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いよいよ……。

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「おぉ! 来てくれたか!」
「当然ですよ。国王様」
「堅苦しいのう! 叔父様と呼んで構わん!」
「では、そうさせていただきます。叔父様」

 エイザーは王宮を訪れていた。
 先ほどスパイに聞かされていた通り、集まった騎士は皆酒に溺れている。

 もはや自分が力を貸すまでもなかったか……。と、笑いが止まらなかった。

「愉快そうだな。エイザーよ」
「アレス様ほどではありません」

 皮肉っぽく言ったエイザーだが、アレスはそんなこと気にもせず、エイザーに酒を進める。
 あまりに粗悪な酒だったので、エイザーは匂いを嗅いだだけで飲んだフリをした。

 こんな奴らに、国を任せておくわけにはいかないと再確認したエイザーは、一旦王の間を出て、外に向かう。

「やぁカムラ。セイン。準備はできてるかい?」

 すでにそこには、大勢の騎士団と街の人々、そしてそれらを束ねるカムラとセインが待っていた。

「はい。いつでも攻めることができます」
「ははっ。やる気だね……。僕はもう疲れたよ。あんな馬鹿どもに国を治められていたこれまでが、この国にとっての大きな恥だ」
「すぐに……。終わらせましょう」
「あぁ。そうだね。ところでカムラ」
「はい。なんでしょう」
「君は――。この中で一番、彼に怒りを覚えているはずだ」

 カムラはなんと答えようか迷ったが、セインが笑ってくれていたので、正直に気持ちを伝えることにした。

「……はい。その通りです。散々振り回されてきました。ミンダ様もそうですが……。彼らは本当に腐っていると思います」
「僕もそう思うよ。しかし、いつ潰そうかとなると、実はなかなかタイミングが難しくてね……。革命というのはエネルギーを使うんだ」
「そもそも貴族がこれだけ絡んでいる時点で、革命というより……」
「そうだね。単なる説教だ」

 エイザーは大声で笑った。
 つられるようにして、街の人々や騎士団も笑っている。

「これだけ大声を出しても、奴らは気が付くことはないだろう。全く間抜けな連中だ、酔えるだけの酒を飲んで、顔を赤らめながら――。自分たちがこれから立場を失うことなんて一ミリも考えずに、楽しく騒いでいるよ」
「……呑気な話です」
「カムラ。あの王子は本当に女の子に目が無いんだね。ウチの送ったスパイに簡単に騙されていたよ」
「……」

 カムラは怒りで震えていた。

「あの馬鹿王子の頬に、いっぱつぶちかましてやろう」
「……はい」
「よし……。じゃあ、長話もこれまでにして、そろそろ王宮に向かおうか」

 人々から歓声が上がった。
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