【完結】「誰よりも尊い」と拝まれたオレ、恋の奴隷になりました?

たたら

文字の大きさ
102 / 214
高等部とイケメンハーレム

102:前世がばれても基本はイチャイチャ

しおりを挟む



 俺とヴィンセントは王家の庭で
もう一度、お茶を飲んでいた
東屋に戻った。

お茶は冷めてしまっていたけれど
それを飲んでから
俺はヴィンセントに前世の話をする。

一度、話をしていたが
妹のこととか、
この世界のこととかは
さすがに混乱するだろうと思い内緒にしていた。

俺はそのことを謝罪してから
この世界が前世の世界の
パズルゲームのシナリオと
似通った世界であること。

もともとこの世界を
創った神様の世界が
古代文字や魔術がある世界で、

今、この世界を司る
神様はまた別の神様だってことも伝える。

そして今の神様が誤って
この世界の魔力を消してしまったので
それを補うために俺の前世の世界の
ゲームシナリオと
そこに出てくる登場人物への
愛を沢山持っている妹を
利用したことも説明した。

ヴィンセントには荒唐無稽の話に
聞こえるかもしれないが、
口を挟まずに聞いてくれている。

俺はそして神様が、
前世妹たちの妄想パワーを使って
この世界の魔力を
生み出していることまでを
口外無用と念を押してから
改めて話した。

ヴィンセントは驚いていたようだが
否定の言葉は出なかった。

まぁ、一緒に前世妹に
会ってしまったからな。

否定はできないと思うが
それでも、すべてを信じろとは
俺も言えそうにない。

「ちょっと聞きたいのだが」

俺が話を終えると、
ヴィンセントはテーブルの上の
俺の手を握る。

「うん、なに?」

「いけめんハーレムとイクス様総受ってなんだ?」

ぶーっと飲んでいた紅茶を
吹き出しそうになった。

「ヴィー兄様は、知らなくてもいいの!」

思わず力説したが、
それが不味かったのだろう。

ヴィンセントは俺の手を
ぎゅっと握ってくる。

「知らなくて良くても、
イクスのことならなんでも知りたい」

「でも、そのその話は
無かったことになってるし」

「それでも、だ」

強い口調で言われ、
俺はしぶしぶ説明する。

俺のイケメンハーレムの
説明だなんて、どんな罰ゲームだよ。

しかも総受だなんて恥ずかしすぎる。

ヴィンセントは俺の話を聞き、

「つまり、イクスの前世の世界では
イクスの伴侶は、カミル殿下ってことか?」

と、どす黒い声を出した。

違う、違う、落ち着け。
ただのアニメの話だ。

俺は慌ててマルチエンディングの話をした。

俺には攻略対象と呼ばれる
何人もの恋愛対象者がいる。

主人公はイクスで、
あの世界では、前世妹の様に
好きな恋愛対象者とイクス
恋愛をする物語をいくつも
読むことができるのだ。

つまり、前世の物語の中のイクスには
ヴィンセントと恋愛するシナリオもあるし、
クルトやカミルと恋愛する話もある。

たまたま、その作品を作った会社が
カミルと俺の恋愛話をアニメと言う
大きな物語にしただけで
それは事実でも何でもない。

ついでに、総受けというのは
そういった恋愛対象者たち全員と
恋愛を楽しむ存在ということだ。

と、俺が大まかに説明すると
ヴィンセントは気難しい顔をした。

「そして今回の騒動を起こした
あのレオナルド殿下も、
アキレスも、イクスと恋愛をする
候補者の一人だったと?」

「うん」

まぁ、そうなるのかな。

俺は追加パッケージの話は
初めて知ったから、
俺が死んだ後、追加された
シナリオなんだろうけど。

ヴィンセントの眉間にしわが寄る。

「で、でもね。
あの世界でも言ったように、
僕はもう、ヴィー兄様と婚約したし、
ヴィー兄様以外の人と
恋愛するなんてありえないよ」

早口で言うと、
俺の手を握っていた大きな
手の力が緩んだ。

「そうか」

「うん。そうだよ。
だって僕……小さいころから
ヴィー兄様が大好きだったもん」

俺がそう言うと、
ヴィンセントはようやく笑顔を見せた。

そして俺の手を離し、
そのまま俺の髪を撫でる。

「知ってる。
イクスに、好き、と言われるのは
俺も嬉しかった」

そんなことを言われてしまうと
俺も嬉しくなる。

「だが、そのシナリオというものを。

イクスが愛される姿を望む者たちの
願望を集めて、この世界の神は
魔力を生み出しているのだろう?」

まぁ、そうなるな。

「つまり、多くの者が
イクスを愛するように
この世界が動くかもしれない。

この世界を動かす魔力が、
イクスを愛する者の力なのだし」

そう考えたらそうなのか?
怖っ。

「だが、ちゃんと俺が守るから」

ゆっくりと太い指が
俺の髪をなぞる。

「誰にも渡さない」

「……うん」

俺は髪を撫でている大きな手を
両手で掴むと、その手のひらに
頬を押し付けた。

「でも大丈夫。
だって僕はヴィー兄様しかみてないから」

そういうと、ヴィンセントは
ものすごく良い顔をした。

「そうか。
……だが凄いな、イクスは」

「なんで?」

「別の世界の
全く知らない多くの者が、
イクスが愛される未来を願い、
その強い思いが魔力を生み出し、
この世界を支えている」

はは、まぁな。
腐女子のパワーは伊達ではない。

「そうやって多くの者に
愛されるイクスに愛想を尽かされないよう
俺も頑張るよ」

腐女子たちが好きなのは
イクスではなくて、
ゲームの中のイクスなんだけどな。

まぁ、いいか。
それを言っても理解してもらえないと思うし。

「そう言えば、イクスは
あの世界では自分のことを
俺、と言っていたな」

あ、そうだった。
公爵家の子息としては
あまり良くない言葉遣いだった。

「うん。妹がいたから
つい、口が滑った」

肩をすくめてみせると、
ヴィンセントはそんなイクスも
新鮮だったな、と笑う。

そして。

「あのレオナルド殿下を
床に這いつくばらせて
説教したって話、
最初は何の冗談かと思ったが、
あの女性に怒るイクスを見て
納得した」

いやいや、違いますけど?

そりゃ、妹に正座させて
説教したのと似たような
感じでレオナルド殿下にも
説教しましたよ?

でも、這いつくばらせて、なんて
絶対に嘘だし。

慌てて否定する俺を
ヴィンセントはまた笑う。

「でも、いつもと違うイクスは
恰好良かったよ」

え?
本気で?

可愛いじゃなくて、恰好良かった?

これから俺、一人称は俺にしようかな。

と思ったが。

「だが、恰好良いイクスは
俺だけが知ってればいいから。
普段は可愛いままでいてくれ」

なんてヴィンセントが言うものだから
俺は顔を赤くしたまま、
わかった、と頷いた。















しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜

レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」 魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。 彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

5回も婚約破棄されたんで、もう関わりたくありません

くるむ
BL
進化により男も子を産め、同性婚が当たり前となった世界で、 ノエル・モンゴメリー侯爵令息はルーク・クラーク公爵令息と婚約するが、本命の伯爵令嬢を諦められないからと破棄をされてしまう。その後辛い日々を送り若くして死んでしまうが、なぜかいつも婚約破棄をされる朝に巻き戻ってしまう。しかも5回も。 だが6回目に巻き戻った時、婚約破棄当時ではなく、ルークと婚約する前まで巻き戻っていた。 今度こそ、自分が不幸になる切っ掛けとなるルークに近づかないようにと決意するノエルだが……。

もう一度君に会えたなら、愛してると言わせてくれるだろうか

まんまる
BL
王太子であるテオバルトは、婚約者の公爵家三男のリアンを蔑ろにして、男爵令嬢のミランジュと常に行動を共にしている。 そんな時、ミランジュがリアンの差し金で酷い目にあったと泣きついて来た。 テオバルトはリアンの弁解も聞かず、一方的に責めてしまう。 そしてその日の夜、テオバルトの元に訃報が届く。 大人になりきれない王太子テオバルト×無口で一途な公爵家三男リアン ハッピーエンドかどうかは読んでからのお楽しみという事で。 テオバルドとリアンの息子の第一王子のお話を《もう一度君に会えたなら~2》として上げました。 ※画像は男の子メーカーpicrewさんよりお借りしました。

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】

古森きり
BL
【書籍化決定しました!】 詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります! たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました! アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。 政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。 男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。 自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。 行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。 冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。 カクヨムに書き溜め。 小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

ブレスレットが運んできたもの

mahiro
BL
第一王子が15歳を迎える日、お祝いとは別に未来の妃を探すことを目的としたパーティーが開催することが発表された。 そのパーティーには身分関係なく未婚である女性や歳の近い女性全員に招待状が配られたのだという。 血の繋がりはないが訳あって一緒に住むことになった妹ーーーミシェルも例外ではなく招待されていた。 これまた俺ーーーアレットとは血の繋がりのない兄ーーーベルナールは妹大好きなだけあって大いに喜んでいたのだと思う。 俺はといえば会場のウェイターが足りないため人材募集が貼り出されていたので応募してみたらたまたま通った。 そして迎えた当日、グラスを片付けるため会場から出た所、廊下のすみに光輝く何かを発見し………?

処理中です...