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第三章『私がこの国に巣食う病原菌を排除してご覧にいれますわ!』
害虫は闇に消えて
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「ハハハハハハッ、よく飲んだなぁ」
酒場の前で大きな声で笑うのは王国の中でも有数の大貴族とされるメンブリッジ伯爵家の側近、エリック・バナージー卿であった。
バナージー卿は伯爵家の側近という立場を利用し、伯爵家贔屓の酒場やレストランで無償で提供される酒を愉しみ、従業員を苛立ち紛れに殴り付け、あまつさえは伯爵家の資金を横領するという卑劣漢であった。
彼に恨みを抱く人間であるのならば例外なく彼を“害虫”と呼んで忌み嫌っていることは間違いないのない事実だ。
だが、バナージー卿はそんな世間の噂など耳に入ってもいないらしい。だからこそ、平然と酒場やレストランに立ち寄り、ただ酒を愉しみ、人を理由もなく殴り付けられるのだろう。
この日もエリック・バナージーは酒に酔った時の快感と人を殴り付けた時の快感の両方に酔い、迎えの馬車に乗り込もうとしていた。
その時だ。エリックは馬車の御者が馴染みの人物ではないことに気が付いた。
「おい、お前は誰だ?」
「はい、あたしは代理の者です。どうも旦那の馴染みのマークさんが風邪で寝込んでるもんでね」
「風邪だと?」
エリックは両眉を顰めながら御者に問い掛けた。御者も首を縦に動かしたことからマークが体調不良で仕事を休んでいるというのは間違いようのない事実だろう。エリックは馬車の中へと乗り込み、不快感に体全体を覆われたまま馬車の後部座席に自身の体重を預けた。
エリックが腰を掛けたのと、馬車の座席の下に置いてあった荷物入れから青い瞳に長い金髪をたなびかせた針を口に咥えた美少女が姿を現したのはほとんど同時だった。
突如現れた少女を見たエリックは慌てて馬車から逃れようとしたのだが、馬車は走り出し、エリックを馬車の中から逃れようとするのを押し留めていた。
エリックは首元を掴まれて、後部座席の上に顔を沈めさせられる。
正体不明の襲撃者から逃れるために両手と両足をバタバタと動かす姿は漁師によって地面の上に引っ張り上げられた魚を連想させた。
しかし、そんなエリックの抵抗も彼の首元に銀色の針が突き刺さったことによって虚しく終了してしまう。
首元から延髄へと食い込んだ仕掛け針はエリックの命を終了させるには十分だった。襲撃者はエリックの息が止まったことを確認し、針を引き抜く。
それから死体を座席の隙間の中へと隠し、御者に向かって問い掛けた。
「上手くいきましたわね。レキシーさん」
「あぁ、久しぶりの駆除にしては上出来だよ、カーラ」
レキシーは後部座席に腰を掛けるカーラに向かって明るい声で答えた。
カーラは馬車の上で腕を組みながら一週間までのことを思い返す。
カーラとレキシーが北の方にある温泉地から城下町へと帰還したのは一週間ほど前のことだった。レキシーに世話になっている患者たちが旅行の間は自宅や診療所の整備をしてくれていたのか、掃除をする必要はなかった。
診療所を開くのは翌日に回し、この日カーラとレキシーは旅の疲れを癒すために自宅にて寛ぐことを決めていたのだが、真剣な表情をしたギルドマスターが現れ、エリック・バナージー殺しを頼まれたのだ。
二人は旅から帰ったばかりで金を必要していたこともあり、ギルドマスターからの依頼を二つ返事で引き受けたのだった。それから後は診療所の再開、服の依頼の再開、そして駆除の下準備で一息を吐くもないほどに追われていたのだ。
だが、仕事の一つをようやく片付られたので今くらいは一息が吐けそうである。
カーラは鉛のように大きな溜息を吐き、座席に背を預け、ゆっくりと両目を閉じた。レキシーに起こされるまではのんびりと過ごそう、とカーラは心に決めた。
「ありがとうございます!先生!」
「本当です。先生がいなかったらどれだけメアリーが苦しんだか」
レキシーに感謝の言葉を投げ掛けているのは城下町の住宅街に住む若い夫婦だった。夫婦は共に22歳。夫のタイランは大工、そのパートナーのメアリーはレストランの給仕係。両者ともに働き盛りで今後の活躍を上司に期待されるほどであり、両者ともに出産の際には仕事を休んでもいいという許可を与えられるほどだった。
「いいってことよ、それより、タイラン、あんたもパパなんだから、しっかりとしなさいよ」
レキシーはメアリーから取り上げた赤ん坊をタイランに渡しながら言った。
「本当ですわ。働かないのも問題がありますが、働き過ぎるのもよくありませんわ。タイランさんの場合だと納得がいくまで働くという癖がございますので、それが過ぎると過労になり、倒れてしまいますのよ」
「いやぁ、面目ない。カーラちゃんにそう言われたんじゃ、改めるしかねぇや」
タイランは頭を抱えながら言った。その姿を見て笑い声を上げる一同。平穏なひと時が城下町に流れていた。
タイランとメアリーの若い夫婦に送り出され、二人は肩を並べながら診療所へと戻る最中だった。
両者はしばらくの間は無言であったが、やがてカーラがレキシーに向かって言った。いや、この場合は沈黙に耐え切れず、レキシーの思っていたことをカーラが代わりに喋ったという表現の方が的確かもしれない。
「ねぇ、レキシーさん、不思議な因果ですわね。昨晩私たちは二人で手を組んで人を殺したというのに、今日の朝には二人で手を組んで新しい命の誕生を助けた……」
「そうだねぇ、皮肉としか思えないよ。まるで、運命の神様とやらがあたしたちに意地悪をしているみたいだ」
レキシーは皮肉っぽく笑った。カーラもそれに釣られて笑う。
カーラはレキシーと共に診療所へと帰る途中で自分たち二人がなぜ、皮肉めいた運命へと誘われてしまったのかを思い返す。
事の顛末はエリック・バーナジーを駆除した翌日、診療所にて治療を行っていると、血相を変えたタイランが駆け込み、産婆が見つからないので、医者であるレキシーに代わりに取り上げてもらいたいというものであった。
見捨てるわけにもいかず、二人は二人の若い夫婦の出産を助けることになってしまったのだ。
カーラは周りから飛び交う雑踏の音に耳を澄ませながらもう一度皮肉めいた結末を笑った。
二人が共に診療所へと戻った時だ。診療所の前にはヒューゴが待ち構えていた。
ヒューゴは愛らしい小動物を思わせるような笑顔を浮かべており、カーラとレキシーの姿が見えると、思いっきり手を振った。
「おーい!レキシーさん!カーラ!」
「あら、ヒューゴさん、ずっと待っていらしたんですの?」
「えぇ、あんたたちに報酬を渡すためにね」
ヒューゴは懐から金貨やら銀貨やらが入った布の袋を取り出しながら言った。ジャラという音が聞こえたことから相当な量が入っているのは間違いない。
レキシーとカーラからすれば喜ばしいものであるが、診療所の前でそんなものを出されては市井の人に疑われてしまう。
カーラは先にお礼を述べることでヒューゴの面目を立て、代案を立てることでヒューゴを納得させたのだった。
結局報酬の受け渡しは通常の診察が終了してからということになり、それまでヒューゴは診療所を手伝うことになった。
二人と共に診療所での激務に汗を流し、へとへとになるまで働いたヒューゴがギルドマスターからの報酬を二人に渡すことができたのは二人が診療所を閉め、自宅へと戻った時だった。
ヒューゴは改めて報酬を渡した後で丁寧な一礼を行い、ギルドマスターからの伝言を伝えた。
「マスターによれば『エリック・バナージーの死体が郊外で乗り捨てられた馬車と共に発見されたのは確認した。エリックがあの世に逝ったことで大勢の人間が救われるだろう』ということでした」
「こちらこそ、久し振りの駆除だというのに全面的に信用してくださって本当に感謝致しますわ」
「いえいえ、お二人の実力はマスターからのインク付きですからね」
『インク付き』というのは権威ある人や権限のある人の承諾や保証などのことであり、この言葉の由来は既に滅んだ古代の大帝国において皇帝が部下の諸侯たちに与えた領地を後日証拠として保証・確認する文章のことであるとされている。
当然褒め言葉であり、カーラはわかりやすく両頬を赤く染めていた。
それを見たヒューゴは釣られて笑ったが、すぐにその笑いを引っ込め、先程渡したものとは別のものを机の上に置いた。
それを見た二人はヒューゴと同様かそれ以上に真剣な顔を浮かべて問い掛けた。
「別の駆除の案件が入ったのかい?」
「その通りです。詳しいお話は今から致しましょう」
それを聞いたカーラはお茶を汲みに席の上から立ち上がる。長い話を円滑に進めるためにはお茶の存在が必要不可欠だと考えたからだ。
本日より不定期にて連載を再開させていただきます。
更新できる場合は一日に二話更新となります。時間も決めていないという身勝手なものとなりますが、再完結までお付き合いいただければ幸いです。
酒場の前で大きな声で笑うのは王国の中でも有数の大貴族とされるメンブリッジ伯爵家の側近、エリック・バナージー卿であった。
バナージー卿は伯爵家の側近という立場を利用し、伯爵家贔屓の酒場やレストランで無償で提供される酒を愉しみ、従業員を苛立ち紛れに殴り付け、あまつさえは伯爵家の資金を横領するという卑劣漢であった。
彼に恨みを抱く人間であるのならば例外なく彼を“害虫”と呼んで忌み嫌っていることは間違いないのない事実だ。
だが、バナージー卿はそんな世間の噂など耳に入ってもいないらしい。だからこそ、平然と酒場やレストランに立ち寄り、ただ酒を愉しみ、人を理由もなく殴り付けられるのだろう。
この日もエリック・バナージーは酒に酔った時の快感と人を殴り付けた時の快感の両方に酔い、迎えの馬車に乗り込もうとしていた。
その時だ。エリックは馬車の御者が馴染みの人物ではないことに気が付いた。
「おい、お前は誰だ?」
「はい、あたしは代理の者です。どうも旦那の馴染みのマークさんが風邪で寝込んでるもんでね」
「風邪だと?」
エリックは両眉を顰めながら御者に問い掛けた。御者も首を縦に動かしたことからマークが体調不良で仕事を休んでいるというのは間違いようのない事実だろう。エリックは馬車の中へと乗り込み、不快感に体全体を覆われたまま馬車の後部座席に自身の体重を預けた。
エリックが腰を掛けたのと、馬車の座席の下に置いてあった荷物入れから青い瞳に長い金髪をたなびかせた針を口に咥えた美少女が姿を現したのはほとんど同時だった。
突如現れた少女を見たエリックは慌てて馬車から逃れようとしたのだが、馬車は走り出し、エリックを馬車の中から逃れようとするのを押し留めていた。
エリックは首元を掴まれて、後部座席の上に顔を沈めさせられる。
正体不明の襲撃者から逃れるために両手と両足をバタバタと動かす姿は漁師によって地面の上に引っ張り上げられた魚を連想させた。
しかし、そんなエリックの抵抗も彼の首元に銀色の針が突き刺さったことによって虚しく終了してしまう。
首元から延髄へと食い込んだ仕掛け針はエリックの命を終了させるには十分だった。襲撃者はエリックの息が止まったことを確認し、針を引き抜く。
それから死体を座席の隙間の中へと隠し、御者に向かって問い掛けた。
「上手くいきましたわね。レキシーさん」
「あぁ、久しぶりの駆除にしては上出来だよ、カーラ」
レキシーは後部座席に腰を掛けるカーラに向かって明るい声で答えた。
カーラは馬車の上で腕を組みながら一週間までのことを思い返す。
カーラとレキシーが北の方にある温泉地から城下町へと帰還したのは一週間ほど前のことだった。レキシーに世話になっている患者たちが旅行の間は自宅や診療所の整備をしてくれていたのか、掃除をする必要はなかった。
診療所を開くのは翌日に回し、この日カーラとレキシーは旅の疲れを癒すために自宅にて寛ぐことを決めていたのだが、真剣な表情をしたギルドマスターが現れ、エリック・バナージー殺しを頼まれたのだ。
二人は旅から帰ったばかりで金を必要していたこともあり、ギルドマスターからの依頼を二つ返事で引き受けたのだった。それから後は診療所の再開、服の依頼の再開、そして駆除の下準備で一息を吐くもないほどに追われていたのだ。
だが、仕事の一つをようやく片付られたので今くらいは一息が吐けそうである。
カーラは鉛のように大きな溜息を吐き、座席に背を預け、ゆっくりと両目を閉じた。レキシーに起こされるまではのんびりと過ごそう、とカーラは心に決めた。
「ありがとうございます!先生!」
「本当です。先生がいなかったらどれだけメアリーが苦しんだか」
レキシーに感謝の言葉を投げ掛けているのは城下町の住宅街に住む若い夫婦だった。夫婦は共に22歳。夫のタイランは大工、そのパートナーのメアリーはレストランの給仕係。両者ともに働き盛りで今後の活躍を上司に期待されるほどであり、両者ともに出産の際には仕事を休んでもいいという許可を与えられるほどだった。
「いいってことよ、それより、タイラン、あんたもパパなんだから、しっかりとしなさいよ」
レキシーはメアリーから取り上げた赤ん坊をタイランに渡しながら言った。
「本当ですわ。働かないのも問題がありますが、働き過ぎるのもよくありませんわ。タイランさんの場合だと納得がいくまで働くという癖がございますので、それが過ぎると過労になり、倒れてしまいますのよ」
「いやぁ、面目ない。カーラちゃんにそう言われたんじゃ、改めるしかねぇや」
タイランは頭を抱えながら言った。その姿を見て笑い声を上げる一同。平穏なひと時が城下町に流れていた。
タイランとメアリーの若い夫婦に送り出され、二人は肩を並べながら診療所へと戻る最中だった。
両者はしばらくの間は無言であったが、やがてカーラがレキシーに向かって言った。いや、この場合は沈黙に耐え切れず、レキシーの思っていたことをカーラが代わりに喋ったという表現の方が的確かもしれない。
「ねぇ、レキシーさん、不思議な因果ですわね。昨晩私たちは二人で手を組んで人を殺したというのに、今日の朝には二人で手を組んで新しい命の誕生を助けた……」
「そうだねぇ、皮肉としか思えないよ。まるで、運命の神様とやらがあたしたちに意地悪をしているみたいだ」
レキシーは皮肉っぽく笑った。カーラもそれに釣られて笑う。
カーラはレキシーと共に診療所へと帰る途中で自分たち二人がなぜ、皮肉めいた運命へと誘われてしまったのかを思い返す。
事の顛末はエリック・バーナジーを駆除した翌日、診療所にて治療を行っていると、血相を変えたタイランが駆け込み、産婆が見つからないので、医者であるレキシーに代わりに取り上げてもらいたいというものであった。
見捨てるわけにもいかず、二人は二人の若い夫婦の出産を助けることになってしまったのだ。
カーラは周りから飛び交う雑踏の音に耳を澄ませながらもう一度皮肉めいた結末を笑った。
二人が共に診療所へと戻った時だ。診療所の前にはヒューゴが待ち構えていた。
ヒューゴは愛らしい小動物を思わせるような笑顔を浮かべており、カーラとレキシーの姿が見えると、思いっきり手を振った。
「おーい!レキシーさん!カーラ!」
「あら、ヒューゴさん、ずっと待っていらしたんですの?」
「えぇ、あんたたちに報酬を渡すためにね」
ヒューゴは懐から金貨やら銀貨やらが入った布の袋を取り出しながら言った。ジャラという音が聞こえたことから相当な量が入っているのは間違いない。
レキシーとカーラからすれば喜ばしいものであるが、診療所の前でそんなものを出されては市井の人に疑われてしまう。
カーラは先にお礼を述べることでヒューゴの面目を立て、代案を立てることでヒューゴを納得させたのだった。
結局報酬の受け渡しは通常の診察が終了してからということになり、それまでヒューゴは診療所を手伝うことになった。
二人と共に診療所での激務に汗を流し、へとへとになるまで働いたヒューゴがギルドマスターからの報酬を二人に渡すことができたのは二人が診療所を閉め、自宅へと戻った時だった。
ヒューゴは改めて報酬を渡した後で丁寧な一礼を行い、ギルドマスターからの伝言を伝えた。
「マスターによれば『エリック・バナージーの死体が郊外で乗り捨てられた馬車と共に発見されたのは確認した。エリックがあの世に逝ったことで大勢の人間が救われるだろう』ということでした」
「こちらこそ、久し振りの駆除だというのに全面的に信用してくださって本当に感謝致しますわ」
「いえいえ、お二人の実力はマスターからのインク付きですからね」
『インク付き』というのは権威ある人や権限のある人の承諾や保証などのことであり、この言葉の由来は既に滅んだ古代の大帝国において皇帝が部下の諸侯たちに与えた領地を後日証拠として保証・確認する文章のことであるとされている。
当然褒め言葉であり、カーラはわかりやすく両頬を赤く染めていた。
それを見たヒューゴは釣られて笑ったが、すぐにその笑いを引っ込め、先程渡したものとは別のものを机の上に置いた。
それを見た二人はヒューゴと同様かそれ以上に真剣な顔を浮かべて問い掛けた。
「別の駆除の案件が入ったのかい?」
「その通りです。詳しいお話は今から致しましょう」
それを聞いたカーラはお茶を汲みに席の上から立ち上がる。長い話を円滑に進めるためにはお茶の存在が必要不可欠だと考えたからだ。
本日より不定期にて連載を再開させていただきます。
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