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第四章『この私が狼の牙をへし折ってご覧にいれますわ』

追われたネズミは猫をも噛むとは申しますが

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「クソッタレ、忌々しい」

暴力団の頭を務めるジョゼフはその日十三本目の酒に手をつけていた。
というのも、彼にとって因縁の相手である駆除人ギルドのマスター、ゴーネをまたも仕留め損なったことを子分の報告から耳にしていたからである。
ゴーネとの付き合いが始まったのは最初彼が依頼人としてギルドを訪れたからであった。

ジョゼフは自身とコネがある大貴族アンブリッジ伯爵の意を受け、その長男と長女を殺してもらうように依頼をしに向かったのだ。
駆除の依頼は受諾され、ジョゼフは安泰した気分になっていた。
だが、それも束の間。儲けた金を勘定しているジョゼフの元に子分が駆け込み、アンブリッジ家の当主までもが行方不明になったという話を聞いたのだ。

ジョゼフはすぐに酒場へと駆け寄り、ギルドマスターに抗議の言葉を掛けた。

「とんでもないことをしてくれたな!」

「とんでもない事とは?」

ギルドマスターは訳がわからないと言わんばかりに小首を傾げていた。

「惚けるんじゃねぇ!オレは確かにアンブリッジ家の長女たるドロシー様と長男であるルシウス様のみを始末してくれと頼んだはずだッ!だというのに貴様は当主たるウィルストン様までその手に掛けやがってッ!」

「おかしな話ですね。私は確かにドロシー様とルシウス様のみを駆除するように指示を出したはずですが、ウィルストン様までお亡くなりになられたとは……はぁ、驚きました」

「冗談じゃあねぇやいッ!テメェ責任を取りやがれッ!」

「責任?なんのことです?」

「ウィルストン様を殺した責任だよ」

「いい加減にしろよ」

と、ここでそれまでは穏やかに話していたはずのギルドマスターの声が急に低くなり、両目を見開きジョゼフを睨み付けたのである。

「オレは関係がないと言っているんだぜ。どこまで説明すりゃあ気が済むんだい?お前さんは?それともなんだい?おれや駆除人が関わっているという証拠でもあるのかい?え?」

ギルドマスターはバーカウンターから身を乗り出し、顔を近付けながらそう言った。圧が含まれた言葉と剣幕にジョゼフはすっかりと怯え切ってしまっていた。
ギルドマスターの背後からは有無を言わせない力のようなものが働き、ただの人間であるはずのギルドマスターを闇に巣食う生き物のようなおどろおどろしい存在へと仕立て上げていたのである。

多くの傭兵たちやごろつきをまとめあげる暴力団の頭であるジョゼフといえどもギルドマスターの剣幕には引かざるを得なかった。
ギルドマスターの剣幕に対して親に叱られた直後の子どものように身を丸めて怯える一方で、彼は帰り道の中で確信を持っていた。

(やっぱり奴だ。奴がウィルストン様を配下の奴らに殺させたんだ……)

ジョゼフは確信を持っていたが、相手は王都に大勢いる駆除人を束ねるギルドのマスター。手駒としている傭兵やごろつきなどでは駆除人というのは歴戦の勇士たちを簡単に始末できるはずがない。
ジョゼフは八方塞がりの状態にあり、このまま泣き寝入りになるかと思われたが、そんな時にまるで天上にいる神々が哀れな自分に対して慈悲を与えてくれたかのような好機が訪れたのだ。

それはギルドマスター業の引退とそれに伴う後任者の就任である。
後任者となるのは現在のギルドマスターの姪だというヴァイオレットという若い女性だ。下手をすれば少女の年齢であるかもしれない。

駆除人社会の情報を裏から仕入れたジョゼフはこれを機会に復讐を成し遂げることにした。
それは後任のギルドマスターだというヴァイオレットに難癖をつけ、自らがその後釜に収まるものであった。

ジョゼフはギルドマスターへの復讐以上に自分が王都にある駆除人たちを手駒に邪魔な別の暴力団や警備隊、自警団などを仕留められるかと思うと、胸がすく思いである。
そればかりではない。暴力団や平時における傭兵たちの在り方に対して否定的な見方を行う現国王フィンを始末することさえできる。

なにせ王家の直系はもはやフィンしか残っていないのだ。後継者争いのどさくさに紛れ、ジョゼフは自らが国王として就任することさえ夢に見た。
遠く離れた東の果てにある帝国では過去に山賊だか盗賊の親分が皇帝になったという話も聞く。
盗賊の親分が皇帝になるのならば自分も国王になっては構わないではないか。

ジョゼフの身勝手な野望は留まるところを知らなかった。実現できるかもわからぬ野望を密かに胸の内に燃やしていたのだ。
それ故にまたしてもギルドマスターを仕留め損ねたという報告が耳に入り、彼の機嫌の悪さは悪化を辿る一方であった。
ジョゼフが十四本目の酒に手を伸ばそうとした時だ。

「お待ちくださいませ、これ以上のお酒は体によくのうございます」

と、小太りの男がジョゼフの手を止めさせた。
小太りの男の名前はトーマス。既に毛髪が後退し、ハゲが目立っていたが、この時点ではまだ45歳である。
彼はジョゼフと旧来よりの付き合いで、ジョゼフが率いる暴力団組織における相談役と呼ばれる頭に次ぐ二番目の役割を引き受けていた。

「なら、トーマス。お前に何か妙案があるのか?」

「はい。こちらが駆除人を探し出して、脅迫し、ギルドマスターを仕留めればよろしいのですよ」

「お前、あてはあるのかぇ?」

「えぇ、どこぞの宿屋に宿をとっているギークってガキがいましてね。私の見立てではこいつは駆除人だと確信しています」

トーマスは不敵な笑みを浮かべながらギークが駆除人であるという根拠を語っていく。
初めのうちこそ半信半疑であったジョゼフであったが、トーマスが生き生きとした表情でギークが駆除人であるという根拠を語っている姿を見て、ギークという少年が駆除人であると確信し、腹の底からの笑いを浮かべる。

これ以降ジョゼフは体に悪いと言われていた酒を取りやめ、急遽牛乳を飲むことになったが、それでも味は先ほどまで憂さを晴らす目的で飲んでいた酒より何倍も上手く感じられた。
牛乳の一杯一杯が高級酒のように感じられた。勝利の味というものはここまで飲み物を上手くさせるのかとジョゼフは酒ではないものを口にしながらほろ酔いの気分へと浸っていた。

酒から牛乳へとシフトチェンジを果たした頭に相談役であるトーマスはしばらくは牛乳を注いだり、話に付き合ったりしていたが、やがて辟易したのか、ギークの脅迫と依頼へと向かった。

ギークの泊まっている宿屋は知っている。どの部屋に泊まっているのかも宿の主人から聞き出し、ギークの部屋へと乗り込んだ。
トーマスはまず平身低頭、腰の低い態度でギークに臨んだ。

「初めまして、トーマスと申します。ジョゼフ様が率いる暴力団において相談役を務めております」

一方でギークはといえば困惑しているようだ。突然押しかけてきた男がいきなり街の暴力団の名前を出したからである。
ギークは面倒臭いと言わんばかりの表情を浮かべて頭を掻き、トーマスと向かい合う。

「それでぼくに何の用でしょうか?あなたとは初対面なので、そんな大事な用があるとも思えませんが……」

ギークは困惑した表情で答えた。

「はい、用と申しましてもそんなに大それたものではありません。実はですね。あなた様を駆除人と見越しまして頼みがあるんでございますよ」

ギークの表情が変わった。射抜くような視線でトーマスを睨む。
だが、トーマスは先程と変わらずニコニコと心地良さそうな笑みを浮かべながら数枚の金貨と多くの銀貨が入った皮の袋を取り出し、ギークに向かって差し出す。
訳がわからずに首を傾げるギークにトーマスはニヤニヤと笑いながら訳を話していく。

「駆除人というのは駆除の前に前金を払い、仕事が終わると後金を払う。そういう取り決めになっているんでござんしょう?」

「……そういうことか。けれど、このお金は受け取れません。駆除人に駆除を依頼するんだったらまずはギルドマスターを通していただかないと」

ギークは惚けても無駄だと思ったのか、今度は駆除人の掟に従いキッパリと断りを入れてお金を突き返した。
だが、トーマスは金を突き返されてもなお平然とした様子で尚も不的な笑みを浮かべていた。
ニヤニヤと陰湿な笑みを浮かべながら話を続けていく。

「ほぅ、断るのですか?ならばあなた様が駆除人であるということをこの宿にいる人たち……いいや、我々の伝手を使って、王都全体にお伝え致しましょう」

ギークの顔色が変わった。明らかな動揺の色を見せていたのだ。トーマスは表情の変化を見逃すことなく、一気に罪人を追い詰める警備隊の隊長のようにギークへと畳みかけていく。
ここまでの追求を受けては流石のギークといえども話を聞かざるを得なかったらしい。

ここでトーマスは更に畳み掛けた。自分が脅迫されている身だということをわからせた上で彼はギークに改めて誰を駆除するのかを伝えたのだ。
ギークはトーマスの口から『ギルドマスター』という名前が出た瞬間に先程とは比べ物にならないほどの動揺が見られたのをトーマスは見逃さなかった。
あからさまな言葉と体の震え。先ほどまでは見せなかった視線の逸らし。そして現在の不味いものでも飲み込んだかのような表情から察するに胸の中でバクバクと鳴っていると思われる心臓。

このような姿を見てはギルドマスターとギークが親密な関係にあることはほぼ間違いない。
その上で自分も依頼を行うのだからなかなかに酷いものだ。
ギークは結局脅迫から自分を守るためにギルドマスターを差し出さざるを得なかったらしい。

トーマスが差し出した金を受け取り、ギルドマスターの始末を約束したのだった。
有頂天となり、下品な笑い声を上げながら部屋を去っていくトーマスをギークは軽蔑の目で見つめていた。
次に視線の中に嫌悪感というものが浮き彫りとなり、その背中を射殺さんばかりに睨み付けた。
ギークは宿の扉を閉め、トーマスが完全に立ち去ったことを知ると、物陰に身を隠しながらギルドマスターが経営する酒場へと足を踏み入れたのである。

酒場に着くなり、ギークは他の酒を頼むこともせずいの一番に『ブラッディプリンセス』を注文した。
ギルドマスターはギークのただならぬ様子を察し、表の仕事をヴァイオレットに任せると、すぐにギークを応接室へと連れ出して事情を問い掛ける。
ギークは真剣な表情を浮かべながら先程男からもらった金が入った袋を机の上に置く。

「おい、これは何だい?」

ギルドマスターの低い声の問い掛けにギークは淡々とした口調で先程自分の身に何が起こったのかをギルドマスターに向かって説明していく。
話を聞くうちにギルドマスターは小刻みに首を動かして相槌を打っていたのが面白かった。
ギークの話を全て聞き終わり、ギークがこの金でジョゼフとトーマスの両名を駆除してくれという依頼を行うと、大きな溜息を吐き出す。

「そうか、あの野郎……どんな方法でうちの駆除人を割り当てたのかは知らねぇが勝手な真似をしやがって」

「こちらも表向きはそう言わないといけなかったからね。マスターわかってよ」

ギークは上目遣いで機嫌を窺うように問い掛ける。

「わかっているさ。それでものは試しなんだがな」

ギルドマスターは身を屈め、小さな声でギークへと耳打ちを行う。
ギークはギルドマスターが立てた作戦に納得がいったらしい。
満足気な笑みを浮かべたかと思うと、何度も何度も首を縦に動かした。
ギルドマスターの立てた作戦というのはギークがギルドマスターに虚偽の暗殺を行い、虚偽の葬儀を出すことで油断した二人を葬式会場に呼び出すというものだ。

実行役は顔を割られていないという事と腕の良さが条件となった。
その二つを満たす駆除人の中で最適であったのはカーラとレキシーの両名である。
ギークはギルドマスターからの伝言を受け、すぐに二人の住う家に向かっていく。

二人が旅から帰ってきて本当に良かったとギークは感謝の念を送った。
もし、二人がまだ旅から出たままであったのならばこの計画は思い通りにことが運ばなかっただろう。
辺りの景色が赤っぽくなっていたためか、はたまた彼自身が興奮しているためか、肌が赤くなっているように思われた。

ギークは既に診療の仕事を終え、自宅に帰還していると見做し、勢いよく扉を叩いていく。
扉の向こうからは確かにカーラの「はーい」という心地の良い声が聞こえてきた。
扉が開くと、カーラは人懐っこい笑みを浮かべながらギークを迎え入れた。

「それで今日はどういったご用件でして?」

「……こういった用件だといえばわかるかな?」

ギークはギルドマスターの取り分を引いた金の入った袋を家の机の上に置く。
それを見た瞬間にカーラは先程までの笑顔を消し、駆除人としての真剣な表情を浮かべながら問い掛けた。

「そのご用件ですけれども、詳しくお聞きしてもよろしくて?」

ギークは真っ直ぐに首を動かした。彼の表情に躊躇いの色は見えない。
今の彼からはギルドマスターを救うのだという燃えるような使命感のみが存在していたといえるだろう。
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