【R18】完結・女なのにBL世界?!「いらない子」が溺愛に堕ちる!

たたら

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エピソード集<R18>

聖夜にホゴシャーズと3

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 物凄く嫌な予感がした割には、
私は夜まで快適に過ごすことが出来た。

夕食はなんと!
侍従さんが広いバルコニーにテーブルとイスを
設置してくれて、皆でそこで食事をした。

バルコニーは広くて…テラスと
言えば良かったのかもしれないけれど、
テーブルを置いてもまだスペースがあまっている。

食事はさすが王宮!と言えるような
豪華な食事で、侍従さんが付きっ切りで
サポートをしてくれた。

私は緊張しっぱなしだったけど
でも食事はおいしかった。

マナーとか全くわからなかったけど
元の世界でのマナーとあまり変わらないようで
ナイフとフォークも普通に使えたし、
何も困らなかった。

……指摘する人がいなかっただけかもしれないけれど。

食事をしながら夕日が落ち、
街の色とりどりの明かりが光って見えるのは
幻想的だった。

もちろん、私が座っている
テラスはオレンジの魔石が光っている。

食事が終わると、
侍従さんたちは私たちにワインを入れてくれて、
部屋には別のアルコールと軽食を
準備してくれてた。

ヴァレリアンが何かを言って、
侍従さんが丁寧にお辞儀をして部屋を出て行った。

「ユウの着替えとかもちゃんと準備させてるからね」

カーティスがワインを飲みながら言う。

「ありがとう」
と言いながら私はワインを少しだけ舐めた。

元の世界でお酒は良く飲んでいたけど
ワインは慣れていないのだ。

だから、まずはちょっとだけ。
ペロリ、と舐めてみる。

ちょっと渋い?
赤いワインだからだろうか。

「ユウはワインはダメだったか?」

私の様子を見ていたスタンリーが
そう声を掛けてくれた。

「ダメじゃないけど、
飲み慣れてないから……苦い?」

そう言うと、スタンリーは
笑って私からグラスを取り上げる。

「なら甘いのを準備しよう」

「私がするよ、ね、ユウ」

スタンリーが動く前に
カーティスがそう言って立ち上がる。

「少し冷えてきたし、もう中に入るか?」

そのタイミングでヴァレリアンが言う。

確かに少し肌寒くはなって来た。

私が頷くと、スタンリーが
私をさっと抱き上げる。

「なら、入ろう」

「おい、スタンリー、抜け駆けはやめろ」

なんてヴァレリアンは言うけれど、
スタンリーは聞こえない素振りで
私を部屋に連れて行ってくれる。

ソファーに座らせてもらうと
すでにカーティスがワインとは
別のグラスを準備していた。

どう見ても洋酒のようなボトルが数本
準備されている。

が。
よく見ると、そのうちの1本だけ
瓶の中に何か果実のようなものが
沈んでいるのが見える。

梅酒みたいなものかな?

私がそれを見ていると
カーティスが飲む?って聞いてくれる。

「うん、飲んでみたい」

「少し甘いお酒だから
ユウならこっちの方が良いかと思って
用意させたんだ」

カーティスがそう言いながら
グラスに果実と一緒にお酒を入れてくれた。

「どうぞ」
とグラスを差し出しながら
カーティスが隣に座る。

反対側にはすでにスタンリーが座っていた。

ヴァレリアンは何故か
ソファーには座らずに、グラスを持って
戸棚の前で何かをしている。

「ヴァレリアン。どうしたの?」

「いや、色々確認することがあってな」

ヴァレリアンはにやりと笑った。

「確認すること?」

「ああ。
そうだ、この部屋の隣……あの扉の先が
湯殿になる。
好きな時に使えばいい」

「うん、ありがとう」

すごいよね。
ほんとに、ホテルみたい。

私はくぴ、っとお酒を飲んだ。

甘い!
そして、美味しい。

見た目はプラムか杏みたいな実だったので
梅酒のようなのを想像していたけれど
飲んだら思ったより爽やかで、
ブドウジュースにジントニックを
混ぜたような味だった。

うわー。
何杯でも飲めそう。

「ユウ、美味しい?」
ってカーティスが聞くので
私は大きく頷いた。

「おいしい!
こんなに美味しいお酒、
初めて飲んだ!」

本当に美味しかったから
つい、興奮して言ってしまった。

ちょっと恥ずかしくなったけど
カーティスは良かった、って
嬉しそうな顔をする。

「ユウのために取り寄せたんだよ」
って言われて、もしかして
物凄く高級酒?って、ちょっとだけ
尻込みした。

でも、飲む。

こんな機会は滅多にないもんね。

私は調子よく飲んで、
3人とおしゃべりを楽しんだ。

最初の話題はバーナードの
結婚式の話だった。

まだ日取りは決まってないのだけれど
結婚することはもちろん、決まっている。

バーナードには体の弱い弟がいるらしく
日取りは弟の体調も考慮して
暑くも寒くもない時期にしようと
言うことだけは決まっているんだとか。

次にエルヴィンとケインのこと。
3人とも「あいつらはまだまだヒヨコだ」
と言うけれど、口調とは逆に表情はやわらかくて、
笑ってしまう。

とても居心地が良い時間だった。

だからヴァレリアンやスタンリーに
聞かれるまま、私は何でも答えてしまった。

カーティスと2人で教会へ行った時のことを。

新婚の街で何があり、
どんな旅だったのか、を。

沢山しゃべると喉が渇くので、
私はグラスに入っている液体を
どんどん飲んでしまった。

でも飲み干したらすぐに
カーティスたちがグラスを
満タンにしてくれるので
またそれを飲んでしまう。

かなり飲んだとは思うけど
なんか良くわからない。

あの事件の結末まで話をして、
やっと一息ついたと思ったら、
隣に座っていたスタンリーが
では、と額にしわを寄せた顔で言った。

「カーティスはユウと
新婚気分を楽しんだと言うことだな?」

険しい顔に、あ。と私は口をつぐんだ。

あの時、スタンリーはすべての仕事を
押し付けられて王都に留守番だったのだ。

「ついでに、ヴァレリアンも
仕事を放置してユウを迎えに行ったな?」

スタンリーの瞳がカーティスと
ヴァレリアンを交互に見る。

「第三王子と王弟の息子は、
それほど偉いか?」

ひょえ、って思った。

いつの間にかスタンリーも
お酒を沢山飲んでたみたいだ。

すっかり目が据わっている。

カーティスもヴァレリアンも
ヤバイと思ったのか無言だった。

「いいだろう。
ユウ、今日は二人で新婚気分だ」

えっと?
頭がまわらないぞ。

と思っていたら、スタンリーが
立ち上がって私を抱き上げた。

「湯にでも入るか」

「ま、待て待て、一人で何を勝手に…」
と、ヴァレリアンが言うが、

「勝手にしたのはおまえたちだろう」
とスタンリーが冷たい目で二人を見る。

「面倒なのを、怒らせちゃったかな」
なんてカーティスが小声で言うのが聞こえてきた。

そしてカーティスは何を思ったのか、
「新婚気分を味わうのはもちろんだけどさ、
スタンリーも見たくない?」
と謎の言葉を言ってきた。

「なにをだ?」

「新婚のユウを、だよ」

は?

意味が分からん。

「私もヴァレリアンも、
ユウのために新婚グッズを持って帰ってきたんだ。
ヴァレリアンはまだ使ったことないよね?」

新婚グッズ?
なんか……あったっけ。

と思ったけれど。

ヴァレリアンが棚から少し大きめの
ケースを取り出すのを見て、
お酒でぽやぽやしていた気分が
一気に冷えた。

新婚グッズ!

「見るか?」
とヴァレリアンがテーブルに上に
ケースを置いたけれど。

だめだめ!
絶対に見たらだめ!

スタンリーの腕の中で暴れたせいで
不機嫌だったスタンリーは
興味が出てしまったようだ。

私を抱っこしたまま
スタンリーは再びソファーに座る。

私はスタンリーの膝の上だ。

ダメだって思うけれど、
アルコールのせいか、力が入らない。

ヴァレリアンがケースを開けると、
そこには……グロテスクなエログッズが
綺麗に整頓されてはいっていた。

スタンリーは一瞬だけ動きを止め、
カーティスを見る。

「ユウにこれを試したのか?」

カーティスを見てスタンリーは言う。

「可愛かったよ」
と、カーティスは楽しそうに笑った。

「誕生祭だ。
俺たちも……可愛いユウを堪能してもいいだろう」

ヴァレリアンが言う。

いいだろう、というのは疑問形ではなく
どう聞いても、決定されたような口調だった。

これは何を言ってもダメなやつだ。
そう思ったけれど、

「ユウ、どうする?」
ってスタンリーは私の顔を覗き込んだ。

冷酷だと言われがちなスタンリーだけど
じつは幼馴染だというだけで、
この二人に挟まれて一番苦労しているし、
だからこそ、優しい。

私が新婚グッズは嫌だと言ったら
諦めてくれるのだろうか。

「先に湯殿に行くか、このままベットか」

ところが私が口を開く前に、
スタンリーはそう口にした。

私は言葉に詰まる。
そういう「どうする?」だったのか。

「どれも違うな」
しかも返事をヴァレリアンがした。

「選択肢はない。ここで、だ」

にやっとヴァレリアンは笑う。

「ユウの可愛い姿を、俺はここで見たい」

その言葉を否定する人物は、
この部屋には誰もいなかった。




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