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CASE16 世界が終わるまで

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「自分の事は、自分が一番分かる……俺は、助からねぇよ、」


レオンの周りの血溜まりが、どんどん広がっていってるから

どこかを深く、刺されてるのかもしれない。


だけど、、今も話しているのに助からないなんて………信じたくない。



「まだ決めるには早いから!俺が連れて行くからレオンまで死ぬなよ!!」


「俺……まで、ねぇ、、死んだのは、ギルバートか?」


「そう………だからっ!レオンは!!」



アゲハが声を上げたら、レオンはゆっくりと起き上がった。



「悪い……俺はまだ、やりたいことも、残ってんだ。………合図するから、後で俺を、見つけてくれ」



アゲハは何か言いかけたけど、やめた。


私もだけど、察したんだよ。


レオンを止める事はできないって。



「んな顔すんな。俺は、後悔はしてない。ありがとな、アゲハ。今まで、俺らに付き合ってくれて、、」


レオンはそう言って私たちに笑いかけた。


「俺こそ……レオンには感謝してる…し、これからも……一緒にいたかった、、」


泣きそうになっているアゲハの頭にレオンは手を乗せた。


「アゲハだけだったぜ……俺が、相棒って呼んだヤツは………。幸せに、暮らせよ?」


「俺も、相棒は、、後にも先にもレオンだけだよ。本当に、ありがとう……」


アゲハがお礼を伝えたタイミングで、城内が崩れる音が遠くから聞こえた。


ここも、安全じゃない、、



レオンは私とアゲハを交互に見てから、アゲハの背中を押した。


「二人は早く、行け。俺も、ここを離れる」


「うん、分かった。………空、行こう」


レオンとアゲハはお互いに背を向けて、別々に歩き出した。



『ソラ、アゲハのこと、頼むな?』


レオンからテレパシーを使って話し掛けられて

返事をしようとしたらテレパシーは切られた。


レオンはこちらを見ないまま奥へ消えて

アゲハと私は、、泣くのをこらえながら出口を目指した。




城から出てすぐ

建物が大きく崩れて


瓦礫がたくさん、飛んできた……ーーーーー


走っても逃げ切れない



そう感じたとき、アゲハが私を押し倒して私の上に覆いかぶさった。


これじゃあ、アゲハにガレキが直撃する!


「危ないからどいて」って言おうとしたけど瓦礫と砂埃が私たちを襲ってきて


そのまま、私たちは瓦礫に埋もれた。



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