267 / 342
CASE12 異世界からの来訪者
10
しおりを挟む**********
「今日ってさぁ、アゲハが前々からギルに仕事頼まれていた日だよな?」
朝ご飯の時、みんなの前でレオンがアゲハに聞いた。
レオンもアゲハの様子は気にしていたけど、調子良さそうな様子にホッとしていて、
だから、改めて聞いたんだと思う。
アゲハはいつもより朝ご飯は食べていないけど、手を止めて私達を見回した。
「そう、なんだよね。。だから家を開けるけど……大丈夫かな?」
アゲハが気にしているのは、アイさんだと思う。
アイさんはアゲハをしばらく見てからニッコリ笑った。
「大丈夫でしょ?子供じゃないんだし。私は行かないよ」
って……だいぶ意外な感じであっさりと残るって言ったなぁ。
意外って思うのは私だけじゃなくて、レオンもエドガーもみたい。
ご飯食べる手が、止まっているもん。
「まー、俺は今日店開けるし?エドガーも夜には来るんだろうから、こっちは問題ない」
エドガー、やっぱり今日も来るんだね。
そりゃそうだよね。
アゲハが心配だし……私も今日もアゲハの部屋で寝るかなぁ?ってぼんやりと考えていた。
朝ご飯を食べ終わってからアゲハとエドガーと私でコーヒーを飲みながら話していたんだけど
ちょっとだけ、アイさんの視線を感じたから……嫌な予感しかない。
それから、エドガーとアゲハが一緒にいなくなって
家がいきなり静かになった気がした。
「俺は仕事すっからソラ手伝ってくんない?」
レオンに呼ばれて私はお店に行って
なんだかんだ忙しくなってお昼過ぎまでお店を開け続けた。
「今日の忙しさはちょっと辛い」
「だな!最近はアゲハに任せっきりだったから俺もなんか疲れた…」
二人で話をしながらリビングに戻ったらアイさんはぼんやりと座ってて
お昼ご飯は……うん、やっぱり準備されてはいなかった。
「昼飯くらい用意してくれよ……」
レオンは不満を口にしたけど、アイさんは無表情でレオンを見て
「私、包丁使えないから無理」
って、当たり前のように言い放った。
明らかにレオンは疲れていて苛立った様子だったから、私がお昼の用意にすぐに取り掛かったけど
隣にレオンが来てやっぱり一緒に手伝ってくれた。
「なぁ、アイって今までずっと、あぁななのか?」
「うん、まぁ……あんな感じ」
「………なるほど。アゲハが音を上げる理由がよく分かった。今日がアイツの気分転換になればいいな」
アゲハはレオンに相談していたんだね。
偶然かもしれないけど、今日ギルバートさんに呼ばれててよかったね。
話しながらお茶の準備に取り掛かったんだけど……
「あ、しまった。お茶のストックなかった」
今まですっかり気が付かなかったけど、お茶がもうないじゃん。
棚をガサガサ漁ったけどストックは見当たらない。
「私、お昼ご飯食べたら買いに行くよ」
「あぁ、悪いな。ついでに他の買い物も頼めるか?」
「もちろん。メモ書いてね」
テーブルお皿を置いた時、アイさんと目があった。
「買い物なら、私行くよ」
アイさんが?
自ら家を出たがったのも意外だし、協力的なのも意外。
「でも、アイさんお店分からないだろうから、私が行くよ」
お店だけじゃなくて、お金や文字も分からないはず。
だけど、なぜかアイさんは首を横に振って譲らない。
「私だって外知りたいし!だから、買い物がちょうどいいんじゃない?」
そう言われると、そうだから……
「じゃあ、私と一緒にでいいかな?お店とかお金の価値とか教えられるいいタイミングだし」
「うん!!よろしくね?」
笑顔で言われて一緒に買い物に行く事になったけど、、、
なんだろう、ものすごく、不安だ。。。
0
あなたにおすすめの小説
魔力ゼロの英雄の娘と魔族の秘密
藤原遊
ファンタジー
魔法が支配する世界で、魔力を持たない少女アリア・マーウェラ。彼女は、かつて街を守るために命を落とした英雄的冒険者の両親を持ちながら、その体質ゆえに魔法を使えず、魔道具すら扱えない。しかし、彼女は圧倒的な身体能力と戦闘センスを武器に、ギルドでソロ冒険者として活動していた。街の人々やギルド仲間からは「英雄の娘」として大切にされつつも、「魔力を捨てて進化した次世代型脳筋剣士」と妙な評価を受けている。
そんなある日、アリアは山中で倒れていた謎の魔法使いイアンを助ける。彼は並外れた魔法の才能を持ちながら、孤独な影を背負っていた。やがて二人は冒険の中で信頼を深め、街を脅かす魔王復活を阻止するため、「カギ」を探す旅に出る。
しかしイアンには秘密があった。彼は魔族と人間の混血であり、魔王軍四天王の血を引いていたのだ。その事実が明らかになったとき、アリアは「どんな過去があっても、イアンはイアンだよ」と笑顔で受け入れる。
過去に囚われたイアンと、前を向いて進むアリア。二人の絆が、世界を揺るがす冒険の行方を決める――。シリアスとギャグが織り交ざる、剣と魔法の冒険譚!
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
【完結】海外在住だったので、異世界転移なんてなんともありません
ソニエッタ
ファンタジー
言葉が通じない? それ、日常でした。
文化が違う? 慣れてます。
命の危機? まあ、それはちょっと驚きましたけど。
NGO調整員として、砂漠の難民キャンプから、宗教対立がくすぶる交渉の現場まで――。
いろんな修羅場をくぐってきた私が、今度は魔族の村に“神託の者”として召喚されました。
スーツケース一つで、どこにでも行ける体質なんです。
今回の目的地が、たまたま魔王のいる世界だっただけ。
「聖剣? 魔法? それよりまず、水と食糧と、宗教的禁忌の確認ですね」
ちょっとズレてて、でもやたらと現場慣れしてる。
そんな“救世主”、エミリの異世界ロジカル生活、はじまります。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜
クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。
生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。
母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。
そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。
それから〜18年後
約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。
アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。
いざ〜龍国へ出発した。
あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね??
確か双子だったよね?
もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜!
物語に登場する人物達の視点です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる