ベノムリップス

ど三一

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露呈篇

第112話 リリナグの特例

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サブリナ警備隊にて、バッツの釈放の日が近づき、刑事部門長であるハナミは捜査資料をもう一度浚っていた。ワンピースの件以来新たな情報が得られていない今、既存の資料の中に見落としている手がかりはないかと思い立ったのだ。サブリナの刑事部門の部屋には、ハナミとその部下が数人居て、今日サブリナで起きた事件について取り調べを終え、出前を取ろうかと話し合っている。

「ハナミさんは何にします?」
「今日店どこ?」
「サブリナゴハン亭です」
「なら……日替わり定食頼む」
「今日は確か……ウマ辛肉肉米麺ですね。私もそれにしよっかなあ…」

隊員達が、その店ならコレが美味い、アレが美味いと情報交換をしている中、1人の刑事部門の隊員が帰還してきた。先月の繁忙期による休日の調整の為、人手不足になっているリリナグの方に数日間応援に行っていたのだ。ただいま帰りました!と挨拶して元気に入ってくるその顔は、日差しを浴びて赤く日焼けしていた。

「おー…ご苦労さん。どうだ?忙しかったかリリナグは」
「いえいえ、納涼祭の日はやっぱり忙しいですが、配慮していただいて詰所での勤務や人通りの少ない区画に配置でしたから、それ程でも無かったです。寧ろ休みを取らずに花火が近くで見えて最高でした!あっ皆さんにお土産買ってきたので、後で机に置いておきますね~!」

隊員は、大荷物の中から四角い箱を幾つか出してハナミに見せた。その中にあった店の名前にハナミはふと疑問が浮かんだ。

「なあ、それってリリナグにある工房の名前だよな?工房で菓子とかの食い物なんて売ってんのか?」
「これはお菓子じゃないですよ、置物です。刑事部門の部屋に飾っておこうかと思って!」

箱を開けると、中からは可愛らしい仮面を被った猫の置物がでてきた。それを見た他の隊員は、ああっと声を上げて集まってきた。

「これって、フラスカさんの…“ガーデン”の!?」
「そうそう!勤務前に並んで買ってきちゃいました!人が並んで…もういっっぱいで、こんなに日焼けしちゃいましたよ~!」

隊員は制服の袖を捲って見せる。そこにははっきりとした肌色の境目があった。

「それ勤務で出来たんじゃないのか…」
「勿論勤務分もありますけれど、プライベートで制帽は被っていませんからね。ハナミさんも見てくださいよ~可愛いですから!」

ハナミは手渡された猫の置物を見る。掌サイズでちょこんと座った仮面の猫がゆらゆらと怪しく揺れる青い火をその目の中に宿している。身体の部分は柔らかな印象を受ける乳白色。底を見ると、ガーデンという工房の名前と、フラスカという技師の名前が入っていた。

「ガーデンって、最近人気の工房だろ?結構いい値段すんじゃねえか…?」
「それなりに。でもこのサイズなら手に入れやすいです。潜源石も目の部分だけですから」

潜源石には等級があり、上質な素材は相応の価格で取引される事はハナミも勿論知っていた。この小さな目に使用された潜源石で、どれほどの値が付くのだろうか。

「ねえねえ、これって幾らくらいした?次の休みにリリナグで泳ぎに行くついでに、店に寄ろうと思ってるんだよね」
「ええっと、ガーデンだとざっと…」

隊員が言うには、商品の種類、大小、宝石の有無等の関係はあるが他の工房より少し値が張るくらいだという。そこのキャビネットの上に早速飾られた猫の値段を知り、給料の何割かとハナミは脳内で考えた。

「ちょっと高いんだ。う~ん…アクセサリーと一緒に買おうと思ってたけど、少し予算オーバーかな…でも欲しい……」
「運が良ければフラスカさんにも会えますよ!並んでる時にチラッと見かけたんですけど、夏でもスーツをきちっと着こなして、ダンディーな感じで素敵でした~」
「結構ミーハーなんだな」
「ハナミさんもチンピラみたいな服じゃなく、スーツを着て色々と改造すれば負けない位格好良くなれますよ!」
「色々ってのが気になるが……」
「あ、そうだ!お昼出前頼むんだけど、どうする?サブリナゴハン亭」
「お任せ焼肉ゴハンで!」
「よし。じゃあ注文締め切るね~」

ハナミはガーデンの工房の主、フラスカの名前を何となく資料から探る。ダンディーと言っていたから、若くは無いのだろう。今手元にあるのは、潜源石持ち出し未遂事件があった当時に町に居た技師の一覧が書かれた資料。そこに名前とどの場所で店を出していたか、所属していたかわかる。最近話題の工房主とはどんな人物か気になった。

「フラスカ……フラスカ……」

一行ずつ確認して名前が一致する技師を捜していく。

「…んん~?」

フラスカの名前は何処にもなかった。もしかしたら、その当時はリリナグに居なかったのだろうか?事件が発生した際、刑事達は技師の見習いまでも調べたと覚書に書いてある為、名前が無いという事は、見習いでもなく一般人だったという事か。ハナミはそう思って机の上の資料を片づけていた。もうそろそろ昼食の時間であるので、大切な捜査資料に麺の汁が飛び散ったら部下達にこれでもかと叱られてしまう。経験がある。

「お菓子置いたんで、ハナミさんも食べて下さーい」
「おお、ありがとうな」

部下が土産にと買ってきた、リリナグの海から作った塩の結晶が表面に散りばめられた“リリナグソルトクッキー”、警備隊で販売している“安全饅頭リリナグ支部バージョン”、リリナグで獲れた魚を使った“干物せんべえ”。ハナミはどれを食べようか迷った挙句、干物せんべえに手を伸ばした。

「有名どころに、干物に……何で態々警備隊の饅頭?」
「リリナグバージョンは、中身が塩レモンクリームなんですよ。うちの肉肉饅頭も美味しいですけれど、変わり種も偶に食べたくなるというか…。その干物は、町を巡っていた時に見つけた不思議なお店で買ったんです。お土産に皆で食べるって伝えたら、これを勧められて。味見もさせてもらったんで、間違いないと思います!」
「ん……こりゃ美味いわ」

ハナミは干物せんべえを齧りながら、それが入っていた箱を見る。横には珍奇世界商店と刻印されていた。

「そういえば、詰所勤務で手が空いた時にリリナグの特例って書いてあるファイルを読んでいたんですよ」
「何だそれ」
「届け出や申請をする際に、大体というか全員本名を書くじゃないですか?」
「ああ」
「著名な技師か何かしらの実績がある技師ならば、通り名……何ていうんでしたっけ…ペンネ―ム?での居住登録や申請が認められているんですって」
「ペンネームは執筆でしょう?」

部下はハハハと恥ずかしそうに笑って続きを話す。ハナミは初めて知るリリナグの事情だった。

「リリナグは海の町でもありますが、技師の町でもありますよね。技師は一人前になると自分の工房を持って名前を変えたりするらしいんです。他と名前が被らない自分のオリジナルブランドを作るという意味や、家族経営の工房で父の名前から息子の名前に変える、など。」
「じゃあ…技師の本名と警備隊に登録されている名前が違う場合があるのか?」
「そうみたいです。立ち寄った工房の親子技師に聞きまして、お父さんは花のモチーフが得意だったんで、苗字に“フラワー”と付けて名乗っているんですって。ナントカフラワーって。それを警備隊等に提出する書類に実際書いているらしいです。店の前の名前がそのお父さんの名乗っている名前で、現在息子さんが店を継いだ時に名乗る名前に迷っていると話していましたよ~!お父さんの店の名前もいいけど、自分の名前も付けたいって。そこでピアス買っちゃいました!」

部下はその店で買った花がモチーフのピアスを他の隊員達に見せる。

「名前が違う…?」

ハナミは盛り上がる部下達から離れて机に戻り、机の中に仕舞った町に居た技師の資料を再び広げる。探しているのはギャリアーの名前。彼は事件が起こった当時見習い技師であったとハナミが知っていて、リリナグピオンにも近い人物である。

「当時の資料からギャリアーって書いてあったから、同じなんだろうが……」

捜すとその名前はすぐに見つかった。広場に展示されている彫像【羽衣奇譚】を制作した高名な装飾技師であるギャリアー・ヴェルクシュタットの名前の下に、ギャリアーの名前があった。ハナミはそうだとわかってはいたが、何かの手掛かりになるかと期待していた。それが一気に泡と消える。

「まあそうだよなぁ…」

深いため息を吐くと急に腹が減ってきた。せめて気が滅入る中でも腹くらいは満たしたいものである、とお土産のお菓子を頂戴しに行った。


リリナグ警備隊詰所の横、以前ニスと一緒に遺失物を届けに来た建物にグンカは居た。用事があって詰所を開けて訪れていた。

(よし、先月分はこれで終わった。後は人事部門、に…)

目的の場所に向かって建物内を歩いていると、ロビーの目立つ場所にある掲示板の前に親子連れが佇んでいた。何処に行けばいいかわからない場合は受付に聞けばいいが、もしかしたら悩んでいるのかもしれないと、グンカは近くで親子の様子を伺っていた。すると明るい声がロビーに響く。

「クスクス…変な絵ー!」
(変な絵?)

母親と連れ立って掲示板の前に立つ少女が指差している。指先を辿って行くと、ニスが情報提供として描いた絵があった。相変わらず何の獣だかわからないモンスターのようである。母親が素直な子どもを叱るが、力が入っていない。

「んっふふ……が、頑張って…描いたんだから…笑っちゃだめっ」
(ば、馬鹿にされている…!)

グンカは1人ショックを受けていた。情報提供のつもりでニスが描いた絵が、見知らぬ人々に笑われている。自分も全く似ていないと思った事は棚に置いて。

「ふふっ今度泳ぎに行った時、手がかりがないか探してあげましょうか」
「あたし場所知ってるよ!今学校で、この変な絵のモンスターを砂浜に作ろうって話してるんだー!」
「ええ?作る?」
「砂浜での砂像作り体験の時、グループで一つ作品を作るんだけど、あたし達のグループではこのモンスターにしようか、赤昆布妖怪にしようか割れているの!他のグループの子達は可愛い犬とかお城とか作るのに。あたしも作るんだったらそういうのがいいなー」
「あらあら、それっていつ?」
「明日~だから運動着持って行かなきゃ」
「えっ運動着切れたから直さなきゃいけないのに!もう~行事の時は早く言ってよね」
(モンスターが独り歩きしている……あかこんぶようかい…?)

グンカは親子が去った後、掲示板の前に立ってニスの紙を手に取った。

(この紙が子どもたちに変な影響を与えているとは…。真面目に落とし主を捜そうとしているのだがな…遊び半分で名乗り出る者が居るかもしれない。これは掲示を取り下げる事も検討せねばいけないか…?)

腕を組んでこれをどうすべきかと考えていると、以前ニスを対応した担当隊員がグンカの姿を見つけて駆け寄ってきた。

「隊長、お疲れ様です」
「ご苦労」
「その情報提供の紙、もう取り下げてしまうのですか?」
「どうしようか考えている。子ども達が何故かこの……イラストを面白がっているようでな。あまり軽々しく扱ってはいけないのではないかと」

グンカが悩んでいると打ち明けると、その担当は何故か惜しいという表情をして静かに「そうですか」と言った。

「どうした…?」
「あっ…すみません、なんでもないのですが…」
「何かこのイラストの事で、気になる事でも?落とし主の手がかりが集まっているのか?」
「いえ、手がかりは全く。でも…」

担当は少々言い辛そうに口を開いた。

「今…こちらの部門で、子ども達の間で話題のこの…モンスターを使わせていただいて…海辺の安全講習をできないか、と…話が出てまして」
「こ、このモンスターをか?」
「はい……私、最初はこのイラストを見ていて、夜夢に出てきて魘される事もあったんですが、毎日見ていると…不思議と愛着が湧いてくるっていうか……濁して言うと上手ではないんです。でも…だんだん…見ていると心がほっとするようになってきて…」

グンカは一体何を言っているんだ、と内心では思っていたが、心の中で留めておいた。

「…届けて頂いた方に失礼なのは百も承知ですが、このヘタッピイラストを堂々と提出してきたのを考えると、心が軽くなるのです」
「そ、れは……流石に失礼かと……」
「隊長のお知り合いの方ですよね!?すみませんっ!ヘタッピですけど、私自身は好きなんですよ!?寧ろ華々しい芸術じゃ肩の力が抜けないというか、何も考えないで見ていられるというか!本当なんです!」
「わ、わかった。悪気はないのだな?それならば…」

グンカはこの件をニスにどう伝えるべきか迷う事になる。
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