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蛮行と救い②
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碇が蜂蜜のボトルを拾い上げた。わたしが提げていたレジ袋からこぼれたものだ。
「本来は授業がある日ってことで、大科学実験といこうや。おい、押さえろ」
三村がわたしの背後に回り込み、羽交い絞めにして上体を後ろ向きに倒した。佐藤がわたしの右脚を、坂本が左脚を、それぞれ自らの腕を回してがっちりとホールドする。さらには持ち上げる。わたしは地上から数十センチの虚空を、背中を下にして水平に浮かんだ。
一糸まとわぬ無防備なわたしを、碇は蜂蜜のボトルの側面をぺちぺちと掌に叩きつけながら眺めやる。目が合うと、ボトルをひときわ強く掌に打ちつけ、歩み寄ってきた。
「実験の前に、器材の点検をしとかないとな。どれどれ――っと」
陰毛を指先で軽くかき乱し、まんこの入口を左右に開く。
「おおおおお」という、地鳴りを俗っぽくし、ボリュームを絞ったような三人の歓声。わたし自身は、角度の問題から直視はできない。ただ、普段は内に隠れている部位に外気が感じられるから、さらけ出されているのだと分かる。
「へぇ。こんなふうになってんだぁ。へぇ」
代表者の特権を行使して、碇は間近から無修正のあそこを観察する。鼻息を感じる。他の三人も注目しているが、より近くから見ようとするあまり、わたしの体を持ち上げる意識が疎かになる。わたしが地に落ちそうになることで我に返り、自らに課せられた役割を思い出し、慌てて抱え直す。
風圧を断続的に感じながら、体格のいい高井ではなく、たとえば三村が殺されていたならば、空中におけるわたしの姿勢はもっと安定していたに違いない、と考える。観察は少なくとも一分は続いた。
碇が自らの目的を思い出したのは、行為に夢中になるあまり、ボトルを取り落としそうになったからだ。我を忘れていた事実に対して、はにかみ笑いをこぼす。一転、いじめ加害者グループのリーダーらしい邪悪な笑みを上書きする。
「それじゃあ、いくぜぃ」
蜂蜜のボトルがまんこの入り口に宛がわれた。三人が一斉に息を呑んだ気配。
ずぶり、という無音を立てて、ボトルの先端がまんこにめり込む。
おおおおお、という低い声のハーモニー。
ボトルは最奥を目指して、遅々とした速度で膣内を突き進んでいく。わたしは伝わってくる感触からその事実を現在進行形で認識する。おお、おおお、おー。
「うわー、入ってる、入ってる。うわー」
挿入作業にあたっている碇が最も興奮しているようだ。すでに開通セレモニーを済ませ、頻繁に往来しているので、痛みは特に感じない。ケンのあそこよりも太いものが入ってくる感触をただ覚えながら、わたしは宙に浮かんでいる。
入るところまで入ったところで、進行が停止した。
「うおおお! 入ったぁ! 入りきったぁ!」
三村が無邪気な歓声を上げた。追随するように佐藤と坂本が「すげぇ、すげぇ」と連呼する。
「てかこいつ、処女じゃなかったのかよ。血、出なかったよな」
「出ない場合もあるんじゃなかったか」
「でも、痛がってすらなかったぜ」
「それはいつも通りだろ。能面みたいな面しやがって」
「てか、よく入ったな。チンポよりも太いのに」
「伸縮性があるんだな、伸縮性が」
「ガバガバなだけじゃねーの」
「やりまくってんのかな、こう見えて」
盛り上がりを見せる中、真っ先に冷静さを取り戻したのは碇だった。
自らの足元を中心に地面に視線を這わせ、落ちていた魚肉ソーセージを目に留めた。それを拾い上げ、「おい」と三人の注意を自らに向けさせる。蜂蜜のボトルよりも細い棒状の物体であるそれを目の前にかざし、意味深に笑む。四人の男たちの間で、特定のイメージが共有されたらしい気配をわたしは感じ取る。碇は言った。
「こいつを等々力のケツにぶち込む。面白いことになるぞぉ」
「本来は授業がある日ってことで、大科学実験といこうや。おい、押さえろ」
三村がわたしの背後に回り込み、羽交い絞めにして上体を後ろ向きに倒した。佐藤がわたしの右脚を、坂本が左脚を、それぞれ自らの腕を回してがっちりとホールドする。さらには持ち上げる。わたしは地上から数十センチの虚空を、背中を下にして水平に浮かんだ。
一糸まとわぬ無防備なわたしを、碇は蜂蜜のボトルの側面をぺちぺちと掌に叩きつけながら眺めやる。目が合うと、ボトルをひときわ強く掌に打ちつけ、歩み寄ってきた。
「実験の前に、器材の点検をしとかないとな。どれどれ――っと」
陰毛を指先で軽くかき乱し、まんこの入口を左右に開く。
「おおおおお」という、地鳴りを俗っぽくし、ボリュームを絞ったような三人の歓声。わたし自身は、角度の問題から直視はできない。ただ、普段は内に隠れている部位に外気が感じられるから、さらけ出されているのだと分かる。
「へぇ。こんなふうになってんだぁ。へぇ」
代表者の特権を行使して、碇は間近から無修正のあそこを観察する。鼻息を感じる。他の三人も注目しているが、より近くから見ようとするあまり、わたしの体を持ち上げる意識が疎かになる。わたしが地に落ちそうになることで我に返り、自らに課せられた役割を思い出し、慌てて抱え直す。
風圧を断続的に感じながら、体格のいい高井ではなく、たとえば三村が殺されていたならば、空中におけるわたしの姿勢はもっと安定していたに違いない、と考える。観察は少なくとも一分は続いた。
碇が自らの目的を思い出したのは、行為に夢中になるあまり、ボトルを取り落としそうになったからだ。我を忘れていた事実に対して、はにかみ笑いをこぼす。一転、いじめ加害者グループのリーダーらしい邪悪な笑みを上書きする。
「それじゃあ、いくぜぃ」
蜂蜜のボトルがまんこの入り口に宛がわれた。三人が一斉に息を呑んだ気配。
ずぶり、という無音を立てて、ボトルの先端がまんこにめり込む。
おおおおお、という低い声のハーモニー。
ボトルは最奥を目指して、遅々とした速度で膣内を突き進んでいく。わたしは伝わってくる感触からその事実を現在進行形で認識する。おお、おおお、おー。
「うわー、入ってる、入ってる。うわー」
挿入作業にあたっている碇が最も興奮しているようだ。すでに開通セレモニーを済ませ、頻繁に往来しているので、痛みは特に感じない。ケンのあそこよりも太いものが入ってくる感触をただ覚えながら、わたしは宙に浮かんでいる。
入るところまで入ったところで、進行が停止した。
「うおおお! 入ったぁ! 入りきったぁ!」
三村が無邪気な歓声を上げた。追随するように佐藤と坂本が「すげぇ、すげぇ」と連呼する。
「てかこいつ、処女じゃなかったのかよ。血、出なかったよな」
「出ない場合もあるんじゃなかったか」
「でも、痛がってすらなかったぜ」
「それはいつも通りだろ。能面みたいな面しやがって」
「てか、よく入ったな。チンポよりも太いのに」
「伸縮性があるんだな、伸縮性が」
「ガバガバなだけじゃねーの」
「やりまくってんのかな、こう見えて」
盛り上がりを見せる中、真っ先に冷静さを取り戻したのは碇だった。
自らの足元を中心に地面に視線を這わせ、落ちていた魚肉ソーセージを目に留めた。それを拾い上げ、「おい」と三人の注意を自らに向けさせる。蜂蜜のボトルよりも細い棒状の物体であるそれを目の前にかざし、意味深に笑む。四人の男たちの間で、特定のイメージが共有されたらしい気配をわたしは感じ取る。碇は言った。
「こいつを等々力のケツにぶち込む。面白いことになるぞぉ」
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