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・第五十四話「皇帝文明帝国に痛撃を見舞うの事」
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フロレンシア救出成功は、レーマリア陣営を大いに湧かせた。ここまで騎兵戦を含め三連勝。この勢いでアクアリアも救出すれば、東吼軍も不利を悟って撤退するだろう。それが大半の見方であった。
だがその甘い目論みは、東吼皇帝メールジュク一世の一撃で完膚なきまでに砕け散る事になった。
「何ち!? まさか、いつの間に……」
さしものアルキリーレも、衝撃を隠せずそう呻いた程だった。
それは正に青天の霹靂、突然であり、雷霆の如き衝撃にして痛撃。
南部貿易港都市ネアンパニウム、陥落。
その報が早馬によってもたらされた直後。、アルキリーレは早馬と狼煙、伝書鳩で矢継ぎ早に命令と情報把握を行った。
東吼も鷹狩を用いて伝書鳩を撃墜する等の情報戦が繰り広げられ、海軍に関する幾つかの命令は功を奏したものもあったが、伝わってきた被害は更に拡大した。
即ち、引き続いて北部漁港都市アクアリア陥落。
これにより首都ルームから内陸の中部商農都市フロレンシアを結ぶレーマリア領と平行してネアンパニウムからアクアリアを結ぶ長い距離の海岸を占める東吼領が出現。フロレンシア・レーマリア間の領土の半分以上が常に側面から脅かされうる状態となってしまうだけでなく、海の戦いにも大打撃を受ける事となってしまった。
辛うじて海軍に関するアルキリーレの命令の幾つかが間に合った事と海軍自体の判断により、アクアリアの住民並びに兵士のかなりの部分とネアンパニウムの住民と兵士の幾らか、艦船の半数以上とかなりの数の物資、最大の軍事機密である投火器に関する資料の脱出に成功したが、かなりの市民人口と降伏せざるを得ず捕虜となった兵士、物資、そして領土と領海を奪われてしまった事になる。
更にそれは同時に東吼軍がこれまで各軍を別々に動かしていた理由である補給の現地調達分に関する問題が解決したという事でもあり、そして一部属州との船による連絡に障害を受けるという事でもあった。
「バルミニウス・ゲツマン・ヘルラス。北摩統一をしくじった貴様と、東吼統一を成し遂げた余では、所詮器も格も違うのだ」
皇帝メールジュク一世は嗤う。これまでのアルキリーレの奮闘と勝利を、所詮は小手調べに過ぎぬと。
レーマリア野戦軍を第一軍で抑え、その間の各軍による首都以外の主要都市の制圧による補給と優勢の確保という第一計画。各都市が落ちにくい場合の、野戦軍を第一軍で撃破することによる士気の破壊という第二計画。第一軍が敗れた時の第二軍と第三軍による野戦軍合撃という第三計画。
第一から第三計画は打ち破られてしまった。無論それらが成ればそれに越した事は無かった。だが東吼軍としては、まずそもそも本軍によるネアンパニウム陥落こそが本命の第四計画。四重にも手を重ねていた上に、本命の備えは極めて強力だった。
皇帝率いる本軍は、通常編成の第一~第三軍に比して兵力が七千も多い。そしてその七千の追加戦力もまた、皇帝のみに従う精鋭の親衛隊三千、宗教大臣ジャヴィーティアが指揮する通常のあくまで人体強化の範疇であるこれまでに見られた神秘とは格の違う兵器に匹敵する大規模神秘行使に長けた祈祷僧侶兵五百、少年皇子将校セフトメリムに付き従う神秘と秘薬を用い親衛隊に数では劣るものの更に質に勝る最精鋭たる武闘僧侶兵五百、更に突撃の切り札にして全軍を奮い立たせる督戦の要にして移動する城とでも言うべき獣騎兵三千。
獣騎兵とは、東吼奥地に住まう、高さ四歩尺を優に越える分厚い毛皮に覆われた巨大な体と盾程の大きさのある耳、槍程の長さを持つ二本の下から上に反り返る牙とその牙に勝る大蛇のような長い鼻を持つ生物、城象獣を騎兵が馬を使うが如く用いる兵科だ。
七百五十人の象使が操縦する七百五十頭の城象獣は、その身体能力を生かして頑丈な体の上に更に敵が左右に避けて攻撃する事を阻害する鎌付きの鎧を纏い、鋭い牙と自在に動く鼻に武器を取り付け、背中に象使とそれに付き従い普段は大象獣を世話し戦場では弓矢や槍を取り櫓の上から攻撃する従卒兵を象使一人と城象獣一頭当たり三人、合計二千二百五十加え以て三千人。
騎兵より更に扱いは難しいが突撃が決まればどんな敵でも撃砕し、また突撃せずに立っているだけでも巨獣の威圧感は騎兵の馬を怯えさせ並べて立たせれば櫓からの射撃も合わせ砦のごとし。加えて皇帝を守って獣騎兵が立てば、兵士達は敵兵に敗れ無様を晒せば見限られ味方の獣騎兵の突撃により敵諸共踏み潰されかねないという必死さを付与される。
南黒にも城象獣の親戚として決して人になつかぬ山象獣と人になつく樹象獣がおり、城象獣はその両者の中間程の大きさで南黒でも樹象獣を獣騎兵として用いるが、山象獣は獣騎兵に出来ず樹象獣より城象獣の方が大きく数が豊富で獣騎兵としては広く用いられている事から、獣騎兵としては南黒のものより東吼のものの方が強いと言われている。
と、この七千で通常の二万一千に勝るとすら言われている強力無比の戦力である。
加えて旧西東吼属州、東吼本国に近いこの地に陣取る本軍は、東吼本国からやってくる補給を早期に決戦を放棄し補給等の裏方に回った海軍により第一軍~第三軍より遙かに潤沢に受ける事が出来た。
それにより射撃兵部隊が運用できるようになったのが超大型回転式投石機。レーマリア側の連弩等と同等の新兵器だ。
新兵器といっても、要は分解して運び現場で固定して組み上げる、完全に攻城に特化してサイズを大きくしただけの回転式投石機なのだが。兎に角サイズが桁外れで神秘による強化も施されてあり、射撃こそ通常の回転式投石機より少し長い程度だが、石団の大きさが桁外れであり小型馬車一台分程の石を投じる事が出来た。準備に手間はかかるが、当たれば当たった場所の城壁は崩れ落ちる。
それに加えてアクアリアより経済圏として規模の大きいネアンパニウムは避難して空になった周辺町村が多く、フロレンシアよりたすうの建物が建材として奪取された。多数の城象獣を荷役に使い大量の瓦礫で運河を埋め、更に祈祷僧侶兵が大規模神秘で潮の満ち引きと川の流れを操り水の守りを奪って攻め立て、更に後方支援に徹していた海軍を短艇と携帯投火機による襲撃を行いにくい昼間に集中して投入、トドメに武装僧侶兵が潜入夜襲を行い、これには耐えられずネアンパニウムは遂に陥落。
これらは新兵器と、属州を失った第一次レーマリア・東吼戦争では余りにあっという間にレーマリア軍が降参してしまった為使う暇が無かった兵科であり、レーマリア軍に情報があまり無かったのが災いした。
「柔弱な教帝ペルロ十八世と執政官カエストゥスよ。戦は取引や馬上槍試合とは違う。勝ち星の数で戦局を数える事は出来ぬ。どこでどう勝ったかが、より大きな意味を持つ。これが戦略というものだ」
レーマリア帝国の意思決定者達を皇帝メールジュク一世は嗤う。皇帝の力を思い知るがよい、と。
更に皇帝は外交で手を打った。半ば属国めいた立ち位置に置いた南黒、加えて西馳の有力者に、今レーマリアを襲うなら属州を分け与えると伝えたのだ。この一手で、レーマリア側は第四・第五国家軍団を西と南の国境から短時間でも引き抜いて使う事が出来なくなった。ただ外交だけで、予備兵力が二個軍団減少したに等しい一撃が加えられた。
「そして、滅びるのだ」
故に皇帝は嗤う。結集した軍勢を束ね率い進む。レーマリアを滅ぼすべく。
レーマリア、絶対の危機が到来する。
だがその甘い目論みは、東吼皇帝メールジュク一世の一撃で完膚なきまでに砕け散る事になった。
「何ち!? まさか、いつの間に……」
さしものアルキリーレも、衝撃を隠せずそう呻いた程だった。
それは正に青天の霹靂、突然であり、雷霆の如き衝撃にして痛撃。
南部貿易港都市ネアンパニウム、陥落。
その報が早馬によってもたらされた直後。、アルキリーレは早馬と狼煙、伝書鳩で矢継ぎ早に命令と情報把握を行った。
東吼も鷹狩を用いて伝書鳩を撃墜する等の情報戦が繰り広げられ、海軍に関する幾つかの命令は功を奏したものもあったが、伝わってきた被害は更に拡大した。
即ち、引き続いて北部漁港都市アクアリア陥落。
これにより首都ルームから内陸の中部商農都市フロレンシアを結ぶレーマリア領と平行してネアンパニウムからアクアリアを結ぶ長い距離の海岸を占める東吼領が出現。フロレンシア・レーマリア間の領土の半分以上が常に側面から脅かされうる状態となってしまうだけでなく、海の戦いにも大打撃を受ける事となってしまった。
辛うじて海軍に関するアルキリーレの命令の幾つかが間に合った事と海軍自体の判断により、アクアリアの住民並びに兵士のかなりの部分とネアンパニウムの住民と兵士の幾らか、艦船の半数以上とかなりの数の物資、最大の軍事機密である投火器に関する資料の脱出に成功したが、かなりの市民人口と降伏せざるを得ず捕虜となった兵士、物資、そして領土と領海を奪われてしまった事になる。
更にそれは同時に東吼軍がこれまで各軍を別々に動かしていた理由である補給の現地調達分に関する問題が解決したという事でもあり、そして一部属州との船による連絡に障害を受けるという事でもあった。
「バルミニウス・ゲツマン・ヘルラス。北摩統一をしくじった貴様と、東吼統一を成し遂げた余では、所詮器も格も違うのだ」
皇帝メールジュク一世は嗤う。これまでのアルキリーレの奮闘と勝利を、所詮は小手調べに過ぎぬと。
レーマリア野戦軍を第一軍で抑え、その間の各軍による首都以外の主要都市の制圧による補給と優勢の確保という第一計画。各都市が落ちにくい場合の、野戦軍を第一軍で撃破することによる士気の破壊という第二計画。第一軍が敗れた時の第二軍と第三軍による野戦軍合撃という第三計画。
第一から第三計画は打ち破られてしまった。無論それらが成ればそれに越した事は無かった。だが東吼軍としては、まずそもそも本軍によるネアンパニウム陥落こそが本命の第四計画。四重にも手を重ねていた上に、本命の備えは極めて強力だった。
皇帝率いる本軍は、通常編成の第一~第三軍に比して兵力が七千も多い。そしてその七千の追加戦力もまた、皇帝のみに従う精鋭の親衛隊三千、宗教大臣ジャヴィーティアが指揮する通常のあくまで人体強化の範疇であるこれまでに見られた神秘とは格の違う兵器に匹敵する大規模神秘行使に長けた祈祷僧侶兵五百、少年皇子将校セフトメリムに付き従う神秘と秘薬を用い親衛隊に数では劣るものの更に質に勝る最精鋭たる武闘僧侶兵五百、更に突撃の切り札にして全軍を奮い立たせる督戦の要にして移動する城とでも言うべき獣騎兵三千。
獣騎兵とは、東吼奥地に住まう、高さ四歩尺を優に越える分厚い毛皮に覆われた巨大な体と盾程の大きさのある耳、槍程の長さを持つ二本の下から上に反り返る牙とその牙に勝る大蛇のような長い鼻を持つ生物、城象獣を騎兵が馬を使うが如く用いる兵科だ。
七百五十人の象使が操縦する七百五十頭の城象獣は、その身体能力を生かして頑丈な体の上に更に敵が左右に避けて攻撃する事を阻害する鎌付きの鎧を纏い、鋭い牙と自在に動く鼻に武器を取り付け、背中に象使とそれに付き従い普段は大象獣を世話し戦場では弓矢や槍を取り櫓の上から攻撃する従卒兵を象使一人と城象獣一頭当たり三人、合計二千二百五十加え以て三千人。
騎兵より更に扱いは難しいが突撃が決まればどんな敵でも撃砕し、また突撃せずに立っているだけでも巨獣の威圧感は騎兵の馬を怯えさせ並べて立たせれば櫓からの射撃も合わせ砦のごとし。加えて皇帝を守って獣騎兵が立てば、兵士達は敵兵に敗れ無様を晒せば見限られ味方の獣騎兵の突撃により敵諸共踏み潰されかねないという必死さを付与される。
南黒にも城象獣の親戚として決して人になつかぬ山象獣と人になつく樹象獣がおり、城象獣はその両者の中間程の大きさで南黒でも樹象獣を獣騎兵として用いるが、山象獣は獣騎兵に出来ず樹象獣より城象獣の方が大きく数が豊富で獣騎兵としては広く用いられている事から、獣騎兵としては南黒のものより東吼のものの方が強いと言われている。
と、この七千で通常の二万一千に勝るとすら言われている強力無比の戦力である。
加えて旧西東吼属州、東吼本国に近いこの地に陣取る本軍は、東吼本国からやってくる補給を早期に決戦を放棄し補給等の裏方に回った海軍により第一軍~第三軍より遙かに潤沢に受ける事が出来た。
それにより射撃兵部隊が運用できるようになったのが超大型回転式投石機。レーマリア側の連弩等と同等の新兵器だ。
新兵器といっても、要は分解して運び現場で固定して組み上げる、完全に攻城に特化してサイズを大きくしただけの回転式投石機なのだが。兎に角サイズが桁外れで神秘による強化も施されてあり、射撃こそ通常の回転式投石機より少し長い程度だが、石団の大きさが桁外れであり小型馬車一台分程の石を投じる事が出来た。準備に手間はかかるが、当たれば当たった場所の城壁は崩れ落ちる。
それに加えてアクアリアより経済圏として規模の大きいネアンパニウムは避難して空になった周辺町村が多く、フロレンシアよりたすうの建物が建材として奪取された。多数の城象獣を荷役に使い大量の瓦礫で運河を埋め、更に祈祷僧侶兵が大規模神秘で潮の満ち引きと川の流れを操り水の守りを奪って攻め立て、更に後方支援に徹していた海軍を短艇と携帯投火機による襲撃を行いにくい昼間に集中して投入、トドメに武装僧侶兵が潜入夜襲を行い、これには耐えられずネアンパニウムは遂に陥落。
これらは新兵器と、属州を失った第一次レーマリア・東吼戦争では余りにあっという間にレーマリア軍が降参してしまった為使う暇が無かった兵科であり、レーマリア軍に情報があまり無かったのが災いした。
「柔弱な教帝ペルロ十八世と執政官カエストゥスよ。戦は取引や馬上槍試合とは違う。勝ち星の数で戦局を数える事は出来ぬ。どこでどう勝ったかが、より大きな意味を持つ。これが戦略というものだ」
レーマリア帝国の意思決定者達を皇帝メールジュク一世は嗤う。皇帝の力を思い知るがよい、と。
更に皇帝は外交で手を打った。半ば属国めいた立ち位置に置いた南黒、加えて西馳の有力者に、今レーマリアを襲うなら属州を分け与えると伝えたのだ。この一手で、レーマリア側は第四・第五国家軍団を西と南の国境から短時間でも引き抜いて使う事が出来なくなった。ただ外交だけで、予備兵力が二個軍団減少したに等しい一撃が加えられた。
「そして、滅びるのだ」
故に皇帝は嗤う。結集した軍勢を束ね率い進む。レーマリアを滅ぼすべく。
レーマリア、絶対の危機が到来する。
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