異世界に召喚されたけど、従姉妹に嵌められて即森に捨てられました。

バナナマヨネーズ

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脱出編

20 私はすべてを打ち明ける

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 お風呂に入ってさっぱりした二人は、さらにイケメン度が上昇していた気がする。
 
「シズ、ありがとう。お湯に浸かるのがあんなに気持ちいいとは思わなかったよ。悪いな、随分ゆっくりしてしまったみたいだ」

「ありがとう……。気持ちよかったです」

「全然!!私もお風呂大好きなので、嬉しいです。それよりも、はい。これをどうぞ。違和感があったら言ってください。すぐに直しますから」

 そう言って、私は二人に出来上がったばかりの服と下着を差し出した。
 二人は、私が差し出したものを見て同じ様に首を傾げていたけど、受け取ってくれた。
 服を広げた二人は、目を丸くして驚いていた。
 
「えっと、ささっと作ったのでシンプルな出来ですが、布は前に作っておいたきちんとしたものなので、着心地はいいと思います」

 そう言ってから、二人に着替えてもらうように促した。
 脱衣所で着替えた二人は直ぐに戻ってきた。
 うん。見た感じサイズは大丈夫そうだ。そんな事を考えながら、二人を見ているとヴェインさんが照れたように頬を指で掻きながらお礼を言ってきた。
 
「シズ、ありがとう。すごくぴったりで驚いたよ。もしかして、さっき俺にくっついて来たのって……」

「いえいえ。ぴったりみたいで安心しました。はい。サイズを測るためですが?」

「そっかそっか。うん。すごく着心地がいいよ。本当にありがとう」

「はい。アーくんはどうかな?」

「ありがとうございます。驚くほど肌触りも着心地もいいです」

 アーくんも照れたみたいな表情ながらも、私が作った服を気に入ってくれたみたいで安心したよ。
 それじゃ、今度こそ洗いざらい話そう。
 
「それじゃ、今度こそ私のこと話します。だけど、少し長い話になると思うのでお茶とお菓子を用意しますね」

 そう言って、覚悟は決めたけどここに来てもまだ、悪足掻きでもするかのようにゆっくりとお茶とお菓子の用意をしてからリビングで待つ二人のもとに戻った。
 
 テーブルに、ハーブティーの入ったポットとティーカップ、スイートポテトを並べる。
 一口ハーブティーを飲んで、口を潤してから私は話し始めた。
 
 身の上話、元の世界で両親に先立たれていること。
 両親がいなくなってから、うまく笑えなくなったこと。
 他人に顔を見られるのが怖くなったこと。
 突然、異世界に召喚されたこと。
 ベルディアーノ王国で、聖職者風の男に国を救って欲しいと言われたこと。
 その時に、不思議な力で元の世界で遊んでいたゲーム内の力を与えられたこと。
 千歌子ちゃんにスクロールを使ってここに飛ばされたこと。
 この森でたった一人、力を使って暮らしてきたこと。
 
 全部話していた。二人も何も言わずに、ただ頷いて私の話を聞いてくれた。
 すべてを話し終えた私は、もう冷たくなってしまったハーブティーを一口飲んで小さく息を吐いた。
 
 はぁ。全部話したら、なんだか気持ちが軽くなった気がする。
 そんなことを考えていたら、ヴェインさんが優しい顔で言った。
 
「話してくれてありがとう。今度は、俺達の番だな」

 そう言って、今度はヴェインさんが自身の話をしてくれた。
 
「改めて、俺達のことを話すよ。俺たち兄弟は、ベルディアーノ王国の隣国、フェールズ王国の者だ。俺たちは、槍の名門と言われるラズロ家の次男と三男だ。家は、兄が継ぐので俺とアークは騎士団に入った。俺は、騎士団の中隊長補佐をしている。アークは、今年騎士団に入ったばかりの新人だ。アークは、騎士団恒例の新人演習に参加することになったんだ。新人以外は自由参加の演習だったが、俺も参加することにしたんだ。毎年恒例なこともあって、演習場所は毎年街の外に設けられていた専用の演習コースで行われた。演習は、数人で班を組んでコース上の障害物や罠を掻い潜って、ゴールを目指すというものだ。俺とアークは二人でコースに臨んだんだ。順調に進んでいた筈が、気がついたらトラップ魔法を踏んでいてここに飛ばされた。不思議で仕方ない。コース上にはあれほど高度なトラップは無かったはずなのに……」

 そこまで真剣な表情で話してくれたヴェインさんだったけど、アーくんがそんなヴェインさんの話に突っ込んでいた。
 
「兄様……、違います。コースを逸れていたんです。僕たちが踏んだのは間違いなく、演習コースがあった場所から更に行った先の森ダンジョンのものです。ありえないです。普通の新人演習であんなトラップ魔法なんてありえないです。間違いなく、兄様の方向音痴の所為で森ダンジョンに入っていたんです!!」

「ばっ、馬鹿な!!ゴールと森ダンジョンは真逆の位置なんだぞ?あり得ない!」

「あり得るんです!!国に帰ったら、演習を監督していた中隊長に聞いてみてください!!」

「そ、そんな……。ばかな……。あり得ない……、俺は、俺は……、方向音痴なんかじゃない……」

 ヴェインさんの悲しい呟きは、小さすぎて誰の耳にも届いてはいなかった。
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