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交流編
北の国諜報省より
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毎年秋が迫る頃には世界各国の学校で特別なイベントが開かれることになっている。大抵の学校では体育祭と呼ばれる体育の順位を競う祭りが開かれているが、各国に住まう魔導師たちや魔導師を育成する学校の間では秋の時期に各国が交代で国際交流魔法大会を開くことになっているのだ。
国際交流魔法大会とは各国の魔銃士育成学園が一位を競い合い、優勝となった学校は世界一の魔銃士育成学園という称号を得ることになる。
大会優勝という名誉には多くの特典が付加されることになる。大会を優勝に導いた生徒は優先して四年制の大学への籍が用意される他に奨学金や寮の入寮費用などが無料になるなどがその最たる例だろう。
他にも学園においてサロンに横入るを行うことができる権利やマナエ党の党員にならずとも大量の課題が免除される権利などが与えられる。
また、両親にも職場における特権が与えられる。自身の学園を世界一の魔銃士育成学園へと導いた生徒の両親として優先的に重役の地位が用意されることになっている。
更にその栄光は優勝校の指導者にも及んでいく。大会で優勝を果たしたという理由だけで、外交関係で有利なカードを手に入れることになる。
こうした華やかな特権が手に入れられることができるのは表の世界だけではない。世界各国の裏社会ではそれぞれの地下組織がどこの学校が勝つのかということでそれぞれの資金を賭けて対決し、賭けに勝利した組織にそれぞれ利益が分配されるのだ。
その反面どこか一つの学校に一点集中して賭けるなどの愚かな真似を行って賭けに失敗することがあればその組織内では賭け金を回収できなくなり、下手をすれば組織の経営そのものにも影響を及ぼしかねない損害を負うことになる。
そのため大抵の組織は大負けを防ぐため
先述の通り複勝狙いと呼ばれる複数の優勝候補となる国の学校に金を賭けるのだが、今回は欲に溺れて利益を逃しかねない人物が現れたのである。
今回北の国の諜報員たちが話題にしているのも欲に溺れ、愚かな行いを働いた人物とその部下に対する処理法と賭け金の回収法についてであった。
その対策会議は北の国の首都の地下に存在する巨大な会議室で行われていた。
会議室はホワイトボードに円卓の机、そして六つばかりの椅子が並べられた簡素な部屋であった。
円卓の机の中央部に腰を掛けているのは北の国の諜報部における最高位に位置する存在、諜報統制委員会の委員長ワグナス・プリシュコンであった。
頭部が電球に照らされて光るほどのスキンヘッドの持ち主であったが、体全体からは権威そのものが溢れ出ていた。
ワグナスは左手の親指と人差し指とでそれまで口に咥えていた葉巻を外し、会議に集まった面々を見渡していく。
現在会議に参加しているのは副委員長、そして各部門の室長たちである。
多忙のため通常は諜報省の長官が出席することはないのだ。
ある者は委員長に並んで煙草を吸っていた。またある者は目線を避けるかのように机の上に置かれたコーヒーをちょびちょびと啜っていた。
行動に関してはバラバラであるが、共通して言えるのは誰もが死人のような沈んだ表情を浮かべていたことだ。
初めから負けを認めるなどとは到底国家の要ともいうべき諜報部を担う人物たちが行うようなことだとは思えない。
部下たちの情けない姿を見てワグナスは堪忍袋の尾が切れたのか、両肩をすくませて気まずそうに顔を逸らしている諜報部の幹部たちに向かって低い声で今の現状を伝えた。
「……さて、もう一度復唱させてもらおう。今回の議題として取り上げておるのは奴らの後始末の方法と賭け金についての話だ。諸君らも知っていようが、我々の現地にいる手下が愚かにもヘマをしおった」
「ヘマ?れ、例のあの件ですな?」
「左様、奴らは諜報省における大切な活動資金をあろうことかスコールズ王立魔銃士育成学園に賭けおったのだ」
ワグナスの口から『スコールズ王立魔銃士育成学園』という言葉が飛び出た瞬間にその場に集まっていた全員が絶句した。
スコールズ王立魔銃士育成学園とはスコールズ王国において存在する魔銃士育成学園のことである。
この学園は世界各国に存在する魔銃士育成学園の中でも最底辺を争うほどの弱い学園として知られており、密かに国家同士で取り組んでいる学園競争のギャンブルにおいてこの学園に金を注ぎ込むのはタブーであるとされていた。
それにも関わらず、北の国諜報省で現在はガレリアの近隣、オーランジュ王国を挟んだ向こう側に位置する巨大な立憲君主制国家ブルボア王国の首都に拠点を構えるパーロブ・ボロ・サルポーという現地工作員の隊長が大穴を狙ってスコールズ王立魔銃士育成学園に大金を注ぎ込んだというらしい。
すぐ考えれば愚だと分かるような愚かな失態をやらかしたサルポーやブルボア王国支部の面々に関しては後ほど交流会の勝敗を問わずに始末する予定であるが、それでも資金を提供した北の国側としては金は戻ってきてほしい。
そのため党幹部が立てた方針としては王立魔銃士育成学園に転校生を送り込み、無理矢理にでもスコールズを優勝させる算段である。
無論生徒だけでは限界があるだろうからこの失態を犯したサルポーとその部下にも責任は取ってもらうつもりだ。
諜報省としてはなんとしてでもサルポーの失態を取り返し、資金を取り返すというのが北の国の上層部たちが目指す目標であった。
それに加えて新たな計画が加えられた。それは交流するブルボア王国の学校に刺客を送り込むというものだ。
刺客を送り込む相手はただ一人、それはルイーダ・メルテロイという女子生徒である。
ガレリアに侵入している諜報員から受け取った報告書によれば当初ルイーダが転入するまでの街にある国立魔銃士育成学園はガレリアであればどこにでもあるような差別と偏見に基づいた学園であり、生徒たちは鬱蒼とした日々を送っていたが、ルイーダが現れたことによって事態は一変。生徒たちの手でマナエ党の息がかかった生徒会長をリコールし、自らが生徒会長の地位に就くことで生徒たちを先導して自由を勝ち取ったというではないか。
本来であるのならば北の国としては歓迎したい人物だ。
だが、マナエ党に否定的であるからといってこちらの味方になるかどうかはわからない。
いや、北の国が手に入れる予定であった潜水艦設計図を水かの手で守ったり、ガレリアを訪問したジェラルドを命懸けで守ったという件から北の国の思想には敵対的な人物である可能性が高い。
それならば本格的に敵対行動を行う前に始末してしまえというのが諜報省のやり方であった。
それ故に刺客を派遣することを決めたのだ。
「しかし委員長、いきなり北の国からの転入ともなれば怪しまれます。いかがなさいますか?」
「心配するな、副委員長。刺客となる人物には偽装した証明書とパスポートを渡しておく」
ワグナスは近くの机の上に置いていた葉巻の箱から新しい葉巻を取り出し、吸い口をナイフで切り取り、口に咥えながら言った。
ワグナスが口に葉巻を咥えるのと同時に副委員長が葉巻にライターで火をつけていく。
ワグナスはゆっくりと葉巻の煙を吸い、その煙を天井へ向かって勢いよく吐き出していった。
部屋の中に充満していった煙が何やら不可思議な形へと変化していき、悪魔のような形を模っていき、彼らの前途多難を象徴しているように見えたが、この時会議に参加していた誰もがそんなところまで警戒する余裕はなかった。
「さて、今回生えある予選を勝ち抜き、優勝を果たしたのはーー」
「我々ですッ!」
ルイーダは司会の男子生徒を押し除け、マイクを奪い取ると舞台の前で唖然としている各校の保護者たちを相手に演説を行おうとしていた。
だが、マイクは強制的に司会の男子生徒から奪い取られ、演説を披露する暇はなくなっていた。
そしてそのまま祝勝会は終了することになった。
「全く、お前は何を考えてるんだ」
ルイーダの夫ジードは自身の隣を歩くルイーダに向かって呆れたように言った。
「すまない。だが、私はどうしても言いたかったんだよ」
「何をさ」
「我々が今回の大会で優勝するということをだよッ!」
ルイーダは親指を立て胸を張りながら得意げな顔を浮かべて言った。
それを見たジードは額に手を当てて何度目かの溜息を吐いていたが、ルイーダは構うことなく上機嫌に鼻歌を歌いながら控え室へと戻っていく。
ルイーダが控え室の扉のノブに手をかけた時のことだ。不意にフラッシュが焚かれた。ルイーダは慌てて視界を手で覆い隠そうとしたが、それは間に合うことなく、彼女の顔はカメラに収められることになった。
「だ、誰だ!?」
ルイーダが声を荒げると、物陰から人懐っこい笑みを浮かべた男が現れた。
「誰だって?オレだよ、エックハルトだよ。新聞部の」
「あぁ、エックハルトか……どうしたんだ?こんなところで」
「どうしたって?そりゃああんた、我らが生徒会長の勇姿をこの手で収めに来たに決まってるでしょ!」
エックハルトは興奮した様子で言った。無理もないこれまで彼の母校が優勝したことはここ数年でもなかったことだ。
それまで底辺で燻っていた母校を国際魔法交流会に参加するガレリアの代表校へと押し上げたルイーダは彼にとっていいや、全校生徒にとっての憧れであったのだ。
そのため彼はこっそりとガレリアの首都へと向かう電車の中に潜り込み、なんとしてでも優勝の瞬間をフィルムの中に収めると誓っていたのだ。
実際にエックハルトが首から下げているカメラの中にはルイーダが大会の要となる模擬戦で勝利を収める場面から演説を行う舞台の前で司会の男子生徒からマイクを奪い取る場面までもが収められている。
そのこともあり、エックハルトはニヤニヤとした笑みを浮かべながらルイーダへとマイクを向けて言った。
これで生徒会長の口からインタビューを取ることができれば儲け物だ。エックハルトはしめしめと笑った。
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大会優勝という名誉には多くの特典が付加されることになる。大会を優勝に導いた生徒は優先して四年制の大学への籍が用意される他に奨学金や寮の入寮費用などが無料になるなどがその最たる例だろう。
他にも学園においてサロンに横入るを行うことができる権利やマナエ党の党員にならずとも大量の課題が免除される権利などが与えられる。
また、両親にも職場における特権が与えられる。自身の学園を世界一の魔銃士育成学園へと導いた生徒の両親として優先的に重役の地位が用意されることになっている。
更にその栄光は優勝校の指導者にも及んでいく。大会で優勝を果たしたという理由だけで、外交関係で有利なカードを手に入れることになる。
こうした華やかな特権が手に入れられることができるのは表の世界だけではない。世界各国の裏社会ではそれぞれの地下組織がどこの学校が勝つのかということでそれぞれの資金を賭けて対決し、賭けに勝利した組織にそれぞれ利益が分配されるのだ。
その反面どこか一つの学校に一点集中して賭けるなどの愚かな真似を行って賭けに失敗することがあればその組織内では賭け金を回収できなくなり、下手をすれば組織の経営そのものにも影響を及ぼしかねない損害を負うことになる。
そのため大抵の組織は大負けを防ぐため
先述の通り複勝狙いと呼ばれる複数の優勝候補となる国の学校に金を賭けるのだが、今回は欲に溺れて利益を逃しかねない人物が現れたのである。
今回北の国の諜報員たちが話題にしているのも欲に溺れ、愚かな行いを働いた人物とその部下に対する処理法と賭け金の回収法についてであった。
その対策会議は北の国の首都の地下に存在する巨大な会議室で行われていた。
会議室はホワイトボードに円卓の机、そして六つばかりの椅子が並べられた簡素な部屋であった。
円卓の机の中央部に腰を掛けているのは北の国の諜報部における最高位に位置する存在、諜報統制委員会の委員長ワグナス・プリシュコンであった。
頭部が電球に照らされて光るほどのスキンヘッドの持ち主であったが、体全体からは権威そのものが溢れ出ていた。
ワグナスは左手の親指と人差し指とでそれまで口に咥えていた葉巻を外し、会議に集まった面々を見渡していく。
現在会議に参加しているのは副委員長、そして各部門の室長たちである。
多忙のため通常は諜報省の長官が出席することはないのだ。
ある者は委員長に並んで煙草を吸っていた。またある者は目線を避けるかのように机の上に置かれたコーヒーをちょびちょびと啜っていた。
行動に関してはバラバラであるが、共通して言えるのは誰もが死人のような沈んだ表情を浮かべていたことだ。
初めから負けを認めるなどとは到底国家の要ともいうべき諜報部を担う人物たちが行うようなことだとは思えない。
部下たちの情けない姿を見てワグナスは堪忍袋の尾が切れたのか、両肩をすくませて気まずそうに顔を逸らしている諜報部の幹部たちに向かって低い声で今の現状を伝えた。
「……さて、もう一度復唱させてもらおう。今回の議題として取り上げておるのは奴らの後始末の方法と賭け金についての話だ。諸君らも知っていようが、我々の現地にいる手下が愚かにもヘマをしおった」
「ヘマ?れ、例のあの件ですな?」
「左様、奴らは諜報省における大切な活動資金をあろうことかスコールズ王立魔銃士育成学園に賭けおったのだ」
ワグナスの口から『スコールズ王立魔銃士育成学園』という言葉が飛び出た瞬間にその場に集まっていた全員が絶句した。
スコールズ王立魔銃士育成学園とはスコールズ王国において存在する魔銃士育成学園のことである。
この学園は世界各国に存在する魔銃士育成学園の中でも最底辺を争うほどの弱い学園として知られており、密かに国家同士で取り組んでいる学園競争のギャンブルにおいてこの学園に金を注ぎ込むのはタブーであるとされていた。
それにも関わらず、北の国諜報省で現在はガレリアの近隣、オーランジュ王国を挟んだ向こう側に位置する巨大な立憲君主制国家ブルボア王国の首都に拠点を構えるパーロブ・ボロ・サルポーという現地工作員の隊長が大穴を狙ってスコールズ王立魔銃士育成学園に大金を注ぎ込んだというらしい。
すぐ考えれば愚だと分かるような愚かな失態をやらかしたサルポーやブルボア王国支部の面々に関しては後ほど交流会の勝敗を問わずに始末する予定であるが、それでも資金を提供した北の国側としては金は戻ってきてほしい。
そのため党幹部が立てた方針としては王立魔銃士育成学園に転校生を送り込み、無理矢理にでもスコールズを優勝させる算段である。
無論生徒だけでは限界があるだろうからこの失態を犯したサルポーとその部下にも責任は取ってもらうつもりだ。
諜報省としてはなんとしてでもサルポーの失態を取り返し、資金を取り返すというのが北の国の上層部たちが目指す目標であった。
それに加えて新たな計画が加えられた。それは交流するブルボア王国の学校に刺客を送り込むというものだ。
刺客を送り込む相手はただ一人、それはルイーダ・メルテロイという女子生徒である。
ガレリアに侵入している諜報員から受け取った報告書によれば当初ルイーダが転入するまでの街にある国立魔銃士育成学園はガレリアであればどこにでもあるような差別と偏見に基づいた学園であり、生徒たちは鬱蒼とした日々を送っていたが、ルイーダが現れたことによって事態は一変。生徒たちの手でマナエ党の息がかかった生徒会長をリコールし、自らが生徒会長の地位に就くことで生徒たちを先導して自由を勝ち取ったというではないか。
本来であるのならば北の国としては歓迎したい人物だ。
だが、マナエ党に否定的であるからといってこちらの味方になるかどうかはわからない。
いや、北の国が手に入れる予定であった潜水艦設計図を水かの手で守ったり、ガレリアを訪問したジェラルドを命懸けで守ったという件から北の国の思想には敵対的な人物である可能性が高い。
それならば本格的に敵対行動を行う前に始末してしまえというのが諜報省のやり方であった。
それ故に刺客を派遣することを決めたのだ。
「しかし委員長、いきなり北の国からの転入ともなれば怪しまれます。いかがなさいますか?」
「心配するな、副委員長。刺客となる人物には偽装した証明書とパスポートを渡しておく」
ワグナスは近くの机の上に置いていた葉巻の箱から新しい葉巻を取り出し、吸い口をナイフで切り取り、口に咥えながら言った。
ワグナスが口に葉巻を咥えるのと同時に副委員長が葉巻にライターで火をつけていく。
ワグナスはゆっくりと葉巻の煙を吸い、その煙を天井へ向かって勢いよく吐き出していった。
部屋の中に充満していった煙が何やら不可思議な形へと変化していき、悪魔のような形を模っていき、彼らの前途多難を象徴しているように見えたが、この時会議に参加していた誰もがそんなところまで警戒する余裕はなかった。
「さて、今回生えある予選を勝ち抜き、優勝を果たしたのはーー」
「我々ですッ!」
ルイーダは司会の男子生徒を押し除け、マイクを奪い取ると舞台の前で唖然としている各校の保護者たちを相手に演説を行おうとしていた。
だが、マイクは強制的に司会の男子生徒から奪い取られ、演説を披露する暇はなくなっていた。
そしてそのまま祝勝会は終了することになった。
「全く、お前は何を考えてるんだ」
ルイーダの夫ジードは自身の隣を歩くルイーダに向かって呆れたように言った。
「すまない。だが、私はどうしても言いたかったんだよ」
「何をさ」
「我々が今回の大会で優勝するということをだよッ!」
ルイーダは親指を立て胸を張りながら得意げな顔を浮かべて言った。
それを見たジードは額に手を当てて何度目かの溜息を吐いていたが、ルイーダは構うことなく上機嫌に鼻歌を歌いながら控え室へと戻っていく。
ルイーダが控え室の扉のノブに手をかけた時のことだ。不意にフラッシュが焚かれた。ルイーダは慌てて視界を手で覆い隠そうとしたが、それは間に合うことなく、彼女の顔はカメラに収められることになった。
「だ、誰だ!?」
ルイーダが声を荒げると、物陰から人懐っこい笑みを浮かべた男が現れた。
「誰だって?オレだよ、エックハルトだよ。新聞部の」
「あぁ、エックハルトか……どうしたんだ?こんなところで」
「どうしたって?そりゃああんた、我らが生徒会長の勇姿をこの手で収めに来たに決まってるでしょ!」
エックハルトは興奮した様子で言った。無理もないこれまで彼の母校が優勝したことはここ数年でもなかったことだ。
それまで底辺で燻っていた母校を国際魔法交流会に参加するガレリアの代表校へと押し上げたルイーダは彼にとっていいや、全校生徒にとっての憧れであったのだ。
そのため彼はこっそりとガレリアの首都へと向かう電車の中に潜り込み、なんとしてでも優勝の瞬間をフィルムの中に収めると誓っていたのだ。
実際にエックハルトが首から下げているカメラの中にはルイーダが大会の要となる模擬戦で勝利を収める場面から演説を行う舞台の前で司会の男子生徒からマイクを奪い取る場面までもが収められている。
そのこともあり、エックハルトはニヤニヤとした笑みを浮かべながらルイーダへとマイクを向けて言った。
これで生徒会長の口からインタビューを取ることができれば儲け物だ。エックハルトはしめしめと笑った。
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