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6話 元悪役令嬢は元婚約者から結婚を申し込まれる1
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ヒカルは、その大きな青の両方の瞳を更に見開いて、リチャードを見つめる。
「……はい?」
「だからヒカルには、私の正妃になってもらいたい」
ヒカルは、混乱して避けていた筈のリチャードの濃い純粋な紫の双眸を凝視する。リチャードは、強い意志を滲ませてヒカルを直視した。
「利用する気が思いっきり感じられるんだけど……」
ヒカルは、話を逸らそうとリチャードの強い視線から目を離して、冗談を言う。
「ああ、利用する気はあるな。私は、分家の出身だ。ヒカルは、旧光家の血を引いている上に、ライアンは王家の血を3/4も引いている」
リチャードの言葉に、ヒカルはあまりショックは受けていない。自分が姿を消した間に彼は、他の女性と婚約もしていた。まあ、愛情も尽きただろうと思っていたから。
「……そう」
ヒカルは、冷静にリチャードに返した。リチャードとコトハは、意外そうにヒカルを見る。
二人の意志を汲んで、ヒカルは口を開く。
「もう4年も姿を消していたわ。その間、日常と育児に追われて、愛だの恋だのはどうでもいいの。私にはライアンしかいないし。ずっと二人でやってきたのよ。もうウィル王だの予言の姫だの遠い世界の人だわ」
ヒカルの返しにコトハは、頷く。
「そうよね、育児をすると夫への愛は減るわ。子供の方が可愛いし。ヒカルは、現実に追われてきたんだし。でもね、ライアンに王眼の使い方を教えてくれる存在と父親は必要だわ。まだ3歳よ。自分にそっくりな父親に出逢えてあんなに喜んでいたのよ」
突かれたくない痛い所を、見抜いたようにコトハはヒカルの図星を指す。
「でも私たち、ずっと二人で楽しくやってきたんです!」
ヒカルは最後の抵抗をするように叫ぶ。
「ヒカル、認めたくないのはわかるけど……」
ヒカルを諭すようにコトハが説得を始める。それに被さるようにリチャードが口を開く。
「ヒカル、私は君をずっと探してきた。もう諦めかけたが、今会えたのだから君とライアンを引き取りたいんだ」
「利用する気満々なのに?」
ヒカルは、腕を組んで意地悪くリチャードを見据える。ヒカルは、自分一人ならどうでもいいが、ライアンを利用しようとする輩は、牙をむいても守る気だ。
「ヒカル……」
ウィル王となって変わり果てた己と、ライアンの母親となって強くなったヒカルと。
「いい勝負だな」
とリチャードは、独り言ちる。その呟きにヒカルは首を傾げて、真意を悟ったコトハは唇を緩める。
リチャードの中には自分に自分の子を妊娠したことを相談せず、姿を消したヒカルへの怒りと裏切られたことの虚しさが渦巻いていた。今まであれ程、愛した存在はなかった、それ程までに強烈に惹かれたのだ。そして、その存在に裏切られた。今更愛情を求められても、返す事など出来ない。旧友の残した遺言から王家の為に生きている自分は、王家の旧家たる血を引く姫君の
ヒカルを利用してやろうとしている。ヒカルもそれを理解しているのだろう、彼に必死に抵抗してくる。
ヒカルは、ウィル王家の王眼の持ち主の子を妊娠できるのは、番でしかないことを知らない。これはウィル神聖王国では、ウィル正王家とその家臣の一部しか知らされていない、当然だ。リチャードは、家臣たちから己の子のことを杞憂されていたが、見つかったライアンは、旧家の姫君であるヒカルとウィル王であるリチャードのそれも紫の王眼を持つ子だった。この皮肉な出来事が、リチャードは可笑しくて堪らない。
「ヒカル、ライアンはウィル王の私の子どもだ。それに次代の王である証の王眼を持っている、私の所に引き取られるのが最善だと思うが」
リチャードは、真意を隠して穏やかにヒカルに問いかける。ヒカルがそのリチャードの真摯な問いかけに動揺する。今回、西の魔王にライアンを狙われて、光の杖の神器使いである自分でも守り切れなかったのだ。その事実がヒカルを打ちのめしていた。
「わかったわ……」
ヒカルが、額に手を当ててため息を吐く。コトハがそれに妥当だと頷き、リチャードは優しく微笑む。
「まあ、ウィル王なら大丈夫だと思いますが、私たちは契約婚でお願いします」
「契約婚?」
ヒカルの意外な提案にリチャードは声を出して笑い出す。相変わらず何を言い出すかわからない。
「だから自惚れてないからっ! 一応言ったまでで!」
羞恥心から頬を染めて、ヒカルは誤魔化すようにコーヒーを口に含む。
「私は、契約婚のつもりはないが……」
リチャードは、にやにやしながらヒカルをからかう。ヒカルは飲んだコーヒーをのどに詰まらせて、むせる。
「ひ、人をからかうのはいい加減に……」
あまりに素直な反応に、前ウィル王や予言の姫に玩具にされたのが理解できる。25歳でこれだ、純粋にも程がある。リチャードは笑い続ける。こんなに笑うのは久しぶりだ。
「ウィル王!」
ヒカルの叫びにリチャードは、我に返る。もう、過去のようには呼ばれないのだと思い知らされる。目の前には、顔を真っ赤にしたヒカルと同じく笑い転げる予言の姫がいた。
「すまない、ついヒカルが面白くて……」
「そうよね~。相変わらず、天然よね」
世界を司どる王たちに馬鹿にされて、ヒカルは不貞腐れる。
「ええ。どうせ変ですよ、私は。どうとでもして下さいよ」
「なら、私の正妃になって貰って、私の子どもを産んでもらいたい」
ヒカルの言質を取ったうえでリチャードは提案する。
「はあ?」
「はっ?」
ヒカルとコトハが同時に言葉を発する。
「王眼を持つウィル王族の子は、番である存在にしか産めない。私の子はヒカル
にしか産めないのだ」
ヒカルはリチャードが明かした衝撃の事実に目を丸くする。そういう事実を明かした上で利用
してやろうとする自分は酷いとリチャードは、思う。かつて彼女を愛した頃の自分は何処に行ったのだろう。生真面目で清廉と言われた過去の自分は。
ウィル王となり、濃い純粋な紫の王眼を持つ者で未婚の王族は、彼だけだ。番に去られた王を利用しようと彼に言い寄ってくる高位貴族の子女にうんざりしていた時だった。思いがけないことがあり、クーパー伯爵家のソフィーと婚約した。それは、彼の本意とは違う婚約だった。
今、彼の番であり、旧王家の王子であるアレックスの実の娘のヒカルとそのヒカルとリチャードの子であるライアンが見つかったのだ、ソフィーとの婚約を破棄できる。ヒカルとライアンをその婚約破棄の為に利用することは少しは、彼の残された善意が後ろめたく感じさせる。
だが、今高位貴族の中で勢力を伸ばす新興の貴族であるクーパー伯爵家は、リチャードにとっての敵同然なのだ。リチャードの取る庶民に重きを置いた政策を反対する筆頭の貴族である。そのクーパー家からの罠に嵌められたリチャードは、このままソフィーとクーパー伯爵家の手の内に陥るのかと思っていたが、その時にヒカルの存在を察知したのだ。番であるヒカルの存在でもと思った時にライアンの存在を知ったのだ。
自分は運がいいとリチャードは、乾いた笑いを浮かべた。
「……はい?」
「だからヒカルには、私の正妃になってもらいたい」
ヒカルは、混乱して避けていた筈のリチャードの濃い純粋な紫の双眸を凝視する。リチャードは、強い意志を滲ませてヒカルを直視した。
「利用する気が思いっきり感じられるんだけど……」
ヒカルは、話を逸らそうとリチャードの強い視線から目を離して、冗談を言う。
「ああ、利用する気はあるな。私は、分家の出身だ。ヒカルは、旧光家の血を引いている上に、ライアンは王家の血を3/4も引いている」
リチャードの言葉に、ヒカルはあまりショックは受けていない。自分が姿を消した間に彼は、他の女性と婚約もしていた。まあ、愛情も尽きただろうと思っていたから。
「……そう」
ヒカルは、冷静にリチャードに返した。リチャードとコトハは、意外そうにヒカルを見る。
二人の意志を汲んで、ヒカルは口を開く。
「もう4年も姿を消していたわ。その間、日常と育児に追われて、愛だの恋だのはどうでもいいの。私にはライアンしかいないし。ずっと二人でやってきたのよ。もうウィル王だの予言の姫だの遠い世界の人だわ」
ヒカルの返しにコトハは、頷く。
「そうよね、育児をすると夫への愛は減るわ。子供の方が可愛いし。ヒカルは、現実に追われてきたんだし。でもね、ライアンに王眼の使い方を教えてくれる存在と父親は必要だわ。まだ3歳よ。自分にそっくりな父親に出逢えてあんなに喜んでいたのよ」
突かれたくない痛い所を、見抜いたようにコトハはヒカルの図星を指す。
「でも私たち、ずっと二人で楽しくやってきたんです!」
ヒカルは最後の抵抗をするように叫ぶ。
「ヒカル、認めたくないのはわかるけど……」
ヒカルを諭すようにコトハが説得を始める。それに被さるようにリチャードが口を開く。
「ヒカル、私は君をずっと探してきた。もう諦めかけたが、今会えたのだから君とライアンを引き取りたいんだ」
「利用する気満々なのに?」
ヒカルは、腕を組んで意地悪くリチャードを見据える。ヒカルは、自分一人ならどうでもいいが、ライアンを利用しようとする輩は、牙をむいても守る気だ。
「ヒカル……」
ウィル王となって変わり果てた己と、ライアンの母親となって強くなったヒカルと。
「いい勝負だな」
とリチャードは、独り言ちる。その呟きにヒカルは首を傾げて、真意を悟ったコトハは唇を緩める。
リチャードの中には自分に自分の子を妊娠したことを相談せず、姿を消したヒカルへの怒りと裏切られたことの虚しさが渦巻いていた。今まであれ程、愛した存在はなかった、それ程までに強烈に惹かれたのだ。そして、その存在に裏切られた。今更愛情を求められても、返す事など出来ない。旧友の残した遺言から王家の為に生きている自分は、王家の旧家たる血を引く姫君の
ヒカルを利用してやろうとしている。ヒカルもそれを理解しているのだろう、彼に必死に抵抗してくる。
ヒカルは、ウィル王家の王眼の持ち主の子を妊娠できるのは、番でしかないことを知らない。これはウィル神聖王国では、ウィル正王家とその家臣の一部しか知らされていない、当然だ。リチャードは、家臣たちから己の子のことを杞憂されていたが、見つかったライアンは、旧家の姫君であるヒカルとウィル王であるリチャードのそれも紫の王眼を持つ子だった。この皮肉な出来事が、リチャードは可笑しくて堪らない。
「ヒカル、ライアンはウィル王の私の子どもだ。それに次代の王である証の王眼を持っている、私の所に引き取られるのが最善だと思うが」
リチャードは、真意を隠して穏やかにヒカルに問いかける。ヒカルがそのリチャードの真摯な問いかけに動揺する。今回、西の魔王にライアンを狙われて、光の杖の神器使いである自分でも守り切れなかったのだ。その事実がヒカルを打ちのめしていた。
「わかったわ……」
ヒカルが、額に手を当ててため息を吐く。コトハがそれに妥当だと頷き、リチャードは優しく微笑む。
「まあ、ウィル王なら大丈夫だと思いますが、私たちは契約婚でお願いします」
「契約婚?」
ヒカルの意外な提案にリチャードは声を出して笑い出す。相変わらず何を言い出すかわからない。
「だから自惚れてないからっ! 一応言ったまでで!」
羞恥心から頬を染めて、ヒカルは誤魔化すようにコーヒーを口に含む。
「私は、契約婚のつもりはないが……」
リチャードは、にやにやしながらヒカルをからかう。ヒカルは飲んだコーヒーをのどに詰まらせて、むせる。
「ひ、人をからかうのはいい加減に……」
あまりに素直な反応に、前ウィル王や予言の姫に玩具にされたのが理解できる。25歳でこれだ、純粋にも程がある。リチャードは笑い続ける。こんなに笑うのは久しぶりだ。
「ウィル王!」
ヒカルの叫びにリチャードは、我に返る。もう、過去のようには呼ばれないのだと思い知らされる。目の前には、顔を真っ赤にしたヒカルと同じく笑い転げる予言の姫がいた。
「すまない、ついヒカルが面白くて……」
「そうよね~。相変わらず、天然よね」
世界を司どる王たちに馬鹿にされて、ヒカルは不貞腐れる。
「ええ。どうせ変ですよ、私は。どうとでもして下さいよ」
「なら、私の正妃になって貰って、私の子どもを産んでもらいたい」
ヒカルの言質を取ったうえでリチャードは提案する。
「はあ?」
「はっ?」
ヒカルとコトハが同時に言葉を発する。
「王眼を持つウィル王族の子は、番である存在にしか産めない。私の子はヒカル
にしか産めないのだ」
ヒカルはリチャードが明かした衝撃の事実に目を丸くする。そういう事実を明かした上で利用
してやろうとする自分は酷いとリチャードは、思う。かつて彼女を愛した頃の自分は何処に行ったのだろう。生真面目で清廉と言われた過去の自分は。
ウィル王となり、濃い純粋な紫の王眼を持つ者で未婚の王族は、彼だけだ。番に去られた王を利用しようと彼に言い寄ってくる高位貴族の子女にうんざりしていた時だった。思いがけないことがあり、クーパー伯爵家のソフィーと婚約した。それは、彼の本意とは違う婚約だった。
今、彼の番であり、旧王家の王子であるアレックスの実の娘のヒカルとそのヒカルとリチャードの子であるライアンが見つかったのだ、ソフィーとの婚約を破棄できる。ヒカルとライアンをその婚約破棄の為に利用することは少しは、彼の残された善意が後ろめたく感じさせる。
だが、今高位貴族の中で勢力を伸ばす新興の貴族であるクーパー伯爵家は、リチャードにとっての敵同然なのだ。リチャードの取る庶民に重きを置いた政策を反対する筆頭の貴族である。そのクーパー家からの罠に嵌められたリチャードは、このままソフィーとクーパー伯爵家の手の内に陥るのかと思っていたが、その時にヒカルの存在を察知したのだ。番であるヒカルの存在でもと思った時にライアンの存在を知ったのだ。
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