異世界に召喚されたけど、従姉妹に嵌められて即森に捨てられました。

バナナマヨネーズ

文字の大きさ
32 / 123
新居編

32 私はなにか大切なものを……

しおりを挟む
 その後、O・MA・RU・に残されたアレをどうしたかと言うと、物質変換で水に変えたよ。
 だって、アレをそのままにしていたらヴェインさんとアーくんに見られちゃうもん。いくら地味ブスな私でも乙女的な羞恥心はあるってことです。
 
 一応換気をして、アイテムリストにあったお水で手を洗ってから部屋を出た私を、二人は優しく迎えてくれた。
 
「よし、いい子だ。よく出来たな」

「シズは、よく頑張りましたよ」

 全然うれしくないけど、二人の出迎えに私は顔を赤くしていたと思う。鏡を見なくても分かるもん。だって、顔がとっても熱かったから。
 
「それじゃ、シズのおしっ―――」

 ガタン!!
 
 おっと、手が滑って・・・・・間違って・・・・アイテムリストから手斧が飛び出しちゃったよ。
 うん。手が滑っただけで、他意はないよ?本当だよ?
 
「…………、えっと、シズのおし―――」

 ガタタンッ!!
 
 あら嫌だ!また手が滑ってしまったじゃない。
 今度は、ギザギザでトゲトゲのモーニングスターとトゲトゲで極太な棍棒が落ちてしまった。
 あれ?どうしたんだろうね?どうしてヴェインさんそんなに青い顔して震えてるのかな?かな?
 
 あっ、これだけは言っておこないとね!!
 
「ヴェインさん……、あれはただの水です。水なんです……。いいですね?分かりましたか?分かりましたよね?」

「は、はい!!あれは水です。聖水です!!清らかなる聖水です!!おしっこなんかじゃないです!!」

 ザシュザシュザシュッ、シュバババ、ザシュッ!!!!!
 
 あははは!!ヴェインさんは、うっかり屋さんですね。
 私もうっかりで、大量の剣を床に突き刺し……、落としてしまいました~。
 でも、羞恥心が振り切れた私は、恥ずかしさから捨て台詞を吐いて部屋を飛び出していた。
 
「ヴェインさん……の…………、バカバカ!!嫌いです!!」

 私は、勢いのまま寮を飛び出すべく廊下に出ていたが、そこには異様な光景が広がっていた。
 
 這いつくばる様な格好の男性が大勢いたのだ。
 
「聖水プレイ……」

「ヤバい!イケメンはやることが違うぜ」

「えっ?補佐殿ってそういう性癖?」

 扉を出たところで硬直していた私を追って、ヴェインさんが現れて目の前に広がる光景に大声で怒鳴り声をあげていた。
 
「きっ、貴様ら!!俺は至って普通だ!!俺はただ、シズにトイレの仕方を教えて、おしっこの始末について教えようとしただけで、変なプレイなんてしていないからな!!」

 ヴェインさん……、なんてことを大声で言ってしまうんですか!
 恥ずかしくて、もうここに居られないよ……。
 この歳で、トイレの仕方もわからないって思われるだなんて……、もうお嫁に行けない……。
 行く予定もないけど……。
 
 ああ、無情……。
 
 
 私が羞恥心で完全にショートしていると、アーくんが呆れたように部屋から出てきたけど、私は放心状態でなにも考えられなかった。
 それに、よく分からないけどアーくんが私の耳をふさいでいたから、無音状態だった所為で意識が元に戻るのに時間がかかったよ。
 
「はぁ。兄様は顔も頭も良くて、何でもできる最高の兄様ですけど、乙女心は全然分かっていないみたいですね……。あれだけ、こちらの用の足し方を嫌がっていたシズに対して、おしっことか聖水とか……、減点ですよ?はぁ、みなさんも、勘違いしないでくださいね?シズは、ここから遠いところからこの街に来たため、色々とカルチャーショックを受けているんです。だから……、今日の出来事は忘れてください。というか、忘れろ。いいな、少しでも今日の出来事を口に出したり、匂わせるような言動をしたら……、分かっていますよね?返事は?」

「「「「イエッサー!!!!!」」」」



 どのくらい放心していたのか分からないけど、アーくんの呼びかけで私は意識が戻るのを感じた。
 
「シズ、シズ。しっかりしてください」

「あれ?何か、とても恥ずかしいことがあったような……?」

「いいえ、何もなかったですよ?さぁ、組合と役所に行きましょう」

「うん……、でも、何かとてもショックなことがあったような……、なんだろう、思い出せない……?」

「いいんです。思い出せないということは、思い出さなくてもいいってことなんです。だから、そのままでいいんですよ」

 どうしたんだろう?いつも以上に優しいアーくん……。でも、これ以上考えるのは危険だと私の中の誰かが言っていたような気がしたから、アーくんの言う通りにしよう。












 静弥が知らない所で、O・MA・RUの中のアレは、ヴェインによって処理所に捨てられたのだった。
 その時、ヴェインは静弥がアレを水に変換していたことを知らないため、異常なまでに透き通って綺麗なアレを見て、こう思ったそうだ。
 
「この透き通るような透明度……。本当に、これは聖水かも知れない……。美少女のおしっこは聖水だとでも言うのか!?」

 実は、この独り言はたまたま通りがかった数人の騎士に聞かれていたのだった。
 そして、王都のごく一部で、とある都市伝説が生まれたとかいないとか。
 その内容とは……。
 
 
 美少女のおしっこは聖水である……、と。
しおりを挟む
感想 160

あなたにおすすめの小説

美人同僚のおまけとして異世界召喚された私、無能扱いされ王城から追い出される。私の才能を見出してくれた辺境伯様と一緒に田舎でのんびりスローライ

さら
恋愛
美人な同僚の“おまけ”として異世界に召喚された私。けれど、無能だと笑われ王城から追い出されてしまう――。 絶望していた私を拾ってくれたのは、冷徹と噂される辺境伯様でした。 荒れ果てた村で彼の隣に立ちながら、料理を作り、子供たちに針仕事を教え、少しずつ居場所を見つけていく私。 優しい言葉をかけてくれる領民たち、そして、時折見せる辺境伯様の微笑みに、胸がときめいていく……。 華やかな王都で「無能」と追放された女が、辺境で自分の価値を見つけ、誰よりも大切に愛される――。

我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。

たぬきち25番
恋愛
「ここはどこですか?私はだれですか?」目を覚ましたら全く知らない場所にいました。 しかも以前の私は、かなり我儘令嬢だったそうです。 そんなマイナスからのスタートですが、文句はいえません。 ずっと冷たかった周りの目が、なんだか最近優しい気がします。 というか、甘やかされてません? これって、どういうことでしょう? ※後日談は激甘です。  激甘が苦手な方は後日談以外をお楽しみ下さい。 ※小説家になろう様にも公開させて頂いております。  ただあちらは、マルチエンディングではございませんので、その関係でこちらとは、内容が大幅に異なります。ご了承下さい。  タイトルも違います。タイトル:異世界、訳アリ令嬢の恋の行方は?!~あの時、もしあなたを選ばなければ~

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

悪役令嬢は調理場に左遷されましたが、激ウマご飯で氷の魔公爵様を餌付けしてしまったようです~「もう離さない」って、胃袋の話ですか?~

咲月ねむと
恋愛
「君のような地味な女は、王太子妃にふさわしくない。辺境の『魔公爵』のもとへ嫁げ!」 卒業パーティーで婚約破棄を突きつけられた悪役令嬢レティシア。 しかし、前世で日本人調理師だった彼女にとって、堅苦しい王妃教育から解放されることはご褒美でしかなかった。 ​「これで好きな料理が作れる!」 ウキウキで辺境へ向かった彼女を待っていたのは、荒れ果てた別邸と「氷の魔公爵」と恐れられるジルベール公爵。 冷酷無慈悲と噂される彼だったが――その正体は、ただの「極度の偏食家で、常に空腹で不機嫌なだけ」だった!? ​レティシアが作る『肉汁溢れるハンバーグ』『とろとろオムライス』『伝説のプリン』に公爵の胃袋は即陥落。 「君の料理なしでは生きられない」 「一生そばにいてくれ」 と求愛されるが、色気より食い気のレティシアは「最高の就職先ゲット!」と勘違いして……? ​一方、レティシアを追放した王太子たちは、王宮の食事が不味くなりすぎて絶望の淵に。今さら「戻ってきてくれ」と言われても、もう遅いです! ​美味しいご飯で幸せを掴む、空腹厳禁の異世界クッキング・ファンタジー!

【完結】 異世界に転生したと思ったら公爵令息の4番目の婚約者にされてしまいました。……はあ?

はくら(仮名)
恋愛
 ある日、リーゼロッテは前世の記憶と女神によって転生させられたことを思い出す。当初は困惑していた彼女だったが、とにかく普段通りの生活と学園への登校のために外に出ると、その通学路の途中で貴族のヴォクス家の令息に見初められてしまい婚約させられてしまう。そしてヴォクス家に連れられていってしまった彼女が聞かされたのは、自分が4番目の婚約者であるという事実だった。 ※本作は別ペンネームで『小説家になろう』にも掲載しています。

無能だとクビになったメイドですが、今は王宮で筆頭メイドをしています

如月ぐるぐる
恋愛
「お前の様な役立たずは首だ! さっさと出て行け!」 何年も仕えていた男爵家を追い出され、途方に暮れるシルヴィア。 しかし街の人々はシルビアを優しく受け入れ、宿屋で住み込みで働く事になる。 様々な理由により職を転々とするが、ある日、男爵家は爵位剥奪となり、近隣の子爵家の代理人が統治する事になる。 この地域に詳しく、元男爵家に仕えていた事もあり、代理人がシルヴィアに協力を求めて来たのだが…… 男爵メイドから王宮筆頭メイドになるシルビアの物語が、今始まった。

偽聖女と追放された私は、辺境で定食屋をはじめます~こっそり生活魔法で味付けしていたら、氷の騎士団長様が毎日通ってくるんですけど!?~

咲月ねむと
恋愛
【アルファポリス女性向けHOTランキング1位達成作品!!】 あらすじ 「役立たずの偽聖女め、この国から出て行け!」 ​聖女として召喚されたものの、地味な【生活魔法】しか使えず「ハズレ」の烙印を押されたエリーナ。 彼女は婚約者である王太子に婚約破棄され、真の聖女と呼ばれる義妹の陰謀によって国外追放されてしまう。 ​しかし、エリーナはめげなかった。 実は彼女の【生活魔法】は、一瞬で廃墟を新築に変え、どんな食材も極上の味に変えるチートスキルだったのだ! ​北の辺境の地へ辿り着いたエリーナは、念願だった自分の定食屋『陽だまり亭』をオープンする。 すると、そこへ「氷の騎士団長」と恐れられる冷徹な美形騎士・クラウスがやってきて――。 ​「……味がする。お前の料理だけが、俺の呪いを解いてくれるんだ」 ​とある呪いで味覚を失っていた彼は、エリーナの料理にだけ味を感じると判明。 以来、彼は毎日のように店に通い詰め、高額な代金を置いていったり、邪魔する敵を排除したりと、エリーナを過保護なまでに溺愛し始める。 ​最強の騎士団長と騎士たちに胃袋を掴んで守られながら、エリーナは辺境で幸せなスローライフを満喫中?

転生したら地味ダサ令嬢でしたが王子様に助けられて何故か執着されました

古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され
恋愛
皆様の応援のおかげでHOT女性向けランキング第7位獲得しました。 前世病弱だったニーナは転生したら周りから地味でダサいとバカにされる令嬢(もっとも平民)になっていた。「王女様とか公爵令嬢に転生したかった」と祖母に愚痴ったら叱られた。そんなニーナが祖母が死んで冒険者崩れに襲われた時に助けてくれたのが、ウィルと呼ばれる貴公子だった。 恋に落ちたニーナだが、平民の自分が二度と会うことはないだろうと思ったのも、束の間。魔法が使えることがバレて、晴れて貴族がいっぱいいる王立学園に入ることに! しかし、そこにはウィルはいなかったけれど、何故か生徒会長ら高位貴族に絡まれて学園生活を送ることに…… 見た目は地味ダサ、でも、行動力はピカ一の地味ダサ令嬢の巻き起こす波乱万丈学園恋愛物語の始まりです!? 小説家になろうでも公開しています。 第9回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作品

処理中です...