6 / 8
リクエストによる番外編ーー残酷注意! 処刑シーンあり。(ロメオ視点)
しおりを挟む
ロメオ視点
残酷注意! 苦手な方はご遠慮くださいませ。
「私はあなた方を許しますわ」
リリがそんな言葉を素晴らしい笑顔で口にすると、そのまま吐血をして倒れこの世の者ではなくなった。
(そんなばかな・・・・・・私はなにもしていない・・・・・・水を持って行っただけだ。ただの水で毒など入れた覚えは少しもないさ)
誰もがリリを毒殺したのは私だと叫び出す。リリの妹が、マスカ侯爵家の侍女達全てが、敵になった瞬間である。皆が口を揃えて私を人殺しと呼んだのだ。
「なんでだよ! なぜ私がリリを殺さなくてはならない? 私は無実だ。そんなことをするわけがないだろう?」
どんなに犯行を否定しても後から後から証言が吹き出してくるのだ。終いには私が毒を入れたところを見たという者まで名乗りを上げて・・・・・・
そうして私は悟った。これが仕組まれたものだと。リリは命を賭けて私を陥れたのだと。
がっくりと膝を冷たい大理石の床につけば、両手を拘束するように縄がかけられたのだった。
じめじめと湿った地下牢に収監された私を待っていたのは首切りの刑である。断頭台は恐ろしく長い階段を登るように作られ、そこにたどり着くまでの恐怖は計り知れない。
(怖いよ。死にたくない。痛いのは嫌だ。逃げたいよぉ。こんなことならリリと結婚しなければ良かった。アンナを愛人になどしなければ良かった・・・・・・)
やっと着いた先にはどす黒いシミのついた断頭台が目の前に広がる。幾多の罪人のクビを切ったであろうその忌まわしい道具に恐怖で心臓が口から飛び出しそうだった。
「怖じ気づいたのか? このシミはお前のような罪深い勘違い野郎の血だよ。お前で何人目かなぁ? 大丈夫さ。あの世でお前を待っているのは罪人の仲間達だよ。手を広げて待っているさ。地獄にはサタンもいるだろうしなぁ」
(待ってくれよ。死んでからも苦しみがあるのか? まさかそんな・・・・・・)
私は断頭台に頭を無理矢理突っ込まれる。仰向けにされて錆だらけの刃が鈍い光りを帯びているのを見つめる。待てよ、これって・・・・・・絶対ひと思いに切れないやつだよ!
そうしてその錆だらけの刃が私のクビに落とされて・・・・・・でも死ねない。恐ろしく痛いだけだ。まるで焼けるように痛くてたまらない。致命傷になるまで傷をつけるのに何回でも振り落とされるそれは拷問のようだ。
「わざとだよ。リリ様は人望があって王族の方からも人気が高かった。そんな方を殺したのだからひと思いに死ねるはずがないだろう?」
死刑執行人がニタリと笑った。
さきほどまで死ぬのが恐ろしかった私は今はひたすらに殺して欲しいと願うのだった。
(誰か・・・・・・頼むよ。殺してくれよ。この苦しみから解放されるならもう何にもいらないよ)
୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧
次回はアンナの処刑シーンです。新年早々残酷だなぁ(•́ε•̀;ก)💦
申し訳ないです。
残酷注意! 苦手な方はご遠慮くださいませ。
「私はあなた方を許しますわ」
リリがそんな言葉を素晴らしい笑顔で口にすると、そのまま吐血をして倒れこの世の者ではなくなった。
(そんなばかな・・・・・・私はなにもしていない・・・・・・水を持って行っただけだ。ただの水で毒など入れた覚えは少しもないさ)
誰もがリリを毒殺したのは私だと叫び出す。リリの妹が、マスカ侯爵家の侍女達全てが、敵になった瞬間である。皆が口を揃えて私を人殺しと呼んだのだ。
「なんでだよ! なぜ私がリリを殺さなくてはならない? 私は無実だ。そんなことをするわけがないだろう?」
どんなに犯行を否定しても後から後から証言が吹き出してくるのだ。終いには私が毒を入れたところを見たという者まで名乗りを上げて・・・・・・
そうして私は悟った。これが仕組まれたものだと。リリは命を賭けて私を陥れたのだと。
がっくりと膝を冷たい大理石の床につけば、両手を拘束するように縄がかけられたのだった。
じめじめと湿った地下牢に収監された私を待っていたのは首切りの刑である。断頭台は恐ろしく長い階段を登るように作られ、そこにたどり着くまでの恐怖は計り知れない。
(怖いよ。死にたくない。痛いのは嫌だ。逃げたいよぉ。こんなことならリリと結婚しなければ良かった。アンナを愛人になどしなければ良かった・・・・・・)
やっと着いた先にはどす黒いシミのついた断頭台が目の前に広がる。幾多の罪人のクビを切ったであろうその忌まわしい道具に恐怖で心臓が口から飛び出しそうだった。
「怖じ気づいたのか? このシミはお前のような罪深い勘違い野郎の血だよ。お前で何人目かなぁ? 大丈夫さ。あの世でお前を待っているのは罪人の仲間達だよ。手を広げて待っているさ。地獄にはサタンもいるだろうしなぁ」
(待ってくれよ。死んでからも苦しみがあるのか? まさかそんな・・・・・・)
私は断頭台に頭を無理矢理突っ込まれる。仰向けにされて錆だらけの刃が鈍い光りを帯びているのを見つめる。待てよ、これって・・・・・・絶対ひと思いに切れないやつだよ!
そうしてその錆だらけの刃が私のクビに落とされて・・・・・・でも死ねない。恐ろしく痛いだけだ。まるで焼けるように痛くてたまらない。致命傷になるまで傷をつけるのに何回でも振り落とされるそれは拷問のようだ。
「わざとだよ。リリ様は人望があって王族の方からも人気が高かった。そんな方を殺したのだからひと思いに死ねるはずがないだろう?」
死刑執行人がニタリと笑った。
さきほどまで死ぬのが恐ろしかった私は今はひたすらに殺して欲しいと願うのだった。
(誰か・・・・・・頼むよ。殺してくれよ。この苦しみから解放されるならもう何にもいらないよ)
୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧
次回はアンナの処刑シーンです。新年早々残酷だなぁ(•́ε•̀;ก)💦
申し訳ないです。
615
お気に入りに追加
1,715
あなたにおすすめの小説

私の婚約者とキスする妹を見た時、婚約破棄されるのだと分かっていました
あねもね
恋愛
妹は私と違って美貌の持ち主で、親の愛情をふんだんに受けて育った結果、傲慢になりました。
自分には手に入らないものは何もないくせに、私のものを欲しがり、果てには私の婚約者まで奪いました。
その時分かりました。婚約破棄されるのだと……。

(完)なにも死ぬことないでしょう?
青空一夏
恋愛
ジュリエットはイリスィオス・ケビン公爵に一目惚れされて子爵家から嫁いできた美しい娘。イリスィオスは初めこそ優しかったものの、二人の愛人を離れに住まわせるようになった。
悩むジュリエットは悲しみのあまり湖に身を投げて死のうとしたが死にきれず昏睡状態になる。前世を昏睡状態で思い出したジュリエットは自分が日本という国で生きていたことを思い出す。還暦手前まで生きた記憶が不意に蘇ったのだ。
若い頃はいろいろな趣味を持ち、男性からもモテた彼女の名は真理。結婚もし子供も産み、いろいろな経験もしてきた真理は知っている。
『亭主、元気で留守がいい』ということを。
だったらこの状況って超ラッキーだわ♪ イケてるおばさん真理(外見は20代前半のジュリエット)がくりひろげるはちゃめちゃコメディー。
ゆるふわ設定ご都合主義。気分転換にどうぞ。初めはシリアス?ですが、途中からコメディーになります。中世ヨーロッパ風ですが和のテイストも混じり合う異世界。
昭和の懐かしい世界が広がります。懐かしい言葉あり。解説付き。


婚約者が私の妹と結婚したいと言い出したら、両親が快く応じた話
しがついつか
恋愛
「リーゼ、僕たちの婚約を解消しよう。僕はリーゼではなく、アルマを愛しているんだ」
「お姉様、ごめんなさい。でも私――私達は愛し合っているの」
父親達が友人であったため婚約を結んだリーゼ・マイヤーとダニエル・ミュラー。
ある日ダニエルに呼び出されたリーゼは、彼の口から婚約の解消と、彼女の妹のアルマと婚約を結び直すことを告げられた。
婚約者の交代は双方の両親から既に了承を得ているという。
両親も妹の味方なのだと暗い気持ちになったリーゼだったが…。

【完結】幼い頃から婚約を誓っていた伯爵に婚約破棄されましたが、数年後に驚くべき事実が発覚したので会いに行こうと思います
菊池 快晴
恋愛
令嬢メアリーは、幼い頃から将来を誓い合ったゼイン伯爵に婚約破棄される。
その隣には見知らぬ女性が立っていた。
二人は傍から見ても仲睦まじいカップルだった。
両家の挨拶を終えて、幸せな結婚前パーティで、その出来事は起こった。
メアリーは彼との出会いを思い返しながら打ちひしがれる。
数年後、心の傷がようやく癒えた頃、メアリーの前に、謎の女性が現れる。
彼女の口から発せられた言葉は、ゼインのとんでもない事実だった――。
※ハッピーエンド&純愛
他サイトでも掲載しております。



ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる