(完結)ギャラット王太子様、私を捨てて下さってありがとうございます!

青空一夏

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6 ギャラット殿下の最期ー因果応報  R15

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※死の描写あり。閲覧注意です。  


ギャラット殿下視点


「では、ギャラットさん。この国から出て行ってもらいましょうか?」
 
 宰相の言葉に騎士達が俺を包囲し手足を縛り上げた。

「なにをする! 無礼者め! 俺を誰だと思っているんだ?」

王太子ですよね? 今では国外追放の対象者でしかないですけど」

「王太子を国外追放なんてできるわけがない! 俺には弟もいないし王位は誰が継ぐんだ? 持病のある父上の余命はわずかで、実質俺が王のようなものだったろう? 俺がいなくなれば、この国を継ぐ者がいないのだぞ!」

「そこはご心配なく。国王陛下には隠し子が10人ほどおりますれば・・・・・・ギャラットさん、あなたも取り替えのきく雑魚のお一人なのですよ」

「そんなことは誰も許さない! 俺は正式な王太子で後継者で・・・・・・」

「法律があるから大丈夫です。あなたが作った法律でしょう? 死に関わる重大な感染病にかかった者は誰であろうと国外追放する、というあの愚かな法律ですよ」

「あれは、まさかこの俺が感染するなどとは思わなかったから・・・・・・俺は例外に決まっているだろう!」

「この病原菌を国境に捨ててこい! こいつはもう王族でもなんでもない」
 宰相の冷たい言葉に俺は泣き叫び縋る。

「俺が悪かったよ。この法律は改正しよう。今気がついた。こんな非人道的な法律は間違っている。宰相、お前の言う通りだった」

「今更ですよ。あなたを追放してから法律改正するとしましょう。あなたのような横暴な男が王になったら、この国はめちゃくちゃですからね。この際、あなた寄りの一派は全て国外追放して、この国は新たにやり直した方がいいかもしれない」






 俺はマリアンと同じように国境近くの森へと捨てられ、ほどなくして女の死体を2体見つけた。色あせたドレスに包まれたその身体は腐臭を放ち、ところどころ野生動物に食いちぎられている。

 これはきっと俺が追放した王太子妃候補達だが、もう1体あるはずが2体しか見つからなかった。どちらも生きている頃の面影は微塵もない。打ち捨てられた遺体となって、俺を無言で責めたてる。

 激しい吐き気に襲われ、酷い目眩と頭痛に悩まされた。食料も飲み水さえも持たされずに放り出された俺は、つくづく後悔したのだった。



 助けてくれよ・・・・・・誰か助けて・・・・・・



 夜も更けると野犬の群れが森から現れ、俺を取り囲み狩りを始めた。逃げまどう俺を執拗に追いかけてくるこいつらを引き離すことはできない。

 足に噛みつく複数の犬を蹴り倒すが、新たな犬が挑みかかってくる状況では勝ち目はなかった。生きながらも喰らわれる壮絶な苦痛に悶絶しながらつぶやいた。

「こんなはずじゃなかったんだ。俺は王太子なんだぞ・・・・・・高貴な・・・・・・ぐっ・・・・・・」
 
 一瞬浮かんだのは、マリアンの顔だったがそれは愛おしさからではない。

 くっそ! あいつが感染源だ。あいつのせいだ。なにもかもがマリアンの・・・・・・せい・・・・・・



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