復讐溺愛 ~御曹司の罠~

深冬 芽以

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番外編*甘いお仕置き

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「梓、ヤバいって」

 梓を止めよと身体を起こした。

「ぐ……っほ! ごほっ!」

「梓!?」

 梓がむせる。

 両手で口を押え、苦しそうに咳き込む。

「大丈夫か?」

「ん……。だい、じょ……ぶ」

 急いで水を持って来て飲ませると、彼女はそれをゆっくりと一口飲んだ。

「はぁ、吐くかと思った」

「奥まで突っ込み過ぎなんだよ」

「皇丞のがおっき過ぎなのよ」

「それは責められることか?」

「……っふふ」

 バスルームからバスローブを持って来て、彼女の肩にかけた。

 俺も袖を通す。

「はぁ、ちょっと休憩……」

 ベッドに横になった梓の髪に指を通す。

「ね」

「ん?」

「秘書、はどうするの?」

「ああ。かなり優秀なのは確かなんだよな。俵がライバル視するくらい」

「そうなの?」

「倉木社長の前にも、大手で重役秘書してて」

「すごいんだ。お子さんがいるって言ってたわよね」

「ああ」

 訳ありっぽかったな、と思った。

 どんな恩があるのかは知らないが、倉木社長が俺に頼むほど肩入れしている秘書。

「ま、秘書の件は本人の意思を確認してからだな」

「ん……」

「それより……」

 俺は妻の髪を弄んでいた手を彼女の頬に添え、ゆっくりと顔を近づけた。

 既に瞼は閉じていて、そっと唇を重ねる。

 ちゅっちゅっと音を立てて、何度も触れては離れるキスをする。

「ん……」

 ほんの少しだけ冷静になっていた下半身が、再び燃えるように熱を持つ。

「梓」

 早く彼女のなか挿入はいりたい。

 舌先で彼女の唇を割りながら、バスローブの上から胸の尖りを探す。

 が、開かない唇に違和感を持ち、目を開けた。

「梓?」

 妻の瞼は閉じられたまま。



 まさか……。



「梓」

 頬を撫でても、唇を甘噛みしても、ダメ。



 嘘だろ……!?



「梓」

 懇願するような呼びかけに、聞こえてきたのは「すーっ」と気持ちよさそうな寝息。



 えぇぇぇ~~~……。



 思いっきり煽られた末に寝落ちされるなんて。



 結局、梓は何杯飲んでたんだ……?



 ベッドの上で胡坐をかき、片手で頭を抱える。

「マジか……」

 ため息交じりに言いながら、バスローブを押し上げている自分の熱が目に入った。



 コレ、どうすんだよ……。



「ん……」

 梓が俺の方に寝返りした。

 バスローブの胸元が開け、膨らみが露になった。

 これは、まずい。

 妻のこんな姿を見ていては、熱が引かない。

 もう一度ため息をつくと、ベッドを下りた。

 梓の身体に布団を掛ける。

「きっついお仕置きだよ……」

 独り言ちて、俺は梓が飲みかけた水を飲み干した。

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