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2.黄金の夜鳴鶯
気分転換
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それにはとうとうなにも言えなくなってしまったフェオドーラ。ミールの言葉の続きを待った。
「もちろん、これはまだクララ嬢には言うな。あいつの口から言ってもらわなければならない。そして、それをどう判断するかはクララ嬢だからだ」
ミールの言葉に頷くドーラ。
「とにかく、こっから先はどうやってドミトリーが裁判でクララ嬢を使うかはわからないからなんとも言えないが、少なくとも彼女が呼び出されたのはそういった理由がある」
ドーラにもこれ以上、なにもできることはない。わかったとだけ返事をして、部屋から出た。
「夕ごはんにしましょう。クララたちが待ってるから」
彼女の言葉にそうだなと苦笑いして、ドーラのあとをついていった。
どうやらアリーナからはなにも聞かされていないのだろう。クララとアリーナはいつも通りに和気藹々とおしゃべりを楽しんでいる。そんな中で先ほどの話をするのははばかられた二人は無言で食事を進めた。
「明日はグルースンのおっさんのところだよな?」
食後、クララがハーブティーを飲んでリラックスしているときにミールが確認してきた。グルースンというのは、エルスオング大公国の調香師たちの中ではかなり名の知れた人で、精油、エッセンシャルオイルの原料である植物を何種類か栽培している人だ。この国で採取できる精油は土地柄少なく、かなり貴重なものであり高価だ。『ステルラ』では一種類だけそこで生産精油を使っている。
「うん。この時期だからあんまり収穫物はないと思うけど、加工場と乾燥小屋を見にいくつもり」
今回の訪問は第一級認定調香師としての視察半分、『ステルラ』の店主としての買い手半分でいく。だから、花が咲いてなくても仕事としては十分成り立つのだ。クララとアリーナは楽しみにしていそうながらも真剣な表情で聞いている。
「二人ともそんなに緊張していては、朝から疲れてしまいますよ? ある程度、肩の力を抜いてくださいね」
昨日のこともある。クララたちは一度、失敗しているからこそ、余計に力を入れすぎそうで先に力を抜くように言った。どうやら図星だったようで、二人は顔を見合わせ、笑いあった。
普段ならば、遅くまで翌日の営業の準備をするが、ドーラもその晩は早めに就寝した。
「さぁ、行きましょう」
翌朝、ポローシェ侯爵の家紋付き馬車に四人とも乗り込み、グルースン農園へ出発した。出発して間もなく、クララたちは互いに肩を寄せあって眠ってしまっており、ミールは彼の仕事の書類を、ドーラはコレンルファ伯爵夫人から依頼を受けたクララへの香水の処方箋を作っていた。
出発してから二時間後、目的の農園についたようで、馬車が停まった。
「おはようございます、グルースンさん」
代表してドーラが挨拶するとおお、よく来た、とにこやかに四人を出迎えてくれた老人がいた。
「こちらがこの農園の代表のグルースンさん。グルースンさん、こちらはコレンルファ伯爵令嬢クララさんと彼女付きのメイドのアリーナさんです。ちょうど調香師に興味があるということで、客人を突然連れてきてしまい、申し訳ありません」
クララたちに農園の主を、グルースンにクララたちを紹介したあと、突然の来訪を詫びる。しかし、グルースンは笑顔で大丈夫さ、と陽気に答える。
「ドーラ嬢ちゃんならば、そうたくさんの人を連れてくるこったぁねぇ。だから、一人や二人程度なら問題ないさ」
早速、グルースンに農園とその施設を視察させてもらった。やはり多くの精油を作っているだけあって敷地も広大であり、移動では専用の馬車を使うほどだった。
「天候は例年と同じかちぃとだけ晴れ間が多かったから、レモングラスやセージは去年よりもよおさん育っておったぞ。ほかの作物、ローズやマジョラムもいつもどおりだ」
移動中の馬車ではグルースンが原料植物の生育状況を語る。それをドーラは記録用紙に書きとめていく。
「ま、価格には影響しないがね」
基本的に農作物はたくさん収穫できれば流通量も多くなる。それによって市場価格も変動し、単価は安くなる。不作のときはそれの反対だ。精油もその原料となる植物が多く収穫できれば当然、生産できる精油の量も多くなる。しかし、あまり値段には反映されない。それは『技術』の結晶だからだ。
「さぁ、どうだね? 土の状況とかみてみるかい?」
すでに綺麗に耕されている農地に案内されたドーラはいいえ、と苦笑いしながら答える。
「毎回、同じことを言ってるような気がしますけど、精油製造官のグルースンさんにはこちらの知識は負けますよ」
精油製造官というのは、調香師にしか就けない職種の一つだ。精油の製造やその原料となる植物の栽培を管理する職種で、公の機関、調香院の管轄でもある。
だから、このグルースンの農園のことは彼が一番知り尽くしている。ハハハとグルースンもそれを否定しない。
「そういうことにしておくか」
見た感じ異常は感じられなかったドーラたち一行は再び馬車に乗りこみ、次の目的地、製造部に向かった。
製造部はちょうど作業中で、多くの工員が忙しなく働いていた。
「ここも去年に新しい機械を買ってもらったからか、かなり効率がよくなった。もちろん、帝国産の機械のほうがもっと早く採れそうな気がするが、ま、今んとこはこれでもエルスオング大公国内で使う分にゃ十分余裕だ」
グルースンは目の前の機械を指しながらそう自慢する。ドーラはそれなかそうでしたか、と笑う。去年は彼女自身が担当ではなかったものの、この機械を導入するための審議会議には出席していたから覚えていた。
「とりあえず、できたてのローズだ、どうだね?」
そう言って今しぼりたてのオイルが入った褐色瓶を手渡した。渡された彼女は蓋を開けて匂いを嗅ぐ。
「ええ、問題ありませんね」
ドーラも頷き返す。よかったよかったと安心したようなグルースン。彼は彼なりに心配していたのだろう。
すべての施設の視察を終えたドーラたち四人は農園のふちにあるテラスで昼食を食べた。
「あら、おいしいですよ?」
料理が苦手なはずのアリーナが作ったのに、かなりおいしく感じられた。それはミールも同じようだったみたいで、二人ともどういうことかと問うと、うまく説明できないアリーナにかわってクララが答えた。
「アリーナも十分、料理は作れるんです。なんですけど、コレンルファ伯爵家では基準に満たなくて。それで料理を作る機会が減ったので、普段は料理は苦手ということにしているんです」
その説明に納得したドーラとミール。彼女の作った昼食はどちらかというと庶民的。伯爵家には合わなかったのだろう。
「そういえば、一つお聞きしたかったのですが、植物が多く収穫できたのに、なぜ精油の値段は変わらないとおっしゃったのでしょう」
食事後、不意にクララが尋ねてきた。ドーラはそこに興味を持ちましたか、とにこやかに返す。
「先ほども見ましたとおり、精油というのは収穫した後、多くの人の手で加工されます。その機械を動かすための費用や人件費がかかるうえ、その花から採れる精油の量はわずかしかありません。だから、普段の食事のように収穫量が値段に反映されることはありません。むしろ、特に希少価値が高いものについてはその逆、収穫量が少なければ値段が高くなることはあっても、収穫量が増加しても安くなることはありませんね」
彼女の説明になるほど、と目を輝かせるクララ。
そのあとはしばらく談笑してから、四人は帰途についた。明日の予定もあるし、何よりドーラはコレンルファ伯爵夫人との約束を果たさねばならない。ゆっくりしている余裕はなかった。
ちょうど四人が『ステルラ』へ到着したとき、店の前に一台の馬車が停まっていた。
「久しぶり」
そこから降りてきたのは、クララをこの店に導いた人、アレクサンドル・ハヴルスク公爵子息だった。
「明日、馬鹿の裁判に呼ばれてるんだって?」
応接室でアレクサンドルはそう切り出した。本来ならば、貴族の話の中にドーラはいないほうがいい。だけれども、今、クララは『ステルラ』で治療中だから、彼女に負担になることはできるだけ避けたほうがいい。
「はい」
さすがに明日のことだ。アリーナかコレンルファ伯爵夫人付きのメイドの誰かから聞いていたようだった。
「またあの馬鹿がなにかやらかすのでなければいいんだけど。まあ、とにかくむやみやたらとあいつをかばうことはしないでくれ」
彼はクララを心配しているのか、それともただドミトリーという弟を突き放したいのか分からなかった。しかし、クララはその含んでいるものに気づいているのか、はい、と頷く。じゃあまた、明日、あちらで、と言ってアレクサンドルは帰っていった。
クララは少しびっくりしていたようだったが、ほとんど落ち着いている。
「もちろん、これはまだクララ嬢には言うな。あいつの口から言ってもらわなければならない。そして、それをどう判断するかはクララ嬢だからだ」
ミールの言葉に頷くドーラ。
「とにかく、こっから先はどうやってドミトリーが裁判でクララ嬢を使うかはわからないからなんとも言えないが、少なくとも彼女が呼び出されたのはそういった理由がある」
ドーラにもこれ以上、なにもできることはない。わかったとだけ返事をして、部屋から出た。
「夕ごはんにしましょう。クララたちが待ってるから」
彼女の言葉にそうだなと苦笑いして、ドーラのあとをついていった。
どうやらアリーナからはなにも聞かされていないのだろう。クララとアリーナはいつも通りに和気藹々とおしゃべりを楽しんでいる。そんな中で先ほどの話をするのははばかられた二人は無言で食事を進めた。
「明日はグルースンのおっさんのところだよな?」
食後、クララがハーブティーを飲んでリラックスしているときにミールが確認してきた。グルースンというのは、エルスオング大公国の調香師たちの中ではかなり名の知れた人で、精油、エッセンシャルオイルの原料である植物を何種類か栽培している人だ。この国で採取できる精油は土地柄少なく、かなり貴重なものであり高価だ。『ステルラ』では一種類だけそこで生産精油を使っている。
「うん。この時期だからあんまり収穫物はないと思うけど、加工場と乾燥小屋を見にいくつもり」
今回の訪問は第一級認定調香師としての視察半分、『ステルラ』の店主としての買い手半分でいく。だから、花が咲いてなくても仕事としては十分成り立つのだ。クララとアリーナは楽しみにしていそうながらも真剣な表情で聞いている。
「二人ともそんなに緊張していては、朝から疲れてしまいますよ? ある程度、肩の力を抜いてくださいね」
昨日のこともある。クララたちは一度、失敗しているからこそ、余計に力を入れすぎそうで先に力を抜くように言った。どうやら図星だったようで、二人は顔を見合わせ、笑いあった。
普段ならば、遅くまで翌日の営業の準備をするが、ドーラもその晩は早めに就寝した。
「さぁ、行きましょう」
翌朝、ポローシェ侯爵の家紋付き馬車に四人とも乗り込み、グルースン農園へ出発した。出発して間もなく、クララたちは互いに肩を寄せあって眠ってしまっており、ミールは彼の仕事の書類を、ドーラはコレンルファ伯爵夫人から依頼を受けたクララへの香水の処方箋を作っていた。
出発してから二時間後、目的の農園についたようで、馬車が停まった。
「おはようございます、グルースンさん」
代表してドーラが挨拶するとおお、よく来た、とにこやかに四人を出迎えてくれた老人がいた。
「こちらがこの農園の代表のグルースンさん。グルースンさん、こちらはコレンルファ伯爵令嬢クララさんと彼女付きのメイドのアリーナさんです。ちょうど調香師に興味があるということで、客人を突然連れてきてしまい、申し訳ありません」
クララたちに農園の主を、グルースンにクララたちを紹介したあと、突然の来訪を詫びる。しかし、グルースンは笑顔で大丈夫さ、と陽気に答える。
「ドーラ嬢ちゃんならば、そうたくさんの人を連れてくるこったぁねぇ。だから、一人や二人程度なら問題ないさ」
早速、グルースンに農園とその施設を視察させてもらった。やはり多くの精油を作っているだけあって敷地も広大であり、移動では専用の馬車を使うほどだった。
「天候は例年と同じかちぃとだけ晴れ間が多かったから、レモングラスやセージは去年よりもよおさん育っておったぞ。ほかの作物、ローズやマジョラムもいつもどおりだ」
移動中の馬車ではグルースンが原料植物の生育状況を語る。それをドーラは記録用紙に書きとめていく。
「ま、価格には影響しないがね」
基本的に農作物はたくさん収穫できれば流通量も多くなる。それによって市場価格も変動し、単価は安くなる。不作のときはそれの反対だ。精油もその原料となる植物が多く収穫できれば当然、生産できる精油の量も多くなる。しかし、あまり値段には反映されない。それは『技術』の結晶だからだ。
「さぁ、どうだね? 土の状況とかみてみるかい?」
すでに綺麗に耕されている農地に案内されたドーラはいいえ、と苦笑いしながら答える。
「毎回、同じことを言ってるような気がしますけど、精油製造官のグルースンさんにはこちらの知識は負けますよ」
精油製造官というのは、調香師にしか就けない職種の一つだ。精油の製造やその原料となる植物の栽培を管理する職種で、公の機関、調香院の管轄でもある。
だから、このグルースンの農園のことは彼が一番知り尽くしている。ハハハとグルースンもそれを否定しない。
「そういうことにしておくか」
見た感じ異常は感じられなかったドーラたち一行は再び馬車に乗りこみ、次の目的地、製造部に向かった。
製造部はちょうど作業中で、多くの工員が忙しなく働いていた。
「ここも去年に新しい機械を買ってもらったからか、かなり効率がよくなった。もちろん、帝国産の機械のほうがもっと早く採れそうな気がするが、ま、今んとこはこれでもエルスオング大公国内で使う分にゃ十分余裕だ」
グルースンは目の前の機械を指しながらそう自慢する。ドーラはそれなかそうでしたか、と笑う。去年は彼女自身が担当ではなかったものの、この機械を導入するための審議会議には出席していたから覚えていた。
「とりあえず、できたてのローズだ、どうだね?」
そう言って今しぼりたてのオイルが入った褐色瓶を手渡した。渡された彼女は蓋を開けて匂いを嗅ぐ。
「ええ、問題ありませんね」
ドーラも頷き返す。よかったよかったと安心したようなグルースン。彼は彼なりに心配していたのだろう。
すべての施設の視察を終えたドーラたち四人は農園のふちにあるテラスで昼食を食べた。
「あら、おいしいですよ?」
料理が苦手なはずのアリーナが作ったのに、かなりおいしく感じられた。それはミールも同じようだったみたいで、二人ともどういうことかと問うと、うまく説明できないアリーナにかわってクララが答えた。
「アリーナも十分、料理は作れるんです。なんですけど、コレンルファ伯爵家では基準に満たなくて。それで料理を作る機会が減ったので、普段は料理は苦手ということにしているんです」
その説明に納得したドーラとミール。彼女の作った昼食はどちらかというと庶民的。伯爵家には合わなかったのだろう。
「そういえば、一つお聞きしたかったのですが、植物が多く収穫できたのに、なぜ精油の値段は変わらないとおっしゃったのでしょう」
食事後、不意にクララが尋ねてきた。ドーラはそこに興味を持ちましたか、とにこやかに返す。
「先ほども見ましたとおり、精油というのは収穫した後、多くの人の手で加工されます。その機械を動かすための費用や人件費がかかるうえ、その花から採れる精油の量はわずかしかありません。だから、普段の食事のように収穫量が値段に反映されることはありません。むしろ、特に希少価値が高いものについてはその逆、収穫量が少なければ値段が高くなることはあっても、収穫量が増加しても安くなることはありませんね」
彼女の説明になるほど、と目を輝かせるクララ。
そのあとはしばらく談笑してから、四人は帰途についた。明日の予定もあるし、何よりドーラはコレンルファ伯爵夫人との約束を果たさねばならない。ゆっくりしている余裕はなかった。
ちょうど四人が『ステルラ』へ到着したとき、店の前に一台の馬車が停まっていた。
「久しぶり」
そこから降りてきたのは、クララをこの店に導いた人、アレクサンドル・ハヴルスク公爵子息だった。
「明日、馬鹿の裁判に呼ばれてるんだって?」
応接室でアレクサンドルはそう切り出した。本来ならば、貴族の話の中にドーラはいないほうがいい。だけれども、今、クララは『ステルラ』で治療中だから、彼女に負担になることはできるだけ避けたほうがいい。
「はい」
さすがに明日のことだ。アリーナかコレンルファ伯爵夫人付きのメイドの誰かから聞いていたようだった。
「またあの馬鹿がなにかやらかすのでなければいいんだけど。まあ、とにかくむやみやたらとあいつをかばうことはしないでくれ」
彼はクララを心配しているのか、それともただドミトリーという弟を突き放したいのか分からなかった。しかし、クララはその含んでいるものに気づいているのか、はい、と頷く。じゃあまた、明日、あちらで、と言ってアレクサンドルは帰っていった。
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