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第二部
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味がよく分からないままに朝食をすませ、わたしはフィジャを見送ってから少しして、家を出た。
一緒に家を出る? というお誘いが会ったのだが、それは丁重に断った。気まずいから――という理由は少しだけしかなく、この辺りをうろうろと散策するのが目的なので、仕事前のフィジャをつき合わせてもな、というのが主な理由である。
とりあえず、パン屋やあの創世記念祭の花を買ったスーパーなど、主だったお店は一通り見て回った。
図書館に行くまでの道のりはそこそこフィジャに案内されていたのだが、意外と都会というか、店が多いことに気が付く。少なくとも住宅街という感じではない。
……ここ、意外と家賃が高いエリアだったりするのかな……。でも、開業資金を貯めているっぽかったし、そうでもないのかも? フィジャの家自体、綺麗に使われているが、そう新しそうな家でもない。
店から通いやすい範囲で安い物件、というところだろうか。
「えーっと、たしかこっちの道だったはず……」
辺りを確認し、なんとなくではあるものの覚えながら歩き、図書館を目指す。帰りの記憶は一切なく、実質一回しか通ったことのない道筋ではあったが、フィジャが目印をいくつも教えてくれていたので、なんとかたどり着くことが出来た。
本を借りるつもりはないので、貸し出しカードすら持ってきていないのだが、わたしは館内に入る。
そう言えば、事故の後、図書館に何も言っていないな、ということをここに来る途中で思い出したのだ。
フィジャが一応怪我の報告とお礼をしたらしいのだが、わたし自身も折角だから挨拶しておいたほうがいいだろう。ということで、めちゃくちゃ間に合わせではあるが、道中で菓子折りも購入しておいた。
館内に入ると、受付が丁度あのときの、気真面目そうな犬獣人のお姉さんだった。
「あの、すみません」
「はい……ああ! お体の方はもう大丈夫なんですか?」
お姉さんの方もわたしを覚えてくれていたらしく、わたしの顔を見て、一瞬で思い出してくれたようだ。まあ、あんな事故が起きれば、そうそう忘れることもないだろう。
「おかげさまで完治しました。あの、これお世話になりまして……」
そう言って菓子折りを渡そうとするも、お姉さんは「いえ」と手を前に出して、拒否のポーズを取る。
「あれは当然のことをしたまでで、お礼をされるようなことでは。それに、貴女の夫から先にお礼をいただいていますし……」
夫。きっとフィジャのことだ。
昨晩から、今まではあんまり気にしてこなかったことが、妙に耳に残る気がする。意識しすぎだ。
変に意識してしまったことを悟られないように、「これはわたしからですから」と言うと――隣から、ひょいと手が伸びてきた。びっくりして思わず手を話してしまう。
「ごちゃごちゃうるせえ、くれるっつってんだから貰っとけよ。……ああ、これオレが好きな店の奴だ。お前がいらねーならオレが貰う」
「ちょっとロロン!」
ロロン、というのは確か……わたしが運ばれていたとき、ベッドで寝ていた人の名前だったか。
あのときは姿を見る余裕はなくて、ロロンと呼ばれた人がいたのは覚えてはいるが……こんな人だったとは。
小さい耳と太くて少し先が曲がったしっぽ。これは……リスか?
ひょろりと細長く、かなりの高身長ではあるが、リスの獣人なんだな、と分かってしまうと、なんだか可愛く見えてしまう。この男性が可愛い、というよりは、リスが可愛い、という話であるのだが。
一緒に家を出る? というお誘いが会ったのだが、それは丁重に断った。気まずいから――という理由は少しだけしかなく、この辺りをうろうろと散策するのが目的なので、仕事前のフィジャをつき合わせてもな、というのが主な理由である。
とりあえず、パン屋やあの創世記念祭の花を買ったスーパーなど、主だったお店は一通り見て回った。
図書館に行くまでの道のりはそこそこフィジャに案内されていたのだが、意外と都会というか、店が多いことに気が付く。少なくとも住宅街という感じではない。
……ここ、意外と家賃が高いエリアだったりするのかな……。でも、開業資金を貯めているっぽかったし、そうでもないのかも? フィジャの家自体、綺麗に使われているが、そう新しそうな家でもない。
店から通いやすい範囲で安い物件、というところだろうか。
「えーっと、たしかこっちの道だったはず……」
辺りを確認し、なんとなくではあるものの覚えながら歩き、図書館を目指す。帰りの記憶は一切なく、実質一回しか通ったことのない道筋ではあったが、フィジャが目印をいくつも教えてくれていたので、なんとかたどり着くことが出来た。
本を借りるつもりはないので、貸し出しカードすら持ってきていないのだが、わたしは館内に入る。
そう言えば、事故の後、図書館に何も言っていないな、ということをここに来る途中で思い出したのだ。
フィジャが一応怪我の報告とお礼をしたらしいのだが、わたし自身も折角だから挨拶しておいたほうがいいだろう。ということで、めちゃくちゃ間に合わせではあるが、道中で菓子折りも購入しておいた。
館内に入ると、受付が丁度あのときの、気真面目そうな犬獣人のお姉さんだった。
「あの、すみません」
「はい……ああ! お体の方はもう大丈夫なんですか?」
お姉さんの方もわたしを覚えてくれていたらしく、わたしの顔を見て、一瞬で思い出してくれたようだ。まあ、あんな事故が起きれば、そうそう忘れることもないだろう。
「おかげさまで完治しました。あの、これお世話になりまして……」
そう言って菓子折りを渡そうとするも、お姉さんは「いえ」と手を前に出して、拒否のポーズを取る。
「あれは当然のことをしたまでで、お礼をされるようなことでは。それに、貴女の夫から先にお礼をいただいていますし……」
夫。きっとフィジャのことだ。
昨晩から、今まではあんまり気にしてこなかったことが、妙に耳に残る気がする。意識しすぎだ。
変に意識してしまったことを悟られないように、「これはわたしからですから」と言うと――隣から、ひょいと手が伸びてきた。びっくりして思わず手を話してしまう。
「ごちゃごちゃうるせえ、くれるっつってんだから貰っとけよ。……ああ、これオレが好きな店の奴だ。お前がいらねーならオレが貰う」
「ちょっとロロン!」
ロロン、というのは確か……わたしが運ばれていたとき、ベッドで寝ていた人の名前だったか。
あのときは姿を見る余裕はなくて、ロロンと呼ばれた人がいたのは覚えてはいるが……こんな人だったとは。
小さい耳と太くて少し先が曲がったしっぽ。これは……リスか?
ひょろりと細長く、かなりの高身長ではあるが、リスの獣人なんだな、と分かってしまうと、なんだか可愛く見えてしまう。この男性が可愛い、というよりは、リスが可愛い、という話であるのだが。
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