2 / 14
プロローグ
しおりを挟む
「お前には失望したよ。実妹を虐め貶め挙句の果てに殺そうとするとはな」
「……わ、わたしは……」
やってない、そう言ったところで信じてもらえるはずもない……
「貴様のような女には、死がふさわしい」
その言葉に、床に這いつくばされた彼女は顔を上げた。男は、そんな彼女を見下ろし短剣を放り投げた……
それは、彼女の家の家宝とも言える短剣……
父親である公爵が大事に持っていたもの…
「な、ぜ……?」
これが、ここにあるというのだろう。
「お父様が、お前みたいなのはもう娘じゃないって!」
妹はくすくす笑いながら、「残念ね、お姉様は愛されてないのよ」と言った。
「……」
短剣を手に取り、鞘から抜いて刀身を見た。青い宝石の付いた綺麗な短剣……これを、自分の血で汚すのは申し訳ないと彼女は思っていた。
(もう、疲れたわ……)
彼女は、短剣の切っ先を首元に持って行く。
どこを刺せば一瞬で死ねるのか…彼女は知らない。心臓は骨が邪魔すると考えた彼女は、首元に剣を突き刺した……!
周囲から起こる悲鳴……と、唖然とする目の前の男……本当に刺すとは思ってなかったのだろう………妹は笑っている。
(あぁ……わたしも……)
「わたしも……あい、され……」
彼女が自分の首を刺した瞬間、会場に入ってくる3人の男性……
「ジュリアっ!」
「姉様っ!」
「お嬢様っ!!」
彼女は…、噂のせいで婚約を破棄された。
両親には愛されず、弟にも嫌われ……護衛騎士もまた、彼女を嫌っていると。
幼い頃から、無関心だった父親……
妹のケイナにベッタリだった弟……
妹のケイナに心酔していた騎士……
彼女は、死ぬ直前までそう思っていた……
だが……実際は…………
「……わ、わたしは……」
やってない、そう言ったところで信じてもらえるはずもない……
「貴様のような女には、死がふさわしい」
その言葉に、床に這いつくばされた彼女は顔を上げた。男は、そんな彼女を見下ろし短剣を放り投げた……
それは、彼女の家の家宝とも言える短剣……
父親である公爵が大事に持っていたもの…
「な、ぜ……?」
これが、ここにあるというのだろう。
「お父様が、お前みたいなのはもう娘じゃないって!」
妹はくすくす笑いながら、「残念ね、お姉様は愛されてないのよ」と言った。
「……」
短剣を手に取り、鞘から抜いて刀身を見た。青い宝石の付いた綺麗な短剣……これを、自分の血で汚すのは申し訳ないと彼女は思っていた。
(もう、疲れたわ……)
彼女は、短剣の切っ先を首元に持って行く。
どこを刺せば一瞬で死ねるのか…彼女は知らない。心臓は骨が邪魔すると考えた彼女は、首元に剣を突き刺した……!
周囲から起こる悲鳴……と、唖然とする目の前の男……本当に刺すとは思ってなかったのだろう………妹は笑っている。
(あぁ……わたしも……)
「わたしも……あい、され……」
彼女が自分の首を刺した瞬間、会場に入ってくる3人の男性……
「ジュリアっ!」
「姉様っ!」
「お嬢様っ!!」
彼女は…、噂のせいで婚約を破棄された。
両親には愛されず、弟にも嫌われ……護衛騎士もまた、彼女を嫌っていると。
幼い頃から、無関心だった父親……
妹のケイナにベッタリだった弟……
妹のケイナに心酔していた騎士……
彼女は、死ぬ直前までそう思っていた……
だが……実際は…………
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,056
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる