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本編
第18話(最終話)
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あの日、精霊の卵を受け取ってから、7日が経ちました。
今日は、最終選定の日です。
「これを……着るんですか?」
「はい!そうですよっ!セラフィ様にお似合いの白のローブにタンザナイトのアクセサリーです」
タンザナイトは、青紫色の宝石です。月の精霊妃にのみ所有が許された石で、アクセサリーとして身につけられるのも、代々の月の精霊妃だけだそうです。
「うぅ、凄く緊張します……」
「大丈夫ですよ!セラフィ様ならっ」
「そうですよぉ、私たちにもお優しいセラフィ様なら、ぜぇったい大丈夫ですっ!」
私にローブを着せる手を休めずに、話し続ける彼女達はすごいと思う。
暫くして、鏡の前には……
七日前とは全く違う、綺麗な女の子が鏡の中にはいた。青銀の髪は緩く巻き、髪はふんわりと広がっていた。
今日のお化粧は、元の肌の色を活かしたものだそうです。口紅はピンク色です。
白のローブは、中に金糸が施され動く度に見える刺繍は見事なものだった。
ローブの上には、フード付きのマント?を羽織りました。
「失礼します、セラフィ様。そろそろお時間ですが、支度はすみましたか?」
ジークさんが迎えに来てくれたので、一緒に謁見室に向かいました。フェリクスさんは背後で護衛していて、今回は私がノクトールを抱いています。
謁見室に入ると、既にみんな揃っていました。時間には余裕を持って来たつもりでしたが、最後だったみたいです。
後ろで騎士の方が扉を閉めると、宰相様が口を開きました。
「では、始めます。まず名付けをしたコーネリア様、セラフィ様は前へ」
「「はい」」
隣にいたネリア様と顔を合わせ微笑み、一緒に壇上に上がった。
王様の後ろには光り輝く2つの扉……
その扉の前に立つと、右手の紋章が輝きます。隣では、ネリア様の左手が輝いていました。
紋章の輝きは1つの光の線となって扉に向かって行きました。すると扉は開き、ノクトールが中に入っていきます。ノクトールは、扉の先で立ち止まり、私を待ちます。
一歩、また一歩と扉に向かって歩きます。
輝きの向こう側は、そら……
絵本で読んだ銀河という場所……
大きな星と、小さな星が輝く世界……
その中に、淡く輝く……月…
その前に立つ、男の人……
﹣だれ?﹣
?
声が……?
﹣ここは、精神の世界です、あるじ。精霊界の一角、月の精霊王の住まう場所﹣
﹣ノクトール?﹣
男の人は、フェリクスさんと同じくらい背の高い人で、全然ノクトールと結びつかない。
﹣あるじ……私は、たまにここに来なければいけません。王となった私の仕事です。でも、それ以外はずっと主の傍にいますからね﹣
﹣ノクトールは、どっちもノクトールなの?﹣
私が問うと、男の人になったノクトールは優しく微笑み私の頬に口付けをした。
すると、男の人は消えて、うさぎが私の腕の中にいた。その瞬間、私はいつの間にかさっきまでいた謁見室に戻っていました。
(何だろう……額が熱い?)
右手を額に持っていったとき、宰相様が「最終選定は成された!月の精霊妃はセラフィ!」と声高に叫んだ。
「おめでとう、セラ様」
「ネリア様……」
ネリア様の額には、太陽の痣?ができていました。私の額には、月の痣があるそうです。
「最終選定やらなくても、セラ様が精霊妃だって分かってたわ」
「セラ様」
「アレク様」
「ノクトール様より印を頂きました。本日よりセラ様の補佐に選ばれました、アレクシスです」
腰を90度曲げてお辞儀をするアレク様。
その後は、それぞれの精霊妃から加護を与えられました。
フォード様は、アピ様より熱の加護を与えられました。その加護は、寒さを感じないそうです。更に半径3mの人も恩恵を受け取れるみたいです。
ディルク様は、ルフト様より速さの加護を与えられました。その加護は、速く走ったり剣の振りが速くなったりだそうです。
ティーネ様は、グランディネ様より水の加護を与えられました。その加護は、水を生み出すことが出来るそうです。ティーネ様はそれで、水不足に苦しんでいる人々を助けたいんだそうです。
セルジュ様は、本来ならばラスティ様より加護を与えられる予定でしたが、ネリア様の精霊妃補佐になることが決定しましたので、受け取れなかったみたいです。その代わり、レーヴェ様の加護が与えられました。
アレク様は、ノクトールより加護を与えられました。ノクトール本人は、嫌だと駄々をこねましたが……
✾✾✾
あれから……
グレイス様は、体に受けた傷が癒えないので精霊界の一角、太陽の精霊王の住まう場所で療養をしているそうです。
メルフィの話は聞きません。
ただ、元精霊王ソルレヴェンテ様がグレイス様が受けた屈辱や傷を、そっくりそのまま返すと言っていたそうです。
伯爵夫妻は、既に亡くなったと聞きました。
グリゴッツ監獄に収監されて直ぐに、精神が崩壊したそうです。そのまま、自殺をしたと聞きました。
実は私、伯爵様があんな事になって家と家族を失いました。ですが、あるお方が私を引き取って下さったんです。そのお方は、カイリオ様のお知り合いの方で公爵様だそうです。
マナーも勉強も出来ない私を引き取るなんてって思ったけど、その方は全然気にしないと言ってくれました。
お義兄様が2人も出来ました。とても優しい方達で、精霊妃の仕事がない日は一緒にお茶したり、本を読んで下さったり、とても楽しい毎日を送っています。
ネリア様達とも、よくお茶します。他の精霊妃様とも話すようになりました。国王陛下やイザーク様とも、話す機会が増えました。
まだ凄く緊張しますが、少しは堂々と振る舞えてきてると思います!
ジークとフェリクスは、私専属の騎士になりました。公爵家にいる時も、お城にいる時も常に傍にいてくれています。
ちょっと前までは、考えられなかったけど、私今すごく幸せです。
この幸せは、ノクトールが運んでくれました。あの日、ノクトールに会ったことが私の幸せの1歩だったと思います!
『主が、私を助けてくれたから…ですよ』
そっと呟くノクトールの声は聞こえなかったけど、私の腕の中で目を閉じる彼の背中に、私は額を押し付けた。
~完~
─────
ここまで、お付き合い頂きありがとうございました(*ᴗˬᴗ)⁾
これにて、完結となります。
少しでも、皆さんの暇つぶしになれたなら嬉しいです^^*感想も、応援もありがとうございました。また、どこかの作品でありましょう(*≧艸≦)。
今日は、最終選定の日です。
「これを……着るんですか?」
「はい!そうですよっ!セラフィ様にお似合いの白のローブにタンザナイトのアクセサリーです」
タンザナイトは、青紫色の宝石です。月の精霊妃にのみ所有が許された石で、アクセサリーとして身につけられるのも、代々の月の精霊妃だけだそうです。
「うぅ、凄く緊張します……」
「大丈夫ですよ!セラフィ様ならっ」
「そうですよぉ、私たちにもお優しいセラフィ様なら、ぜぇったい大丈夫ですっ!」
私にローブを着せる手を休めずに、話し続ける彼女達はすごいと思う。
暫くして、鏡の前には……
七日前とは全く違う、綺麗な女の子が鏡の中にはいた。青銀の髪は緩く巻き、髪はふんわりと広がっていた。
今日のお化粧は、元の肌の色を活かしたものだそうです。口紅はピンク色です。
白のローブは、中に金糸が施され動く度に見える刺繍は見事なものだった。
ローブの上には、フード付きのマント?を羽織りました。
「失礼します、セラフィ様。そろそろお時間ですが、支度はすみましたか?」
ジークさんが迎えに来てくれたので、一緒に謁見室に向かいました。フェリクスさんは背後で護衛していて、今回は私がノクトールを抱いています。
謁見室に入ると、既にみんな揃っていました。時間には余裕を持って来たつもりでしたが、最後だったみたいです。
後ろで騎士の方が扉を閉めると、宰相様が口を開きました。
「では、始めます。まず名付けをしたコーネリア様、セラフィ様は前へ」
「「はい」」
隣にいたネリア様と顔を合わせ微笑み、一緒に壇上に上がった。
王様の後ろには光り輝く2つの扉……
その扉の前に立つと、右手の紋章が輝きます。隣では、ネリア様の左手が輝いていました。
紋章の輝きは1つの光の線となって扉に向かって行きました。すると扉は開き、ノクトールが中に入っていきます。ノクトールは、扉の先で立ち止まり、私を待ちます。
一歩、また一歩と扉に向かって歩きます。
輝きの向こう側は、そら……
絵本で読んだ銀河という場所……
大きな星と、小さな星が輝く世界……
その中に、淡く輝く……月…
その前に立つ、男の人……
﹣だれ?﹣
?
声が……?
﹣ここは、精神の世界です、あるじ。精霊界の一角、月の精霊王の住まう場所﹣
﹣ノクトール?﹣
男の人は、フェリクスさんと同じくらい背の高い人で、全然ノクトールと結びつかない。
﹣あるじ……私は、たまにここに来なければいけません。王となった私の仕事です。でも、それ以外はずっと主の傍にいますからね﹣
﹣ノクトールは、どっちもノクトールなの?﹣
私が問うと、男の人になったノクトールは優しく微笑み私の頬に口付けをした。
すると、男の人は消えて、うさぎが私の腕の中にいた。その瞬間、私はいつの間にかさっきまでいた謁見室に戻っていました。
(何だろう……額が熱い?)
右手を額に持っていったとき、宰相様が「最終選定は成された!月の精霊妃はセラフィ!」と声高に叫んだ。
「おめでとう、セラ様」
「ネリア様……」
ネリア様の額には、太陽の痣?ができていました。私の額には、月の痣があるそうです。
「最終選定やらなくても、セラ様が精霊妃だって分かってたわ」
「セラ様」
「アレク様」
「ノクトール様より印を頂きました。本日よりセラ様の補佐に選ばれました、アレクシスです」
腰を90度曲げてお辞儀をするアレク様。
その後は、それぞれの精霊妃から加護を与えられました。
フォード様は、アピ様より熱の加護を与えられました。その加護は、寒さを感じないそうです。更に半径3mの人も恩恵を受け取れるみたいです。
ディルク様は、ルフト様より速さの加護を与えられました。その加護は、速く走ったり剣の振りが速くなったりだそうです。
ティーネ様は、グランディネ様より水の加護を与えられました。その加護は、水を生み出すことが出来るそうです。ティーネ様はそれで、水不足に苦しんでいる人々を助けたいんだそうです。
セルジュ様は、本来ならばラスティ様より加護を与えられる予定でしたが、ネリア様の精霊妃補佐になることが決定しましたので、受け取れなかったみたいです。その代わり、レーヴェ様の加護が与えられました。
アレク様は、ノクトールより加護を与えられました。ノクトール本人は、嫌だと駄々をこねましたが……
✾✾✾
あれから……
グレイス様は、体に受けた傷が癒えないので精霊界の一角、太陽の精霊王の住まう場所で療養をしているそうです。
メルフィの話は聞きません。
ただ、元精霊王ソルレヴェンテ様がグレイス様が受けた屈辱や傷を、そっくりそのまま返すと言っていたそうです。
伯爵夫妻は、既に亡くなったと聞きました。
グリゴッツ監獄に収監されて直ぐに、精神が崩壊したそうです。そのまま、自殺をしたと聞きました。
実は私、伯爵様があんな事になって家と家族を失いました。ですが、あるお方が私を引き取って下さったんです。そのお方は、カイリオ様のお知り合いの方で公爵様だそうです。
マナーも勉強も出来ない私を引き取るなんてって思ったけど、その方は全然気にしないと言ってくれました。
お義兄様が2人も出来ました。とても優しい方達で、精霊妃の仕事がない日は一緒にお茶したり、本を読んで下さったり、とても楽しい毎日を送っています。
ネリア様達とも、よくお茶します。他の精霊妃様とも話すようになりました。国王陛下やイザーク様とも、話す機会が増えました。
まだ凄く緊張しますが、少しは堂々と振る舞えてきてると思います!
ジークとフェリクスは、私専属の騎士になりました。公爵家にいる時も、お城にいる時も常に傍にいてくれています。
ちょっと前までは、考えられなかったけど、私今すごく幸せです。
この幸せは、ノクトールが運んでくれました。あの日、ノクトールに会ったことが私の幸せの1歩だったと思います!
『主が、私を助けてくれたから…ですよ』
そっと呟くノクトールの声は聞こえなかったけど、私の腕の中で目を閉じる彼の背中に、私は額を押し付けた。
~完~
─────
ここまで、お付き合い頂きありがとうございました(*ᴗˬᴗ)⁾
これにて、完結となります。
少しでも、皆さんの暇つぶしになれたなら嬉しいです^^*感想も、応援もありがとうございました。また、どこかの作品でありましょう(*≧艸≦)。
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