた。
 いや、それより強い!

 グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!

 その雄たけびに俺は鳥肌が立った。




 ゲット 人族 男
 レベル:  93【8UP!】
 HP:  930【80UP!】   SS
 MP:   930【80UP!】   SS
 物理攻撃:744【64UP!】    A
 物理防御:930【80UP!】   SS
 魔法攻撃:930【80UP!】   SS
 魔法防御:465【40UP!】    D
 すばやさ:744【64UP!】    A
 固有スキル:炎強化
 スキル:『メイス☆』『盾☆』『ファイアLV☆』『ハイファイアLV☆』『エクスファイアLV96【11UP!】』『ヒールLV33』『リカバリーLV12』『トラップLV22』『宝感知LV29』『ストレージLV45』『ファイアエンチャントLV☆』『ファイアシールドLV☆【9UP!】』『再生の炎☆』『努力LV60【10UP!】』『アイスLV59【NEW!】』
 武器 炎のメイス:250 炎魔法+30%→ゼスのメイス:380(全魔法+30%・攻撃モーション速度+10%)
 防具 守りの円盾:150(HP微回復)→ゼスの円盾:280(HP微回復・魔法ダメージ10%減少)
 再生のローブ:150(HP微回復)→ゼスのローブ:180(HP微回復・魔法ダメージ10%減少)
 再生のブーツ:100(HP微回復)→ゼスのブーツ:130(HP微回復・魔法ダメージ10%減少)

 エステル:好感度90【2UP!】
 クレア :好感度85【12UP!】
 アリシア:好感度92【8UP!】
 エムル :好感度90(奴隷)
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