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第2話『それは現実ですよ。殿下』 2/4
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「冒険者というのは、チームなるものを組むそうです。そこで力を合わせ、魔物と戦うのだと。そして深い友情や信頼が築かれるのだと!」
「その程度の事は私でも知っている。その上で聞くが、君とチームを組める人間がどれだけ居ると思う?」
「私と組める……? いや、え、っと」
「やはり知らぬか。ミラ。君は頭が良いし勉強家だが、酷い世間知らずだ。まぁ、君の過保護な兄や姉がそうさせるのだろうがな。いや、過保護なのは君の友人たちもか。と、まぁ、それは良い。今は関係ない話だ。良いか? ミラ。冒険者というのは、組合に登録しただけでは、チームを組む事など出来ないのだ」
「えぇ!? そうなのですか!?」
「あぁ。無論組んだ方が良いですよ。とは案内されるだろうがな。それで組合がチームメンバーを斡旋したりはしない。何故か分かるか?」
「え、えと。何故でしょうか」
「チームというのは、冒険者として活動を共にする仲間だからだ。遠征の依頼があれば数日間を共にする事もあるし、先ほどミラが言った様に強大な魔物を相手に、力を合わせて戦う事もある。そんな時に、相性も性格も分からない相手と、そんな事が出来ると思うか?」
「……多分、出来ますが」
「ミラ! 自分を基準に考えるのは止めろ! 人類は君の様に懐が深くはない」
「っ! はひ! で、でも歴史書を見る限りでは聖女様……」
「言っておくが、歴史に名前を残している聖人や聖女を例に出しても意味が無いからな。彼女達は君と同類だ。一般的な人類とはかけ離れた特別な人間だ。分かるな?」
「あ、いえ。私はそんな特別な人間では」
「ミラ。謙虚な所も君の美徳だとは思うがな。君を平均にした時、苦しむ者も居るという事を理解しろ。君は慈悲深いのだ。五十年の長きに渡り不在であった聖女の名と地位を与える事に、国連議会がほぼ満場一致で可決したにも関わらず! 君を独占したいという欲望から! べべリア聖国が、己の国に属さない人間を聖女とは呼べない……等という意味不明な抵抗を続ける程度には、君は特別で! 選ばれた人間なのだ! 普通の人間の様な顔をするな。民を憐れむのであればな」
褒められているのか、怒られているのかよく分からない中、殿下の言葉に私は小さく頷いた。
「その程度の事は私でも知っている。その上で聞くが、君とチームを組める人間がどれだけ居ると思う?」
「私と組める……? いや、え、っと」
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「えぇ!? そうなのですか!?」
「あぁ。無論組んだ方が良いですよ。とは案内されるだろうがな。それで組合がチームメンバーを斡旋したりはしない。何故か分かるか?」
「え、えと。何故でしょうか」
「チームというのは、冒険者として活動を共にする仲間だからだ。遠征の依頼があれば数日間を共にする事もあるし、先ほどミラが言った様に強大な魔物を相手に、力を合わせて戦う事もある。そんな時に、相性も性格も分からない相手と、そんな事が出来ると思うか?」
「……多分、出来ますが」
「ミラ! 自分を基準に考えるのは止めろ! 人類は君の様に懐が深くはない」
「っ! はひ! で、でも歴史書を見る限りでは聖女様……」
「言っておくが、歴史に名前を残している聖人や聖女を例に出しても意味が無いからな。彼女達は君と同類だ。一般的な人類とはかけ離れた特別な人間だ。分かるな?」
「あ、いえ。私はそんな特別な人間では」
「ミラ。謙虚な所も君の美徳だとは思うがな。君を平均にした時、苦しむ者も居るという事を理解しろ。君は慈悲深いのだ。五十年の長きに渡り不在であった聖女の名と地位を与える事に、国連議会がほぼ満場一致で可決したにも関わらず! 君を独占したいという欲望から! べべリア聖国が、己の国に属さない人間を聖女とは呼べない……等という意味不明な抵抗を続ける程度には、君は特別で! 選ばれた人間なのだ! 普通の人間の様な顔をするな。民を憐れむのであればな」
褒められているのか、怒られているのかよく分からない中、殿下の言葉に私は小さく頷いた。
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