寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。

にのまえ

文字の大きさ
12 / 99

十一

しおりを挟む
 攻撃を繰り出してもワーウルフの鋭い爪に弾かれてしまう。どう戦う? わたしの手持ちは木刀だけだし、背後には負傷した魔法使い二人と冒険者……

(あ、!)

 冒険者達の前にいる大型ワーウルフよりも、わたしの前にいるワーウルフは一回り小さい、もしかすると召喚に使われた骨は番のワーウルフか。

 魔物もこんな場所にいきなり召喚されて怒るのは当然だけど、怒り、目の焦点があっていなく、何者かに召喚ていて、ワーウルフ達とは話が通じない……ここは戦うしかない。

「ドゴッ!!」

 後ろで体当たりの音が聞こえた、盾役の人がシールドを張り、大型ワーウルフの体当たり攻撃に耐えているようだ。あの盾役の人が倒れればわたし共々、とも倒れになる。早く、腕の立つ冒険者か騎士団、できればアサト達に来てもらいたい。

 わたしでは役不足だ。

 ガレーン国に来てから体は毎日動かしているけど、木刀を振るか基礎トレーニングだけ。魔物退治なんて……"あーっ!"うだうだ考える前にやれることをやるんだ、わたし!

 弱気、逃げ越しな、自分に気合を入れ直し木刀を握りなおす。


「グゥワーアアァーン」


 小型ワーウルフが吠え大きく口を開き衝撃弾を吐く、しかし、それはわたしの頭上を飛び超えて、後ろの地面にめこみ爆発を起こした。このワーウルフ賢い、いまわたしと自分の距離を測ったんだ。だって"次は当てる"と小型の鋭い眼光が突き刺さる。


 ゴクッ。奴はわたしに当てるき満々だ、あんなのに当たったら一発で終わりじゃない。


「「プロテクト、プロテクト」」


 己の防御を高める魔法をかけて、次に来るであろう衝撃に備えた。しかし小型は身構えたわたしではなく、後ろでシールド張っている冒険者に向けて、衝撃弾を飛ばした。

「ちょっと!」

 止められるかわからないけど地面を蹴り、飛び込むように前に回り込み、木刀の中心で衝撃波を受け止めた。

 ビキッ!

 木刀で受け止めた衝撃弾の威力はすざましく、いともたやすく木刀にヒビが入り、目の前で爆発を起こして吹き飛ばされ地面を転がった。

「グッハァ! いっ、た……、……あーー! わたしの愛用の木刀が真っ二つ!」

(もう怒ったからね!)

 折れた木刀を持ち小型ワーウルフに向かって走る。奴は次の衝撃弾を飛ばそうとしていたため、瞬時に動けない、わたしは力を込めて折れた片方の木刀の足に刺した。


「「グギャア!!」」


 刺したと同時に小型の前払い攻撃をくらい、地面に転がった。


「グギャーーアアン!!」

「イテテ、へへッ、お怒りのようね」

 奴の片足は潰した……しかし、消すには額に見える真っ暗な魔法陣を壊さなくてはならない。もう片足を潰すには小型の衝撃弾を待って突っ込めばいい。


「グルルル……フシュールル」


(は、殺気⁉︎)


 大型が小型の鳴き声にこちらに飛んできた、これはやばいニ匹に挟まれたようだ。緊張して息は上がり背中に変な汗が流れる。牙を見せ、見下ろす大型と小型ワーウルフ、このまま両方に突進でもされたら避けられない。


 ヒェッ、怖い、逃げる。


 わたしは飛んでくる衝撃弾と、ワーウルフニ体の突進攻撃を回避している。と言うと、ものすごく格好いいのだけど……実際はやみくもに走り回り、飛び込み回避、転げ回ってどうにか奴らの攻撃から必死に逃げている。


 あのニ体の攻撃を一度でも食らったら命の危険! わたしの足どうにか動いて! 


「「ワーウルフ、こっちに来やがれ!!」」


 逃げ惑う私を見て冒険者の盾役が"挑発"スキルを発動した、大型はその"挑発"に乗り盾役に突進する"ガチィーーン!!"と音を立てて、ワーウルフの突進攻撃に耐えたようだ。よかった、盾役の人が頑丈な人で……

 しかし、いつになったら騎士団が来るの? 

 いま、ここでわたし達が倒れたらワーウルフニ匹は王都に突っ込んでいく、どうしてここに来ないの? 焦りとよそ見の隙を突かれ、小型ワーウルフの衝撃弾が飛んでた。

 避けれないと手でガードしたけど。


「グッ、はぁ、あぁぁぁ!!!!」


 いっ、痛い、衝撃弾をもろにくらった。コレを続けざまに喰らうと"プロテクト"の効果が切れてしまう。早くどちらか一体を消さないと、本当に体力の限界がきてしまう。

 そうなる前に武器、戦える武器が欲しい!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

年に一度の旦那様

五十嵐
恋愛
愛人が二人もいるノアへ嫁いだレイチェルは、領地の外れにある小さな邸に追いやられるも幸せな毎日を過ごしていた。ところが、それがそろそろ夫であるノアの思惑で潰えようとして… しかし、ぞんざいな扱いをしてきたノアと夫婦になることを避けたいレイチェルは執事であるロイの力を借りてそれを回避しようと…

婚約者を想うのをやめました

かぐや
恋愛
女性を侍らしてばかりの婚約者に私は宣言した。 「もうあなたを愛するのをやめますので、どうぞご自由に」 最初は婚約者も頷くが、彼女が自分の側にいることがなくなってから初めて色々なことに気づき始める。 *書籍化しました。応援してくださった読者様、ありがとうございます。

全てを捨てて、わたしらしく生きていきます。

彩華(あやはな)
恋愛
3年前にリゼッタお姉様が風邪で死んだ後、お姉様の婚約者であるバルト様と結婚したわたし、サリーナ。バルト様はお姉様の事を愛していたため、わたしに愛情を向けることはなかった。じっと耐えた3年間。でも、人との出会いはわたしを変えていく。自由になるために全てを捨てる覚悟を決め、わたしはわたしらしく生きる事を決意する。

王太子妃は離婚したい

凛江
恋愛
アルゴン国の第二王女フレイアは、婚約者であり、幼い頃より想いを寄せていた隣国テルルの王太子セレンに嫁ぐ。 だが、期待を胸に臨んだ婚姻の日、待っていたのは夫セレンの冷たい瞳だった。 ※この作品は、読んでいただいた皆さまのおかげで書籍化することができました。 綺麗なイラストまでつけていただき感無量です。 これまで応援いただき、本当にありがとうございました。 レジーナのサイトで番外編が読めますので、そちらものぞいていただけると嬉しいです。 https://www.regina-books.com/extra/login

【完結】愛したあなたは本当に愛する人と幸せになって下さい

高瀬船
恋愛
伯爵家のティアーリア・クランディアは公爵家嫡男、クライヴ・ディー・アウサンドラと婚約秒読みの段階であった。 だが、ティアーリアはある日クライヴと彼の従者二人が話している所に出くわし、聞いてしまう。 クライヴが本当に婚約したかったのはティアーリアの妹のラティリナであったと。 ショックを受けるティアーリアだったが、愛する彼の為自分は身を引く事を決意した。 【誤字脱字のご報告ありがとうございます!小っ恥ずかしい誤字のご報告ありがとうございます!個別にご返信出来ておらず申し訳ございません( •́ •̀ )】

侯爵家の婚約者

やまだごんた
恋愛
侯爵家の嫡男カインは、自分を見向きもしない母に、なんとか認められようと努力を続ける。 7歳の誕生日を王宮で祝ってもらっていたが、自分以外の子供を可愛がる母の姿をみて、魔力を暴走させる。 その場の全員が死を覚悟したその時、1人の少女ジルダがカインの魔力を吸収して救ってくれた。 カインが魔力を暴走させないよう、王はカインとジルダを婚約させ、定期的な魔力吸収を命じる。 家族から冷たくされていたジルダに、カインは母から愛されない自分の寂しさを重ね、よき婚約者になろうと努力する。 だが、母が死に際に枕元にジルダを呼んだのを知り、ジルダもまた自分を裏切ったのだと絶望する。 17歳になった2人は、翌年の結婚を控えていたが、関係は歪なままだった。 そんな中、カインは仕事中に魔獣に攻撃され、死にかけていたところを救ってくれたイレリアという美しい少女と出会い、心を通わせていく。 全86話+番外編の予定

旦那様には愛人がいますが気にしません。

りつ
恋愛
 イレーナの夫には愛人がいた。名はマリアンヌ。子どものように可愛らしい彼女のお腹にはすでに子どもまでいた。けれどイレーナは別に気にしなかった。彼女は子どもが嫌いだったから。 ※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました。

婚約破棄されたので、もう誰の役にも立たないことにしました 〜静かな公爵家で、何もしない私の本当の人生が始まります〜

ふわふわ
恋愛
王太子の婚約者として、 完璧であることを求められ続けてきた令嬢エリシア。 だがある日、彼女は一方的に婚約を破棄される。 理由は簡単だった。 「君は役に立ちすぎた」から。 すべてを失ったはずの彼女が身を寄せたのは、 “静かな公爵”と呼ばれるアルトゥール・クロイツの屋敷。 そこで待っていたのは―― 期待も、役割も、努力の強要もない日々だった。 前に出なくていい。 誰かのために壊れなくていい。 何もしなくても、ここにいていい。 「第二の人生……いえ、これからが本当の人生です」 婚約破棄ざまぁのその先で描かれる、 何者にもならなくていいヒロインの再生と、 放っておく優しさに満ちた静かな溺愛。 これは、 “役に立たなくなった”令嬢が、 ようやく自分として生き始める物語。

処理中です...