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十
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「「うわあああっー‼︎」」
突如、尋常じゃない悲鳴が、王都まで続く一本道から聞こえてきた。耳をすますと悲鳴だけではなく、動物の雄叫びまで声も聞こえた。
「ギャァ、モンスターが出たぁ。誰か助けてくれ!」
「きゃぁー‼︎」
「……くっ」
「ひぃーっ‼︎」
(モンスター?)
私は急いで声が聞こえた方に走った。
着いた先では何人もの冒険者らしき人達が、狼型の大型モンスターに襲われていた。
他のモンスターの視野から離れ逃げ延びた冒険者達は、王都まで逃げて行く姿も見える。その達はモンスターが出たと騎士団を呼びに向かった人もいるだろう。私は気配を消して、茂みに身を潜めて様子を伺った。
詳しくモンスターを観察すると、灰色の半狼半人が冒険者達を襲っていた。
「あれはワーウルフ⁉︎」
近くの洞窟から出てきた、冒険者達を襲うニメートル以上の半狼半人のワーウルフ、奴の額には真っ黒な魔法陣が光って見えた。
誰かに召喚された……いや違う、あれは束縛の召喚術だ。
あの大型ワーウルフは無理矢理、この場に召喚されたんだ。本来、召喚は魔石と魔物の骨を使いモンスターを呼び寄せる。呼び寄せた術者はモンスターに自分の魔力が篭った物を差し出し、モンスター側がそれを受け取り契約を結ぶと習ったわ。
それともう一つは力任せに呼ぶ、禁断の召喚術。
召喚に魔石を使わず強引に魔力と魔物の骨だけで呼び寄せる。呼び寄せたモンスターを力任せに捻じ伏せて一方的に従わせる。
あのモンスターの消し方は、額に光る魔法陣を壊せばいいのだけど。
「うわぁーっ‼︎」
「助けてくれ!」
近くで召喚士がモンスターを操っているはず、先に召喚士を見つけた方がいいかな。
その時、冒険者の女剣士が叫んだ。
「みんなはここから早く先に逃げて! 私はここに残って戦う!」
「ユリ、私達にはポーションも体力も無い状態だぞ!」
女剣士はみんなを逃そうと叫んだが、仲間達は逃げなかった。彼らは見る限りモンスター駆除からの帰り、装備の鎧と剣もボロボロだ。武闘家モンクは傷だらけの拳を構えて叫んだ。
「自分はまだやれます!」
「「あなた達だけを置いてゆけない、自分もやれます!」」
魔法使いも残りの魔力を使おうと詠唱に入る。それを守るように、回復系の魔法使いは杖を構えた。
「みんな、やるのだな……ここは私が君達を守る、シールド‼︎」
壁役の人が魔力を使い盾を構えた。あの冒険者達は盾役が吹っ飛んだら終わりそうだ。盾役がワーウルフの攻撃に耐えれば、半狼半人ワーウルフ一匹なら、なんとか倒せるかもとわたしは茂みに隠れて見ていた。
「グルワァーアアン」
突如、わたしがいる反対側の真横から、もう一匹の小型ワーウルフが飛びでて、盾役が張ったシールドに体当たりをした。ワーウルフの風圧でシールドが外れて詠唱中の魔法使いと、それを守っていた魔法使いがバランスを崩して吹っ飛ばされた。
「「キリア、ラトル!」」
冒険者達の陣形が崩れてしまった。そこを狙いニ匹のワーウルフは冒険者達と陣形から離れた魔法使い達を襲う。
「ぐわぁぁー‼︎」
「ぎゃぁー」
ワーウルフの強烈な爪攻撃を喰らい、冒険者と魔法使い達の苦痛に満ちた悲鳴を聞き。わたしは我慢ができず、茂みから走り出て魔法使い達の前で、小型のワーウルフに向かい持っていた木刀を構えた。
「盾役の人、もう一度シールドを張って! 手が空いている人はニ人は、傷付いた仲間をシールドの中に運んで!」
「あ、あぁ、わかった」
盾役の人がもう一度シールドを張ったのを見て、私は目の前で睨み低く唸る、小型のワーウルフに飛びかかった。
突如、尋常じゃない悲鳴が、王都まで続く一本道から聞こえてきた。耳をすますと悲鳴だけではなく、動物の雄叫びまで声も聞こえた。
「ギャァ、モンスターが出たぁ。誰か助けてくれ!」
「きゃぁー‼︎」
「……くっ」
「ひぃーっ‼︎」
(モンスター?)
私は急いで声が聞こえた方に走った。
着いた先では何人もの冒険者らしき人達が、狼型の大型モンスターに襲われていた。
他のモンスターの視野から離れ逃げ延びた冒険者達は、王都まで逃げて行く姿も見える。その達はモンスターが出たと騎士団を呼びに向かった人もいるだろう。私は気配を消して、茂みに身を潜めて様子を伺った。
詳しくモンスターを観察すると、灰色の半狼半人が冒険者達を襲っていた。
「あれはワーウルフ⁉︎」
近くの洞窟から出てきた、冒険者達を襲うニメートル以上の半狼半人のワーウルフ、奴の額には真っ黒な魔法陣が光って見えた。
誰かに召喚された……いや違う、あれは束縛の召喚術だ。
あの大型ワーウルフは無理矢理、この場に召喚されたんだ。本来、召喚は魔石と魔物の骨を使いモンスターを呼び寄せる。呼び寄せた術者はモンスターに自分の魔力が篭った物を差し出し、モンスター側がそれを受け取り契約を結ぶと習ったわ。
それともう一つは力任せに呼ぶ、禁断の召喚術。
召喚に魔石を使わず強引に魔力と魔物の骨だけで呼び寄せる。呼び寄せたモンスターを力任せに捻じ伏せて一方的に従わせる。
あのモンスターの消し方は、額に光る魔法陣を壊せばいいのだけど。
「うわぁーっ‼︎」
「助けてくれ!」
近くで召喚士がモンスターを操っているはず、先に召喚士を見つけた方がいいかな。
その時、冒険者の女剣士が叫んだ。
「みんなはここから早く先に逃げて! 私はここに残って戦う!」
「ユリ、私達にはポーションも体力も無い状態だぞ!」
女剣士はみんなを逃そうと叫んだが、仲間達は逃げなかった。彼らは見る限りモンスター駆除からの帰り、装備の鎧と剣もボロボロだ。武闘家モンクは傷だらけの拳を構えて叫んだ。
「自分はまだやれます!」
「「あなた達だけを置いてゆけない、自分もやれます!」」
魔法使いも残りの魔力を使おうと詠唱に入る。それを守るように、回復系の魔法使いは杖を構えた。
「みんな、やるのだな……ここは私が君達を守る、シールド‼︎」
壁役の人が魔力を使い盾を構えた。あの冒険者達は盾役が吹っ飛んだら終わりそうだ。盾役がワーウルフの攻撃に耐えれば、半狼半人ワーウルフ一匹なら、なんとか倒せるかもとわたしは茂みに隠れて見ていた。
「グルワァーアアン」
突如、わたしがいる反対側の真横から、もう一匹の小型ワーウルフが飛びでて、盾役が張ったシールドに体当たりをした。ワーウルフの風圧でシールドが外れて詠唱中の魔法使いと、それを守っていた魔法使いがバランスを崩して吹っ飛ばされた。
「「キリア、ラトル!」」
冒険者達の陣形が崩れてしまった。そこを狙いニ匹のワーウルフは冒険者達と陣形から離れた魔法使い達を襲う。
「ぐわぁぁー‼︎」
「ぎゃぁー」
ワーウルフの強烈な爪攻撃を喰らい、冒険者と魔法使い達の苦痛に満ちた悲鳴を聞き。わたしは我慢ができず、茂みから走り出て魔法使い達の前で、小型のワーウルフに向かい持っていた木刀を構えた。
「盾役の人、もう一度シールドを張って! 手が空いている人はニ人は、傷付いた仲間をシールドの中に運んで!」
「あ、あぁ、わかった」
盾役の人がもう一度シールドを張ったのを見て、私は目の前で睨み低く唸る、小型のワーウルフに飛びかかった。
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