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リクエストによる番外編ーー残酷注意! 処刑シーンあり。(ロメオ視点)
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ロメオ視点
残酷注意! 苦手な方はご遠慮くださいませ。
「私はあなた方を許しますわ」
リリがそんな言葉を素晴らしい笑顔で口にすると、そのまま吐血をして倒れこの世の者ではなくなった。
(そんなばかな・・・・・・私はなにもしていない・・・・・・水を持って行っただけだ。ただの水で毒など入れた覚えは少しもないさ)
誰もがリリを毒殺したのは私だと叫び出す。リリの妹が、マスカ侯爵家の侍女達全てが、敵になった瞬間である。皆が口を揃えて私を人殺しと呼んだのだ。
「なんでだよ! なぜ私がリリを殺さなくてはならない? 私は無実だ。そんなことをするわけがないだろう?」
どんなに犯行を否定しても後から後から証言が吹き出してくるのだ。終いには私が毒を入れたところを見たという者まで名乗りを上げて・・・・・・
そうして私は悟った。これが仕組まれたものだと。リリは命を賭けて私を陥れたのだと。
がっくりと膝を冷たい大理石の床につけば、両手を拘束するように縄がかけられたのだった。
じめじめと湿った地下牢に収監された私を待っていたのは首切りの刑である。断頭台は恐ろしく長い階段を登るように作られ、そこにたどり着くまでの恐怖は計り知れない。
(怖いよ。死にたくない。痛いのは嫌だ。逃げたいよぉ。こんなことならリリと結婚しなければ良かった。アンナを愛人になどしなければ良かった・・・・・・)
やっと着いた先にはどす黒いシミのついた断頭台が目の前に広がる。幾多の罪人のクビを切ったであろうその忌まわしい道具に恐怖で心臓が口から飛び出しそうだった。
「怖じ気づいたのか? このシミはお前のような罪深い勘違い野郎の血だよ。お前で何人目かなぁ? 大丈夫さ。あの世でお前を待っているのは罪人の仲間達だよ。手を広げて待っているさ。地獄にはサタンもいるだろうしなぁ」
(待ってくれよ。死んでからも苦しみがあるのか? まさかそんな・・・・・・)
私は断頭台に頭を無理矢理突っ込まれる。仰向けにされて錆だらけの刃が鈍い光りを帯びているのを見つめる。待てよ、これって・・・・・・絶対ひと思いに切れないやつだよ!
そうしてその錆だらけの刃が私のクビに落とされて・・・・・・でも死ねない。恐ろしく痛いだけだ。まるで焼けるように痛くてたまらない。致命傷になるまで傷をつけるのに何回でも振り落とされるそれは拷問のようだ。
「わざとだよ。リリ様は人望があって王族の方からも人気が高かった。そんな方を殺したのだからひと思いに死ねるはずがないだろう?」
死刑執行人がニタリと笑った。
さきほどまで死ぬのが恐ろしかった私は今はひたすらに殺して欲しいと願うのだった。
(誰か・・・・・・頼むよ。殺してくれよ。この苦しみから解放されるならもう何にもいらないよ)
୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧
次回はアンナの処刑シーンです。新年早々残酷だなぁ(•́ε•̀;ก)💦
申し訳ないです。
残酷注意! 苦手な方はご遠慮くださいませ。
「私はあなた方を許しますわ」
リリがそんな言葉を素晴らしい笑顔で口にすると、そのまま吐血をして倒れこの世の者ではなくなった。
(そんなばかな・・・・・・私はなにもしていない・・・・・・水を持って行っただけだ。ただの水で毒など入れた覚えは少しもないさ)
誰もがリリを毒殺したのは私だと叫び出す。リリの妹が、マスカ侯爵家の侍女達全てが、敵になった瞬間である。皆が口を揃えて私を人殺しと呼んだのだ。
「なんでだよ! なぜ私がリリを殺さなくてはならない? 私は無実だ。そんなことをするわけがないだろう?」
どんなに犯行を否定しても後から後から証言が吹き出してくるのだ。終いには私が毒を入れたところを見たという者まで名乗りを上げて・・・・・・
そうして私は悟った。これが仕組まれたものだと。リリは命を賭けて私を陥れたのだと。
がっくりと膝を冷たい大理石の床につけば、両手を拘束するように縄がかけられたのだった。
じめじめと湿った地下牢に収監された私を待っていたのは首切りの刑である。断頭台は恐ろしく長い階段を登るように作られ、そこにたどり着くまでの恐怖は計り知れない。
(怖いよ。死にたくない。痛いのは嫌だ。逃げたいよぉ。こんなことならリリと結婚しなければ良かった。アンナを愛人になどしなければ良かった・・・・・・)
やっと着いた先にはどす黒いシミのついた断頭台が目の前に広がる。幾多の罪人のクビを切ったであろうその忌まわしい道具に恐怖で心臓が口から飛び出しそうだった。
「怖じ気づいたのか? このシミはお前のような罪深い勘違い野郎の血だよ。お前で何人目かなぁ? 大丈夫さ。あの世でお前を待っているのは罪人の仲間達だよ。手を広げて待っているさ。地獄にはサタンもいるだろうしなぁ」
(待ってくれよ。死んでからも苦しみがあるのか? まさかそんな・・・・・・)
私は断頭台に頭を無理矢理突っ込まれる。仰向けにされて錆だらけの刃が鈍い光りを帯びているのを見つめる。待てよ、これって・・・・・・絶対ひと思いに切れないやつだよ!
そうしてその錆だらけの刃が私のクビに落とされて・・・・・・でも死ねない。恐ろしく痛いだけだ。まるで焼けるように痛くてたまらない。致命傷になるまで傷をつけるのに何回でも振り落とされるそれは拷問のようだ。
「わざとだよ。リリ様は人望があって王族の方からも人気が高かった。そんな方を殺したのだからひと思いに死ねるはずがないだろう?」
死刑執行人がニタリと笑った。
さきほどまで死ぬのが恐ろしかった私は今はひたすらに殺して欲しいと願うのだった。
(誰か・・・・・・頼むよ。殺してくれよ。この苦しみから解放されるならもう何にもいらないよ)
୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧
次回はアンナの処刑シーンです。新年早々残酷だなぁ(•́ε•̀;ก)💦
申し訳ないです。
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