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Side - 15 - 23 - もるだとすかり -
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「川崎くん」
「須華莉とお呼びください!」
「川崎くん」
「ス・カ・リ!です!」
「・・・スカリくん」
「はいなんでしょう!モルダ博士!」
朝の恒例となったこのやりとりは一部では夫婦漫才とも言われています!、私の名前は川崎須華莉(かわさきすかり)、24歳、私とお話ししている相手は茂留田次郎(もるだじろう)博士、多分50歳になったかならないかくらい?、彼はここ国立宇宙生物科学研究所にある第2生物研究室の室長です、私はというと、大学卒業後、UFOや宇宙人が好き過ぎてこの研究所に就職したまだまだ新米の職員、博士の部下であります!
私の変な・・・って言うのもつけてくれた親に失礼ですね、変わった名前は私の両親が揃ってTVドラマ、X-Filesの大ファンで、この須華莉(すかり)という名前はその登場人物にちなんで付けられました、両親の影響なのか、計画通りの教育の賜物なのか、幼い頃から宇宙、超常現象、未確認生命体、心霊現象などに強い興味を持って育ちました、まぁ、就職先にこんなところを選んだくらいですからね・・・。
「こんな所とはなんだねスカリくん」
おや、モルダ博士に怒られてしまいましたぁ、お仕事中に独り言はダメって言われてたの忘れてましたね、博士は真面目で物静かだから私がこの研究室を明るくしてあげようと思ってるのに・・・って言っても研究員は私達2人だけ、密室で2人きりだと嬉しかったのですが、残念ながらここは色んな研究室が集まる広い研究フロアの隅っこにパーテーションを立てて仕切られた空間なのですよ。
だから他の研究員の人達に私達の愉快な会話がダダ漏れで、「また第2生物研究室の夫婦漫才か・・・」って言われています、あ、そうそう、私達は皆さんから「生物研究室のモルダーとスカリー」と呼ばれている名物コンビなのです!。
私たちのお仕事は国立宇宙生物科学研究所という名前の通り、宇宙に関する生物や物質を科学的に研究しよう!っていうものなのですが、ぶっちゃけお仕事はありません!、そんなにホイホイ宇宙人や未確認生物がいたら大騒ぎです。
だから今は人工衛星や宇宙開発事業のお手伝い・・・というか下請けをやってます、衛星軌道のシュミレーションや、プログラムのバグ出し、搭載する衛星機器の選定や手配、ほとんど何でも屋、雑用が多いです。
唯一活躍の場があったのは、ちょっと前に話題になった無人機によるサンプルリターンの時ですね、小惑星から持ち帰ったサンプルの入っている可能性のあるカプセルを開けて・・・ってやつですよ!、サンプルが入ってたと分かった時には研究所を挙げてのお祭り騒ぎでした。
そこに生命体が入ってたら我が第2生物研究室にお仕事が回ってきたのでしょうが、ほとんどの作業はウチより規模が大きな第1研究室の皆さんが担当しました、私が関わったのは・・・「忙しいからこの資料をコピーしておいて!」って頼まれた500枚ほどの報道陣に配る資料のコピーくらいでしたっけ・・・、でも関わる事ができてとても幸せなのです!。
「まぁ、宇宙人がやってきて・・・ってならない限りウチは仕事無いよ」ってモルダ博士に着任早々言われてましたけどね・・・、私としてもそのうち宇宙生物見つかると良いな・・・って感じで毎日雑用をこなしてました。
・・・そんな毎日を送っていたある日、巨大宇宙船が私の故郷の街に現れました!、その日は人工衛星の打ち上げが迫っていて、プログラムに間違いがないか念入りにチェックしていました、残業も終わり、そろそろ帰りましょうかって博士と話してた時。
「スカリくん、これ見て!」
そう博士が言いました、お仕事中にスマホで動画サイト見てるなんて真面目な博士にしては珍しいな・・・って思ってると、隣の研究室でも何やら大騒ぎしています。
「宇宙船!」「マジかよ!」「すげぇ!」って声がここまで届いてます。
私も慌てて博士のスマホの画面を覗きました・・・。
「やばい!」
「スカリくん、近い近い!、胸当たってる・・・」
博士が何か言ってますがそんな場合じゃないのです!、私は貧乳だから問題ありません、男だと思って気にしないでください!。
「博士!、やばい!、宇宙船だ!、未知との遭遇だ!、ひゃっほう!、宇宙人居たよ!、マジっすかぁー!」
博士の両肩を掴んでガシガシ揺すりながら子供のように大はしゃぎしてしまいました。
「でねー、研究室大騒ぎだったんだぁ!、ほんとに宇宙人いたんだぁ!、すごいよ!、今私感動して泣いてるし!、マスコミは何で手紙来た時に発表しなかったんだよぉー、宇宙船来る時間知ってたら私飛行機乗ってでも帰省してたのになー」
「え、実物見に行ってないの?、なんで!、生で見るチャンスだったのに!、え、寝てたぁ?、信じられない!」
「ねぇねぇ、なんか今日テンション低くない?、夜中に電話した私も悪いんだけどさ、今、日本中・・・いや世界中が大騒ぎだよ!、なんでそんな落ち着いてられるのよ」
「ん?、魔法や異世界人に興味ないかって?、いやあるけど今は宇宙人だよ!、いるかもしれない異世界人より、ついさっき現実に登場した宇宙人だよ!、何言ってんの当然じゃん!」
「なんで謝ってるのさ、意味分かんないよ、あー、さては寝ぼけてるな、ごめんごめん、私超興奮しちゃってさ、誰かと話してないと夜中に浮かれて踊りそうなんだぁ」
「じゃ、気が済むまで話したし、そろそろ切るね、遅くまで付き合ってもらってごめん、勉強がんばってね、おやすみ、林檎ちゃん」
あー、話した話したぁ、喉が痛いよぅ・・・でも、宇宙人かぁ・・・本当にいたんだぁ・・・ふふっ・・・あー、明日から楽しみ!。
その後、我々宇宙生物科学研究所の職員達は寝る暇もないくらい多忙になりました!、嬉しい忙しさです!、こんな夢みたいな事、嬉しいに決まってます!。
宇宙人がくれた未確認生物の研究!、私が本当にやりたかった事なのです!。
「川崎くん」
「須華莉とお呼びください!」
「川崎くん」
「ス・カ・リ!です!」
「・・・スカリくん」
「はいなんでしょう!モルダ博士!」
朝の恒例となったこのやりとりは一部では夫婦漫才とも言われています!、私の名前は川崎須華莉(かわさきすかり)、24歳、私とお話ししている相手は茂留田次郎(もるだじろう)博士、多分50歳になったかならないかくらい?、彼はここ国立宇宙生物科学研究所にある第2生物研究室の室長です、私はというと、大学卒業後、UFOや宇宙人が好き過ぎてこの研究所に就職したまだまだ新米の職員、博士の部下であります!
私の変な・・・って言うのもつけてくれた親に失礼ですね、変わった名前は私の両親が揃ってTVドラマ、X-Filesの大ファンで、この須華莉(すかり)という名前はその登場人物にちなんで付けられました、両親の影響なのか、計画通りの教育の賜物なのか、幼い頃から宇宙、超常現象、未確認生命体、心霊現象などに強い興味を持って育ちました、まぁ、就職先にこんなところを選んだくらいですからね・・・。
「こんな所とはなんだねスカリくん」
おや、モルダ博士に怒られてしまいましたぁ、お仕事中に独り言はダメって言われてたの忘れてましたね、博士は真面目で物静かだから私がこの研究室を明るくしてあげようと思ってるのに・・・って言っても研究員は私達2人だけ、密室で2人きりだと嬉しかったのですが、残念ながらここは色んな研究室が集まる広い研究フロアの隅っこにパーテーションを立てて仕切られた空間なのですよ。
だから他の研究員の人達に私達の愉快な会話がダダ漏れで、「また第2生物研究室の夫婦漫才か・・・」って言われています、あ、そうそう、私達は皆さんから「生物研究室のモルダーとスカリー」と呼ばれている名物コンビなのです!。
私たちのお仕事は国立宇宙生物科学研究所という名前の通り、宇宙に関する生物や物質を科学的に研究しよう!っていうものなのですが、ぶっちゃけお仕事はありません!、そんなにホイホイ宇宙人や未確認生物がいたら大騒ぎです。
だから今は人工衛星や宇宙開発事業のお手伝い・・・というか下請けをやってます、衛星軌道のシュミレーションや、プログラムのバグ出し、搭載する衛星機器の選定や手配、ほとんど何でも屋、雑用が多いです。
唯一活躍の場があったのは、ちょっと前に話題になった無人機によるサンプルリターンの時ですね、小惑星から持ち帰ったサンプルの入っている可能性のあるカプセルを開けて・・・ってやつですよ!、サンプルが入ってたと分かった時には研究所を挙げてのお祭り騒ぎでした。
そこに生命体が入ってたら我が第2生物研究室にお仕事が回ってきたのでしょうが、ほとんどの作業はウチより規模が大きな第1研究室の皆さんが担当しました、私が関わったのは・・・「忙しいからこの資料をコピーしておいて!」って頼まれた500枚ほどの報道陣に配る資料のコピーくらいでしたっけ・・・、でも関わる事ができてとても幸せなのです!。
「まぁ、宇宙人がやってきて・・・ってならない限りウチは仕事無いよ」ってモルダ博士に着任早々言われてましたけどね・・・、私としてもそのうち宇宙生物見つかると良いな・・・って感じで毎日雑用をこなしてました。
・・・そんな毎日を送っていたある日、巨大宇宙船が私の故郷の街に現れました!、その日は人工衛星の打ち上げが迫っていて、プログラムに間違いがないか念入りにチェックしていました、残業も終わり、そろそろ帰りましょうかって博士と話してた時。
「スカリくん、これ見て!」
そう博士が言いました、お仕事中にスマホで動画サイト見てるなんて真面目な博士にしては珍しいな・・・って思ってると、隣の研究室でも何やら大騒ぎしています。
「宇宙船!」「マジかよ!」「すげぇ!」って声がここまで届いてます。
私も慌てて博士のスマホの画面を覗きました・・・。
「やばい!」
「スカリくん、近い近い!、胸当たってる・・・」
博士が何か言ってますがそんな場合じゃないのです!、私は貧乳だから問題ありません、男だと思って気にしないでください!。
「博士!、やばい!、宇宙船だ!、未知との遭遇だ!、ひゃっほう!、宇宙人居たよ!、マジっすかぁー!」
博士の両肩を掴んでガシガシ揺すりながら子供のように大はしゃぎしてしまいました。
「でねー、研究室大騒ぎだったんだぁ!、ほんとに宇宙人いたんだぁ!、すごいよ!、今私感動して泣いてるし!、マスコミは何で手紙来た時に発表しなかったんだよぉー、宇宙船来る時間知ってたら私飛行機乗ってでも帰省してたのになー」
「え、実物見に行ってないの?、なんで!、生で見るチャンスだったのに!、え、寝てたぁ?、信じられない!」
「ねぇねぇ、なんか今日テンション低くない?、夜中に電話した私も悪いんだけどさ、今、日本中・・・いや世界中が大騒ぎだよ!、なんでそんな落ち着いてられるのよ」
「ん?、魔法や異世界人に興味ないかって?、いやあるけど今は宇宙人だよ!、いるかもしれない異世界人より、ついさっき現実に登場した宇宙人だよ!、何言ってんの当然じゃん!」
「なんで謝ってるのさ、意味分かんないよ、あー、さては寝ぼけてるな、ごめんごめん、私超興奮しちゃってさ、誰かと話してないと夜中に浮かれて踊りそうなんだぁ」
「じゃ、気が済むまで話したし、そろそろ切るね、遅くまで付き合ってもらってごめん、勉強がんばってね、おやすみ、林檎ちゃん」
あー、話した話したぁ、喉が痛いよぅ・・・でも、宇宙人かぁ・・・本当にいたんだぁ・・・ふふっ・・・あー、明日から楽しみ!。
その後、我々宇宙生物科学研究所の職員達は寝る暇もないくらい多忙になりました!、嬉しい忙しさです!、こんな夢みたいな事、嬉しいに決まってます!。
宇宙人がくれた未確認生物の研究!、私が本当にやりたかった事なのです!。
応援ありがとうございます!
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