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神世への追憶編
南国のバカンス 12
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今回はピロートーク編なのでやや短めなのですが、単にエッチなだけじゃ無くて蒼太君とアウロラちゃんの心の交流と言いますか、要するにシットリとした話を書きたかったのです(先にメリアリアちゃんの心境や心情、そして彼女と蒼太君との心の触れ合いとでも申しますか、深く愛し合うが故の魂の共鳴現象までをかなり深掘りして書かせていただきましたが、一方でアウロラちゃんやオリヴィアちゃんのそう言う話もしっかりと書いていきませんと、物語が寂しくなってしまいますからね)。
それとあともう一つ、アウロラちゃんにも実は悩みがあるんですよ、彼女にしか解らない、それでいてとっても深刻で真面目な悩みが。
それを蒼太君は今回、救ってあげるのです(メリアリアちゃんもアウロラちゃんもオリヴィアちゃんも、皆優しくて思慮深いので色々と感じて内側に溜め込んでしまうのです←“抱え込む”と言う事に関しては3人の中ではメリアリアちゃんが一番重篤なのですが、他の二人も負けず劣らずです←その人の持っている悩みって他人から見たら大したこと無い様に映るでしょう?でもその人にとっては物凄く深刻で、真剣な心痛なのです)。
蒼太君、頑張れ!!!
ーーーーーーーーーーーーーー
揺蕩う精神のみの存在となった“彼女”はある夢を見ていた。
それはまだ幼い時分に将来、夫となる少年との出会いであり、洛陽の中で邂逅を果たしている場面であった、夢の中で“彼”はいつも優しく暖かく微笑んでくれていて、ずっと側にいてくれていたのだ。
“彼”が差し出してくれた手は温もりに満ち満ちていて、そこからは無限の安らぎが派生しては“彼女”を芯から蕩けさせて行く。
「アウロラ・・・!!!」
夢の中で、彼は確かに“彼女”に告げた、“ずっと一緒だよ?”、“必ず君を守ってあげる・・・!!!”とそう言って。
「大好きだよ?アウロラ。いつも一緒にいてくれて有り難う・・・!!!」
「・・・・・」
自らの思いをそう綴っては屈託無く笑う少年に釣られて“彼女”もまた、思わず相好を崩すモノの不思議な事に“彼女”にはそれが嘘偽りの無い少年の真意である事が良く解っていた、何故ならばその言葉は単に耳の鼓膜に留まるのみならず自身の内側深くにまで直接的に響き渡って心の底に、そして何より魂の中枢央芯にまで吸収されていったからである。
「愛してるよ、アウロラ・・・!!!」
そんな“彼”の真心に触れる度に“彼女”の全ては悦びに満ち溢れて行き、胸はドキドキと高鳴って自分でもどうにも昂りを抑えられなくなってしまう。
「・・・・・」
(ああっ!!!私は・・・)
“なんて幸せなんだろう!!!”と“彼女”は思った、そして“ずっとこんな日々が続けば良い”と心底そう願い続け、夢を見続けていたのだが、そんな折。
「・・・ロラ、アウロラ!!!」
遥かに遠くで“彼女”を呼ぶ声が聞こえて来るモノの、それは徐々に近くて確かなモノとなり、しかも呼ばれる度に自我が無為の境界線から現へと向けて浮上して来るのを感じていた。
「アウロラ、アウロラってば!!!」
「う、うんんん・・・?」
それが極限にまで達した瞬間。
“彼女”の、アウロラの意識は覚醒の時を迎えて遂には己を取り戻すモノの、計17日間にも及ぶ夫との“愛欲の宴”を終えて完全にイキ狂わされてしまった新妻が、壊れ果ててしまった挙げ句に遂には失神させられてしまってからこうして自分自身を取り戻すまで凡そ4日間程掛かった。
とは言ってもまだ、微睡みから解き放たれたばかりの青髪少女の身体は節々が重くて感覚が鈍く、どうやら自我を取り戻せはしたモノの復調し切った訳では無いらしくて、そんな彼女は青年に後ろから抱かれた体勢のままモゾモゾと蠢いてはゆっくりと辺りを見渡した。
「・・・・・」
(蒼太、さん・・・?あれ、私は・・・!!!)
彼女の精神はすぐに最愛の夫と自分自身に向くモノの、その当の本人の蒼太はと言えばアウロラの後ろに回ってそこから女性器最奥部分へと巨大化した己がイチモツを突き入れ続けていた。
今までも何度となく感じて来たから解るモノの、それは彼女を責め立てるピストンでは無くて、癒やしのストロークであった、一突き毎に下腹部からジンジンとする暖かさが広がって行き、それと共に頭の中が冴え渡って身体中に力が漲って来るのを新妻は確かに感じていたのだ。
「あ、あううっ。そ、蒼太さん・・・?」
「アウロラ、まだ動かないでくれよ?今、“房中術”の要領で君に僕の意識と力を分け与えている最中だからね・・・?」
「・・・・・」
(意識・・・?自分を自分と認識する能力、原初の神の灯火の一つ。それを分け与える事が出来るなんて・・・!!!)
“この人は本当に凄い人だ”、“また逞しくなってる・・・!!!”等と考えていた、その時だった。
“意識を分け与える”、その言葉を聞いた刹那に青髪少女の頭の中ではある考えが閃き走って、そして彼女はそれに対して自分でも驚く位にすんなりと、かつまた強い確信を持つ事が出来たのであるモノの、もしかしたならついさっきまで見ていたあの夢は、自分が自分を直そうとしていた作用によって引き起こされて来たのみならず、蒼太の精神が流入して来た結果のモノなのではないか、と思わずハッとなったのである。
(本当に仲の良い夫婦や強い絆で結ばれている者同士は“精神的感応”によって“同調現象”が引き起こされる、と聞いた事があるけれど・・・。だとしたならあれが、蒼太さんの真心。私に対する本当の気持ち・・・!!!)
“それが私に流れ込んで来たんだ!!!”とそう思うと新妻は嬉しくて嬉しくていても立ってもいられなくなってしまった、堪らなくなって自らを抱き締めている夫のその手に自身のそれをソッと重ねる。
「アウロラ、もう大丈夫そうだね・・・」
「蒼太さんのお陰ですわ?蒼太さん、私嬉しいっ。だってあなたとこんなにも、深く激しく交わる事が出来たんですもの!!!」
“あなたと一つになれたのですねっっっ❤❤❤❤❤”と、恍惚の表情でそう告げるアウロラの頭を青年は優しく何度も撫で上げていった。
「ああう・・・っ!!!そ、蒼太さん・・・!!?」
「アウロラ、僕の可愛い人。大切な人・・・!!!」
「蒼太さん・・・っ!!!!!」
「大好きだよ?アウロラ。いつも側にいておくれ、いつもいつも側で笑っていておくれよ。アウロラ・・・!!!」
「蒼太さん・・・っっっ❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤」
“嬉しい・・・っ❤❤❤”と、最愛の夫から耳元で囁かれたその言葉に青髪少女は思わず叫んでその身を反転させるとしっかりと彼に抱き着いた、この瞬間アウロラは“死んでも良い”と冗談抜きで思っていた、自分はこの為に、この時の為に生まれてきたのだとそう感じて彼に全てを委ね切る。
「僕の方が嬉しいんだ、いつも君が僕の事を追い掛けて来てくれて。見つめ続けていてくれて。君の言葉や仕草や態度が可愛くて、堪らなくなっちゃうんだよ・・・!!!」
「蒼太さああぁぁぁんっっっ❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤」
穏やかなリズムでもたらされる、青年からの声に対して思わず青髪少女が感極まってしまうモノの一見、頭が良い上に万事上品で芯が強く、悩みなど何も無いと思われがちな彼女であるがその実、大好きな人のことになると何処までも燃え上がって行ってしまい、どうにも己を抑えられなくなってしまうと言う性質を自分でも問題視しており、人知れずかなり深く悩み抜いていたのであった。
(もしかしたなら蒼太さんに、“うざったい”と思われているかも知れない。いつもいつも“しつこい”って思われているかも知れない・・・!!!)
そんな事が頭を過って時折、悲しみのあまりに寒気をもよおしてしまう事さえあったのであるモノの、そんな新妻の心痛を蒼太は優しくしかし、力強く吹き飛ばしてくれたのであり、挙げ句に癒してくれたのであった。
(私は、この人のモノなんだ。この人のことを好きになるために、そして結ばれる為に今日まで生きて来たのだ!!!)
改めてそう感じた彼女は抱擁する腕に力を込めるが、一方で。
蒼太はそんな青髪少女の事を優しい瞳で見つめ続け、自らもまた彼女の事を抱き寄せ返すがこの青年からしてもアウロラとの逢瀬は感無量な所があった、幼い頃の彼女を知っている身分としてはまさか、成長した彼女とこんな関係になる等とは夢にも思っていなかったからである。
それに。
蒼太は新妻の悩みを正確に見抜いていた、感受性が強くて思慮深いアウロラはその優しさ故に色々と考えてしまう所があって、普段自分に見せるあのいっそ怒濤のように迫力のある愛情表現は多分、彼女なりの葛藤をしている現れなのだろうと見て取ったのだ。
「アウロラ」
一頻り、抱き締め合った後で蒼太が言った、“もう大丈夫そうだからオチンポを抜くよ?”とそう告げて。
すると。
「抜かないで・・・?」
青髪少女がそう応えて頭を振った。
「もう少しだけ、あなたを感じていたいの・・・!!!」
“お願い・・・”と続けられたその言葉に、青年は一瞬、困ってしまったがアウロラの頼みだからと我慢をした、その状態のままでー。
二人は色々な話をした、初めて会った日の事や誕生日会の事、トワール館での冒険や再会するまでの日々の事等を。
話題は中々に尽きる事無く延々と続いていったがその内、やがてー。
「・・・・・っ。あ、あれぇっ?どうして」
「気が循環して血行が良くなったんだね?だから今度は眠気が襲って来たんだよ・・・」
会話の途中でアウロラが思わず欠伸を付いて、そんな自分に驚いていると蒼太が補足説明を加える。
「身体がポカポカとして来ただろう?まだお休みよアウロラ。ずっと僕はここにいるから・・・」
「蒼太、さん。あなた・・・っ❤❤❤」
“好きっ❤❤❤”と告げて短いキスをすると青髪少女はそのまま彼に身を寄せつつも静かに目を閉じた、“お休みなさい”とそう言って。
「ああ。お休みアウロラ、僕も眠たくなって来ちゃった・・・」
そう応えると直後に青年もまた、欠伸を一つ漏らしてから眼を瞑り、ゆっくりと無意識の只中へと自我を落とし込んで行くモノの、そうやって二人が心と身体とを全快させるまで更に3日は掛かった。
目を覚ますと二人は再びピロートークを展開しつつもイチャつき合い、時には後戯等も交えつつ最後にはお互いの身体をシャワーで流して水分を拭き取り、脱衣所の外へ出る。
“時の涙滴”を切ってそれを再びアウロラに預けると蒼太はナップザックを肩に担いで彼女の部屋を後にし、自らの場所へと帰還して行った。
それとあともう一つ、アウロラちゃんにも実は悩みがあるんですよ、彼女にしか解らない、それでいてとっても深刻で真面目な悩みが。
それを蒼太君は今回、救ってあげるのです(メリアリアちゃんもアウロラちゃんもオリヴィアちゃんも、皆優しくて思慮深いので色々と感じて内側に溜め込んでしまうのです←“抱え込む”と言う事に関しては3人の中ではメリアリアちゃんが一番重篤なのですが、他の二人も負けず劣らずです←その人の持っている悩みって他人から見たら大したこと無い様に映るでしょう?でもその人にとっては物凄く深刻で、真剣な心痛なのです)。
蒼太君、頑張れ!!!
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揺蕩う精神のみの存在となった“彼女”はある夢を見ていた。
それはまだ幼い時分に将来、夫となる少年との出会いであり、洛陽の中で邂逅を果たしている場面であった、夢の中で“彼”はいつも優しく暖かく微笑んでくれていて、ずっと側にいてくれていたのだ。
“彼”が差し出してくれた手は温もりに満ち満ちていて、そこからは無限の安らぎが派生しては“彼女”を芯から蕩けさせて行く。
「アウロラ・・・!!!」
夢の中で、彼は確かに“彼女”に告げた、“ずっと一緒だよ?”、“必ず君を守ってあげる・・・!!!”とそう言って。
「大好きだよ?アウロラ。いつも一緒にいてくれて有り難う・・・!!!」
「・・・・・」
自らの思いをそう綴っては屈託無く笑う少年に釣られて“彼女”もまた、思わず相好を崩すモノの不思議な事に“彼女”にはそれが嘘偽りの無い少年の真意である事が良く解っていた、何故ならばその言葉は単に耳の鼓膜に留まるのみならず自身の内側深くにまで直接的に響き渡って心の底に、そして何より魂の中枢央芯にまで吸収されていったからである。
「愛してるよ、アウロラ・・・!!!」
そんな“彼”の真心に触れる度に“彼女”の全ては悦びに満ち溢れて行き、胸はドキドキと高鳴って自分でもどうにも昂りを抑えられなくなってしまう。
「・・・・・」
(ああっ!!!私は・・・)
“なんて幸せなんだろう!!!”と“彼女”は思った、そして“ずっとこんな日々が続けば良い”と心底そう願い続け、夢を見続けていたのだが、そんな折。
「・・・ロラ、アウロラ!!!」
遥かに遠くで“彼女”を呼ぶ声が聞こえて来るモノの、それは徐々に近くて確かなモノとなり、しかも呼ばれる度に自我が無為の境界線から現へと向けて浮上して来るのを感じていた。
「アウロラ、アウロラってば!!!」
「う、うんんん・・・?」
それが極限にまで達した瞬間。
“彼女”の、アウロラの意識は覚醒の時を迎えて遂には己を取り戻すモノの、計17日間にも及ぶ夫との“愛欲の宴”を終えて完全にイキ狂わされてしまった新妻が、壊れ果ててしまった挙げ句に遂には失神させられてしまってからこうして自分自身を取り戻すまで凡そ4日間程掛かった。
とは言ってもまだ、微睡みから解き放たれたばかりの青髪少女の身体は節々が重くて感覚が鈍く、どうやら自我を取り戻せはしたモノの復調し切った訳では無いらしくて、そんな彼女は青年に後ろから抱かれた体勢のままモゾモゾと蠢いてはゆっくりと辺りを見渡した。
「・・・・・」
(蒼太、さん・・・?あれ、私は・・・!!!)
彼女の精神はすぐに最愛の夫と自分自身に向くモノの、その当の本人の蒼太はと言えばアウロラの後ろに回ってそこから女性器最奥部分へと巨大化した己がイチモツを突き入れ続けていた。
今までも何度となく感じて来たから解るモノの、それは彼女を責め立てるピストンでは無くて、癒やしのストロークであった、一突き毎に下腹部からジンジンとする暖かさが広がって行き、それと共に頭の中が冴え渡って身体中に力が漲って来るのを新妻は確かに感じていたのだ。
「あ、あううっ。そ、蒼太さん・・・?」
「アウロラ、まだ動かないでくれよ?今、“房中術”の要領で君に僕の意識と力を分け与えている最中だからね・・・?」
「・・・・・」
(意識・・・?自分を自分と認識する能力、原初の神の灯火の一つ。それを分け与える事が出来るなんて・・・!!!)
“この人は本当に凄い人だ”、“また逞しくなってる・・・!!!”等と考えていた、その時だった。
“意識を分け与える”、その言葉を聞いた刹那に青髪少女の頭の中ではある考えが閃き走って、そして彼女はそれに対して自分でも驚く位にすんなりと、かつまた強い確信を持つ事が出来たのであるモノの、もしかしたならついさっきまで見ていたあの夢は、自分が自分を直そうとしていた作用によって引き起こされて来たのみならず、蒼太の精神が流入して来た結果のモノなのではないか、と思わずハッとなったのである。
(本当に仲の良い夫婦や強い絆で結ばれている者同士は“精神的感応”によって“同調現象”が引き起こされる、と聞いた事があるけれど・・・。だとしたならあれが、蒼太さんの真心。私に対する本当の気持ち・・・!!!)
“それが私に流れ込んで来たんだ!!!”とそう思うと新妻は嬉しくて嬉しくていても立ってもいられなくなってしまった、堪らなくなって自らを抱き締めている夫のその手に自身のそれをソッと重ねる。
「アウロラ、もう大丈夫そうだね・・・」
「蒼太さんのお陰ですわ?蒼太さん、私嬉しいっ。だってあなたとこんなにも、深く激しく交わる事が出来たんですもの!!!」
“あなたと一つになれたのですねっっっ❤❤❤❤❤”と、恍惚の表情でそう告げるアウロラの頭を青年は優しく何度も撫で上げていった。
「ああう・・・っ!!!そ、蒼太さん・・・!!?」
「アウロラ、僕の可愛い人。大切な人・・・!!!」
「蒼太さん・・・っ!!!!!」
「大好きだよ?アウロラ。いつも側にいておくれ、いつもいつも側で笑っていておくれよ。アウロラ・・・!!!」
「蒼太さん・・・っっっ❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤」
“嬉しい・・・っ❤❤❤”と、最愛の夫から耳元で囁かれたその言葉に青髪少女は思わず叫んでその身を反転させるとしっかりと彼に抱き着いた、この瞬間アウロラは“死んでも良い”と冗談抜きで思っていた、自分はこの為に、この時の為に生まれてきたのだとそう感じて彼に全てを委ね切る。
「僕の方が嬉しいんだ、いつも君が僕の事を追い掛けて来てくれて。見つめ続けていてくれて。君の言葉や仕草や態度が可愛くて、堪らなくなっちゃうんだよ・・・!!!」
「蒼太さああぁぁぁんっっっ❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤❤」
穏やかなリズムでもたらされる、青年からの声に対して思わず青髪少女が感極まってしまうモノの一見、頭が良い上に万事上品で芯が強く、悩みなど何も無いと思われがちな彼女であるがその実、大好きな人のことになると何処までも燃え上がって行ってしまい、どうにも己を抑えられなくなってしまうと言う性質を自分でも問題視しており、人知れずかなり深く悩み抜いていたのであった。
(もしかしたなら蒼太さんに、“うざったい”と思われているかも知れない。いつもいつも“しつこい”って思われているかも知れない・・・!!!)
そんな事が頭を過って時折、悲しみのあまりに寒気をもよおしてしまう事さえあったのであるモノの、そんな新妻の心痛を蒼太は優しくしかし、力強く吹き飛ばしてくれたのであり、挙げ句に癒してくれたのであった。
(私は、この人のモノなんだ。この人のことを好きになるために、そして結ばれる為に今日まで生きて来たのだ!!!)
改めてそう感じた彼女は抱擁する腕に力を込めるが、一方で。
蒼太はそんな青髪少女の事を優しい瞳で見つめ続け、自らもまた彼女の事を抱き寄せ返すがこの青年からしてもアウロラとの逢瀬は感無量な所があった、幼い頃の彼女を知っている身分としてはまさか、成長した彼女とこんな関係になる等とは夢にも思っていなかったからである。
それに。
蒼太は新妻の悩みを正確に見抜いていた、感受性が強くて思慮深いアウロラはその優しさ故に色々と考えてしまう所があって、普段自分に見せるあのいっそ怒濤のように迫力のある愛情表現は多分、彼女なりの葛藤をしている現れなのだろうと見て取ったのだ。
「アウロラ」
一頻り、抱き締め合った後で蒼太が言った、“もう大丈夫そうだからオチンポを抜くよ?”とそう告げて。
すると。
「抜かないで・・・?」
青髪少女がそう応えて頭を振った。
「もう少しだけ、あなたを感じていたいの・・・!!!」
“お願い・・・”と続けられたその言葉に、青年は一瞬、困ってしまったがアウロラの頼みだからと我慢をした、その状態のままでー。
二人は色々な話をした、初めて会った日の事や誕生日会の事、トワール館での冒険や再会するまでの日々の事等を。
話題は中々に尽きる事無く延々と続いていったがその内、やがてー。
「・・・・・っ。あ、あれぇっ?どうして」
「気が循環して血行が良くなったんだね?だから今度は眠気が襲って来たんだよ・・・」
会話の途中でアウロラが思わず欠伸を付いて、そんな自分に驚いていると蒼太が補足説明を加える。
「身体がポカポカとして来ただろう?まだお休みよアウロラ。ずっと僕はここにいるから・・・」
「蒼太、さん。あなた・・・っ❤❤❤」
“好きっ❤❤❤”と告げて短いキスをすると青髪少女はそのまま彼に身を寄せつつも静かに目を閉じた、“お休みなさい”とそう言って。
「ああ。お休みアウロラ、僕も眠たくなって来ちゃった・・・」
そう応えると直後に青年もまた、欠伸を一つ漏らしてから眼を瞑り、ゆっくりと無意識の只中へと自我を落とし込んで行くモノの、そうやって二人が心と身体とを全快させるまで更に3日は掛かった。
目を覚ますと二人は再びピロートークを展開しつつもイチャつき合い、時には後戯等も交えつつ最後にはお互いの身体をシャワーで流して水分を拭き取り、脱衣所の外へ出る。
“時の涙滴”を切ってそれを再びアウロラに預けると蒼太はナップザックを肩に担いで彼女の部屋を後にし、自らの場所へと帰還して行った。
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