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CASE4 レジスタンス
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「ところで…アゲハは顔色悪いから。ゼロと一緒に退出」
エドガーさんからそう言われたアゲハは時計を見て首捻った。
「まだ時間早いし調子悪くないけど…?」
「顔色がずいぶん悪いよ?自覚ないだけで調子が良くないのかもしれない。昨日あんなに具合が悪かったんだから…ゼロ、頼めるよね?」
「仕方ねーな。行くぞ」
ゼロさんが立ち上がって出ていったから、渋々って感じでアゲハも立ち上がった。
確かに、1日でありえないくらい元気になったけど……でも言うほど顔色も悪くないような…?
「で?ずいぶん雑な理由でゼロとアゲハを追い出した理由は?」
アゲハが出ていってすぐに口を開いたのはレオン。
エドガーさんは笑ってたから……わざと追い出したの?
「なかなか無理があったよね?まぁアゲハが1日でここまで回復するとは予想外。やっぱりアゲハが新人類なのとゼロの魔法が強いからなのかな?」
「いや、だから、なんで二人を追い出したんだよ」
「ゼロは私に協力しただけ。彼には先に話したからね。……今からの話、まだアゲハには聞かせたくないから」
そう言ったエドガーさんは腕をまくった。
右腕と左腕にはタトゥーみたいなのが入っていて、左腕のはアゲハの左胸にある奴隷の証に少し似ていた。
「――ッ!!お前!!!なんて事してんだよ!!!」
レオンが顔色を変えて怒鳴りながら立ち上がったけど、エドガーさんは冷静に口元に指をあてて静かにのポーズをしていた。
ギルバートさんも眉間にシワがよってて怖い。
よく見るとエドガーさんの家族を除く全員が驚きと絶望が入り交じったような顔をしていた。
「ソラたちは知らないから説明すると、私はずっと破壊者に潜入しているんだ。破壊者の“火炎将軍”の元で、部下の一人のフリをしていた。この左腕は破壊者である証」
「じゃあ、右腕……は?」
聞いたらいけない気がした。
たぶん、破壊者に潜入しているのはみんな知ってるはず。
だから、左腕の証をみてレオンは驚いたんじゃない。
右腕のはず。
「これは……“屍契約”をした証」
しかばね、契約?
「“屍将軍”っていう将軍が破壊者にはいるの。死人を操れる将軍なんだけど、屍将軍の部下になる人は全員が屍契約を交わしている……だから、エドガーは屍将軍の部下になった…って事?」
ルーラがそう言って、泣きそうになっていた。
「そうだ。私自ら志願した。屍将軍の部下であった方が皇帝により近くなる。名前すら知らない最後の将軍にだって近づける」
エドガーさんは淡々と答えているけど……だけど、それって……。
「屍将軍が操れる死人は屍契約を交わした人のみ。破壊者の“屍兵”は自らまたは無理矢理契約を交わした後に死んだ人だ。つまり、私は死んだらその屍兵になる」
「あんたは馬鹿か?屍兵になったらただの殺人兵器になる。エドガーの正体がバレたらお前はすぐに殺されるぞ!!アイリーンたち家族はどーするんだよっ!!!」
レオンはかなり怒ってる。
声が外に漏れるんじゃないかってくらいだし。
「家族には屍契約を交わす前に話したさ。それに、リスクは承知している。ただ、情報を得るためには危険を犯さないと不可能だ」
そう言ったエドガーさんは全員を見渡した。
「私からの頼みは、私が死んだらすぐに首を斬ってほしい。屍兵にはなりたくないからな」
屍契約を交わした人は死んだら屍兵になる。
屍兵になったら意志もなくなり、屍将軍の手先になる。
そして、屍兵を殺すのは首を斬り落とす事。
首を斬り落とされた屍兵は、全て灰になって消える。
たとえ屍将軍が先に死んでも、契約者は屍兵にならないだけで、灰になる事は変わらない。
屍将軍が生きてても死んでても、末路は変わらない。
そんな契約を、エドガーさんはどんな思いで交わしたの?
家族もいるのに……どうして?
どうして、そんなに冷静でいられるの?
エドガーさんからそう言われたアゲハは時計を見て首捻った。
「まだ時間早いし調子悪くないけど…?」
「顔色がずいぶん悪いよ?自覚ないだけで調子が良くないのかもしれない。昨日あんなに具合が悪かったんだから…ゼロ、頼めるよね?」
「仕方ねーな。行くぞ」
ゼロさんが立ち上がって出ていったから、渋々って感じでアゲハも立ち上がった。
確かに、1日でありえないくらい元気になったけど……でも言うほど顔色も悪くないような…?
「で?ずいぶん雑な理由でゼロとアゲハを追い出した理由は?」
アゲハが出ていってすぐに口を開いたのはレオン。
エドガーさんは笑ってたから……わざと追い出したの?
「なかなか無理があったよね?まぁアゲハが1日でここまで回復するとは予想外。やっぱりアゲハが新人類なのとゼロの魔法が強いからなのかな?」
「いや、だから、なんで二人を追い出したんだよ」
「ゼロは私に協力しただけ。彼には先に話したからね。……今からの話、まだアゲハには聞かせたくないから」
そう言ったエドガーさんは腕をまくった。
右腕と左腕にはタトゥーみたいなのが入っていて、左腕のはアゲハの左胸にある奴隷の証に少し似ていた。
「――ッ!!お前!!!なんて事してんだよ!!!」
レオンが顔色を変えて怒鳴りながら立ち上がったけど、エドガーさんは冷静に口元に指をあてて静かにのポーズをしていた。
ギルバートさんも眉間にシワがよってて怖い。
よく見るとエドガーさんの家族を除く全員が驚きと絶望が入り交じったような顔をしていた。
「ソラたちは知らないから説明すると、私はずっと破壊者に潜入しているんだ。破壊者の“火炎将軍”の元で、部下の一人のフリをしていた。この左腕は破壊者である証」
「じゃあ、右腕……は?」
聞いたらいけない気がした。
たぶん、破壊者に潜入しているのはみんな知ってるはず。
だから、左腕の証をみてレオンは驚いたんじゃない。
右腕のはず。
「これは……“屍契約”をした証」
しかばね、契約?
「“屍将軍”っていう将軍が破壊者にはいるの。死人を操れる将軍なんだけど、屍将軍の部下になる人は全員が屍契約を交わしている……だから、エドガーは屍将軍の部下になった…って事?」
ルーラがそう言って、泣きそうになっていた。
「そうだ。私自ら志願した。屍将軍の部下であった方が皇帝により近くなる。名前すら知らない最後の将軍にだって近づける」
エドガーさんは淡々と答えているけど……だけど、それって……。
「屍将軍が操れる死人は屍契約を交わした人のみ。破壊者の“屍兵”は自らまたは無理矢理契約を交わした後に死んだ人だ。つまり、私は死んだらその屍兵になる」
「あんたは馬鹿か?屍兵になったらただの殺人兵器になる。エドガーの正体がバレたらお前はすぐに殺されるぞ!!アイリーンたち家族はどーするんだよっ!!!」
レオンはかなり怒ってる。
声が外に漏れるんじゃないかってくらいだし。
「家族には屍契約を交わす前に話したさ。それに、リスクは承知している。ただ、情報を得るためには危険を犯さないと不可能だ」
そう言ったエドガーさんは全員を見渡した。
「私からの頼みは、私が死んだらすぐに首を斬ってほしい。屍兵にはなりたくないからな」
屍契約を交わした人は死んだら屍兵になる。
屍兵になったら意志もなくなり、屍将軍の手先になる。
そして、屍兵を殺すのは首を斬り落とす事。
首を斬り落とされた屍兵は、全て灰になって消える。
たとえ屍将軍が先に死んでも、契約者は屍兵にならないだけで、灰になる事は変わらない。
屍将軍が生きてても死んでても、末路は変わらない。
そんな契約を、エドガーさんはどんな思いで交わしたの?
家族もいるのに……どうして?
どうして、そんなに冷静でいられるの?
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