8 / 12
8 エイナ・リック前男爵未亡人末路 残酷注意 R15
しおりを挟む
※残酷注意 R15 コメディですけど、まぁまぁ残酷!
この街はなぁに? 初めて来たけれど夢のような看板とキャッチコピーの旗が風にはためく。
貴女も若返ることが必ずできる! 驚異の薬! しかも絶世の美女に!
――嘘! そんなことが可能なの? あんな虫ばかりいる屋敷はもうごめんだわ。若返って美貌を手に入れれば今度こそ幸せになれるかも! そうよ、王太子妃にもなれるかも!
「お願いします! 私に是非若返りの薬を!」
「はいはい。いいですとも! じゃ、ここにサインしてくださいね。ありがとうございます。で、今からあなたはこの部屋で薬を試してもらいますけれど、なにせ新しい薬ですから副作用があるかもしれません」
――バタン ガチャガチャ カチリ
真っ白い四角い部屋には手術用ベッドがひとつ。窓もなければドアはさきほどの扉だけで、外から鍵がかけられた音がした。
ほどなくして入ってきた医師ふたりが私の腕にそれぞれ注射をして去っていく。食事は三食お弁当が出たが、外にはだしてもらえない。
ーーこれって監禁されてるわよね? わけのわからない薬を6時間ごとに打たれて記録をつける医師達。
「ねぇ、これっていつ若返るのよ? 全然変わらないし、なんでか昨日より今日はやたら目線が低いかんじ・・・・・・え、もしかして・・・・・・」
着ていたドレスの裾の部分が長く伸びすぎてうまく歩けない。違う、ドレスが伸びたんじゃない! 私が縮んだんだ!
「うぎゃぁあああぁーー!! どういうことよ? 腕も足も縮んでる? なによこれ?」
「あらぁーー。惜しいなぁ。身体だけ子供になっちゃっても、顔の皺はそのまんま。なにがだめだったのかね?」
「うーーん。でも身体は若返ったからよくないか? 失敗は成功のもと」
「保安局に訴えてやる! この嘘つきめ!」
私は怒りで身を震わせた。
「もうちょっと改良の余地があるなぁーー。どうする、この人? 訴えるとか言い出しちゃってるよ」
「ほら、街のはずれに見世物小屋あったでしょう? あそこなら引き取ってくれるさ」
――ひっ!! やめてよ! どうしてよぉーー
「え? だってあなたがサインした書類に書いてあったでしょう? なにがあっても文句は言わない。これはあくまで実験なんだって。その約束が守れないようなら、適切な職場紹介(廃棄処分)するって」
――実験・・・・・・そんなこと口頭では言わなかったわよ・・・・・・
「だってさ、考えてみなよ? あなた金払ってないでしょう? この治療法をまともに受けるには5000万フランは必要に決まってるだろう? 世の中タダより高くつくものってないんだよ? モニターって聞こえはいいけど実験台だから! あっはは」
୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧
1フラン=1円
この街はなぁに? 初めて来たけれど夢のような看板とキャッチコピーの旗が風にはためく。
貴女も若返ることが必ずできる! 驚異の薬! しかも絶世の美女に!
――嘘! そんなことが可能なの? あんな虫ばかりいる屋敷はもうごめんだわ。若返って美貌を手に入れれば今度こそ幸せになれるかも! そうよ、王太子妃にもなれるかも!
「お願いします! 私に是非若返りの薬を!」
「はいはい。いいですとも! じゃ、ここにサインしてくださいね。ありがとうございます。で、今からあなたはこの部屋で薬を試してもらいますけれど、なにせ新しい薬ですから副作用があるかもしれません」
――バタン ガチャガチャ カチリ
真っ白い四角い部屋には手術用ベッドがひとつ。窓もなければドアはさきほどの扉だけで、外から鍵がかけられた音がした。
ほどなくして入ってきた医師ふたりが私の腕にそれぞれ注射をして去っていく。食事は三食お弁当が出たが、外にはだしてもらえない。
ーーこれって監禁されてるわよね? わけのわからない薬を6時間ごとに打たれて記録をつける医師達。
「ねぇ、これっていつ若返るのよ? 全然変わらないし、なんでか昨日より今日はやたら目線が低いかんじ・・・・・・え、もしかして・・・・・・」
着ていたドレスの裾の部分が長く伸びすぎてうまく歩けない。違う、ドレスが伸びたんじゃない! 私が縮んだんだ!
「うぎゃぁあああぁーー!! どういうことよ? 腕も足も縮んでる? なによこれ?」
「あらぁーー。惜しいなぁ。身体だけ子供になっちゃっても、顔の皺はそのまんま。なにがだめだったのかね?」
「うーーん。でも身体は若返ったからよくないか? 失敗は成功のもと」
「保安局に訴えてやる! この嘘つきめ!」
私は怒りで身を震わせた。
「もうちょっと改良の余地があるなぁーー。どうする、この人? 訴えるとか言い出しちゃってるよ」
「ほら、街のはずれに見世物小屋あったでしょう? あそこなら引き取ってくれるさ」
――ひっ!! やめてよ! どうしてよぉーー
「え? だってあなたがサインした書類に書いてあったでしょう? なにがあっても文句は言わない。これはあくまで実験なんだって。その約束が守れないようなら、適切な職場紹介(廃棄処分)するって」
――実験・・・・・・そんなこと口頭では言わなかったわよ・・・・・・
「だってさ、考えてみなよ? あなた金払ってないでしょう? この治療法をまともに受けるには5000万フランは必要に決まってるだろう? 世の中タダより高くつくものってないんだよ? モニターって聞こえはいいけど実験台だから! あっはは」
୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧
1フラン=1円
6
あなたにおすすめの小説
卒業パーティでようやく分かった? 残念、もう手遅れです。
柊
ファンタジー
貴族の伝統が根づく由緒正しい学園、ヴァルクレスト学院。
そんな中、初の平民かつ特待生の身分で入学したフィナは卒業パーティの片隅で静かにグラスを傾けていた。
すると隣国クロニア帝国の王太子ノアディス・アウレストが会場へとやってきて……。
てめぇの所為だよ
章槻雅希
ファンタジー
王太子ウルリコは政略によって結ばれた婚約が気に食わなかった。それを隠そうともせずに臨んだ婚約者エウフェミアとの茶会で彼は自分ばかりが貧乏くじを引いたと彼女を責める。しかし、見事に返り討ちに遭うのだった。
『小説家になろう』様・『アルファポリス』様の重複投稿、自サイトにも掲載。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
幼馴染みの婚約者が「学生時代は愛する恋人と過ごさせてくれ」と言ってきたので、秒で婚約解消を宣言した令嬢の前世が、社畜のおっさんだった件。
灯乃
ファンタジー
子爵家の総領娘である令嬢の前に、巨乳美少女と腕を組んだ婚約者がやってきた。
曰く、「学生時代くらいは、心から愛する恋人と自由に過ごしたい。それくらい、黙って許容しろ」と。
婚約者を甘やかし過ぎていたことに気付いた彼女は、その場で婚約解消を宣言する。
前半はたぶん普通の令嬢もの、後半はおっさんコメディーです。
地獄の業火に焚べるのは……
緑谷めい
恋愛
伯爵家令嬢アネットは、17歳の時に2つ年上のボルテール侯爵家の長男ジェルマンに嫁いだ。親の決めた政略結婚ではあったが、小さい頃から婚約者だった二人は仲の良い幼馴染だった。表面上は何の問題もなく穏やかな結婚生活が始まる――けれど、ジェルマンには秘密の愛人がいた。学生時代からの平民の恋人サラとの関係が続いていたのである。
やがてアネットは男女の双子を出産した。「ディオン」と名付けられた男児はジェルマンそっくりで、「マドレーヌ」と名付けられた女児はアネットによく似ていた。
※ 全5話完結予定
“いつまでも一緒”の鎖、貴方にお返しいたします
柊
ファンタジー
男爵令嬢エリナ・ブランシュは、幼馴染であるマルグリット・シャンテリィの引き立て役だった。
マルグリットに婚約が決まり開放されると思ったのも束の間、彼女は婚約者であるティオ・ソルベに、家へ迎え入れてくれないかというお願いをする。
それをティオに承諾されたエリナは、冷酷な手段をとることを決意し……。
※複数のサイトに投稿しております。
ちゃんと忠告をしましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。
アゼット様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる