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ストーカー王子様

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王国の第二王子が、ストーカーとは最悪だな。ライオネルは、名乗りを上げた王子を睨み付けた後に、深い溜め息を付いた。リードは、しばらく呆気にとられていたが、舌打ちをするとライオネルから身を離した。

「確かに・・この囚人は、お貴族さま向きの案件のようだ。ただし、事件を揉み消しても、俺の手当てまで握りつぶすなよ。身分はどうあれ、こいつは犯罪者だ。俺は正しいことをした。そうだろ、ライオネル?」

「お前の手当ては保証する」
「ならいいや。あんたに、この案件を譲る」
「助かる、リード」

「脅しをかけて金をむしりとるには、相手が悪すぎるからな。おい、ジル。さっさと牢獄から出ろ。まあ、死にたいなら、もっと殴って楽しめ。じゃあな」

リードはジルを置いて、あっさりとその場を離れる。ライオネルの横を通り過ぎるリードと、俺は目が合ってしまった。次の瞬間には、リードに抱き寄せられて唇を奪われていた。侵入する舌に、必死に抵抗した。だけど、舌をからめとられ深く咥内をまさぐられた。

「んっ、ふっん、うっ、!?」
「っ、んっ、」

くちゅりと唾液を溢しながら、リードが嗤いを浮かべて俺から身を離す。俺はかっとなって、リードを殴ろうとした。だけど、それより先にリードの体がぶっ飛んでいた。ついでに、巻き込まれて俺までぶっ飛んだ。何故だ!?

「リード、貴様!!」

ライオネルが、更にリードに襲いかかる。リードも体勢を整え、迎え撃つ準備に入っている。無様に地面に転んでいるのは俺だけだ。うおぁ、待ってくれ!肉弾戦を近くでやるな!巻き込まれる!

「ライオネルのバカーー!俺までぶっ飛ばすなんて、正気か!この筋肉バカが!バカバカ!」

俺の叫びに、ライオネルとリードが固まった。そして、何故かライオネルとリードが同時に、俺に向かって迫ってきた。うおぉ、リードは呼んでないから!怖いから!

筋肉ムキムキ×2が怖すぎる。俺は地面で丸まる。そして、ぎりで俺を拾ったのは、ライオネルだった。ライオネルは俺を抱き上げると、妙な事を言い始めた。

「すまない、ケイ!何故、ケイが地面に転がっているか、理由は分からないが、とにかく謝る。俺のムキムキ筋肉がムキムキして、ケイの存在を見落としてしまったに違いない。ケイが肉体的にも精神的にも、致命的ダメージを負ったのなら、申告してくれ。俺がケイを伴侶に迎えて、一生この身を捧げる」

「いらない!捧げなくていいから!」
「何故断る!?」

「ちっ、怪我もないのに俺の名を呼ぶな、ケイ。紛らわしいだろうが、」

「貴様の事は呼んでない、リード!俺が呼んだのは、ライオネル副団長だけだから。誰が貴様の名前など呼ぶか!暗殺者を雇ったら、真っ先にリードを血祭りにあげてやる。俺の貞操を奪った代償は、命ではらえ!リード!」

うう、しまった。暗殺者を雇う宛も無いのに、血祭りに上げてやるなどと言ってしまった。中二病発言が恥ずかしい!

うわ、リードが嗤ってる。

「ははっ、言うじゃねーか。ケイの貞操は、確かに旨かった。だが、俺の命をやるほどではなかったな。泣くばかりで、腰も満足に振れないガキが。だが、また欲しくなってきた。見えるか、ケイ?俺の下半身が、おったってきた」



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