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15.琥珀の気持ち
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自分から望んでここまで来たのだ。
神使だとか、そんなのはどうでもいい。
召喚失敗は、俺にはどうしょうもない。手伝える事とかあれば、何でもする。
だから。
「──聖女様ではなく、もう一人の人です」
その意味は、伝わったみたいだ。
「ジェイドは、今回の召喚の儀式で魔力を多く使ってしまったようで……まだ目覚めていない」
結とは髪色が違うけど。実際に会わないと分からない。
「髪色……深い青ですか?瞳も」
別人だったら、どうしよう? こちらの世界では身分が高いはずだ。無礼にならないだろうか? この人達だって……平民の俺では、無礼に当たるかも。
処刑とか? 有り得る。緊張しつつ金と銀の美形に視線を送る。
「あの時、彼は倒れてしまって、すぐに治療室に連れて行かれたのですよ。神使様は、ジェイドの姿を見ることは、出来てないと思うのですが……」
ミカエルが、あの時の事を思い出しながら答えてくれた。
「やはり、貴方は神使様だ。彼の姿を知っているなんて」
感心されても、何の力もないはずだ。
「神使とかそんなんじゃなくて。何の力もありません。ただ彼に会ってみたいんです」
必死に訴えかけてみる。
金銀の二人は、一度顔を見合わせた。
「彼は魔力切れのようなので、しばらくは起きません。目が覚めたら、連絡します」
「魔力切れ?」
(本当に魔法の世界なんだ)
「神使様の魔力も、今度測らせて下さいね」
ミカエルは、ずっと嬉しそうにしている。
「魔力なんてある訳ないので。神使とか呼ばずに名前を呼んで下さい。ただ……彼に会いたいんです」
俺の必死さが、伝わったみたいだ。
「私はエドワード・アクアオーラ。この王国の第一王子だ」
「私は、ミカエル・アメジストです。神官長補佐をしています」
「俺……わ、私は琥珀です」
フルネームは不味いかも知れない。名前だけにしておこう。
「琥珀様。必ずジェイドが目覚めたら連絡しますから。先ずはしっかりと休んで下さい」
「いえ、かなり寝ていた気がするので……少しここの環境を知りたいのですが。あ、地図でもあれば……一人でって、ここ王宮か神殿なんですよね?」
勝手に出歩く訳にも行かない。監視がきっとつくのだろう。勢いでここまで来たのだ。ジェイドに会った後の事も何も考えていない。
この先、何処に住めば良いのかも。騎士団の寮とか? あるだろうか?
「琥珀様、ここは王宮になります。召喚の儀式は神殿でしたが、こちらに連れてきたのですよ。倒れたジェイド様も王宮の客室で治療師が交代でサポートしています。ただ地図は存在しません。殿下達の安全の為に」
「そ、そうですね。ジェイド……様に会えた後の事なんですが。何処かの寮に入れますか?騎士団とか、従者用とか? あの。寮が有ればなんですが」
「寮に?」
エドワード殿下は驚いてる。そんなに驚くことでもないはずだ。塾講師や飲食店でのバイトの経験ならあった。ただこの世界でお金を稼ぐ方法が分からない今は、住む場所は安い方が絶対にいいからだ。
「なぜ?こちらに貴賓室がありますので、そちらの準備が整い次第移って貰う予定です。聖女様は神殿の方の貴賓室にいらっしゃいますよ。召喚して、ご不自由をおかけして申し訳なく思っています。どうか、衣食住は甘えて下さい」
「いえ。あの。自分から来たので。迷惑をかけているのは、俺……私です」
エドワード殿下の手が伸びて来て、俺の頭を撫でた。
「えっ?」
「あっ……」
「殿下……」
「琥珀様……謙虚すぎるよ。女神のように美しいのにそれさえも自覚されていない。騎士団の寮などに入れたら襲われ兼ねません。ジェイドが目覚めるまで、護衛を私にさせて下さい」
聖女様の伴侶候補が、自分の護衛に来るなんてとんでもない。
「いえ、一国の王子殿下に護衛なんて頼めません。護るべきは聖女様です。ジェイド……様も、護衛をされるのですか?」
「いえ、訳があって護衛をしてません。逆に聖女が癒しの力で、ジェイドを癒すとかで……くっついている感じなのですが」
「ああ。ゆ、じゃなくて。ジェイド様は女性が苦手じゃないかな? 大丈夫ですか?」
あの聖女……結を狙ってるなら阻止したい。
まだ結とくっつくか分からない。来瀬さんの所にあった本の世界なら、結はジェイド様の可能性が高いのだ。
早く。会わせて欲しい。それだけだ。
神使だとか、そんなのはどうでもいい。
召喚失敗は、俺にはどうしょうもない。手伝える事とかあれば、何でもする。
だから。
「──聖女様ではなく、もう一人の人です」
その意味は、伝わったみたいだ。
「ジェイドは、今回の召喚の儀式で魔力を多く使ってしまったようで……まだ目覚めていない」
結とは髪色が違うけど。実際に会わないと分からない。
「髪色……深い青ですか?瞳も」
別人だったら、どうしよう? こちらの世界では身分が高いはずだ。無礼にならないだろうか? この人達だって……平民の俺では、無礼に当たるかも。
処刑とか? 有り得る。緊張しつつ金と銀の美形に視線を送る。
「あの時、彼は倒れてしまって、すぐに治療室に連れて行かれたのですよ。神使様は、ジェイドの姿を見ることは、出来てないと思うのですが……」
ミカエルが、あの時の事を思い出しながら答えてくれた。
「やはり、貴方は神使様だ。彼の姿を知っているなんて」
感心されても、何の力もないはずだ。
「神使とかそんなんじゃなくて。何の力もありません。ただ彼に会ってみたいんです」
必死に訴えかけてみる。
金銀の二人は、一度顔を見合わせた。
「彼は魔力切れのようなので、しばらくは起きません。目が覚めたら、連絡します」
「魔力切れ?」
(本当に魔法の世界なんだ)
「神使様の魔力も、今度測らせて下さいね」
ミカエルは、ずっと嬉しそうにしている。
「魔力なんてある訳ないので。神使とか呼ばずに名前を呼んで下さい。ただ……彼に会いたいんです」
俺の必死さが、伝わったみたいだ。
「私はエドワード・アクアオーラ。この王国の第一王子だ」
「私は、ミカエル・アメジストです。神官長補佐をしています」
「俺……わ、私は琥珀です」
フルネームは不味いかも知れない。名前だけにしておこう。
「琥珀様。必ずジェイドが目覚めたら連絡しますから。先ずはしっかりと休んで下さい」
「いえ、かなり寝ていた気がするので……少しここの環境を知りたいのですが。あ、地図でもあれば……一人でって、ここ王宮か神殿なんですよね?」
勝手に出歩く訳にも行かない。監視がきっとつくのだろう。勢いでここまで来たのだ。ジェイドに会った後の事も何も考えていない。
この先、何処に住めば良いのかも。騎士団の寮とか? あるだろうか?
「琥珀様、ここは王宮になります。召喚の儀式は神殿でしたが、こちらに連れてきたのですよ。倒れたジェイド様も王宮の客室で治療師が交代でサポートしています。ただ地図は存在しません。殿下達の安全の為に」
「そ、そうですね。ジェイド……様に会えた後の事なんですが。何処かの寮に入れますか?騎士団とか、従者用とか? あの。寮が有ればなんですが」
「寮に?」
エドワード殿下は驚いてる。そんなに驚くことでもないはずだ。塾講師や飲食店でのバイトの経験ならあった。ただこの世界でお金を稼ぐ方法が分からない今は、住む場所は安い方が絶対にいいからだ。
「なぜ?こちらに貴賓室がありますので、そちらの準備が整い次第移って貰う予定です。聖女様は神殿の方の貴賓室にいらっしゃいますよ。召喚して、ご不自由をおかけして申し訳なく思っています。どうか、衣食住は甘えて下さい」
「いえ。あの。自分から来たので。迷惑をかけているのは、俺……私です」
エドワード殿下の手が伸びて来て、俺の頭を撫でた。
「えっ?」
「あっ……」
「殿下……」
「琥珀様……謙虚すぎるよ。女神のように美しいのにそれさえも自覚されていない。騎士団の寮などに入れたら襲われ兼ねません。ジェイドが目覚めるまで、護衛を私にさせて下さい」
聖女様の伴侶候補が、自分の護衛に来るなんてとんでもない。
「いえ、一国の王子殿下に護衛なんて頼めません。護るべきは聖女様です。ジェイド……様も、護衛をされるのですか?」
「いえ、訳があって護衛をしてません。逆に聖女が癒しの力で、ジェイドを癒すとかで……くっついている感じなのですが」
「ああ。ゆ、じゃなくて。ジェイド様は女性が苦手じゃないかな? 大丈夫ですか?」
あの聖女……結を狙ってるなら阻止したい。
まだ結とくっつくか分からない。来瀬さんの所にあった本の世界なら、結はジェイド様の可能性が高いのだ。
早く。会わせて欲しい。それだけだ。
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