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CASE4 レジスタンス

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「死してなおいいように扱われる気はない。だから、誰でもいい。必ず私を殺してくれ。こんな願いを今のアゲハには聞かせられない。だから無理矢理退出させたんだ」

フウッと息を吐いたのはギルバートさん。

複雑な表情をしたまま、口を開いた。


「分かった。エドガーに万が一があればお前の望む通りにしよう。しかし、アゲハのが一番うまくやりそうだが?」

「確かに…アゲハの武器や戦闘のセンスを考えたら適任だろうけど……今は駄目だ。とても伝えられる状態じゃない。このままじゃあの子は壊れてしまうんじゃないかと私は心配している」


エドガーさんはそう言って、困ったような表情をした。

自分の事を話すときはそんな表情しなかったのに。

アゲハの事は、そんなに心配なのかな?


それにアゲハは……?



「昨日、アゲハに呼ばれた時に話をしたが……シブキの件をかなり責任感じているようでね。『自分が死ねばよかった』って言いながら泣いて謝られた。はじめてだったよ、アゲハに泣かれたのも、泣いた姿を見たのも」

「そんなに思い詰めていたのか?」

「かなりね。昨日までは皇帝の魔法のせいで、自我を失うかどうかの状態だったから精神的にも辛かっただろうし、シブキとは本当に仲良くしていたし。アゲハから聞いた自身の境遇と合わせても、その悲しみと苦しみは察するに余りある」


グッと手を握りしめた。

私は、、、私にできることは、あるの、かな?

昨日の夜も、何かに苦しんでいたんだから、、、その苦しみに気づいたんだから、放っておけるわけないよ。


「ただ、次の作戦を変えるつもりはない」

「分かっている。…ただ、心配なんだ。私にとってはあの子も息子みたいな存在だから」


そう言ったエドガーさんは頬杖をついてこの話を終わりにした。



それからしばらく誰も喋らなくて、
戻ってきたアゲハとゼロさんが怪訝そうな顔をしていた。


「なんか空気重くない?」

「……いや、そうか?」


明らかに動揺したレオンを不思議そうに見ながらアゲハも席に座った。



「次の作戦を伝えるが……」


全員が再び揃ったのを見て、ギルバートさんが口を開いた。


次の作戦。


・エドガーさんは再び破壊者に潜入
・ゼロさんとアゲハは花将軍の新人類開発施設の破壊
・ギルバートさんとレオンが火炎将軍の貯蔵施設(屍兵や破壊者の雑兵がいる施設らしい)の破壊


「火炎将軍相手じゃ俺の魔法が使えねーよ!」

「俺も嫌だなぁ……気持ち的に」


レオンの魔法は樹木だから燃やされて終わるって嘆いていて
アゲハもさすがに嫌がっていた。


「ホラ!今はアゲハはゼロと行動してほしいし、アゲハじゃないと花将軍の城内分からないでしょ?だから必然的にこうなるんだよ」

エドガーさんがフォローをしていたけど、アゲハは不満そうだった。

「あとミオも引き続き“雪将軍”から情報を引き出せ。その情報次第でゼロたちの行動開始を決める」


ミオさんは救済者の雪将軍に取り入って情報を集めているらしい。

でも、奴隷じゃない。

雪将軍の話し相手の一人だと言っていた。


「コユキちゃんに次いつ呼ばれるか分からないしー」

ミオさんはそう言いながら、足をバタバタさせていた。

行動や言動が緩い感じなのが雪将軍に好かれたらしいけど、ミオさんもかなり危険な真似をしているんだね。


「どこに誰をつけるかは、また追々決める。そもそも彼らの力量を知らないからな」

ギルバートさんの視線は私たちに向いていて、みんなも私たちを見た。


「空はシンクロを使いこなせないらしいよ」

さらっとアゲハが報告をしたら、ゼロさんとギルバートさんの眉間にシワがよった。

なんでシンクロ使えないヤツが入ったんだ?って顔しているし!


「じゃあみんなで行こうか!」


エドガーさんが立ち上がって、それに倣ってみんなも立ち上がった。


エドガーさんに着いていくと、地下に繋がる階段があって、かなり階段を降りた先には土の地面の、なにもない空間が広がっていた。

学校の体育館よりはるかに広い、このお屋敷よりも広い空間。


「ここね、練習場だよ。最初はアゲハにここで毎日シンクロを使いこなす練習させられた。ギルバートたちも技を磨くためにこの場所を使ってるよ」


ルーラがそう教えてくれた。

ルーラは、アゲハのおかげでシンクロがうまく使えるようになったんだって。

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