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二章〜冒険者は時に、資金稼ぎとして依頼も受ける〜
四十一話 終わり
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グレイルは叫んだ。
私とシュートが『純愛結晶』の中身を書き換えたことにより、叫びながらグレイルの体は激しく光り周囲を巻き込んでしまった。
また視界を奪われたーーと、思ったがそうでもなかった。
私とシュートには、光の中に居ながら黒く染まっていない、本来あるべき姿だろう爽やかな男ーーグレイルが見えている。
「……ありがとう、若い少女と少年。私は、君達が止めてくれなければ愛する人を殺していた」
綺麗な黒髪が揺れ、優しい目をしたグレイルはそう私に言った。
「グレイル……あなたは、寂しかったの?」
「そうだった……のかもしれない。いいや、私は多分、ロッドをただずっと守っていたかったのだろう。それが気づけば、秘宝に頼り、人間としてあるまじき行為である悪魔に魂を売ってしまった……何も、変わらないというのに」
「いや、変わったぜ。お前自身が今そうやって、愛する人のことを考えていることが証拠だ。悪魔に魂を売ってしまったもんは、取り返しがつかねーけど……待ってやることは、できるんじゃねーか?」
シュートは、グレイルにそう返す。
私もそう思う。
グレイルがロッドのことを今考えている、それが大きな進展であり、変わった証拠。
グレイルはただ、秘宝に頼り死神に魂を売っただけの、弱い人間で終わらなくて済んだのだ。
私とシュートは、最後にちゃんと見るべき景色を見て変わることのできたグレイルを、評価してあげなければならない。
「シュート君、だったかな? 君を一度私は殺してしまった……すまないことをしたね」
「なに、結果生きてりゃ死んだことにはならねーよ」
「そう言ってくれると、助かるよ。それとリリーちゃん。君には、感謝してもしきれない。ありがとう、暴走した私を止めてくれたのは紛れもない君だ」
「感謝される覚えはないわよ。私はただ、二人の愛がちゃんと闇に埋もれていてもそこにあることを分かっていたから、だからただその愛の為に動いただけよ。それに、あんたがシュートを殺さなかったら、魔族の力にも気づけなかった訳だから」
「魔族の力か。一つだけ分かることがある。その魔族の力は、ペルセポネの物でないことだね。他の何かが、君の中に眠っていることなる。これが、感謝してもしきれない分の代わりとして、受け取って欲しい」
「……ありがとう、グレイル。その事、ちゃんと頭に置いておくわ」
「そうしてくれると嬉しい。君は多分、これからその力について知ると思うけど……絶対に、君の側には誰かが居て助けてくれる。大切にして欲しい、仲間を……隣に居てくれる赤髪の少年を」
グレイルは私との会話を終えると、蛍のように光り、無数の白い発光玉になって消えていく。
「ーーロッドを頼みたい。君達に」
「消える前の最後の願いね……。それはロッドが決めることよ、だけど、聞いておいてあげるわ」
「君は本当に上から目線だけど……強い子だ。ロッドは弱い子だからね……君達が強くして、あげてくれーー」
「グレイル……ちゃんと、愛する人が行くまで待ってなさいよ」
「……冥界でまた会ったら、今度は俺が殺してやる」
「そうだねーーさよならは言わない。だから……待っている」
グレイルの足から頭の先まで、全てが発光玉となって消えると、私達は元の景色の真ん中に立っていた。
燃えた森の一部分ーーそこに、アリアータ、ネネ、ベリアルが立ち尽くし、ロッドを治癒するグレモリーが居る。
私達が見ていたのは、グレイルの最期だったのだろうか。
いや、もしかするとただの幻影だったのかもしれない。
しかし、グレイルが生きた証はちゃんとそこに残っていた。
「……ロッド」
「リリー……か。グレイルは……グレイルはどうなった!」
「ちゃんと、自分の行いを振り返って、反省しながら冥界へ落ちたと思うわよ。あんたのこと、最後に頼まれちゃったしね。それに、グレイルが生きた証……それが残っていたわ」
「……これは、これは……私とお揃いのピアス……」
グレイルが立っていた場所には、サファイアの付いたピアスが落ちていた。
それを私は、まだ起き上がることのできそうにないロッドに渡してあげる。
ロッドはピアスを少し見つめると、強く握りしめて口を震わせる。
結局ロッドは、一緒にグレイルと居ることは敵わなかった。
だが、グレイルがそれを望まなかったからこの結果が生まれたと思う。
ロッドには、まだまだ生きて欲しい。
私には分からないけど、グレイルはきっとそう望んだはず。
ーー本当、男って馬鹿ばっか。
「……うう、うああああ!」
「ロッド……グレイルの分も、荷物背負って生きていくよ」
「ううっ……! ぐっ……! グレイル……グレイルウウウウ!!」
ロッドはピアスを大事に握り締め、胸に当てながら涙を流して声を上げた。
鬼の村に響く一人の女の泣き声は、きっと冥界にも響いているはずだーー。
★
「村長さん、ありがとう。私達はもう行きます」
私は村長さんにお礼をして、待つ三人の元へ向かった。
ギルド『ドリーマー』、私率いる馬鹿の集まり。
依頼を成すまでバラバラのつもりだったけど、結局最後はこうしてみんな集まってしまうのよね。
ーー磁石が体に付いているようで、笑ってしまいそうだ。
私達は全員集合したところで、帰るべき場所を目指して村を出ることにする。
と、その時ーー後ろから足音がして全員振り向く。
「待ってくださいですう!」
「ベリアル? どうしたのよ」
「わ、私も連れて行って欲しいですう! 世界を見たいですう!!」
「……はあ。そんなこと? それならもっと早く来なさいよ、あまりに言ってこないから、行く気無いのかと思って依頼の成功報酬を無視しようかと思ってたのに」
私が冗談交じりに言うと、ベリアルはニコッと微笑み私達四人の中にジャンプして入ってきた。
これでギルドメンバーが五人に増えた。
鬼族の少女を迎え、私達は再度歩き出す。
「ーー私を、忘れていないかリリー」
と、今度は頭上から声がして顔を上げる。
木の太い枝に座り、果実を頬張るロッドが私を見下ろすと降りてきた。
「私を置いて行く気か?」
「あんたも来るの? 面倒みきれないわよ」
「それはこっちのセリフだ。リリーのような性格のリーダー、メンバーが面倒みきれなくて困ると思うが?」
「言うわねロッド。でもあんたはメンバーだから、私の言うことは忠実に従う羽目になるわよ~?」
「ごめんだな……。リリー、真面目な話だ。私を連れて行って欲しい。グレイルと見ようとしていた、世界の全てを見てみたいんだ。グレイルの重みを背負って、私は私達の夢を叶えたい」
ロッドは真剣な表情でそう言うと、「お願いします!」と土下座した。
「……はあ。意義のある方~」
「「ないない」」
「と、言うことでロッドが加わりまーす。みんな、荷物を背負うそうなので持ってもらいましょう」
「なっ! その荷物は違うーーフフッ! アッハハハハッ!!」
「フフフッ! よろしく、ロッド。ベリアル。さあ、帰るべき場所に帰るわよ!! 私達はまだまだ、見ていない景色を見に行かないと行けないのだからあ!!」
私とシュートが『純愛結晶』の中身を書き換えたことにより、叫びながらグレイルの体は激しく光り周囲を巻き込んでしまった。
また視界を奪われたーーと、思ったがそうでもなかった。
私とシュートには、光の中に居ながら黒く染まっていない、本来あるべき姿だろう爽やかな男ーーグレイルが見えている。
「……ありがとう、若い少女と少年。私は、君達が止めてくれなければ愛する人を殺していた」
綺麗な黒髪が揺れ、優しい目をしたグレイルはそう私に言った。
「グレイル……あなたは、寂しかったの?」
「そうだった……のかもしれない。いいや、私は多分、ロッドをただずっと守っていたかったのだろう。それが気づけば、秘宝に頼り、人間としてあるまじき行為である悪魔に魂を売ってしまった……何も、変わらないというのに」
「いや、変わったぜ。お前自身が今そうやって、愛する人のことを考えていることが証拠だ。悪魔に魂を売ってしまったもんは、取り返しがつかねーけど……待ってやることは、できるんじゃねーか?」
シュートは、グレイルにそう返す。
私もそう思う。
グレイルがロッドのことを今考えている、それが大きな進展であり、変わった証拠。
グレイルはただ、秘宝に頼り死神に魂を売っただけの、弱い人間で終わらなくて済んだのだ。
私とシュートは、最後にちゃんと見るべき景色を見て変わることのできたグレイルを、評価してあげなければならない。
「シュート君、だったかな? 君を一度私は殺してしまった……すまないことをしたね」
「なに、結果生きてりゃ死んだことにはならねーよ」
「そう言ってくれると、助かるよ。それとリリーちゃん。君には、感謝してもしきれない。ありがとう、暴走した私を止めてくれたのは紛れもない君だ」
「感謝される覚えはないわよ。私はただ、二人の愛がちゃんと闇に埋もれていてもそこにあることを分かっていたから、だからただその愛の為に動いただけよ。それに、あんたがシュートを殺さなかったら、魔族の力にも気づけなかった訳だから」
「魔族の力か。一つだけ分かることがある。その魔族の力は、ペルセポネの物でないことだね。他の何かが、君の中に眠っていることなる。これが、感謝してもしきれない分の代わりとして、受け取って欲しい」
「……ありがとう、グレイル。その事、ちゃんと頭に置いておくわ」
「そうしてくれると嬉しい。君は多分、これからその力について知ると思うけど……絶対に、君の側には誰かが居て助けてくれる。大切にして欲しい、仲間を……隣に居てくれる赤髪の少年を」
グレイルは私との会話を終えると、蛍のように光り、無数の白い発光玉になって消えていく。
「ーーロッドを頼みたい。君達に」
「消える前の最後の願いね……。それはロッドが決めることよ、だけど、聞いておいてあげるわ」
「君は本当に上から目線だけど……強い子だ。ロッドは弱い子だからね……君達が強くして、あげてくれーー」
「グレイル……ちゃんと、愛する人が行くまで待ってなさいよ」
「……冥界でまた会ったら、今度は俺が殺してやる」
「そうだねーーさよならは言わない。だから……待っている」
グレイルの足から頭の先まで、全てが発光玉となって消えると、私達は元の景色の真ん中に立っていた。
燃えた森の一部分ーーそこに、アリアータ、ネネ、ベリアルが立ち尽くし、ロッドを治癒するグレモリーが居る。
私達が見ていたのは、グレイルの最期だったのだろうか。
いや、もしかするとただの幻影だったのかもしれない。
しかし、グレイルが生きた証はちゃんとそこに残っていた。
「……ロッド」
「リリー……か。グレイルは……グレイルはどうなった!」
「ちゃんと、自分の行いを振り返って、反省しながら冥界へ落ちたと思うわよ。あんたのこと、最後に頼まれちゃったしね。それに、グレイルが生きた証……それが残っていたわ」
「……これは、これは……私とお揃いのピアス……」
グレイルが立っていた場所には、サファイアの付いたピアスが落ちていた。
それを私は、まだ起き上がることのできそうにないロッドに渡してあげる。
ロッドはピアスを少し見つめると、強く握りしめて口を震わせる。
結局ロッドは、一緒にグレイルと居ることは敵わなかった。
だが、グレイルがそれを望まなかったからこの結果が生まれたと思う。
ロッドには、まだまだ生きて欲しい。
私には分からないけど、グレイルはきっとそう望んだはず。
ーー本当、男って馬鹿ばっか。
「……うう、うああああ!」
「ロッド……グレイルの分も、荷物背負って生きていくよ」
「ううっ……! ぐっ……! グレイル……グレイルウウウウ!!」
ロッドはピアスを大事に握り締め、胸に当てながら涙を流して声を上げた。
鬼の村に響く一人の女の泣き声は、きっと冥界にも響いているはずだーー。
★
「村長さん、ありがとう。私達はもう行きます」
私は村長さんにお礼をして、待つ三人の元へ向かった。
ギルド『ドリーマー』、私率いる馬鹿の集まり。
依頼を成すまでバラバラのつもりだったけど、結局最後はこうしてみんな集まってしまうのよね。
ーー磁石が体に付いているようで、笑ってしまいそうだ。
私達は全員集合したところで、帰るべき場所を目指して村を出ることにする。
と、その時ーー後ろから足音がして全員振り向く。
「待ってくださいですう!」
「ベリアル? どうしたのよ」
「わ、私も連れて行って欲しいですう! 世界を見たいですう!!」
「……はあ。そんなこと? それならもっと早く来なさいよ、あまりに言ってこないから、行く気無いのかと思って依頼の成功報酬を無視しようかと思ってたのに」
私が冗談交じりに言うと、ベリアルはニコッと微笑み私達四人の中にジャンプして入ってきた。
これでギルドメンバーが五人に増えた。
鬼族の少女を迎え、私達は再度歩き出す。
「ーー私を、忘れていないかリリー」
と、今度は頭上から声がして顔を上げる。
木の太い枝に座り、果実を頬張るロッドが私を見下ろすと降りてきた。
「私を置いて行く気か?」
「あんたも来るの? 面倒みきれないわよ」
「それはこっちのセリフだ。リリーのような性格のリーダー、メンバーが面倒みきれなくて困ると思うが?」
「言うわねロッド。でもあんたはメンバーだから、私の言うことは忠実に従う羽目になるわよ~?」
「ごめんだな……。リリー、真面目な話だ。私を連れて行って欲しい。グレイルと見ようとしていた、世界の全てを見てみたいんだ。グレイルの重みを背負って、私は私達の夢を叶えたい」
ロッドは真剣な表情でそう言うと、「お願いします!」と土下座した。
「……はあ。意義のある方~」
「「ないない」」
「と、言うことでロッドが加わりまーす。みんな、荷物を背負うそうなので持ってもらいましょう」
「なっ! その荷物は違うーーフフッ! アッハハハハッ!!」
「フフフッ! よろしく、ロッド。ベリアル。さあ、帰るべき場所に帰るわよ!! 私達はまだまだ、見ていない景色を見に行かないと行けないのだからあ!!」
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