小国の姫君にとって大国に嫁ぐことは幸せですか?


 ルビア王国の王女であるピエリス・ルビアは国王である御父様の指示の元、他国の王子と婚約を結ぶことになった。

 自国よりも武力のある国に対して縁を結ぶことを目的とした政略結婚なのであるが、ピエリスは文句を言わずに受け入れる。この世界はそれが当然の世の中なのだ。

 しかしながらピエリスには一つの悩みがあった。

 相手国の王子が親が勝手に決めた婚約に納得がいっておらず、ピエリスに対して全く愛情を抱いていないのである。

 そんなある日、他国の要人を招いたパーティーが開かれる。

 そこで挨拶だけで目立たないようにしていたピエリスなのだが、一人の男性に好意を抱かれてしまう。

「結婚してくれないか?」

(いやいやいや、私は既に婚約を結んでいるのですが!?)

 これはピエリスが幸せになるまでの物語。
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