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罠にハマる
しおりを挟む蘇る既視感に俺は口の端を引き攣らせながら、なんとか今できる最大限の笑顔を作った。視線の先には恰幅の良い優しそうな表情の初老の男性。肘置きに腕を置き、待ちくたびれたかのように頬杖をついていたが、俺を見て表情を明るくさせた。
俺は客間に入ると、戸を閉め向き直った。
「お待たせいたしました。カイ花魁の名代で参りましたアリスです」
「アリス! 久しぶりだなぁ」
男性は声を弾ませ俺を手招きした。
俺は一瞬躊躇いながらも、言われた通り男性の横につき、お酌をする為に徳利を持ち上げた。が、シワだらけの手で制されてしまい、どうしたらいいのか分からなくなってしまう。
「お酒を飲んでしまうと長い時間楽しめないから、ね?」
男性は俺の顔を見て和かに微笑み、俺は返事を返すかのようにぎこちなく笑い返した。
名代、つまり、花魁の代わりに座敷に上がる話が出たのは、この間同様直前のことだった。
今度はカイの補佐ではなく、カイの代わりとしての指名だと聞いた時には、流石に聞き間違いかと思った。
しかし、どうやらカイの体調が思わしくなく、今夜は客の相手ができない。今日来るのは前に俺が会ったことがあるお得意様で、それならば手が空いている俺に相手を任せよう、という流れらしい。
理由だけ聞くと最もらしい気もするが、カイの代わりというのがどうしても引っかかってしまう。この間のことを含めてもカイは確実に俺のことが嫌いで、そんな嫌いなやつに自分の大事なお得意様を任せるだろうかと勘繰ってしまう。
勿論、背に腹は変えられない状態なのかもしれないが、警戒するに越したことはないような気がしていて、俺は一人緊張した。
不安そうな俺にニコラは「何かあったら俺を呼べ」と声をかけてくれたが、ニコラに助けてもらってばかりは気が引ける。
出来れば自分の力で何事もなく終えたいと思う。
俺は早速三味線を手に持つと、沢山の物語を頭の中に思い浮かべ始めた。今日は何にしようと考えた結果、選んだのは怪談だった。
肝試しの企画を思い付く程度には俺はホラーの類いが好きだった。だから話せるレパートリーもそこそこあり、厳選した怪談話を披露してみようという気になった。
突拍子もない桃太郎やシンデレラを気に入ったような人なのだ。怪談話も喜んでくれるに違いない。
この前やったように、見よう見まねで三味線を掻き鳴らす。シャロニカさんが持っていたのを参考にしたので、持ち方だけは前回より改善しているはずだ。
「ある小さな村に一人の女の子がおりました――」
俺はどこかで聞いたことがあるような怪談を気持ちを込めて語り始める。怪談は語り手の喋り方一つで面白さが変わってくる。沢山のお金を払ってもらい披露するとなれば、全力で挑まなければ失礼だ。
時には子どもたちが泣き出すこともあったお得意の抑揚でポツポツと言葉を繋げていく。男性も引き込まれたのか、固唾を飲んで俺の言葉に耳を傾けてくれた。
「…………以上です」
俺が選んだ怪談は大きな声を出して脅かす類のものではなく、後からジワジワと恐怖が付いてくるもので、終わり方はあっさりとしていた。しかし、男性はしっかりと怖がってくれたのか、着物の袖から見えた腕に鳥肌が立っていた。
「本当にアリスの話は引き込まれるものばかりだなぁ!」
褒められるとこんな状況でも素直に嬉しくなってしまう。男性がもう一度手招きしたので、調子良く近くまで膝を滑らせた。が、これが良くなかった。
「とても怖い話だったからね、ほら、こんなに鳥肌が立ってしまったよ」
「…………楽しんでいただけたようで嬉しいです」
「もっと聞きたいと思うんだがね、何分わたしは怖がりでね。どうか手を握っていて欲しいんだ」
俺の答えを待たずに握られた手に、今度は俺の方が鳥肌が立った。反射的に振り払いそうになるのをグッと堪え、引き攣った笑顔で僅かに身体を反らせる。
「でも、手を握ったままだと三味線が弾けませんので……」
「三味線なんてほとんど弾いてないじゃないか」
ぐうの音も出ない。
あまりに強すぎる右ストレートに俺の頭の中は一気にパニックになる。こういう時のかわし方を俺は知らない。握られた手を離す方法を考えることに集中し過ぎて、自分が今どういう状況になっているのか分からなくなっていた。
気付けば俺の帯に男性の手が触れていた。
「え……?」
「今日の相手はアリスがしてくれると聞いて嬉しかったよ」
「なん――」
なんの話だ、と聞く前に、気付けば俺は畳の上に転がされていた。あまりにも動きが手慣れていて、初老とは思えない身のこなしに唖然とする。
しかし、このまま流されていては自分の身が危ない。
今日の俺の仕事は前と同じように三味線を弾き、場を盛り上げることだと聞いていた。そのぐらいなら、と了承したが、この感じだと行き違いがあったわけではなさそうだ。やはり、嫌がらせの延長だったのだと今更理解してももう遅い。
目の前の獲物を見つめる男性の瞳からは穏やかさが消え失せていた。
「…………浮気は御法度ですよね?」
こうなってしまったら、最後の望みをかけて『遊郭の掟』に頼るしかない。馴染みの遊女がいるのに他の遊女に手をつけるのは御法度で、良くて出禁。悪くて殺傷沙汰になることもある。
それだけの大罪を、一時の気の迷いで犯していいのかと、目でするどく訴えかける。が、俺の言葉に大笑いを始めた男性は、俺の手首を握る手に一層力を込めた。
「カイ公認なら浮気にはならなんだよねぇ」
「公認……!?」
流石にそこまでするとは思っていなかった。
そして、なんとなく感じていた掟の効力の弱さを実感する。ニコラもカイに客を取られたと言っていたように、建前で掟は存在するものの、結局稼げる力を持った者がルールとなるのだ。
そういう世界だと、思い出す。
こうなってしまうと、もう俺にはどうすることもできない。助けを呼んでも声は届かないだろう。元来ここはそういう場所なのだ。
ニコラの顔が頭の中に浮かんだが、ニコラの立場を考えたら声を出すことはできなかった。
(甘く考えていた俺が悪い)
大丈夫、死ぬわけじゃない。ここではみんなそうして生きている。
必死に言い聞かせながら、太ももに這う手の感触を無視しようと努力する。
目を力一杯瞑り過ぎて顔が痛くなってきた。でも身体のどこかが痛いと、心の痛みが軽くなるような気がした。
「ほら、そんなに緊張しないで力を抜いて」
反抗するように唇を強く噛む。じんわりと口の中に鉄の味が広がった。
「あーもう、そんなに唇噛んだら駄目じゃないか」
男性の手が動き、俺の唇に触れる気配がした。瞬間。
「えっ!? 夜柯様珍しい~!」
場にそぐわない間延びした猫撫で声。
客間が続いている廊下で、空気を読まずにこんな声を出す人物を俺は一人しか知らない。
「あたし、今日珍しく暇なんですけどぉ~」
嘘だ。ペトラさんが暇な日なんて一度も見たことがない。また客を言いくるめて楼主と遊ぶために無理矢理空き時間を作るつもりでいるな、と今自分が直面している現実から目を背けて考える。
俺の上に跨っている男性もペトラさんの声に気を取られたのか手が止まった。
「え、この部屋に用があるんですかぁ? ここ、今は使用中で~」
何やら困惑するペトラさんの声が近付いてきた。あれ? と思った時には障子戸の向こうに二人の人影が映った。
そして、間髪入れずに戸が開かれる。
ペトラさんのきょとんとした顔がまず目に入った。そして、次に俺を見下す冷たい金色。自体が飲み込めず、完全に固まってしまった男性は俺の上で微動だにしない。
「だからぁ使用中って言ったじゃないですか~!」
こんな状況でもペトラさんはマイペースで、まるで俺が襲われているのも平気そうに見ている。
楼主は動かなくなった男性を上から下まで値踏みするような不躾な目線で辿り、そして俺の顔を見た。
「あれ? アリス泣いてるの?」
ペトラさんに言われて初めて気がついた。
自分でも気付かない内に流れ出ていた涙は、頬を伝い畳の上を濡らしていた。
「あの、これは……っ」
恥ずかしさに顔を覆ってしまいたくなるが、両手は固定されていて隠す術がない。
ようやく男性が我に返り、あの温厚そうな見た目からは想像できないような怒鳴り声を上げた。
「なんだ君たちは! ここがどこだか分かっているのか!?」
「分かってますけどぉ……」
相手がどんなに激昂していてもペトラさんの口調は変わらない。この程度のトラブルなんて、大したことないのだろう。
ペトラさんの平然とした返しに男性の怒りは益々強くなり、余った力が俺の手首を締め付けた。
「いた……!」
俺が声を出すのと同時、楼主は部屋の中に踏み込んで、俺の手首を掴んでいた男性の手を取り捻り上げた。一つの無駄もない動きに何が起こったのか分からなかったが、男性の上げた悲鳴によってようやく自体を飲み込む。
手首を捻りあげられてもなお、俺の上から退かない男性の横腹に楼主の蹴りが入った。う、というくぐもった声を吐きながら、男性は俺の隣へと転がった。がしゃん、と派手な音を立てて膳がひっくり返る。
「何をする……!」
腹を庇いながら起き上がった男性に楼主は低い声で失せろと告げた。しかし、プライドが邪魔をするのか、男性はその場を動かず、楼主のことを睨み続ける。すると、それを見ていたペトラさんが優雅な足つきで部屋の中へと入ってきた。そして、男性の目の前でしゃがみ込む。
「嫌がってる遊女抱こうとするなんて、恥ずかしくないんですかぁ?」
「…………え?」
「確かに、ここはそういう場所ですけど~だからって何でも許されるわけじゃないのでぇ」
ペトラさんの一見いつもと変わらない声が凄んで聞こえるのは何故なんだろう。
「遊女一人その気に出来ないなら、ここに居る資格はないってことですよ~!」
「遊女の分際で何を……!」
「その遊女に癒しを求めに来てるのはどこの誰なんですかねぇ」
ペトラさんの煽りはどんどんエスカレートしていき、それに比例するように男性の顔は赤く爆発しそうになっていた。
その間にも騒ぎを聞きつけた野次馬が部屋の前に集まり出した。暇をしていた遊女や近くの部屋に来ていた客もいて、一種の見せ物のような状態になってしまった。
「それに、あなた確かカイ花魁の馴染みですよねぇ? 浮気は御法度っていうの、分かってます?」
「それくらい分かってる! カイが今日だけは許すと――!」
男性はしまった、という顔をした。
大方、内密に、とでも釘を刺されていたのだろう。
それを聞いたペトラさんは楼主に負けないくらいの冷ややかな目で笑って見せた。
「困るんですよねぇ、そういう勝手なことされると」
そう言ってペトラさんは、楼主の方を見る。
「カイ花魁にも何らかの処罰が必要ですよね、ね? 楼主様」
楼主は何も反応しなかったが、楼主という言葉に男性は小さく悲鳴をあげた。
(楼主の顔を知らなかったのか……)
自分だけではなく、カイにまで影響が及ぶと分かった途端、男性は見るからに弱腰になった。
「か、金ならいくらでも払うから……だからカイだけは……!」
この男性のことを好意的に見ることは今後一切ないが、こんなに慌てふためいて許しを乞うほどカイのことを好きなのかと、不思議な気持ちになった。
「話が早くて助かります~!」
ペトラさんは男性が差し出してきた金貨を全て奪い取ると、「お騒がせしましたぁ~みなさん戻って下さい~」と野次馬を散らしつつ部屋を出て行った。
部屋に残された俺と男性、そして楼主だけの気まずい時間が流れる。
徐々に楼主のことが怖くなってきたのか、それとも今後のカイとの付き合いに不安を覚えたのか、小刻みに震え出した男性は、まるで酔っ払いの千鳥脚のように脚を絡ませ、転がるように部屋から逃げ出した。
そうして、思いがけず二人だけの空間が出来上がってしまった。
相変わらず何も喋らない楼主に、どうしたらいいか分からない俺は、とりあえず部屋を片付けようと立ち上がろうとした。が、腰が抜けていて上手く脚に力が入らない。
情けなくてまた泣きたくなった。
考えが甘かった自分も、男に押し倒されて動けなくなってしまった自分も、楼主に情けない姿を見られてしまった自分も、全てを忘れたくなった。
楼主は無言で俺を見下し、そしてゆっくりと近付いてきた。出来れば今は近づかないで欲しいという俺の思いは届かず、すぐそこまで距離を詰められる。はだけた格好が急に恥ずかしくなり、とりあえず前を合わせようと動こうとすると、手首を捕まえられた。
俺の手首には男性に握られた手の跡がくっきりと残っていて、目にした瞬間背中に寒気が走った。
よく、心霊現象としてこの手の話はあるが、生きている人間が一番恐ろしいと思った。
赤くなった跡をなぞるように楼主は親指を滑らせた。触って欲しくはないのに、触られると安心する矛盾に自分が分からなくなる。
「あ、の……! っ」
場を誤魔化したくて口を開くと、さっき噛んだ傷口が開いた。下唇から再び血の味がしてきて、それが口内に広がると、押し倒された場面がフラッシュバックし始めた。途端に身体が震え始める。
もうこれ以上、こんな俺を見ないで欲しい。
そう思っていると、そっと、唇に指が触れた。具合を確かめるようにゆっくりと動かされた後、呆気に取られる俺を置き去りにして、今度は唇が触れてきた。
周りの音がしなくなった。
傷口をざらりと舐められ、ようやく音が戻る。
「は!? な、に……!?」
慌てて楼主の肩を押し抵抗するが、後頭部に手を回され身動きが取れなくなってしまう。気遣うように触れられたのは最初だけで、その後は強引だった。俺の意思はここに存在しないとでも言うかのように、一方的で身勝手なキスが続く。
もしかしたら、こんなのはキスとは言わないのかもしれない。
しかし、不思議と怖くはなかった。それどころか、フラッシュバックした記憶ごと、上書きされてしまった。
そうなると、俺に別の感情が芽生え始めた。
段々と困惑からイラつきに変わってきた俺は、唇が離れた一瞬の隙をつき、思い切り身体を離した。そしてその勢いのまま、大きく腕を広げると、渾身の力で楼主の頬に手を打ちつけた。
バチン、と鈍い音がした後、自身の手に残るビリビリとした感覚。人のことを初めて叩いてしまった衝撃と罪悪感ですぐに腕を引っ込める。
赤くなった頬に手を添えた楼主は、冷たい瞳で俺のことを見た。
やり返されるかもしれない。瞬時にそう思った俺は固く目を閉じた。最初に暴力を振るってしまったのは自分だ、やり返されても仕方がない、そう覚悟を決めていたが、想像していた痛みはいつまで経ってもやってこなかった。
不思議に思い恐る恐る目を開くと、目の前には眉尻を下げた楼主がいた。
(え…………?)
目が合うと瞳の中が僅かに揺れた。
泣いてこそいないが、それに近い空気が漂う。
俺が何が言葉を発するべきか悩んでいると、楼主は急に立ち上がった。そしてまた何も言わずに去ろうとする。
「あの……!」
慌てて呼び止めようとするが、一度も動きを止めることなく、楼主は部屋から出て行ってしまった。
最終的に部屋に残された俺は、一人、散々な残状の部屋を見渡しながら頭の中を整理し始めた。
今日酷い目にあったのはどちらかというと俺で、泣きたいのも俺のはずなのに、何故か楼主が泣きそうな顔をしていた。全く意味が分からない。
確かに、いきなり引っ叩いてしまったのは俺が悪かったが、楼主もそれなりのことを俺にしたと思う。
(これって、俺が悪いのか……?)
何について頭を悩ませたらいいのか分からなくなってくる。
俺は何も考えられないまま立ち上がると、ほとんど茫然自失の状態で部屋の中を片付け始めた。
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