【完結】「誰よりも尊い」と拝まれたオレ、恋の奴隷になりました?

たたら

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終章

187:俺の悩み

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  俺がこの世界に帰った日は、
ハーディマン侯爵家の離れで
翌日まで過ごしてしまった。

ヴィンセントと一緒に昼寝して
なんとなく甘い空気を味わって。

ヴィンセントはいつも
俺に優しく触れてくる。

夜はちょっと……その、
素肌を触られたりするが
それも恥ずかしいが嫌ではない。

一緒に眠るのはだいぶ慣れた。
というか、子どものころから
俺はヴィンセントと一緒に
良く寝ていた。

だからその延長みないたものだけど
そうじゃないところもある。

例えば一緒にベットに入ったら
ヴィンセントはぎゅう、と
俺を抱きしめてくる。

子どもの頃は額にキスされたり
背中をトントンされたりして
眠っていたけれど、今は違う。

唇が重なったり、
寝間着の中に大きな手が
もぐりこんだりする。

なぞるように腹から
もぐりこんだ太い指が
俺のヘソのあたりを撫でて、
ゆっくりと太ももに伸びると
俺は恥ずかしくてたまらない。

でも、嫌じゃないから
うちまたをゆっくり撫でられたり
足の付け根を布の上から
やさしく握られたりすると
思わず吐息を漏らして
ヴィンセントに抱きついてしまうのだ。

俺の身体は成長したから
ちゃんと精通も迎えたし、
まだ未熟だとは思うけれど、
ちゃんとヴィンセントと
愛し合えると思う。

まだ未熟というのは
俺が勝手に思っていることだけど
俺がヴィンセントの手によって
吐き出される精液は、
何故か透明っぽいというか、
俺が知るような精液と言う感じではない。

俺の身体が変なのか、
世間一般的にこれが普通なのか
残念ながら他の人間の精液を
俺も見たことが無いからわからない。

ただ前世の自分の身体から考えて
どう見ても未発達と言うか
精液って感じではない。

まさか前世のバカ妹が
また何かしでかしてるんじゃないかと
不安に思うこともあるが、
目下の悩みはそんなことではない。

俺はヴィンセントに
触れられるのが好きだし、
もちろん俺だってヴィンセントに
触れたいって思っている。

ところが俺とヴィンセントの
夜の甘いふれあいは
俺が一人恥ずかしく精液を吐き出し、
それで終了する。

あとはヴィンセントに
背中から抱きしめられて
眠るのだ。

俺が疲れて眠りに落ちてしまうのも
良くないと思うのだが、
それでも、だ。

俺だってヴィンセントに触れたいんだ。

俺はヴィンセントに会うと
いつだって抱きつきに行くぐらい
俺もヴィンセントが好きだ。

なのにベットの中でいちゃいちゃしても
ヴィンセントは俺から手を伸ばしても
それをなんとなく避けて
俺にキスをしてごまかしたりする。

じゃあ俺から頑張って
夜以外の場所でヴィンセントに
絡んだらどうかと思ったが、

俺がヴィンセントにどう抱きついても、
何故か甘い雰囲気にはならない。

俺が甘えに行くと
ヴィンセントは抱っこしてくれるし
膝の上に乗せてくれたりする。

でもそれって
恋人の雰囲気じゃなくて
兄弟って感じなんだ。

おかしいよな?

でも逆にヴィンセントが
俺に触れてくると
一瞬で空気が変わる。

そっとお腹に回された腕とか、
頬にひっつくぐらい近くなった唇とか。

ベットで一緒に寝る時以外でも、
お茶を飲んでるときとか、
クッキーを食べさせてもらった時とか。

不意に触れたヴィンセントの手を
俺がちょっと意識すると、
あっという間に空気は甘くなる。

ずるいと思わないか?

いつも俺ばかりが
甘い空気にタジタジになっている。

そんなわけで俺は
ヴィンセントをタジタジにさせたい!
俺だってヴィンセントに触れたい!

ってことで、作戦会議だ。

誰とって?

もちろん、ミゲルとヴァルターだ。

場所は相変わらずお昼休みの
いつもの学校の中庭だ。

俺が休んだ3日間は病欠扱いだったらしく
俺が登校すると二人とも
体調を心配して飛んできてくれたが
俺はどこも悪くはない。

曖昧に笑って誤魔化したら、
ヴァルターが「登校したときの馬車、
ハーディマン侯爵家の紋章だったな」
と言う。

するとミゲルが目を輝かせて
「とうとう一緒に……?
まさか初夜……っ」

と叫んだ口をヴァルターが
咄嗟に大きな手で塞ぐ。

相変わらずヴァルターの
瞬発力とミゲルへのフォローの
早さは凄い。

初夜って。
そんなのまだまだだし……。

というか、そんな雰囲気になっても
余り先には進まないし。

え?
俺って魅力ない?

いや違うな。
きっとヴィンセントも
やり方を知らないんじゃないか?

一度は本人から否定されたが、
初夜がどうとか言うことに関しては
どうやってもその考えに行きついてしまう。

そうでなければ、
前世の記憶から考えれば
俺たちは以前の幼馴染の関係から
考えるとありえないぐらいに
イチャイチャカップルになってるし
物凄く触れあってると思う。

でも何も起こらないのだ。
いや、恥ずかしいぐらいに
触れられてるし、
いるが、
それだけなのだ。

おかしくないか?
ヴィンセントだって
まだ20代になったばかりの
色々やりたいお年頃なんだ。

前世の俺みたいに
栄養不足の社畜じゃあるまいし、
健全な青少年が性欲を感じないとか
発散させないなんておかしすぎる。

だから俺はこう考えた。

ヴィンセントは学んだだけで
実施訓練はしたこと無いって
言ってたし、【珠】だって、
陛下にもらうまでは実物を
見たこと無かったと言っていた。

つまり教科書を読んだだけの
知識だからヴィンセントもやり方が
わからずに進むことが
できないのだ。

しかも相手は無知な俺だしな。

いや、まぁ、あれだ。
ヴィンセントが俺以外の人間と
あちこちでそういうことを
経験済だったらそれはそれで嫌だけどさ。

とにかくだ。
そうなると俺がヴィンセントを
リードして甘い空気にならないと
俺たちは一生、初夜を迎えることが
できないかもしれない。

それは大変だ!

作戦会議だ!

二人とも俺に協力してくれ!

というやり取りが朝、
俺の頭の中で起こり、
そして昼休み。

俺はランチを食べた後、
中庭で二人に切々と
初夜を迎えることができない
事件を訴えたのだが。

二人は難しそうな顔をして
じっと俺を見る。

「イクスがヴィンセントさんを
タジタジにさせるぐらい
積極的になって、
甘い空気で初夜に誘導するってこと?」

ミゲルが俺の訴えを要約する。

「うん、そう」

俺が頷くと、何故かミゲルの隣で
ヴァルターが深いため息をついた。

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