神獣様の森にて。

しゅ

文字の大きさ
9 / 14
本編の裏での別のお話。

02*ギル目線

しおりを挟む



『はっ!はじめまして!!フェン・リーリルです!!神都は初めてな田舎者ですが、ど、どうぞよろしくお願いします!!』


真っ赤な顔をして、真面目な挨拶をしてきたフェン。


一目惚れだった。


少し小柄で、筋肉のついたな身体。まっすぐ俺を見つめるくりくりとした瞳。


すべてが愛しい。俺のものにしたい。


フェンとペアになってからというもの、神都を知らないフェンに、神都を教えてやるという口実の元、デートを重ねた。



...........まぁ、デートだと思っているのは俺だけだが。


新しい場所を教える度に可愛い顔して喜ぶフェン。『一目惚れは、相手を知る内に嫌な所が見えて冷めていくもんだ。』なんて誰が言ったんだ。どんどん好きになる。沼か?沼なのか?



俺は自分で言うのもなんだが、気持ちをわかりやすく態度に出しているつもりだ。好き過ぎて、出したくなくても出てしまうからな。早めに諦めたんだ。
.........なのにフェンは気づいてくれない。逆に気づかなくていい仲間達の方が早めに察しやがった。


「お前、隠してないからな。知りたくなくても分かってしまうんだよな。」

「そうなんだよな~察したくなんてなかった。」

「うるせえ」

「ほいでもって、愛しのフェンちゃんには伝わらないというこの地獄。なんで?なんでなの?」

「フェンちゃん、鈍感馬鹿だからなあ。」

「うるせえ!フェンに手を出したら..........お前らでも容赦しねぇからな.....?」

「ガチトーンやめてくれん?あ、顔もガチだよ~もぉ~......。大丈夫。俺らみんな女の子が好きだから。」

「そうそう。彼女いるし。」

「は!?この裏切りモノォ!!!!!」



............こんな感じで、周りも固めてきたし、小さい頃から貯めてきた恋人を甘やかすための貯金(尚、運命の人が現れるまで使う気はなかったため、現在まで入金しかしたことが無い。)も、しっかり貯まってきた。



いつでもフェンを囲える状態。



早く、俺の事好きになってくれないかな。
出会ってから3年も経ったし、そろそろなんじゃないかな。


もっともっとフェンを甘やかしたい。
可愛がりたい。愛でたい。触りたい。





楽しみだな。






┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈






.........って、思ってたのに。






は?俺を置いて死ぬ?ふざけんなよ?お前が死ぬなら俺も後を追うが?

ってか初めて会った時から今日まで神獣様、神獣様、神獣様、神獣様.........。え、なに?フェンって神獣様が好きなの?........いや、そんな事思うなんて烏滸がましいとか言いそうだな。


頭の中がグルグルする。信じたくない。
........でも、フェンの顔が大真面目だ。




嫌だ



嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ




フェンがいなくなる?



ありえない。






フェンが死ななきゃいけない世界なんて





要らない。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

幽閉王子は最強皇子に包まれる

皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。 表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

もう観念しなよ、呆れた顔の彼に諦めの悪い僕は財布の3万円を机の上に置いた

谷地
BL
お昼寝コース(※2時間)8000円。 就寝コースは、8時間/1万5千円・10時間/2万円・12時間/3万円~お選びいただけます。 お好みのキャストを選んで御予約下さい。はじめてに限り2000円値引きキャンペーン実施中! 液晶の中で光るポップなフォントは安っぽくぴかぴかと光っていた。 完結しました *・゚ 2025.5.10 少し修正しました。

不能の公爵令息は婚約者を愛でたい(が難しい)

たたら
BL
久々の新作です。 全16話。 すでに書き終えているので、 毎日17時に更新します。 *** 騎士をしている公爵家の次男は、顔良し、家柄良しで、令嬢たちからは人気だった。 だが、ある事件をきっかけに、彼は【不能】になってしまう。 醜聞にならないように不能であることは隠されていたが、 その事件から彼は恋愛、結婚に見向きもしなくなり、 無表情で女性を冷たくあしらうばかり。 そんな彼は社交界では堅物、女嫌い、と噂されていた。 本人は公爵家を継ぐ必要が無いので、結婚はしない、と決めてはいたが、 次男を心配した公爵家当主が、騎士団長に相談したことがきっかけで、 彼はあっと言う間に婿入りが決まってしまった! は? 騎士団長と結婚!? 無理無理。 いくら俺が【不能】と言っても…… え? 違う? 妖精? 妖精と結婚ですか?! ちょ、可愛すぎて【不能】が治ったんですが。 だめ? 【不能】じゃないと結婚できない? あれよあれよと婚約が決まり、 慌てる堅物騎士と俺の妖精(天使との噂有)の 可愛い恋物語です。 ** 仕事が変わり、環境の変化から全く小説を掛けずにおりました💦 落ち着いてきたので、また少しづつ書き始めて行きたいと思っています。 今回は短編で。 リハビリがてらサクッと書いたものですf^^; 楽しんで頂けたら嬉しいです

信じて送り出した養い子が、魔王の首を手柄に俺へ迫ってくるんだが……

鳥羽ミワ
BL
ミルはとある貴族の家で使用人として働いていた。そこの末息子・レオンは、不吉な赤目や強い黒魔力を持つことで忌み嫌われている。それを見かねたミルは、レオンを離れへ隔離するという名目で、彼の面倒を見ていた。 そんなある日、魔王復活の知らせが届く。レオンは勇者候補として戦地へ向かうこととなった。心配でたまらないミルだが、レオンはあっさり魔王を討ち取った。 これでレオンの将来は安泰だ! と喜んだのも束の間、レオンはミルに求婚する。 「俺はずっと、ミルのことが好きだった」 そんなこと聞いてないが!? だけどうるうるの瞳(※ミル視点)で迫るレオンを、ミルは拒み切れなくて……。 お人よしでほだされやすい鈍感使用人と、彼をずっと恋い慕い続けた令息。長年の執着の粘り勝ちを見届けろ! ※エブリスタ様、カクヨム様、pixiv様にも掲載しています

モフモフになった魔術師はエリート騎士の愛に困惑中

risashy
BL
魔術師団の落ちこぼれ魔術師、ローランド。 任務中にひょんなことからモフモフに変幻し、人間に戻れなくなってしまう。そんなところを騎士団の有望株アルヴィンに拾われ、命拾いしていた。 快適なペット生活を満喫する中、実はアルヴィンが自分を好きだと知る。 アルヴィンから語られる自分への愛に、ローランドは戸惑うものの——? 24000字程度の短編です。 ※BL(ボーイズラブ)作品です。 この作品は小説家になろうさんでも公開します。

婚約破棄された悪役令息は従者に溺愛される

田中
BL
BLゲームの悪役令息であるリアン・ヒスコックに転生してしまった俺は、婚約者である第二王子から断罪されるのを待っていた! なぜなら断罪が領地で療養という軽い処置だから。 婚約破棄をされたリアンは従者のテオと共に領地の屋敷で暮らすことになるが何気ないリアンの一言で、テオがリアンにぐいぐい迫ってきてーー?! 従者×悪役令息

陰キャ幼馴染がミスターコン代表に選ばれたので、俺が世界一イケメンにしてやります

あと
BL
「俺が!お前を生まれ変わらせる!」

自己肯定感低めの陰キャ一途攻め×世話焼きなお人好し平凡受け

いじられキャラで陰キャな攻めが数合わせでノミネートされ、2ヶ月後の大学の学園祭のミスターコンの学部代表になる。誰もが優勝するわけないと思う中、攻めの幼馴染である受けは周囲を見返すために、攻めを大幅にイメチェンさせることを決意する。そして、隠れイケメンな攻めはどんどん垢抜けていき……?

攻め:逸見悠里
受け:佐々木歩

⚠️途中でファッションの話になりますが、作者は服に詳しくないので、ダサいじゃん!とか思ってもスルーでお願いします。

誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。

【連載版あり】「頭をなでてほしい」と、部下に要求された騎士団長の苦悩

ゆらり
BL
「頭をなでてほしい」と、人外レベルに強い無表情な新人騎士に要求されて、断り切れずに頭を撫で回したあげくに、深淵にはまり込んでしまう騎士団長のお話。リハビリ自家発電小説。一話完結です。 ※加筆修正が加えられています。投稿初日とは誤差があります。ご了承ください。

処理中です...